2020年に映画館で視聴した映画短評(その4)

*今年観た映画なので、去年の作品も含みます。5点満点で最低点は0

 

・バルーン 奇蹟の脱出飛行 2.5
ギリギリの逃避行のハラハラ感は十分だが、行動が甘すぎるし、何より何故東ドイツを出たいのかが伝わってこない。どこまでが実話なのか分からないが、脚本の甘さは否めない

 

・悪人伝 4.0
ヤクザの組長と暴力刑事のタッグは梅宮辰夫と武井壮が組んだように見える。それはさておき、二転三転するストーリーは最後まで惹きつけられること間違いなしで、エンタメとして完成度が非常に高い

難点は、こういう作品とは言え無駄な暴力シーンが多いように感じるのと、梅宮もといマ・ドンソクの存在感がありすぎて他の人物が霞んでしまっているところ

邦画でもこのレベルの作品を作って欲しいものだが、無理だろうなあ…

 

・なぜ君は総理大臣になれないのか 3.8
政治家小川淳也を追いかける話ではあるが、人間小川淳也にもスポットライトを当てた作品故に政治ドキュメンタリーとしては物足りない所もある。もう少し若い頃、特に前原誠司の側近としての話にはもう少し触れて欲しかった

とは言え、彼の政治思想については十分に垣間見れるし、理想と現実の間で苦悩する姿は良く描けている。若い頃は尖っていたらしいが、正に安倍の犬とも言える田崎史郎とも親交があるのは今では丸くなったんだろうなと思わせる

総選挙での選挙運動をメインに据えるのはベタでどうかと思うが、ドキュメンタリーとは言え作品としての核は必要だし、人間小川淳也が浮き彫りになる構成で映画として良くできていると思う

 

・泣きたい私は猫をかぶる 2.3
この映画を一言で言えば"岡田のちジブリ"。前半はムゲがニタニタしたり、女同士のどつきあいだったり岡田らしい斜に構えた恋愛描写なのに、後半は陳腐なアドベンチャーなのが残念。更に、前半と後半の繋ぎが不自然で後半を無理やり差し替えたのが分かる

監督と脚本の相性が悪いのは事実だろうが、こういう中途半端は岡田らしさ、ジブリらしさを期待した双方から低評価を食らって得することは何一つ無いと思うがなあ…。上映会でよかったと思えた作品だった

 

・はりぼて 3.9
これぞ市民の勝利と言った爽快感がある反面、芋づる式に不正が発覚するのをひたすらに追う作品なので単調なのは否めない。ただ、この作品が上手いのは単調さをSE一つで吉本新喜劇的なお約束の笑いに繋げた所。ベタ、単調も見せ方次第で面白くなるいい例

余談だが、作品中に出てくる富山市長。食わせ物に見えるが、過去に舌禍騒動を起こしているようで慎重になっているのだろう。JR富山港線富山ライトレール富山地鉄は他じゃまず無理。ましては議会がこの様だからねえ。称賛に値すると思う