2025年に視聴した映画短評(その1)

*今年観た映画なので、今年公開の作品とは限らない。5点満点で最低点は0

 

ホーンテッドマンション(2023) 2.3
(東京)ディズニーランドの人気アトラクションである『ホーンテッドマンション』を実写映画化。2003年(日本では2004年公開)にもエディ・マーフィ主演で映画化されているので二度目の映画化になる

ホーンテッドマンションにストーリーなんてあるのかと思うが、TDRのホームページによると、「不気味にそびえるゴシック風洋館。ここに住む999人の幽霊たちは、皆さんを1000人目の仲間に加えようと待ち構えています。目が光る肖像画、人もいないのに突然鳴りだすピアノ。そしていつの間にかあなたの隣に座るのは…!?」ってことらしい

更にマダム・レオタに関するストーリーがあるのだが、これはディズニーワールドのキャストが創作したストーリーでディズニー公式のものではない。マダム・レオタは2003年版にも2023年版にも登場するが、映画のストーリーはどちらも別物になっている。一部、世界観を共有しているってところか

本作にホラーを期待するなら見ない方がいい。怖いってレビューも多いのでどっちなんだって思うだろうが、本作はディズニー作品だし普段ホラーを見ない人も見ている筈。ホラーを見慣れている人にとっては子供騙しにすらならないレベルだと思う

ただ、本作は『ホーンテッドマンション』。ディズニーランドのアトラクションの雰囲気を再現しているって点では良く出来ていると思う。ご存知のようにホーンテッドマンションは乗り物に乗って館内を移動するが、CGの幽霊もアトラクションっぽいしライド感が出ている。2003年版にも移動する描写はあるのだが、ホーンテッドマンションらしさという点では2023年版だろう

ストーリーに関しては意外にしっかりしている。2003年版はストーリーなんて無いようなものだし。ただ、面白いかと言われると微妙。上映時間2時間超は長すぎる。登場人物の不幸自慢みたいになっているので、これをカットして純粋に館の謎に迫る話にすればコンパクトに纏まって良かったと思うが

IMDbの評価は2023年版は6.0、2003年版は5.2。個人的には2023年版の方が高いのは納得がいく

2003年版は上映時間98分とコンパクトに纏まっていることとエディ・マーフィらしいコメディ色の強い作品なのが特徴。しかし、ホーンテッドマンションの実写映画化かと言われるとね…。ディズニー信者ならあの白雪姫ですら「白雪姫と思わなければ楽しめる」そうなので、2003年版も「ホーンテッドマンションと思わなければ楽しめる」だろうし、欠点に目がいかないならエディ・マーフィという有名俳優が出演している2003年版の方がいいって人も多いのだろう

 

キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド 2.0
アベンジャーズ』シリーズなどで活躍しているヒーロー、キャプテン・アメリカを主役にしたシリーズ第4作。筆者はMCUなどアメコミ映画にはあまり興味がないので殆ど視聴していないが、”場外戦”が盛り上がったので視聴してみることに

しかし、この程度の発言で発狂するのは沸点が低すぎると思う。背景として本作からキャプテン・アメリカは二代目になっているが、昨今の行き過ぎたポリコレの流れも相まって白人→黒人へのスイッチが(白人保守層にとって)面白くないこと、トランプが当選して反DEIを掲げていることもあって保守層が血気盛んな時期での発言なのがタイミングとして最悪だったのが理由だろう

本作の評価は高いとは言えない(日本での評価は別)が、ファンからの評価は悪くないようだ。評論家の評価が低い理由の一つが「DEIへの配慮が足りない」というもの。黒人が悪役(の一人)なのが原因なんだろうが、ただでさえ黒人の比率が高くなっているのに黒人を悪役に出来ないんじゃミステリーやサスペンスは成り立たないと思うが。映画の内容以前に白(人)か黒(人)かが大問題になるのは病めるアメリカを象徴している。こんなんじゃ大統領選の前後に大作の公開なんてできないし、衰退基調にあるアメリカのエンタメ業界が更に萎むことになりかねない

本作の興行成績はディズニーにとっては爆死なんだろうが、そもそも多くを求めすぎだと思うがな。興行が振るわなかった理由としては二代目キャプテン・アメリカの認知度が高くないこととディズニー商法の行き詰まりだろう。前者についてはどうしようもないので後者だが、MCU作品って”予習必須”ってイメージがあるからなあ。一作品単体で完結できる話を強引に過去作に結びつけているところがあって、それを見ていないと話に入っていけない。しかもその作品がお布施(Disney+)必須だったりするので、「もうMCUはいいわ」って思っている人が多いのでは

「そんなのビジネスなんだから当然じゃないか」というのは信者の論理で、一般的には順序が逆。本作を見て面白かったから過去作や関連作品も見てみようになるのが筋というもの。それに大作は信者以外も見てくれないとペイしないし、新たなファンを獲得できなければ先細りになるだけ

本作に関しては入りは気になるものの、前作や関連作品未視聴でもついていけるレベル。ただ、他の作品との関連を匂わせるシーンは多いし、何より新キャプテン・アメリカや大統領に就任したロスへの思い入れが皆無だと作品に入り込めない感じはする

まあ、ストーリーが秀逸なら自然と作品に引き込まれるものだと思うが、ぶっちゃけ普通の娯楽作品レベル。『キャプテン・アメリカ』シリーズはポリティカルサスペンスでもあるようだが、正直サスペンス色は薄い。希少鉱物(アダマンチウム)を巡る話とロスの個人的な疑惑の話が噛み合えばもっと面白かったと思うけど。完成度が低いって印象を与える要因になっている

日本で評価が高い理由は既にMCUのファンしか見ていないことと日本の首相がアメリカに対して毅然とした態度をとることだろう。タカ派で知られた安倍晋三元首相だってアメリカに対しては低姿勢だったからな。政治家や役人の弱腰姿勢を不満に思っている人が多いって証だと思う

本当はアメリカ空軍が今やアメリカにとっての最大の敵である中国の戦闘機を撃ち落として戦いに勝利すれば”強いアメリカ”をアピールできて万々歳だろう。DEIも何故か黄色人種には適用されないし。しかし、そんなストーリーにしたら国際問題になりかねない。そこで選ばれたのが”アメリカの犬”日本。日本なら日米同盟を落とし所にできるし

とは言え、政治家や役人は腰抜けでもネット民はそうではない。ディズニーではないがバーベンハイマー騒動は記憶に新しいし、二の舞はゴメンだと思ったのだろう。キャプテン・アメリカは強いアメリカの象徴だから、その映画に関することで外国に対してリアルで謝罪する事態だけは絶対に避けたいと思ったのだろうな。それが日本の首相が強気な設定にされている大きな理由だろう

長々と書いてきたが、MCUのファン以外が本作を見てファンになるほどの作品ではないと思う。暇つぶしや機内などで視聴するにはいいかも知れないが、劇場で見るほどではないだろう

 

・白雪姫(2025) 0.5
中指を立てて世間を挑発しまくる主演女優である自覚のない活動家のせいもあって、予告編が公開されるや否や低評価の嵐。「マイクロソフトでさえ林檎(アップル)を応援する」「(レイチェル・ゼグラーを美しいなどという)魔法の鏡はTEMUで買った鏡じゃないの」とアンチの熱いエールを受けた本作だが、案の定興行成績は振るわず大赤字確実の模様。提灯ライターらはレビューボム(による不当な低評価)のせいだと批判するが、ディズニーは過去にレビューサイトに圧力をかけて言論統制を行った前科がある訳で、今回の作品だって圧力をかけてこの程度の可能性だってある

しかし、爆死の責任を全てレイチェル・ゼグラーに負わせるのも違うように思う。何故、ガル・ガドットを起用したかね。ただでさえ問題児のゼグラーは物議を醸す言動が多いのに、(イスラエル出身の)ガドットと相容れないのは分かっていたこと。それに爆死は公開前のネガティブキャンペーンのせいだけではないと思うしね。実際、高評価なんてできる作品じゃないって

強いて褒められるとしたら映像面。流石、ディズニーだけあって安っぽさは全くない。ただ、本作は”実写版”白雪姫。最近のディズニーアニメの実写映画全般に言えることだが、CGに頼りすぎ。CGゼロにしろとは言わないが、ノーランを少しは見習った方がいいと思うがな

問題なのは脚本。雪の日に生まれたから白雪姫とかいうポリコレ全開設定から始まるストーリーだが、そんな設定なんて些末に思える位普通につまらない。メディアの違いこそあれ1937年公開のアニメ版は83分なのに対して本作は109分なのもあってか、ダラダラ進行して何となく終わってしまう。それとポリコレに限らず今風の要素を色々加えたにも関わらずミュージカル仕立てなので、要素過多で散漫な感じだからだろう。こう書くとミュージカルをバカにしているようだが、実際ミュージカルってそんな複雑な話じゃないでしょ。歌や臨場感で観客のイマジネーションを喚起するのがミュージカルだから、特にポリコレを意識した細かい設定とは非常に相性が悪いと思う

原作がグリム童話なんだし子供も見る作品に多くを求めるなとか言い出す輩もいそうだが、子供向けの作品だって良い作品はメリハリがあって最後盛り上がって終わるものでしょ

アニメだって原作改変しているし、原作改変が悪いとは思わない。中途半端にアニメを踏襲するから駄作になる訳で。王子様でええやん。好きでもないただの友達とキスしたってキュンキュンしないだろ。○○○郁かよw王子にキスされて目覚めると王子より格下に思われるとかツイフェミ思想を拗らせたのか。だったら原作ではキスはしないのでキス以外の方法にすれば良かっただけだと思うが、ツイフェミはイケメンならOKなんだっけかw

つーかヒール姫で良かった。勿論、癒やしじゃなくて悪役の方。ゼグラー女史はアンチ多数で、アンチに熱烈なエールを送られる生粋のヒールなんだから。女王を追い出したら自分が女王になって圧政を敷いて、元の女王には真っ赤に焼けた鉄の靴を履かせて死ぬまで踊らせるならアンチも大喝采だったと思うけどね

ポリコレの何が駄目って他の作品でも言えることだが、ポリコレ姫は有色人種の代表。少しでも有色人種のネガティブイメージに繋がるようなことがあれば些細なことでも改変するので、全体を通してみると整合性に欠けることが多々ある。しかし、ポリコレブームで採用された無能な活動家もどきはポリコレを徹底すれば売れると確信しているから、ポリコレによって脚本が破綻しても絶対にポリコレのせいにはしない。そりゃ駄作を量産するわな

本作とキャプテン・アメリカの不振でディズニーの映画製作は大幅見直しを強いられているようで、実写版『塔の上のラプンツェル』の製作が一時停止されるなど大混乱って感じ。今のディズニーはポリコレ派と反ポリコレ派のせめぎ合いで社内がガタガタなんだろうな。今や有色人種を主人公にするだけで前評判が悪くなる感じで、このままだと逆にホワイトウォッシュの再来を許しそう。ホワイトウォッシュもブラックウォッシュも論外だし、DEIという幻想は捨てていい加減目を覚まさないと。これからの時代、超大企業だって普通に倒産すると思うし、それがディズニーでもおかしくないと思う

 

・白雪姫(1937) 3.5
実写版だけでなくアニメ版の方にも触れておく。子供の頃の記憶ではなく、ちゃんと見返してのレビュー

白雪姫をモチーフにした作品は多いが、一番に思いつくのは本作というか本作以外は知らない人も多いだろう。作られたのは何と今から約90年前の1937年(日本公開は1950年)。世界初のカラー長編アニメーション映画(因みに日本初は1958年の『白蛇伝』)で、それこそディズニーが社運をかけて制作した作品。ヒットしていなかったら潰れていただろうが、蓋を開けてみたら大ヒットで会社だけでなくアニメーション技術の礎となった

映像的には流石に古さは否めないのだが、同時に1937年にこれだけのアニメ作品を作った労力と技術力に驚く。情けないことに今でもカクカクの作品をチラホラ見かけるし、ましては口パクすら禄に合っていない作品さえあるからな。まあ、今の作品でカクカクなのは主にCG作品だし技術力より予算の問題が大きいとは思うが、とりあえず作っとけ的なやっつけ仕事では感動するような作品は生まれない

実写版の方で触れたが、アニメ版はかなり原作改変されている。「童話って結構残酷」って言われるが、実際もっと冷酷非道。原作では執拗に命を狙われるが、アニメ版では毒リンゴだけ。継母(女王)も落雷で崖から転落死に変更(原作は熱々の鉄の靴を履かされて死ぬまでダンス)

映画がヒットした最大の要因と思われる改変が王子のキスによって目覚めるようにしたこと。原作では白雪姫の棺をかついでいた家来が躓いた時に喉に詰まっていた林檎が吐き出されて息を吹き返したので、このままだったら感動の欠片もなかっただろう

正直、全体的に見て間延び感がないかと言ったら嘘になるし、ツッコミどころも多い。本作の上映時間は83分だが、昨今のアニメのテンポだと下手すれば上映時間は半分かも。まあ、昔の作品に比べて今の作品はスタッフロールが長いから、半分にしようと思ったら更に5分位は削らないと無理だけど

ただ、シンプルな分一つ一つのイベントが印象に残るし想像力も掻き立てられる。白雪姫で最も有名な曲といえば『ハイ・ホー』だと思うが、台詞で7人の小人の紹介をさせると時間が長くなりそうなのをこの曲で説明しているからなあ。キャッチーなメロディだけでなく、構成的にも素晴らしい

時代によって採点基準を変えるのはどうかと思うのでスコアはこの程度にしておくが、もし1950年にこの作品を初めて視聴したらSUGEEって思うことは間違いないと思う。技術が進化して多様なエンタメが溢れる現代と当時を比較するのはナンセンスだとは思うが、現代ではエポックメイキングだと思える事象に出くわすことが皆無だからなあ。1970年なら月の石SUGEEと思えても、今では…。人間の欲望に限りがないのは良いことでもあり悪いことでもある

 

白雪姫と鏡の女王 3.0
原題は『Mirror Mirror』。2012年公開のアメリカ映画で主演はジュリア・ロバーツ。タイトル通り、白雪姫を題材にしたコメディ色の強い作品

最近、ディズニーの実写板白雪姫が公開されたが、本作は7人の小人が盗賊になっているなど、まるでディズニー版を予見していたかの内容。尤も、ディズニーは自分たちの権利にはうるさいのに人様の権利は蹂躙して当然というジャイアニズム企業なので密かにインスパイアしていたかもね。まあ、この程度ではパクリではないと思うが

女王だけでなく白雪姫も今時の女性らしい性格で、盗賊たちに仕込まれた剣術によって「女とは戦わない」と言っていた王子をやっつけてしまうし、キスシーンも自らキスをするなどかなり積極的。但し、決してポリコレかぶれの作品ではないしファンタジーらしさも健在。ターセム・シン監督はインド出身ということもあってインド映画みたいなラストも悪くない

コメディ色が強いが割と皮肉めいた笑いという感じで、アメリカ映画というよりヨーロッパ映画のノリ。ゲラゲラ笑うというよりクスッとしてしまう

衣装は綺麗で風景もファンタジーっぽいが、やや安っぽさを感じるのも事実。コメディ作品なのでそこまでは気にならないが、制作費8,500万ドルの作品なのでしょうがないか

女王役のジュリア・ロバーツは流石の存在感で当に悪女って感じだし、白雪姫役のリリー・コリンズもピッタリ。こちらの方が内容はポリコレ姫っぽいのにゼグラー女史より姫様っぽいもんなあ。やっぱりゼグラー女史はミスキャストだわ

元が白雪姫なので大人が見て大満足という作品ではないと思うが、ゼグラー姫に絶望した人の口直しには悪くないと思う。しかし、コメディ作品で原作(ディズニーアニメ)からの改変も多いので、アニメ版が好き過ぎる人には無理かも知れない

2023年に放送・配信されたアニメレビュー(その3:評価1.7以下)

2023年に放送・配信されたアニメレビュー(その2:評価1.8-2.5)の続き

 

・AYAKA -あやか- 1.7
GoRAとKING RECORDSによるオリジナルアニメ

アニメ制作はスタジオブラン。バトルシーン以外の作画は悪くないが、バトルシーンがねえ…。シーンが長いのに淡白で迫力にかける。キャラデザ的には腐女子狙いと思われるので、ヲタ向けの志の低い作品に作画コストをかけたくなかったのだろうな

とは言え、コンセプトが不明な作品。腐女子が靡くほどのイケメンキャラとは思えず、上述の通り(異能)バトルもショボい。「イケメンに(呪術廻戦っぽい)異能バトルさせとけばいいんじゃね?」なノリで作ったのかね。ただ、キービジュアルはSFっぽいんだよなあ

日本神話に異能バトルを組み合わせたストーリー。最初こそ唐突だが、主要人物が徐々に登場するなど丁寧なストーリー進行でちゃんと1クールで風呂敷を畳んだのは評価できる。しかしありがちな話なこともあって先が読めてしまうし、見応えのないバトルシーンが無駄に長いなど水増し感がある。それに最終話の展開はねえ…。安っぽいにも程があるでしょ

ストーリーも薄味だが、目立たないのは主人公も。確かにストーリー上八凪幸人が主人公ではあるのだが、印象に残るのは沙川尽義の方。”ストロングゼロ(作中ではストロングZ)に始まりストロングゼロに終わる”話だもんなあ

サブタイトルに”A STORY OF BONDS AND WOUNDS(絆と傷の物語)"とあるように、人と関わることを避けていた八凪幸人が兄弟子の沙川尽義や同世代の脈接ぎたちと親交を深める様子は描かれているし、アラミタマや龍とのバトルで幸人だけでなく、他の脈接ぎたちも心身に傷を負うこともあるので、タイトルに偽りなしではある

和風な世界観なのにガンマンの脈接ぎが出てきたりして世界観もいい加減だし、色々詰め込もうとして結果的に没個性でありきたりな内容の薄い話になってしまったのか。駄作と扱き下ろすほどでもないが印象に残らない作品なのは事実で、来年になったら本作のことを覚えている人は皆無だろう

 

・Re:STARS 1.6
原作は中国の少女漫画『今天开始做明星』。中国では2019年に同名タイトルで放送されたアニメ作品を『Re:STARS』として日本では2023年に放送・配信。iQIYI(爱奇艺・愛奇芸/アイチーイー)の漫画アプリの人気作をiQIYIで配信するのは”一粒で二度美味しい”ビジネスで大手プラットフォームらしい

アニメ制作はASK ANIMATION STUDIO。作画自体は悪くはないのだが、技術的な問題なのか作画枚数をケチったのか動きがカクつくことがある。しかもOPも。作画崩壊アニメでさえOP、EDは無難なのが普通で、OPがこれだとそれだけで低評価・視聴中止する人もいるだろう

キャラデザは原作が少女漫画らしく、男性キャラはイケメン。女性キャラは少女漫画と言うよりはプリキュアシリーズとか女児向けヒロインアニメっぽい。全体的に古風と言うより垢抜けない感じ

一応アイドルものだが、アイドル活動より裏側がメインなので純然たるアイドルアニメを期待するなら見ない方がいい。尤も、そういう人はOP見ただけで視聴中止だと思うけど

双子の姉チン・ヤーは有名アイドルだが我儘でやりたくない仕事を双子の弟チン・ザーに押し付けているが、二人が入れ替わっているのがいつバレるかという話と同じ事務所のお局様ウェイがチン・ヤーを蹴落とそうとする話のクロスオーバーがメイン。チン・ザーは元天才歌手だったが、13歳の時に突然声が出なくなり以降人前では歌えなくなったがそれを克服していく過程だったり、ウェイの嫌がらせも今風なのと古風なのが混ざっててストーリーはそれなりに楽しめるが、リアル方面に振れるとガバガバ設定が徒となる。双子とはいえ性別が違うから二卵性双生児。激似とはいかないし、男女だと体格差が出て当然だが。絶対音感持ちの音痴な音楽プロデューサーとか音痴なら絶対音感なんて持っているわけないしね

まあ、本作はコメディアニメなのだろう。コメディならガバガバ設定も笑いに繋がるしね。ただ、日本人からすれば大袈裟過ぎに思えたり、あまりにベタなネタも多くて昭和-平成初期のアニメのノリに思える。それと中国人は日本人より主張が強いので、日本人感覚だと不自然な言動に思えることがあるが、それは逆に中国アニメっぽくていいと思う

低評価の嵐になっているが、ぶっちゃけテンプレなろう系アニメよりは遥かに出来がいいのでそれらより低評価なのはどうなんだろうと思うが、態々中国アニメを観る人は少ないからアイドルアニメを期待してこれだと評価は底辺になるのだろうな。ただ、日本で成功させたいという気があるのなら字幕じゃなくて吹替にすべきだっただろう。コメディも演技が大袈裟過ぎるから、日本向けだともっと抑えた演技じゃないと。この後映画版が公開される予定だが、そちらは吹替らしい。このアニメの出来だと映画を見に行きたくなるとは思えないが、例によって似非声優起用みたいなのでパンダ商法でどこまでだろうな

 

・SHY 1.6
原作は実樹ぶきみの漫画

アニメ制作はエイトビット。作画は悪くないが、戦闘シーンに重きをおいていないこともあって作画上の見せ場は特にない

所謂ヒーロー(ヒロイン)ものだが、ぶっちゃけ爽快感は皆無。主人公のシャイこと紅葉山輝はヒーローに似つかわしくない内気な性格で地味な上に常に「私がヒーローでいいのか?」と葛藤している

地味なヒーローでもシャイ(とその仲間)をメインに描いてくれれば良かったのだが、残念ながら話がとっ散らかっている。シャイは地味でただでさえ存在感に乏しいのに群像劇が過ぎて終盤はかなり印象が薄い

原作は既に25巻も出ていてその序盤をアニメ化したせいなのかも知れないが、ストーリーや登場人物が洗練されていない印象。基本的にはヒーロー譚だと思うが民間人の小石川惟子を重用する意図が見えないし、そもそも世界観や何故、シャイがヒーローなのかとか肝心なことには触れないので話にイマイチ引き込まれない

敵の過去を丁寧に描くのは某鬼狩りがそうだし、自己肯定感の低いヒーロー像はプリキュアシリーズ等の女児向けアニメに通じるものがある。鬼狩りは女性に人気があるし、本作も女性向けヒロアカって感じなのだろう。2期が決まっているが、この内容ではあまり期待できそうもない

 

・犬になったら好きな人に拾われた。 1.5
原作は古川五勢の漫画。当にタイトル通りって作品。犬になっての日常を描くだけでなく、犬にされた経緯や黒幕を突き止め人間に戻ろうとするサスペンス的要素もあるようだが、アニメでは人間に戻ろうとする話はおまけみたいなもの。原作は全9巻なので、これを1クールしかもショートアニメでやるのは無理がある

ショートアニメにも関わらずテンポが悪いのは大きなマイナス。ショートアニメじゃストーリー性を持たせるのは難しくなるし、もっとぶっ飛んだハーレムラブコメで良かったと思う。それとポチ太役の梅田修一朗の演技も気になる。作品自体が中途半端な立ち位置になってしまったから演技が浮いてしまっているのかなとも思うが。本作の一番の見所は(仔犬目線の)ローアングル視点で描かれる画で、ちゃんと紳士が望むようなシーンもあるし作画もエロアニメにしてはいいのでそこに何点つけられるかだろう

この手の作品にありがちな複数のver.があるので、紳士はver.を確認して観るべし

 

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん 1.5
原作は恵ノ島すずのライトノベル。なろうx悪役令嬢とか普段なら0話切り確定だが、乙女ゲー『マジカルに恋して』の中に入るのではなくゲームをプレイすることで外から”神の声”としてゲーム内キャラに指示するのは一捻りあって面白そうだと思ったが、同クールで放送された『氷属性男子とクールな同僚女子』同様出オチと言うか設定オチって感じ

放送部もそうだが設定を活かせていない。新規プレイややり直しができないのや全ての(主要)キャラを救う縛りもゲームに緊張感を持たせる為なのだろうが、所詮他人事だからねえ

実況と解説というスタイルを活かすならもっとキャラに厳しいツッコミを入れるべきで、コメディ色の強い作品にした方が良かったと思う。「まじこい」のストーリー自体が一昔前の少女漫画のような展開でイマイチ盛り上がらないし、コメディなら終盤の超展開は許容範囲だがシリアスだと蛇足感が強い

それと手塚プロダクションの時点でご察しだが、作画がねえ。超絶作画の必要はないが、作画が不安定で「あんた誰?」になるのは流石に頂けない。まあ、作画で台無しってほどではないが

中村悠一杉田智和の吐きそうなほど激甘な台詞を聞けるし、声優ファン向けの作品だろう

 

・アリス・ギア・アイギス Expansion 1.5
原作はピラミッドとコロプラによるソシャゲ『アリス・ギア・アイギス』。但し、アニメはゲームとは別のオリジナルストーリー。原作は知らないが、ソシャゲ原作となると山のようにいるであろう登場人物をどう整理するかが問題。それと説明不足で唐突な展開になりがちで、それに未プレイ勢がついてこれるかだろう

正直、1話は「は?」って感じ。ストーリー系ともコメディ系とも取れるし。1話で切った未プレイ勢は多いだろうな

2話以降はかなりコメディ寄り。カオスでベタな笑いは一昔前のアニメって感じ。パロディネタも多いが、川口浩探検隊とか石坂浩二古谷一行が演じた金田一耕助とか若い人は知らんだろ。ゲームも年齢層が高めなんだろうな

ソシャゲ原作らしくキャラが多いのは減点だが、メインキャラとサブキャラが明確に区別されている訳ではないもののある程度は区別されている感じだし、コメディアニメなら細かい設定とかも気にならないのでこのままコメディアニメで終わればそこそこ楽しめたアニメの評価になっただろう

だが、終盤突如シリアス展開に。まあ、終盤に何かありそうな匂わせはあったし、シリアス展開自体が悪い訳ではないが、シリアス=アクトレスの本分ってことになると説明不足で話についていけない上にのどかが闇堕ちした理由も納得がいくものではない。多分、原作のシリアスとコメディが混在するカオスな感じをアニメでってことなのだろうが、アニメ化が新規獲得狙いなら失敗だったと思う

OVAに引き続きアニメーション制作はノーマッド。作画レベルは十分なのでファンにとってはご褒美だっただろう。本作に限らず、ファン向けと新規向けを両立させるのは極めて難しい様子で死屍累々って感じだもんなあ。ソシャゲバブルが完全に崩壊した今、メディアミックスに活路を見出したいのだろうが世の中そんなに甘くない

 

・デッドマウント・デスプレイ 1.4
原作:成田良悟、作画:藤本新太による漫画をアニメ化した作品。分割2クールで放送された

アニメ制作はGEEKTOYS。あまり評判が良くない制作会社だが、作画自体は悪くない。ただ作画コストをかけられないのか、戦闘シーンなど動きの激しいシーンは手抜きがバレバレ

本作を一言で言えば”ちょっとオサレななろう系”。異世界モノは異世界に転生するものが多いが、本作は異世界から現世に転生する話。とは言え、現世に転生する作品は他にもあるし、異世界と現世を行ったり来たりする作品もあるので、現世に転生するだけではウリにはならないと思う

率直に言って、2クールも使って何がしたかったのか。話が進んでいるようで進んでない、風呂敷を広げるばかりで畳もうとせず、結局何も解決していない。多分、原作の10巻までをアニメ化したと思われるが、こんなんじゃ話が完結するまでにあと38クール(190巻相当)位必要なんじゃないの。令和の『ドカベン』を目指すってか

散漫なのはストーリーだけでなくキャラも。成田良悟作品はキャラが多いのがデフォらしいが、それにしてもねえ。2クール目に入るとエンドロールにキャラの名前が25人位並ぶ。ぶっちゃけキャラと名前(と声優)が一致しないのだが

あとソリティアは必要なのか。現時点ではただの道化師だしね。まあ不要なキャラではないのだろうし、こいつがいなければ更につまらない作品になっていた可能性もあるが、ソリティアが全てを持っていった感がある。ソリティア以外印象に残っていないんだよなあ

キャラが多いのがデフォにしても一度に登場させるからカオスで印象が薄くなる訳で、風呂敷を畳みながらであれば退場して別のキャラが出てくる形になった筈。多数のキャラ、多数の勢力、しかも裏切り者っぽいものもいるのは、話が無駄に複雑になっているだけで深みがない。もっとスッキリできなかったのかね

厨二病な世界観が好きな人、成田良悟のファンには悪くないのだろうが、そうでない人にとってはごちゃごちゃしているだけで印象に残らない作品って評価になってしまうだろう

 

・女神のカフェテラス 1.3
原作は瀬尾公治の漫画。しかし、ヒロイン5人しかも同居、将来ヒロインの誰かと結婚、少年マガジン掲載、アニメ制作は手塚プロダクション、作画が悪い…ってここまで似るものかね。本作じゃない方の作品は第1期の第1話で切ったので、そちらの話はできないが。この作者の過去の作品は重苦しいものが多いらしいので、そういう作品に作者自身が疲れたのかも知れないが

作画ははっきり言って酷い。かなり不安定。手塚プロの時点でお察しではあるが、『カノジョも彼女』では何とか踏ん張っていたと思ったんだが。これが今の実力なのだろうな。唯一気合が入っているのが◯裸のシーンってどうなん。どうせ”謎の光”で見えないんだし

キャラデザに関しては顔はいいとして、体はね…。設定を見ると”胸囲の格差社会”のようなんだが、皆巨乳。ヒロインを髪の色でしか区別できないラブコメって如何なものか。まあ髪型も違うけど

で中身だが、掴みが下手過ぎる。序盤からイライラMax。タイトルを『五人分の鬼嫁』に変えた方がいいんじゃねって位、主人公が理不尽に当たり散らされる。最初からデレまくっているのも変だが、御尤もなことを言っても「お前が言うな」としか思えない。IQの低さを笑いに繋げなければいけないのに、イライラさせられてばかり

中盤から所謂キャラ回が始まると、普通のおバカラブコメって感じ。一人極めつけのバカがいるが、それ以外のキャラも賢そうには見えない。テンプレそのものって悪役を撃退する話が多いのも、頭を使わずに気楽に見られる作品を目指した結果なのだろう

当に『五等分の花嫁改』って感じなので、『五等分の花嫁』が好きな人にとっては本作も悪くないと思うが、そうでない人にとっては大して出来の良くないラブコメ作品って評価になってしまうだろう。しかし、実質分割2クール(だと思われる)なのに第2期って呼ぶのはなあ。1期が評判だったからではなく、当初の予定だからでしょ。まあ2期って呼んだ方が「2期が作られるほどの素晴らしい作品」って勘違いして見てくれるかも知れないってことなんだろうけど。映画が提灯記事では釣れなくなったように、2期に錯覚させる商法も効果はすぐなくなると思うけどね

 

・私の推しは悪役令嬢。 1.3
原作はいのり。の小説。なろう系作品。小説もコミカライズもスピンオフ作品があってややこしい

アニメ制作はプラチナビジョン。作画はなろう系クオリティ。目立った作画崩壊などはないものの、褒められた出来ではない。乙女ゲーの中の世界とは思えず、(中世ヨーロッパが舞台の)普通のなろう系って感じ。まあ、漫画の画もあまり乙女ゲーチックではないが

ゲームの中の世界も悪役令嬢も手垢でベトベトなジャンルだけに一捻り必須だが、本作はそこに百合を絡めてきた。とは言え、ガチ百合とは程遠く、ライトな百合系コメディってところか

『私の推しは悪役令嬢。』というタイトルだが、悪役令嬢である筈のクレア=フランソワはあまり悪役令嬢っぽくないし、私にあたる主人公のレイ=テイラーはクレアの幸福を願うスタンスは推しっぽいが、実際はクレアにつきまとうストーカー同然でクレアが(百合的な意味で)好きだと公言するなどどこが?って感じ。まあ、実際の(3次元)アイドルのファンも相反する気持ちが同居しているのかも知れないが

この手の作品の欠点として主人公はゲームの世界を熟知している設定だが、視聴者は勿論、中のキャラも先のことは知らない。にも関わらず主人公目線で話が進むので、どうしても説明が後付けでご都合主義感が強くなる。突如のシリアス展開もこのゲームの背景の説明がない上に何をしたいのか良く分からない主人公では話に全く引き込まれない。1クール作品だから仕方がないが、まだまだ続くって終わり方だし

どこを取っても中途半端な作品って印象で正直誰得だと思うが、小説もコミカライズもスピンオフが出る位だからファンはそれなりに多いのだろうな。筆者には何が魅力なのかサッパリ分からないけど

 

・聖剣学院の魔剣使い 1.3
原作は志瑞祐の小説でコミカライズも出版されている

アニメ制作はパッショーネ。水準以上の作画だと思うが、戦闘シーンにそれほどコストをかけてはいないので作画で勝負できるほどのレベルではない

ぶっちゃけ凡庸な石鹸枠作品。様々なラノベ系ファンタジーの寄せ集め感が半端ない。ストーリーの完成度が高ければまだ引き込まれると思うが、何もかも中途半端。何を軸に描きたいのかが伝わらない上に、無駄に多い登場人物、脈絡のないストーリー展開ではねえ。原作は既に15巻も出ていて完結していないので、1クールでは風呂敷を広げるだけ広げてお終いで仕方がないとでも言いたいのかね

流石に凡庸なファンタジーだけでは飽きられると思ったのかここにオネショタ要素が加わるが、パッショーネにしては大人しいのでオネショタ目当てで見るべき作品ではない。オネショタは魔王としての姿とのギャップ萌え狙いなんだろうが、本作はなろう系とは違って俺TSUEEではないのでギャップを感じないし、ただでさえテンポが悪いストーリー展開の腰を折る要素でしかない

ファンタジーが好きな人ならそれなりなのかも知れないが、ファンタジー作品は数多いし態々本作を選んで視聴する必要性を感じられない

 

・ひきこまり吸血姫の悶々 1.3
原作は小林湖底のライトノベルでコミカライズもされている

アニメ制作はproject No.9。同社はラブコメが多い印象で本作でも女の子は可愛らしく描けているが、バトルシーンは…。序盤の山場こそ持ちこたえているが、段々とショボくなっていく。ストーリー上バトルシーンは重要だしもっと頑張ってほしいものだが、アクション系は期待できない制作会社なのだろう

序盤はコメディ色が強いが、徐々にシリアス寄りに。コメディ多めなのはストーリーが結構重苦しいのでそれを中和してメリハリをつける意図があると思われるが、コメディもイマイチ吹っ切れてない感じで効果的に作用しているとは言い難い

中盤までは殆ど帝国内の話でこのまま帝国内のいざこざとゆるゆりをコミカルに描く作品で終わるかと思いきや、終盤一気に話が大きくなる。しかし説明不足な上にシーンをスキップしたり、登場人物も一気に増えるので話についていけない。もう少し丁寧に作れなかったかね

それとやはりバトルシーンがね。作画がイマイチなのもあるが、死んでも生き返ることがある設定の上に水戸黄門。テラコマリの烈核解放である孤紅の恤(とむらい)は一撃必殺と言えるもので当に黄門様の印籠なのだが、これを出し惜しみするからなあ。緊張感の欠片もない。テラコマリが武力で世界を統べる話ではないのは分かるのだが、もう少し何とかならなかったのかと思ってしまう

重苦しいストーリーの割に全く印象に残らないので、ゆるゆりで女の子がワチャワチャしていればそれでいいと思えるなら悪くないのかも

 

・大雪海のカイナ 1.2
シドニアの騎士』シリーズや『BLAME!(ブラム)』を送り出した弐瓶勉xポリゴン・ピクチュアズの最新作。『BLAME!』は割と好きな作品で期待していたが、正直期待外れだった

作画は褒められるところとそうでないところが。天膜(と下界)や要塞の中など階層構造の描写は無機質さがポストアポカリプスな世界観と良くマッチしていると思うが、今回の主な舞台はタイトル通り大雪海。雪の描写は違和感アリアリなのだが、我々の世界の雪とこの世界の雪は別物なのだろうか

ストーリー的には正直凡庸。『BLAME!』は作り込んだ設定だったが、本作では(TVアニメを観る限り)至ってシンプル。シンプルなのも悪くはないが、ポストアポカリプスx自然との共生x戦争となると♪ランラララランランランって感じだし、下から上がってくる少女はバルスの逆でどうしても”ジェネリックジブリ(と言うか宮崎駿)”感は否めない

あと明らかにテンポが悪い。見どころがあるのは序盤だけ。その序盤も全体のバランスを考えれば4→3話位に圧縮した方が良さそうだが、説明に頼らずアニメで世界感を伝えるのは悪くないし、この程度なら許せる。問題はそれ以降で、ありきたりな展開の上に露骨な引き伸ばしが。戦争の最中、大義がある主人公たちが人助けしている場合じゃないでしょ

なぜこうなるかと言えばフジテレビ得意の”劇場版商法”が炸裂するから。TVアニメ放送終了後の秋に『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』が劇場公開される。どこぞのTV局も”Hulu商法”がお得意だし利益を上げたいのは分かるが、それで作品の価値を落としたら本末転倒でしょ。多分元々は1クールの脚本だったんだろうし、映画の内容までTVシリーズでやればダラダラ感もなくなってもっと評価も高くなっただろう

 

・とんでもスキルで異世界放浪メシ 1.2
原作は江口連のライトノベルで、ジャンルはなろう系異世界ファンタジー

アニメ制作はMAPPAなのでなろう系にしては作画はいいが、MAPPAにしては…って感じ。フェルがチート級の強さでスイも成長力が半端ないので戦闘は呆気なく終わり作画的に見せ場がない。本作のウリはメシなので、メシが美味そうに描ければそれで良しだろう

本作の一番の特徴は向田剛志(ムコーダ)の持つ固有スキル”ネットスーパー”。どこぞの作品ではスマホは飾り同然でこんなスキルが役に立つのかと思うが、元の世界の商品を異世界にお取り寄せできる上にその食材を食べると一定時間バフがかかると言うもの。異世界は中世のような世界で現在のような調味料をふんだんに使った料理は望むべくもないので、その匂いや味に魅せられた人間や従魔らとの異世界ライフを満喫できる

一応冒険譚ではあるが、上述のように従魔が強すぎてスローライフ系の作品というべきだろう。ただ単調で飽きる。この手の作品にありがちな不快な要素である俺TSUEE&ハーレムがないのはいいが、料理のためとは言えフェルが獲物をオーバーキルするのは俺TSUEEが従魔TSUEEに変わっただけだし、食材こそファンタジーらしいが目新しい料理とは言えないものばかり

同じくゆるい冒険譚である”このすば”などが好きな人には刺さる作品なんだろうな。2期の制作が決定しているようだが、筆者は1期でお腹一杯

 

・ライザのアトリエ 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜 1.2
原作はアトリエシリーズの21作目に当たるコーエーテクモゲームスより発売された同名ゲーム

アニメ制作はライデンフィルム。キャラは可愛いし、ライザのはち切れそうに逞しい太ももはアニメでも健在。ただ、作画はねえ…。序盤はいいけど、中盤から怪しくなって、終盤は崩れることが増える。兎にも角にも太ももって感じで、絶対領域のどアップが多い。反面、戦闘シーンは淡白だし、ゲームの肝である筈の錬金術のシーンも何を作っても同じ演出で手抜き感がある

原作はRPGだが、原作のことを全く知らなくても原作はRPGなんだろうなと分かるような構成。序盤は本当に弱いし、エピソードも如何にもクエストを消化している感がある。故に序盤は本当に退屈だが、ライザの錬金術が上達すると少しずつ話が進み、終盤はパーティで連携を決められるようになるなど、キャラが成長していく様子はRPGっぽさを感じられる

ただ、全体の話からすればプロローグみたいなものだろう。やっと大っぴらに島の外に出ていいことになっただけ。タイトルにある常闇の女王の話なんて全く出てこないしね。モンスターがあまり怖そうでないこともあって緊張感がなく、戦闘シーンが淡白なのもあって盛り上がること無く終わってしまった感じ

太ももフェチ、冒険譚とは言えゆるい日常系に近いのでその手の作品が好きな人にはいいかも知れないが、RPGらしく敵をガンガン倒して謎に迫るのを期待するとガッカリするだろう

 

・経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。 1.2
原作は長岡マキ子のライトノベルでコミカライズもされている

アニメ制作はENGI。作画クオリティの低さは本作でも相変わらず。作画負荷の低いラブコメ位はせめて可もなく不可もなくレベルのクオリティで仕上げて欲しいものだが、同社には無理な話なのだろう

経験とはご想像通りセックスのことで、今まで付き合ってきた男とは即セックスしてきたギャル系ヒロインとチェリーボーイの交際は嘸かし破天荒な展開になりそうなものだが…過激なタイトルの作品にありがちな出オチなのは否めない。序盤の展開は悪くないが、中盤でもう終わりって感じで終盤は蛇足感が強い。意地でもセックスする展開にはしたくないのだろうな。だから終盤は無理やり群像劇にせざるを得ず、散漫で取って付けたような話になって全体的なストーリーの印象も悪くなっている

女心の機微というか女の子の面倒臭さを描いているのは少女漫画っぽいというか女性作者らしいと思うが、少し前に告白を断った男が痩せたらイケメンに見えるからOKとか…(イケメン無罪が当然な)ジャニヲタを揶揄しているのかねw

まあ量産型ラブコメとしてはこんなものだと思うし、この手の作品が好きな人にとってはまずまずの作品だろう

 

・七つの魔剣が支配する 1.1
原作は宇野朴人の小説で本編13巻+外伝の計14巻で完結している。既にコミカライズされていて、全8巻で完結の見込み

アニメ制作はJ.C.STAFF。作画はトータルで普通ってところか。無尽蔵にコストをかけられないのは分かるが、バトルシーンを取っても気合が入った作画とそうでないシーンの差が激しい。それはバトルシーン以外でも同様で、もう少し上手く手を抜かないと。上の下と下の上位差があるから目立つので、中の上と中の下位にした方が粗が目立たないと思うけどね。まあ、筆者が作品に惹かれていないから粗が目に付くのだろうけど

本作は1クールでありながら全15話と珍しい話数。原作の3巻までをアニメ化したと思われる。かなりゆったりとしたペースなので嘸かし丁寧な進行なのかと思いきや、エピソードがぶつ切りで説明不足なので唐突に思えてストーリーに引き込まれない

更に序盤はこの作品が何を描こうとしているのか良く分からない。第6話で漸く(主人公の)目的が明かされてそれを軸に話が進むのかと思いきや、本筋と関係ない話ばかり。タイトルに”七つの魔剣”とあるが、出てくるのは2つだけで残りの5つを探す話でもない

じゃあ何に尺を使っているかと言えば、本作はタイトルを『ヤンキー学園バトルロワイヤル』に変更した方がいい位いざこざが多い。沸点の低い奴が多く、同級生、上級生は勿論、先生までが主人公達に因縁をつけて突っかかって来るので、主人公グループ以外は全員敵と言っても過言ではない。しかも何故因縁をつけてくるのか良く分からんしね。冒頭で「この学校に入学しても2割はドロップアウトする」と語られるが、こんなことばかりしていたら無事卒業できるのは1割位じゃないのw

全体的に説明不足だが、Wikiを見れば分かるように本作の設定は細かくて膨大。これを全て説明したところでどうせ理解できないし、テンポが悪くなるだけって判断なのだろうが、だったらエピソードを取捨選択すべき。序盤のトロールの話にしても、背景が殆ど説明されずに人権派云々言われても単なるサイコパスとしか思えない

更にキャラもねえ。サムライとか関西弁キャラとか世界観をぶち壊すキャラが印象に残って主人公の影が薄い。原作改変の結果ではないにせよ今は海外ウケを意識するだろうから、サムライは海外ウケが良さそうだし、ポリコレの観点からも入れておきたいのだろう

この手の作品が好きで本作の世界観に浸れる人には面白いのかも知れないが、そうではない人にとっては出来の悪いなろう系と大差ないレベルだろう。実際、評価が割れているが当然の結果だと思う

 

・ノケモノたちの夜 1.0
原作は星野真の漫画

視聴しての率直な感想は「アニメ化するような作品か?」。原作未読だが、原作からして果たして何がウリなのかって考えてしまう作品。何もかにもが中途半端な印象。アニメ制作は『NG騎士ラムネ&40』『H2』『オフサイド』などを作った葦プロダクション。老舗プロダクションの地雷臭は半端ないが、本作は作画崩壊ってことはないものの数多いバトルシーンをウリにできるクオリティではない

そもそも戦う理由がないからねえ。何で仲良くなったのって思うし。悪魔は人間と絶対に契約しなければいけない訳でもなく、”暇潰し”で契約したのに人間を守る必要なんてないし。主人公たちより敵のコンビの方がお似合いでコンビを組む説得力がある。本作のテーマは「絆」だと思うが、討伐の対象になっている悪魔は勿論、人間も孤独感に苛まれている人は多い訳で、お互い手を組めばもう誰からも必要とされないノケモノではないってことなのかと解釈したが

あとご都合主義というかあまりにあっさりとしたシナリオ過ぎる。第1話を見たらかなり重いストーリー展開を予感すると思うが、実際にはそうではない。ハッピーエンドに導きたい意思が強過ぎて、ただでさえ迫力に欠けるバトルがよりショボく感じられる

まだ前半の方が面白いし、もっと前半をじっくりと描けば主人公たちが絆を深めていく様子も描けて多少はストーリーに説得力が出たと思う

 

・陰の実力者になりたくて! 1.0
原作は逢沢大介のライトノベル。所謂なろう系。2期まで作られているが、2期は早々に断念。1期のみの評価だが、1期だけでも全20話もあるからねえ…

アニメ制作はNexus。作画はなろう系としてはこんなもの、一般的には並以下だろう。作画が不安定で、流石に最初(と最後)は気合の入った作画だが、だんだん崩れていき「誰?」って思うことも。ただでさえ登場人物が多いのにこれはねえ。戦闘シーンも手抜きが目立つ

本作の面白いところは”瓢箪から駒”で、主人公の厨二病全開の妄想を周囲は真に受けて実現しようと奮闘する。なろう系=場当たり的でご都合主義を逆手に取ったパロディってことなんだろう。とは言え、中身は(テンプレ)なろう系。テンポが悪くダラダラとしていてストーリーもありきたり、陰の実力者を標榜しながら結局俺TSUEEだからねえ

まあ、(アニメではないが)『バービー』みたいなものだろう。欧米ではヒットした作品も日本では泣かず飛ばずでバーベンハイマー騒動のせいとか的外れな論評もあったが、単に日本ではバービー人形に愛着を持つ人が少ないだけ。本作も同様で、いくらパロディと言えどなろう系や異世界転生ものに愛がないと楽しめないってことだろう

 

ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP 1.0
ウマ娘 プリティーダービー Season 3』が特級呪物と聞いて手始めに比較的評判が良くて全4話と短い本作を視聴してみたが、なかなかどうして本作もヤバいな…。端から期待していなかったが、褒められるのは作画だけ。ウマ娘~はメディアミックスプロジェクトであってもゲームはゲーム、アニメはアニメで別々なのだろうが、”ク◯ゲーのアニメは糞”という一消費者からすれば至極当然の結果に

主人公はナリタトップロード、全4話と短いので菊花賞までなのはいいとして、最大の問題はアドマイヤベガ。アヤベとかいう耳慣れない略称も気になるが、闇堕ち設定は何なん?「生まれてきてすみません」ってお前は太宰治かwサラブレッド=経済動物なのはれっきとした事実。母体に影響が及んだり、最悪2頭とも死産となるリスクを回避するのは当たり前のこと。歪んだ解釈で競馬の根底を否定するのは感心できない

次にテイエムオペラオーの存在が…。明らかなおまけキャラであるハルウララより印象が薄いのだが。関係者は競馬場やWINSに行って「ナリタトップロードのライバルは?」って聞いてこいよ。殆どの人がテイエムオペラオーって答えそうだが

あともう少し”競馬”を描いてくれないかね。超スローペースって言われるだけじゃ。せめて1000mの通過タイム位表示したらって思うが。まあ、関係者にとっての実況は実際の競馬実況ではなくアプリのレース実況のイメージなんだろうけど。それとテイエムオペラオー皐月賞までのローテの話があったが、ナリタトップロードも余裕のあるローテではなかったし、アドマイヤベガに至っては新馬戦(メイクデビュー)を降着で落とすと次戦は未勝利戦ではなく500万下(1勝クラス)のエリカ賞エリカ賞を勝つとラジオたんぱ杯3歳ステークス(当時は阪神競馬場で行われるG3、現在のG1ホープフルステークスのルーツになったレース)を勝利し、後はアニメ内の通り。エリカ賞ラジオたんぱ杯は王道ローテだがヤネを確保するための強硬策。アドマイヤベガのローテについては”水子”よりも遥かに闇深いと思うが、アニメではカット。まあ、ゲームでは再現されているみたいだが

ぶっちゃけ萌え豚にグッズを買わせるだけの販促アニメの域を出ない作品。Season 3の評判が悪い理由は不明だが、アニメ制作会社的に作画崩壊はないだろうし、萌え豚に媚びるのを止めてガチ競馬路線で萌え豚に評判が悪いだけならいいが、関係者が競馬を分かっているとは思えない。レビューは作品を観た証として残しているだけでボロカスに扱き下ろすのが目的ではないから、0点量産しそうなテンプレなろう系作品なんかは回避しているので無理にSeason 3を見なくてもと思うし。本物の特級呪物(年間ワーストクラス)だったら時間の無駄だしなあ

 

・おとなりに銀河 1.0
原作は雨隠ギドの漫画。TVアニメとTVドラマが同クールに放送された

本作はSFラブコメディらしいのだがSFと呼べるような代物ではないし、ファンタジーを期待して視聴するのは無駄。原作もドラマも知らないが、それらではもっとファンタジー色が強いのかも

アニメ制作は旭プロダクション。前クールの『アルスの巨獣』でもやらかした曰く付きの制作会社。作画は旭プロダクション+日常系作品としてはこんなものかと思うが、どんどん作画のブレが大きくなっていく感じで褒められたものではない。当然だが、高評価をつけてる人で作画に文句を言っている人はいなさそうなので、作品に集中できれば気にならないのかも

駄目な作品あるあるで設定を活かせていない。五色しおりは宇宙から流れ着いた流れ星の民の姫というどこの小倉優子だよってトンデモ設定。久我一郎がしおりの棘を抜こうとしたら婚姻契約が結ばれたが、それは一郎はしおりの意思に関係なく支配下に置かれるというもの。一郎としおりの物理的距離が離れすぎたり、しおりが不快な気分になったり、しおりに触れただけで一郎側のみが罰を受け鼻血を出したり発熱したりする日米修好通商条約も真っ青な不平等契約。但し、しおりが熱を出して気分が悪そうでも何故か一郎はなんともないご都合設定だが

こんなトンデモ設定ならさぞかしぶっ飛んだラブコメかと思いきや、びっくりするほど平凡。しおりの実家が田舎の名家でしきたりとか跡取りとか色々うるさいで済む話。そもそもしおりの実家の関係者は後半に入って仄めかすシーンはあるものの終盤まで出てこないし、島のしきたりとかの話も全然触れないしね。原作では触れているのか、それともこれ以降の話になるのかは分からないが

ぶっちゃけラブコメとしての面白さは皆無。恋の駆け引きはゼロだし。恋敵と言えそうなのは一郎のいとこの指宿ちひろと五色家の従者である古牧京吾だろうが、前述通り五色家の関係者は終盤まで出てこないし、ちひろもそれほど出番が多くない上に特にアプローチをかけるわけでもない。ターゲットと同居していたら、更科瑠夏なら穴開き◯◯◯◯◯持参で迫ってきそうだが

イベントは多く、一郎としおりは互いに好きと公言しまくってるのに深い仲に進展しない。ドメカノだったら何発ヤってるか分からんw奥ゆかしいなら寧ろ中々好きと言えずに相手の心理を推測する方がまだ面白いと思うが

デートシーンは勿論あるが当然過激なシーンはなく、一郎、しおり、まち、ふみおの4人が家族のように接するほっこりとした日常系作品に近いだろう。『トニカクカワイイ』や『であいもん』などの作品が好きなら本作も気にいるだろうが、そうでない人には酷評されても仕方がないだろう。静かな進行のラブストーリーはアニメよりドラマ向きだと思うが、ドラマは1話15分なのでゆったりした進行だと単なる時間潰しでしかない回が増えそうだし、アニメでは触れられていない島の話は電波ストーリーの予感がするのでどちらがいいかは視聴者次第だろう

 

・暴食のベルセルク 1.0
原作は一色一凛の小説『暴食のベルセルク 〜俺だけレベルという概念を突破する〜』。『小説家になろう』で連載が始まったが、現在は『カクヨム』にて連載中

アニメ制作はACGT。作画はなろう系クオリティ。最初から作画が怪しいし、戦闘シーンも手抜きが目立ち見どころ無し。露骨な作画崩壊がないだけマシだろう

1クールアニメなので俺戦ENDは仕方ないにしても盛り上がりに欠ける。明確な目的があっての強敵撃破というよりは成り行き上の敵だし。暴食スキルは面白いがどこぞのスライムと何が違うのって話で、スキルの仕様や制約が良く分からないから相手が強くても「どうせ勝つんでしょ」としか思えず緊迫感がない。七つの大罪に絡めた話は珍しくないと思うので、もっと設定を練らないと差別化できないように思う

強いて良いところを挙げるなら、なろう系だが異世界ものではなくダークファンタジーなのと不快要素であるハーレムものではない位かね。正直、凡庸な冒険譚の域を出ない作品。この手の作品が好きな人以外にはオススメできない

 

・ブルバスター 1.0
原作:中尾浩之、執筆:海老原誠二による小説をアニメ化。コミカライズの原作もアニメと同じで映像制作会社であるP.I.C.S.がクレジットされているので、アニメも漫画も小説の内容をかなり改変していると思われる

アニメ制作はNUT。水準以上の作画だとは思うが、ロボットが活躍するシーンはそれほど多くないだけにそこにコストをかけて欲しかったところ

ダメな作品の典型というべき”闇鍋定食”。原作からしてそうなのか改変のせいなのかは断言できないが、1クールで収拾がつくような話ではないのに、いわゆる”キャラ回”を織り込んでいるから余計に尺が足りなくなる。実際、ぶん投げENDだし

多分、原作には池井戸潤要素はなく、純粋にブルバスターで害獣駆除する話なんだろう。それなら零細企業である波止工業が徹底的なコストカットに走るのも”フィクション前提なら”理解できなくもない。ただ、本作は”経済的な視点で正しく描かれるロボットヒーロー物語”らしいからNG。現実問題、害獣の素性も分かっていないのに害獣駆除を一零細企業に任せるわけ無いでしょ。駆除が間に合わなくて害獣が島の外にまで出没するようになったらどうするんだよ

リアリティの話はこの位にして、ロボットvs害獣のバトルだけでは一般受けしないと考えたのだろう。そこで池井戸潤的な零細企業が大企業に牙を剥くストーリーを盛り込んだのだろう。実際、終盤はそれなりに盛り上がるが、主人公が沖野鉄郎ではなく社長の田島鋼二になっていて、”ロボットヒーロー物語”ではなくなっている

それと本作はダメな企業の胸糞要素のオンパレードなので、それだけで不快になる人がいるかも。大企業である塩田化学が悪く描かれるのは当然にしても、波止工業も非現実的なコストカットで現場の士気を下げまくる監査役、即断できない社長とか…正直、どちらの会社にも就職したくないw

幸いなことにキャラは立っているから、原作を尊重してロボットvs害獣で良かったと思うけどね。池井戸潤にしたいのなら、少なくとも3話までに波止工業vs塩田化学の図式を確立しないと1クールでは収束できないだろう。勿論、キャラ回はなしで。しかし、ここまで改変してしまうと最早、原作とは言えないレベルだから、原作ファンが激怒しそうだけど

正直、よくメディアミックス展開を考えたなと思うレベルだが、ぶん投げENDにしたのは続編を作ることを考えているのか。P.I.C.S.と言えば『オッドタクシー』(TV版)の秀逸な脚本が光るが、本作は非常に残念なレベル。まあ、毎回良い作品に仕上げるのは難しいとは思うけど

 

・マイホームヒーロー 0.9
原作:山川直輝、作画:朝基まさしによる漫画をメディアミックス展開で、アニメ化、ドラマ化、映画化。ドラマと映画はワンセットの所謂”劇場版商法”で期待の大きさを感じさせるが、果たして

アニメ制作は手塚プロダクション。近年の”実績”からすればハズレ制作会社だろう。作画は手塚プロにしては頑張っている方だが、パッとしない。これ時代はいつだよ。2017年に連載開始された漫画のアニメ化とは思えない位古臭い感じ。まあ、暴対法(1992年施行)以前の方がストーリーの破綻が少なくて済みそうだが、当時はスマホなんてないし半グレって言葉が一般に使われるようになったのはそんな昔じゃないからねえ。それと”ヘルメット”は何なんだ。透明である必要性が感じられず、違和感しかない

見どころが全く無いわけではない。遺体処理の鮮やかさとか半グレを相手にしての心理戦とか。しかしツッコミどころが多いのは紛れもない事実。ただ、こんなに上手くいく筈はないとか警察がバカ過ぎるとかは的外れと言うか、上手くいく話を描いている訳なので警察が優秀すぎるとストーリーにならないと思う。個人的に一番問題だと思うのは”ご都合主義のゾンビ映画”だということ

このご時世、反社が堅気に手を出すのはいかなる理由があろうともアウト。それなのに特に理由もなく一般人を追い回しているようにしか見えないのはね。私憤で一般人をバラそうものなら”連帯責任”待ったなし。組織は壊滅させられるだろう

半グレ集団が粘着する理由はWikiを読むと分かるのだが、そもそも娘が半グレと付き合うことになった経緯は?延人からアプローチしたのだろうが、そもそも”ビジネス”目的だったのか、零花と付き合ううちに”ビジネス”を知ったのか。最初から知っていたとしたら、どうやって知ったのか?

そんなの関係あるのかって言われそうだが、ゾンビ映画で例えるなら無差別に人を襲うはずなのに(ご都合主義で)主人公を追い回すのと明確な理由があって追い回すのとは違うってこと。反社が堅気を追い回すのは後者でなければいけない(まあ、後者でもアウトだけど)が前者に見える。言い換えれば、ビジネス目的で鳥栖家に粘着するのは理解できるが、延人を殺したかも知れないという理由で粘着するのはあり得ない

どうせガバガバなんだからって言われそうだが、全てがガバガバだとストーリーの説得力がまるでない。出来の悪いスポーツ系やなろう系アニメがいい例でしょ

それと終盤の展開はなあ。安っぽい、アホっぽい、あり得ない。いくらなんでも酷すぎないか

何故、こんな駄作がメディアミックス展開されたのか理解できないが、Wikiの第1部を全て網羅したと考えると1クールで6巻はかなり速いペース。漫画では経緯も説明されているのかも知れないし、罪を重ねることへの葛藤やそれを隠し通さなければいけないプレッシャーとか心理描写がウリなのだろう。正直、アニメには向かない作品

ドラマはアニメと同じところで終わったようだが、映画は第2部をスキップして7年後から始まってオリジナルストーリーで終わったみたいだし、尺の問題もあるにせよ第2部を映像化する勇気はないのだろうな。原作がまだ続いているのもあるが、もし続編が作られるにしても第2部の映像化が求められることを考えると続編はないだろう

 

・お嬢と番犬くん 0.9
原作ははつはるの漫画。2025年に実写映画の公開が予定されている

アニメ制作はproject No.9。キャラデザやキービジュアルを見れば分かるように少女漫画原作だが、少女漫画と少年漫画の中間位のキャラデザである『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』でも作画が怪しかったので少女漫画系の作画は苦手なのだろうが、それにしても酷い出来。このクールに多数の元請けを請けているせいなのか作画に関わるべきではないレベルの人まで動員したと思われ、作画崩壊レベルの画が混ざることになってかなり不安定な作画に。本作は心の声が多いとは言え口パクと台詞が合っていなかったり、体のバランスがおかしかったり、動きが雑だったり、終盤は急にデフォルメが増えるし、最終話はここまでのダイジェストを長々と見せられる…。原作ファンが怒るのも当然だろう

昨今多いヤクザの子育てを描いた作品だが、多くが日常系作品なのに対して本作はラブコメ。ヤクザの子育てものはほっこりとした作品が多い中、本作はピリピリモード。しかし、ヤクザというよりは暴走族やチーマー同士の抗争のノリ。今時のヤクザはこんなお気楽に手出ししないって。暴対法で雁字搦めなんだから。この手の作品が好きな人は『東京リベンジャーズ』等のヤンキーアニメが好きそうで、そういった層がイメージするヤクザはヤンキーと大差ないのだろう

両親を子供の頃に無くした16歳の高校生・瀬名垣一咲と瀬名垣組若頭で一咲の世話係である26歳の宇藤啓弥の恋物語。一咲が心配な啓弥は”害虫”駆除の為に一咲と同じ高校に通うことになるが、高校生活を通して恋愛感情を深めていく。正直26歳の高校生は無理があるが、クラスに1人位は老けて見える奴がいるものだし、その範疇だろう

啓弥が一咲をお嬢様として扱うのは如何にも少女漫画原作って感じ。ヤクザの組長の孫ということで周りに避けられ続けたので人付き合いが苦手で勿論恋愛経験もない16歳の小娘とイケメンで女のあしらい方を知っている26歳の大人の恋愛が一筋縄で行くはずもなく、お互いの思いを計りかねている様に共感したりキュンキュンする人もいるのだろう

ブコメ色は薄く、ヤクザと普通の娘の禁断の恋を描いた『ロミオとジュリエット』のような作品。ラブコメを期待して本作を視聴してもガッカリするだけだと思うが、この作画の酷さでは原作ファン以外は興味を示すことはないだろう

 

TRIGUN STAMPEDE 0.8
原作は『血界戦線』等で知られる内藤泰弘の漫画。1998年に『TRIGUN』のタイトルで2クール(26話)のアニメとして放送されたが、今回リメイク版が作られることになった。かなりの改変が行われているようだが、1998年版でも原作からはかなり改変されているだろうし、原作も前作も見ていないので比較はできない

アニメ制作は『宝石の国』『BEASTARS』等を作ったオレンジ。『宝石の国』がCGバリバリだったように本作もCGが多用されている。キャラの動きはかなりヌルヌルなのだが、他のCG作品に比べればかなり少ないものの時折軟体動物のような気持ち悪い動きをするのは気になる。本作の売りであるガンアクションシーンは素晴らしいデキだが、シーンはそこまで多くない

それとディズニーアニメっぽいのは狙いなのか。1話冒頭から間違って違う作品を見てしまったのかと思った。本作の舞台は砂だらけの荒涼とした世界で殺伐とした世界観だと思うが、それに全くマッチしないし少年漫画のキャラっぽくない。作画崩壊とかではないが、作画は作品の世界観を表現する重要な要素なんだし技術面以外の部分にも気を配って欲しかった

脚本はぶっちゃけゴミレベル。駄目な脚本の典型って感じ。ロードムービーx不殺=グダグダ、説明不足x第三勢力=グダグダ、勿体ぶる必要のない前提条件まで終盤まで引っ張るから終盤が忙しくなりすぎて結局説明不足で最後は超展開。登場人物の行動原理が理解できないから感情移入もできない

作り手側はそれぞれの死生観や生命倫理を描いた重厚な作品だと思っているのだろう。だから劇伴に重厚感のある曲を用いているのだろうが、残念ながら何を考えているか分からないサイコパス軍団には相応しくなく浮いてしまっている

まあ、原作も前作も見ていない人は相手にしていないのだろう。アニメの評価=作画な人にはいいかも知れないが、そうでない人には時間の無駄でしかない作品

 

・NieR:Automata Ver1.1a 0.8
原作はスクウェア・エニックスアクションRPG『NieR:Automata』。ゲーム原作のアニメ=地雷は本作も例外にあらず。因みに原作は未プレイ

ゲームが原作だと元々細かい設定は詰めていないのかも知れないし、アニメからゲームへと誘導したいのか説明を放棄したとしか思えない潔さ。頭の足りないプロデューサーが「説明ではなく(疑似)ゲーム体験で理解を深めて欲しい」とか考えているのだろうな。ただ、こういう構成だと話が進んでも理解できるのは前提条件とも言える基本設定だけで、超展開についていけず糞アニメの烙印を押されるのがオチだと思うけどね

まあ、本作はゲームをプレイしている人達へのご褒美であって未プレイ組は相手にしていないのかも知れない。実際、視聴者は既プレイの人が多いだろうし。しかし、その割には評価が低い。何人かのレビューを見ると「作画が悪い」と

アニメ制作はA-1 Pictures。確実に”当たり”と言える制作会社で実際作画レベルは高いと思う。それなのに作画にいちゃもんをつけるのは言いがかりなのかと言えばそうではなく、世界観に合っていないから。本作はゲーム原作だし、同じくゲーム原作の『アークナイツ』同様ポストアポカリプスな設定には無機質なフルCGの方が合っていると思う

アニメっぽいアニメが駄目なのではなく、アニメらしさを押し出すならもっと未プレイ層に訴えないと。説明不足、おまけのCパートも明らかにそぐわない選択肢を選んだ時の冗談みたいなバッドエンド集ではついてこれないだろう。せめて設定の補足説明にできなかったのかね。それに未プレイ層への販促が目的ならせいぜい3話程度に纏めるべきでしょ。業績不振に喘ぐスクエニだが、駄目な会社はそもそも世間の感覚とズレているから、ゲームだろうがアニメだろうが駄目だと良く分かる。スクエニに限らず、日本のゲーム会社は大企業病から抜け出さないと中国企業に安値で買い叩かれる未来しか見えない

 

・久保さんは僕を許さない 0.8
原作は雪森寧々の漫画で、僕と書いて”モブ”と読む。昨今多い小悪魔系女子が(弱い)男子をイジる”量産型ラブコメ”の一つ

アニメ制作はPINE JAM。作画はこんなものだと思う。コロナ禍により第7話以降が延期になり、4月より改めて1話から放送された

正直退屈の一言。デートに行ったりはするのだが、最終話がこんな構成になる位進展がない。ヒロインの久保渚咲の姉である明菜がけしかけポジションのキャラだがそれで大きく話が進展する訳でもなく、クラスメイトも渚咲とは絡むものの白石純太には全然絡まないし。いくら存在感が薄いとは言え「そんな訳ないだろ」って局面は多いのだがそれを笑いに繋げるわけでもなし、イベントが少ない分『トモちゃんは女の子!』みたいに細かい心理描写があるかと言えばそんなのは全く無いし、何となく1クール終了してしまう

本作が向くと思われるのは雰囲気が『からかい上手の高木さん』に近いので同作が好きか、花澤香菜のかわいい系(腹黒◯乳)キャラが
好きかのどちらかだろう。1クール遅れになり『僕の心のヤバイやつ』等良作ラブコメが多いクールでの放送になって、白石純太並に影の薄い作品になった感じ

 

・カワイスギクライシス 0.8
原作は城戸みつるの漫画

アニメ制作はSynergySP。作画は正直褒められたものではない。キャラデザのせいでもあろうが、特に人物の作画は酷い。ただ、本作の実質的な主役は動物で小動物系は可愛らしく描けているので、本作が好きな人はそれで満足だろう

本作を端的に言えば”第1話x12”。途中でメンバーが増えるものの、(小)動物を過剰に可愛がり、オーバーリアクションするスタイルで話が進むのは変わらず。地球生物の調査という大義名分はあるが、ストーリーはあってないようなもの。正直2話でお腹一杯。せめてショートアニメならと思うが

ペット好き、緩いアニメ好きでこのノリが面白いと思えればハマるのかも。配信サイトで第1話は無料視聴できると思うので、面白いと思えれば完走したらいいだろう

 

・おかしな転生 0.8
原作は古流望の小説。所謂なろう系。コミカライズにスピンオフコミカライズ、舞台と幅広く展開されている

アニメ制作はSynergySP。キャラデザは凡庸、作画は普通。なろう系としてはいい部類だろう

世界で一つのお菓子の国を作ることが目的らしいが、お菓子作りのシーンは少ない。何でもかんでもお菓子作りに結びつけようとするのは無理があるし、そもそも転生の経緯からしてツッコミどころしかない

既に26巻も出ている小説を1クールに収めるのはどう考えても無理だが、それにしてもテンポが悪い。ストーリーも中世ヨーロッパの貴族にありがちな話に無理やりお菓子作りをねじ込んだだけで特に惹きつけられるような要素は皆無。なろう系の不快な要素である俺TSUEE&ハーレム展開がないのはいいにしても、ダラダラとした展開とガバガバ設定は本作でも健在。そりゃこんなペースで話が進んだらトータル何十巻になっても不思議ではないが、それに付き合える人が結構いるってことなんだろうなあ

 

・婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む 0.8
原作はふか田さめたろうの小説。所謂なろう系。コミカライズもされている

アニメ制作はZERO-Gとグループ企業のデジタルネットワークアニメーション(現セイバーワークス)。作画は悪いというほどではないが、戦闘シーンなどは露骨に手を抜いている。なろう系ならこんなもんで十分でしょとでも言いたげ

本作を端的に言えば”シンデレラin異世界”。アレン・クロフォード役の杉田智和は土下座してパンツを拝むなど汚れ役も演じて来ているだけにタイトルからして本作もと期待したくなるが、至って健全な作品。エロや杉田の汚れ役を期待していた人はガッカリだろう

けしかけ役もいるしラブコメではあるが、”健全な作品”なだけに歯がゆい展開。ストーリーに見どころはなく、取って付けたようなイベントがダラダラと続くだけ

ゆるい日常系作品が好きな人、ヒロインのシャーロット・エヴァンズ役の早見沙織のファン向けの作品。そうでない人が見てもダラダラとした展開で続編を匂わせて何となく終わった作品という印象しか残らないだろう

 

・僕らの雨いろプロトコル 0.8
Quad制作のオリジナルアニメ。このクールはゲームを題材にした作品が多いが、それで評価が辛くなっている訳ではなく単に出来が悪いだけ

作画はゲームシーンを除けば同社にしてはマシな方。所々作画が怪しいところはあるが、少なくともビジュアル的には女の子が可愛く見えるし。問題はゲームシーン。題材となっているのはVALORANTを模したであろうオリジナルゲームと思われる。VALORANTはこの手のゲームとしては負荷が低く最新鋭の高価なゲーミングPCでなくても高フレームレートで遊ぶことができるし、ゲームのジャンル的にフレームレート優先になるので美麗なグラフィックがウリという訳ではないが、流石にFHD(1920x1080)で荒すぎるというレベルではない。しかし本作のゲームはせいぜいVGA(640x480)レベルの解像度にしか見えず、一体いつの時代のゲームなんだよって感じ

酷いのはゲーム画面だけでなくテクニックもで、流石に棒立ちでぶっ放したりしないでしょ。筆者のようなド素人ならともかく、プロを目指しているゲーマーがこんなプレーはあり得ん。特に最終話はギャグなのか。明らかに格下のド素人相手なら相手に少しは華を持たせる為に何ゲームかは手抜きをするかも知れないが、プロを目指すもの同士の大切な戦いだからねえ。こんなのプロを冒涜しているとしか思えないし、八百長を疑われるレベルでしょ。e-Sportsの魅力が全く伝わってこない

母親とかマネージャーとかゲームやe-Sportsに対してステレオタイプな考えを持つ人物も出てくるし、本作で描きたいのはe-Sportsそのものではなくe-Sportsをトリガーとした人間ドラマなのかも知れないが、じゃあゲーム以外の部分に高得点をつけられるかと言えば正直及第点には遠く及ばない

全てが中途半端でぶん投げて終わるのは尺不足以前に詰め込みすぎて取捨選択ができていないから。それに全体的に雑でご都合主義が目立つし、ツッコミどころに事欠かない。最終話も家庭教師のトライかよw分かりやすい伏線を張っているのでそれ自体はそこまで酷いとは思わないが、脚本が最終話はこうするって決めてから前の話(特に終盤)を力技で繋げたように映るので、より一層ご都合主義に思えてしまう

折角e-Sportsを題材にするならRIOT GAMESやどこかのプロチームの協力を取り付けて欲しかったし、e-Sportsは口実に過ぎないというのならゲーム関連の尺を半分以下にしてもっと人間ドラマの描写に尺を割くべきだったと思う。採点が辛すぎると言われそうだが、どこをとっても及第点以下な上にゲームに対する偏見を押し付けるような内容だしねえ。本作の舞台は川越市のようだが、香川県協賛かと思ってしまう

 

ポーション頼みで生き延びます! 0.8
原作はFUNAのライトノベルでコミカライズも出版されている。所謂なろう系。同作者の作品としては『私、能力は平均値でって言ったよね!』『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』に続くアニメ化

アニメ制作は寿門堂。作画はなろう系クオリティ。キャラデザも背景も簡素で古臭い感じ。戦闘シーンも当然お粗末だが、作画でどうこうって作品でもないか

『私~』は観ていないが、同じ作者の作品だけあって『老後~』と似ている部分も多い。主人公は小柄で童顔、胸も小さくナーロッパ(なろう系にありがちな中世ヨーロッパ風の異世界)ではガキにしか見えない。性格は腹黒く、目立ちたくないと言いながら演説しだしたりイキって前に出ることが多く言行不一致

ただ『老後~』は金貨を貯めるという目的があったのに対し、本作では目的なんて無いようなもの。また『老後~』は現世と異世界を行き来して何とかするという過程があったのに対し、本作ではポーション以上に入れ物を自由に作れるのが大きく、ポーションの入れ物とは言えないようなものまで作れてしまうので、頭脳を駆使して相手との腹黒対決を制すという面白さに欠ける

多少は褒めておくと、OPが現世での話になっているのはいい。現世のことはストーリーとほぼ無関係だしね。それと異世界に行く前に親類に挨拶していくのも面白い

人助けをしながら諸国を漫遊するのは当に”ナーロッパの水戸黄門”って感じなので、水戸黄門が好きな人なら本作も楽しめるのかも。筆者みたいに「さっさと印籠出せよ」って思ってしまう人にはイライラするだけの作品だろう

 

・帰還者の魔法は特別です 0.8
原作はUsonanのウェブ小説。韓国の作品だが、コミカライズは日本でも展開されている

アニメ制作は日本のアルボアニメーション。作画レベルは低く、キャラは崩れ気味だし、バトルシーンは明らかな手抜きが目立ち迫力の欠片もない

韓国版『魔法科高校の劣等生』って感じだが、本作は所謂「死に戻り」でバッドエンドを回避すべく立ち回るのが本筋で学園生活は手段でしかない筈。その割には主人公たち3人の成り上がりに時間を割きすぎているので間延び感がある。しかも背景は禄に語られないし、逆算魔法はなんのこっちゃだし、ナーロッパな舞台設定の筈なのにエアホッケーに興じたり、とにかく雑。韓国映画は面白い作品も多いが、韓国アニメはイマイチな作品ばかりだと言うのは偏見なのだろうか

なろう系が好きな人なら作画レベルも気にならないだろうし、雑な設定も脳死で見れていいのかも知れない

 

・キボウノチカラ~オトナプリキュア‘23~ 0.8
Yes!プリキュア5』『Yes!プリキュア5GoGo!』から時間が過ぎ、大人になったプリキュア達を描いた話。放送開始前は話題になっていたが、終わる頃には殆ど話題にならなかったのも納得のデキ

アニメ制作は東映アニメーションスタジオディーン作画崩壊はないものの、作画レベルは非常に低い。プリキュアって平成になってからの作品だと記憶しているが、昭和かよ!って突っ込みたくなる。変身シーンは恐らくオリジナルからの使い回しで、変身→戦闘になると通常時より明らかに解像度が落ちるのは御愛嬌では済まされない

酷いのはストーリーもでぶっちゃけ大人である必要がない。大人になったプリキュアらしい事件の解決は皆無。40、50になって「昔は良かった」ならともかく、恐らくまだ20歳台。オリジナルを見て育った世代に合わせていると思われるが、この年齢で酒飲んで愚痴るしかないのはね。失われた30年から脱却できない閉塞感に満ちた現実社会を象徴しているが、この姿をオーバーラップさせて「プリキュア達も苦労しているんだから、お前らも現実を受け入れて社会の歯車として頑張れ」ってメッセージなのか。嫌なアニメだなw

それと内容が薄い。終盤の展開も安っぽいし。プリキュアに深い話を求める人はあまりいないのかも知れないが、本作は大人向けアニメなんでしょ。大人向けアニメでこれはなあ…。この程度の内容なら1クールも使わずに60-120分のTVスペシャルとかで良かったと思う

筆者はオリジナルは未視聴なので断言はしかねるが、良くも悪くも”そのまま”なのだろう。見た目が大人になっただけの子供向けのプリキュア。声優の演技も大人っぽくないしね。プリキュアというブランドに胡座をかいただけの、思い出補正を最大限に引き出して低コストで濡れ手に粟を狙った志の低い作品。一度失墜したブランドイメージは回復不能に等しいのだから、もっとブランドを大切にしないと

 

・THE MARGINAL SERVICE 0.7
Studio 3Hzによるオリジナルアニメ。予算を全て声優に注ぎ込んだんじゃないかと思うくらい豪華だが、中身にも気を配って欲しかったもの。内山昂輝のこういうキャラは意外性がある

本作を端的に言えば”メン・イン・ブラックを(前クールの)HIGH CARDみたいなオサレな感じに作ろうとして大失敗した作品”。HIGH CARDも客観的に見て傑作とは思えないが、本作とは雲泥の差がある

主人公が熱血漢、仲の悪いバディはHIGH CARDというかバディものあるあるだが、本作の場合とにかく鬱陶しい。熱血漢ブライアンを冷静なベテラン捜査官ゼノが諌めながらバディとしての体を成していくで良かったと思うが、ステレオタイプはアカンと思ったのかゼノが闇堕ちする

ブライアンのスタンドプレーにゼノがつっかかり、ゼノのスタンドプレーにブライアンがつっかかるから喧嘩しているシーンばかり。しかも別のバディのボルツとロビンも仲が悪く、こいつらも喧嘩ばかりしているから本当にうんざりする。その上、クソつまらんコメディタッチだからテンポが著しく悪く、薄いアメリカンコーヒーを10倍に希釈した位味がない

オチも激寒。古い作品にありがちなこういうオチが好きな人もいるだろうが、中盤が本当にゴミだから最後まで視聴するのは拷問

作画は可もなく不可もなく。キャラデザやキービジュアルを見ての通りアメコミっぽい感じだが、本作の舞台は澁宿(しぶじゅく)。日本ではなくジャパンだが、日本語の看板ばかりの街並みは日本にしか見えず違和感がある

昔のアメリカドラマのようなノリと言えなくもないので、そういう作品が好きな人になら受け入れられるのかも。アメリカンな日本(ジャパン)はポリコレ汚染された外国人にはウケそう。日本だけだと厳しい状況になっているのは事実で、海外を強く意識した作品はこれから増えるだろう

 

・SYNDUALITY Noir 0.7
バンダイナムコグループによるメディアミックスプロジェクト『SYNDUALITY』の一環として作られたアニメ作品が本作。分割2クール作品で2024年1月より第2クールが放送される予定になっているが、このスカスカの中身なら1クールで完結できただろう

アニメ制作はエイトビット。作画は及第点をつけられる。三流制作会社の作品だとロボットが禄に動かなかったり、そもそも戦闘シーンを大幅カットしたりするがそういったことはない。ロボットのデザインも悪くないと思うが、他の人の感想を見ると賛否真っ二つって感じ。まあ、ロボットのデザインって自動車のデザインに通じるものがあるからな。好みは人それぞれでしょ

本作はSFという分類がされていることが多いが、本作にSFを期待して視聴すると0点まであるだろう。第2クールは多少はSFっぽくなるのかも知れないが、本作はあくまでロボットアニメだと思う。ロボットが出てくるだけでSFなのかね

多すぎるキャラ、説明不足、出来の悪いメディアミックス作品の典型って感じ。明らかに20年前の出来事が重要そうだが、アニメはゲームの20年後の設定なので触れたくないのだろうな。ただ、ゲームでアニメの前の時代を描く上にその時代の説明を割愛したいのであればゲームを先に発売すべきだと思うが、ゲームは発売の目処が立っていない状態で開発中止もあり得そう。アニメだってスケジュールの遅れは珍しくないが、ゲームほどじゃない。ゲームのアニメ化ならともかく、同時進行でゲームを先に発売することを前提にするのは無理がありすぎる。メディアミックスだとアニメは後から発売するゲームの販促の位置付けが普通だろう

正直ストーリーに見どころなし。世界観の説明がなされないこともあるが、一部の設定を専門用語に置き換えただけのありふれたポストアポカリプスものの域を出ない。2クール使って丁寧に話を繋げるというより、とにかく2クールに水増ししたいのが見え見えで、ストーリーの本筋に関係ないエピソードが目立つ。DTを卒業すべく◯◯◯ランドらしき所で重要そうなキャラと出会ったのには笑ったけど

本作はDisney+の独占配信だが、ポリコレの権化であるDisney的にこの内容でいいのかね。メイガスは美少女タイプが多いし、女性キャラは露出多め。下ネタもガンガンぶち込んでくるし。翻訳版は意図的な誤訳で押し切っているのだろうか

 

・好きな子がめがねを忘れた 0.6
原作は藤近小梅の漫画

アニメ制作はGoHands。作画は日常系(ラブコメ)とは思えないレベル。癖のある作画ではあるが、髪の毛までヌルヌル動くし背景もとても美しい。画角やカメラワークも特徴的でこの作品に引き込まれる感じ。勿論女の子も可愛いし、眼鏡フェチも納得のクオリティだろう

本作を端的に言えば『からかい上手の高木さん』+『古見さんは、コミュ症です。』。故に両方とも好きな人には本作は至高だろうし、筆者のように両方とも苦手な人には厳しい作品だろう

本作のきついところを挙げていくと、まずヒロインの三重あい。他の小悪魔系ヒロインと同様あざとい。とは言え、三重さんの不思議ちゃんなところが上手く作用していて、高木さんと比べればそれほどでもない。寧ろ、あざといヒロインが好きな人は不満に思えるだろう

問題なのは主人公の小村楓。流石にキモい。某アニメのように社会人ではなくリアル厨房なので妄想すること自体は自然だが、あまりに自意識過剰だし、ツッコミなしの独り相撲が”バナナで釘が打てる”レベルで寒い。ツッコミなしの独り相撲は『古見さん~』に通ずるものがあるので、『古見さん~』が苦手な人は序盤で離脱してしまうだろう

ツッコミどころに事欠かないのは筆者も自覚しているようで全くツッコミがない訳じゃないのだが、ツッコミが少ないのは本作が”ツッコんではいけない”ラブコメだから。ツッコむと設定が破綻するからなあ。三重さんの視力だと眼鏡なしだと階段から落下して大怪我しそうで日常生活に支障をきたすレベルだと思うが

それなのに門限とかいうエピソードを入れるアホさ加減。”ツッコんではいけない”ラブコメなら徹底的にファンタジー路線でいかなきゃいけないのに現実に引き戻すとは。折角素晴らしい作画で幻想的なのに台無し

それと”5分に1回印籠を出す水戸黄門”なのが本作のきつさに拍車をかけている。全13話で原作の6巻まで消化したと思われるが、コメディ作品なら無理なペースではないと思う。しかし、本作は他者との絡みを徹底的にカットしたようで小村くんと三重さんのツーショットがやたら多く、三重さんの視力が悪い故の天然に小村くんがオーバーリアクションするのを頻繁に見せつけられるので流石に飽きる。中盤から徐々に恋愛色が強くなっていくのだが、序盤のキモさが祟って中学生らしいピュアな恋愛に思えない

もっとキモさを抑えるべきだったと思うし、三重さんが眼鏡を忘れる頻度をもっと下げるべきだっただろう。そうすれば眼鏡のあるなしでのコントラストができて、ワンパターンからも脱却できたと思う。そもそも眼鏡を忘れるか忘れないかだけで13話自体に無理があるとは思うけど。ショートアニメが無難だっただろう

好みが多様化した現在、万人受けする作品なんて不可能だが、受け入れてもらえなくても「作画は素晴らしいが、あまり面白くない」と言われるか「作画以外はゴミ」と言われるかは雲泥の差で、作品自体の評価に大きく影響する。原作は全12巻なのでもう1クールあれば最後まで行けそうだが、続編はあるのかねえ

 

・火狩りの王 0.5
原作は日向理恵子の小説。WOWOWオリジナルアニメだが、他サイトでも配信されている

アニメ制作はシグナル・エムディ。大した実績のない会社が担当しているせいなのか超低予算アニメなのか知らないが作画が酷すぎる。作画コストが高そうな戦闘シーンなどで止め画、(漫画のような)カット割を多用、場面が切り替わるたびに黒背景に文字演出は鬱陶しいことこの上ない。無料配信しているYouTubeアニメだってもっとクオリティが高いが

正直、掴み所がない世界観。人類最終戦争後の世界が舞台だが、作画の雰囲気的には『火垂るの墓』や『この世界の片隅に』っぽい感じなので終戦直後、ただ首都の町並みは明治-大正時代な感じだし、人工衛星が存在して人類最終戦争では高度な生物兵器が使われる世界はいつの時代って感じ。まあ、所詮ファンタジーで架空の世界だといえばそれまでだが

用語や設定の説明はあるにはあるが、台詞のみでサラリと済ませて終わり。一応、本編終了後に用語集的なのが10秒あるが、折角アニメ化したんだからアニメで説明しようとは思わんのかね。ゆったりとしたストーリー進行なのに

紙漉の村に生まれ、自分を庇って死んだ火狩りの形見を届けに首都に向かった灯子と首都で雷火の研究をしている煌四の人生のクロスオーバーを描いた作品だが、二人が出会うまでに時間がかかる上に話がどんどん膨らむ一方。元々分割2クールの予定なのでSeason1がぶん投げENDなのは仕方がないが、Season2できちんと風呂敷を畳めるのかね。本作は1クール10話なので2クールでも20話、1クール13話の作品なら1.5クール+α相当だが

「考えるな。感じろ」的なモヤッとした話は如何にも(脚本・シリーズ構成を担当している)押井守って感じなので、押井信者なら楽しめるのかも

 

・アルスの巨獣 0.5
旭プロダクション制作のオリジナルアニメ。同社は過去に『ピーチボーイリバーサイド』や『WAVE!!~サーフィンやっぺ!!~』等の問題作を手掛けていて嫌な予感しかしないが、本作も悲惨なことに。世間の低評価の一番の理由は全てを達観したような”笑撃の「完」”によるものだろうが、それ以外にも問題が。ク◯アニメあるあるでOPとEDだけは出来がいいので、本編はスルーを推奨する

作画は正直並以下。作画崩壊ではないので日常系アニメなら許されるレベルだろうが、本作はバトルシーンが不可欠。バトルシーンは作画もそうだが、そもそもシーン自体が淡白で緊迫感に欠ける。銃で倒せるみたいだし、こんな危険なことをする必要があるのかと思うのは筆者だけなのだろうか

1話冒頭から進撃の巨人かって突っ込みたくなるような既視感の塊。ジブリっぽいのは狙いらしいが。昔と違ってアニメ=子供のものではないし上の年齢層にも観て貰いたいのだろうが、おじさん達は見る目が肥えているからこんな紛い物じゃ納得しないと思うけどね

とりあえず思い付きで色々詰め込んでみましたって感じで無駄が多い。二つ名ってなんだよ。二つ名って世間が決めるもので、自ら名乗るものではないだろう。二つ名に限らず、謎設定・謎展開のオンパレードなので観れば観るほど疑問が増えていく

ロードムービーも必要なかったと思う。あまり説明に頼らずアニメで理解させたいのは分かるのだが、”笑撃の「完」”で終わっているように明らかに尺が足りないんだから。仲間加入イベントではあるが、ぶっちゃけこいつらはいなくてもストーリーに関係ないからなあ。世界には色々な種族が暮らす村があることを示すのにこんなに尺を使う必要はないだろう

2クールならと擁護する意見もあるが、2クールの予定が突如1クールになったとも思えないし。今時オリジナルアニメが2クールで作られることなんて皆無でしょ。ミャアもただでさえ謎なのに終盤不審な行動をするし、風呂敷をどんどん広げるばかりで畳もうとしないんじゃ1クールだろうが2クールだろうが同じ。いくら尺が足りなくても審判の時(刻?)までは描くのが普通でしょ。それにそもそもストーリーに筋が通ってないから、とっ散らかって終わりがオチだろう

 

・The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War 0.5
原作は日本ファルコムRPG英雄伝説 閃の軌跡』シリーズ。このアニメを元にしたスマホゲーム『英雄伝説 閃の軌跡:Northern War』も制作されるようだが爆死確実だろう。ゲーム機やPC(Steam)向けゲームのソシャゲ化を望む人は少ないだろうし、販促アニメでもある本作のデキの悪さでは未プレイ層には全く刺さらないだろう。因みに筆者も未プレイ

他のゲーム原作アニメ同様一見さんお断り仕様。更に本作はこれまでの(ゲーム)シリーズで扱っていなかったエピソードのアニメ化らしい。ゲームに例えるならDLCみたいなものか。DLCなら本編をプレイしていることが前提なので説明無しでもついてこれるだろうが、アニメでは…。シリーズのファンだけだとソシャゲではペイしないと思うのだが

説明を完全に放棄しているので状況が理解できないのは勿論、主人公たちに感情移入もできない。立ち位置的にエレボニア帝国が敵であり悪の枢軸なのだろうが、ノーザンブリア自治州も魑魅魍魎が跋扈して口先だけは民衆のためというリーダーばかりにしか思えず、露骨に私利私欲を優先している輩も。例えるなら岸◯と麻◯と二◯から誰を選ぶかって話。ぶっちゃけ他国に亡命したくなる

アニメ制作はタツノコプロなので作画はご察し。タツノコプロにしては頑張っている方で多少怪しいところはあるものの目立った作画崩壊はないが、肝心の戦闘シーンが頂けない。3Dモデリングしたロボットは背景から明らかに浮いているし、戦闘シーンも止め画でごまかして作画コストを下げることが最優先って感じ

手塚プロとかタツノコプロとか日本のアニメ黎明期を支えてきたプロダクションが今や地雷制作会社なのは寂しい限りだ

 

異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する ~レベルアップは人生を変えた~ 0.5
原作は美紅のライトノベル。長いタイトルだが、カクヨムでの連載で非なろう系。スピンオフやコミカライズも出版されている

アニメ制作はミルパンセ。お世辞にも作画クオリティの高い会社ではない印象だが、本作の作画は良好な部類。ただ、アクションシーンは物足りないが、本作のアクションシーンはギャグみたいなものだしなあ

本作を端的にいえば「(週刊誌などに載っている)パワーストーンの広告のサクセスストーリーをアニメ化したような作品」。この手の作品に重厚なストーリーを求める人はいないだろうが、薄っぺらいにもほどがある。全てがなあなあで進行するからなあ。ぶっちゃけ、なろう系より酷いかも

異世界と現実世界の関連性は皆無に等しいが、異世界でのパラメータが現実世界でも反映されるため球技大会は断末魔、いくらイケメンだからって世間の連中が皆振り向くことはないと思うが、この辺はギャグ要素ってことなのかね。正直、笑えんけど

脳死で見られる作品なのは確かで、その手の作品が好きそうななろう系愛好者なら悪くない作品だと思われるが、上述通りなろう系も真っ青のやっつけ感100%のストーリーなので百戦錬磨の愛好者でも嫌悪感を示すかも知れない

 

・うちの会社の小さい先輩の話 0.5
原作は斎創の漫画。元々はTwitterで連載していたものを同人誌として書籍化。それが評判になり2020年4月より商業版が連載開始。但し、商業版開始後も同人版として電子書籍で展開していて、こちらには【同人版】と記されている

アニメ制作はproject No.9。作画は普通。先輩のキャラデザは原作よりも可愛い系にシフトした感じ。尖った作品の多い同社らしく、ほっこりとした普通のラブコメとは言い難い作品

最近多い、ゆるい両片思いラブコメ。男が気持ち悪いという意見が多いが、ぶっちゃけ男も女も気持ち悪い。オフィスラブコメと言えば2クール前に『氷属性男子とクールな同僚女子』があったが、トレンディドラマというか大学のサークルのノリだったのに対して本作はまるで中学生。いくら恋愛経験ゼロとは言え社会人だからね。妄想で頭がいっぱいになり、ちょっと話をしただけで「こいつら付き合ってるの?」とか南極より寒すぎる

ブコメ以外に見どころがあればいいが、会社らしいイベントはあるものの中学生ノリをずっと見せられ続けるだけなので途中で「ダメだこりゃ」って確信できるからなあ。良くこれをアニメ化しようと思ったな…。まあ、実写だったらもっと寒いだろうけど

好みは人それぞれなので、このノリでもほっこりとしたラブコメとして楽しめる人やこのキモい所がいいんじゃんって思える人ならいいのだろうが、筆者を含めてそうは思えない人は結構いそう。第1話は無料で観られる所が多いと思うので、ほっこりとしたラブコメが好きな人は第1話を観てから視聴するか決めればいいだろう

 

・英雄教室 0.5
原作は新木伸の小説。原作だけでなくスピンオフのコミカライズ作品も複数あって満を持してのアニメ化なんだろうが、原作がゴミなのかアニメ化失敗なのか分からないが、正直残念な作品

アニメ制作はアクタス。シンプルなタイトルが示すように本作はなろう系ではないが、石鹸枠+なろう系の準なろう系と言える作品で、なろう系ファンを狙った低予算アニメなのだろう。その為、作画レベルはお察しだが、作画以前に内容がねえ

虚無アニメの典型というべき作品。何を描きたいのか、どういう路線で行きたいのかが分からない。元勇者のトモダチ作りを体にしたコメディ色強めのファンタジー系日常アニメってところなのか

とにかく全てにおいて雑。舞台が英雄を養成するエリート学校という設定もタイトル回収の為だけって感じ。普通の青春を謳歌したい元勇者が何故英雄養成学校の生徒なのか、そもそも魔王を倒して世界に平和が訪れたはずなのに英雄養成学校なんて必要なのか。特定のキャラのバックグラウンドには触れられるが、それより「大元の設定は?」って思ってしまう

パロティも雑で1話丸々某作品のパロディだったりする。元ネタが分からん人は放置かい。まあ、元ネタが分かったところで面白くもないし、そもそも”内容が無いよう”なので1話位分からなくても何の問題もないが。無意味に服が破れたり、混浴温泉が出てきたりでエロで釣りたいのがひしひしと伝わってくるが、エロいとは思わないし面白くもない

ストーリーは”昨日の敵は今日の友”の繰り返しで単調。テンポが良いのは救いだが、裏を返せばそれだけ内容が薄いってこと

最近はなろう系に席巻されて非なろう系のライトノベルは影が薄いが、この程度の作品がアニメ化されるならそれも当然と思わされる。本作は原作の4巻あたりまでアニメ化したと思われるが、この調子だとここから先もダラダラと話が続くだけで期待できそうもない

 

・とあるおっさんのVRMMO活動記 0.5
原作は椎名ほわほわの小説。所謂なろう系。コミカライズの他、本作をモデルとしたMMORPG『ワンモア・フリーライフ・オンライン』『ワンモア・フリーライフ・オンライン・モバイル』も提供された(既にサービス終了)

アニメ制作はMAHO FILM。実績のない制作会社に加えてなろう系作品ということで作画はご察し。目立った作画崩壊というよりは全体的にレベルが低く、特に技名をいちいち画面に表示してショボいエフェクトで誤魔化すのはチープ感が半端ない。PS4の時代に初代PS並みのグラフィックでプレイヤーの度肝を抜いた『ファイナルソード』を彷彿とさせる。まあ、『ファイナルソード』はMMO(RPG)ではないが

ぶっちゃけ普通の(テンプレ)なろう系。プレイヤーがおっさんであることもゲームの中の世界であることも活かせていない。なろう系にありがちな青年が中世のヨーロッパっぽい異世界(ナーロッパ)に転生したで話は通じる。主人公は目立ちたくないと言いながら特別待遇に悦に入っているし、結局俺TSUEEなんだよなあ

武器や防具を自分で作ってより強いものを目指すゲームらしい要素もあるが、そこに重きをおいていない感じ。オンラインゲームはアップデートで新要素が追加されていって終わりが見えないが、本作もダラダラとストーリーが進行する

それとヒロインのフェアリークイーンはかなり積極的で、主人公がログインするとログアウトした時は一人だったにも関わらず同衾していたりするのだが、残念ながら(?)エロシーンは皆無。まあ、この作画でエロシーンを描かれてもとは思うし、「ぱふぱふ」の方が想像力が掻き立てられていいかもね

上述通り、テンプレなろう系なのでなろう系が好きな人にとっては悪くない作品だろう。作画の悪さにも慣れっこだろうし

 

・はめつのおうこく 0.5
原作はyoruhashiの漫画

アニメ制作は横浜アニメーションラボ。目立った作画崩壊はないものの戦闘シーンのクオリティの低さは目に余る。記述式召喚魔法の使い手とは言え、いちいち魔法名を文字で表示するのもダサすぎる。しかも読み方が厨二病的だし

破滅的なのは作画だけでなくストーリーもで、今の世界のバックボーンが殆ど語られず何故人間と魔女が反目しているのかよく分からないのでキャラの行動原理が理解できないし感情移入もできない。無駄に残虐シーンが多いだけの胸糞アニメになってしまっている

ストーリー構成的には前半はハイテンポで進行するが、後半スローダウンする。グロテスクなシーンを中和したいのかラブコメ的なコメディ要素が増えるが世界観に合っておらず正直寒い。更に敵キャラの方が存在感があって、主人公とヒロインの影が薄い

ダークファンタジーが好きでグロシーンに耐性があるならそこまで悪くない作品なのだろうが、もう少し緻密さがあれば評価が上がっただろう。原作は既に11巻まで出ているので1クールアニメだとまだ序章なんだろうが、それにしてもとっ散らかって核がない印象でこれではストーリーに惹きつけられない

 

・攻略うぉんてっど!~異世界救います!?~ 0.5
bilibili製作のオリジナルアニメ『暂停!让我查攻略』の日本語版。字幕ではなく、日本の声優による吹替

端的に言えば中華マネーで作られたなろうアニメ。社畜が死んでゲームの中の世界に転生もありがちな設定だし、説明不十分で雑に進むストーリーもなろう系そのもの。雑な展開はコメディ色が強いぶんまだマシだが。それと原作は17-18分程度なので日本の標準的な30分アニメ枠の24分程度に引き伸ばすため前回のあらすじとCパートの寸劇が長く、それがテンポの悪さに繋がっている

コメディ要素は一部日本人には分からないようなものもあるが、ゲームの中の話だからだろうがゲームのパロディネタが多いので日本人にも理解できるはず。ただ個人的には中華アニメなら中国っぽい方がいいというか、日本人じゃないと分からないようなネタを入れられてもって思ってしまう

なろう系アニメと言えば作画レベルが低いのが相場だが、bilibili製作なだけに十分なクオリティ。キャラデザも可愛らしくて画を見ただけでは中華アニメとは思えない。キャラの名前を聞いて初めて中国かって認識するレベル

ヲタクは中華アニメもCGアニメも好きじゃないだろうからウケるとは思えないし、中華アニメにアレルギーのない非ヲタクにとってもこのストーリーの完成度では視聴に値しないだろう。中の人が日笠陽子だしもっとゲスでもいいと思うけどそこまででもないし。評価が上がらないのも当然だろう

 

・ライアー・ライアー 0.4
原作は久追遥希の小説。コミカライズされているが、金田一蓮十郎の漫画『ライアー×ライアー』とは別物。こちらは実写映画化されているが、アニメ化はされていない

アニメ制作はGEEKTOYS。作画は底辺レベルで序盤から崩れている。女の子は可愛いがこの作画じゃねえ。幸か不幸か作画以前にストーリーが終わっているので、「作画のせいで台無し」と言われないのは制作会社にとっては救いだろう

あらすじはランク制度のある四季島(通称:学園島)に転入してきた主人公の篠原緋呂斗が偶然、絶対王者・彩園寺更紗を倒し7ツ星となるが、表面上だけで実際は1ツ星。名実ともに7ツ星となる為に緋呂斗を補佐するメイド姫路白雪や仲間となった彩園寺更紗らと共にイカサマでも何でも駆使してトップの座を死守する話。『ようこそ実力至上主義の教室へ』路線の作品だろう

スコアが示す通り、ぶっちゃけ糞。スポーツものでもそうだが、ルール無しの戦いほどつまらないものはない。作中に出てくるゲームはルールが複雑で初見では理解できない上に、アビリティもどんなものがあるか視聴者には分からず、その上誘拐や買収、ハッキング等やりたい放題で不正禁止は建前だけ。不正がバレたら退学になる筈だが、どこかの国みたいに上級国民だと何故か居座れる模様

緋呂斗はイカサマだけでなく戦略で勝っていく体ではあるが、結局のところ(何でもありの)ドラえもんひみつ道具に頼るのび太であることに変わりはない。それにこんなに上級国民がやりたい放題なら、緋呂斗が負けても理事長権限で勝負は無効にできるんじゃないの。緊張感の欠片もない

まあ、この手の作品はガバガバがデフォなので、こういうのが好きな人には本作も面白いのかも知れないが、そうでない人が視聴しても時間の無駄だろう

 

・カミエラビ 0.4
UNEND制作のオリジナルアニメ作品。錚々たるリエーター達が参加していることが売りのようだが、伝説のク◯アニメ『ジビエート』もそうだったしね。ハズレの予感しかしないのだが…

作画は正直褒められたものではない。5年前なら許容されただろうが、今は技術も進歩している。CG作品だが、モデリングが甘く不自然な動きをする。ヌルヌル動く割に何故か胸部はビクともしないのはポリコレを意識しているのか。キャラデザはかなり癖がある。キャラに癖があるのは許すとしても、制服らしき服がノースリーブなのはかなり違和感がある。それともう少しキャラデザを凝れなかったかね。デフォルメキャラを使うようなコメディ作品じゃないんだし、あまりにシンプル過ぎる

酷いのは作画だけではなくストーリーもで、端的に言えば『プラチナエンド』に『結城友奈は勇者である』のエッセンスを垂らした劣化プラチナエンド。ぶっちゃけプラチナエンドも良作とは言い難いが、本作を見た後だと傑作に思えるw終盤はともかく、少なくともデスゲームの部分は悪くないデキだったと思うし

途中でリタイアするキャラもいるが、デスゲームが題材にも関わらず終盤になるほどキャラが増えていく。所謂キャラ回を経てキャラが増えていくストーリー構成なので殺し合いメインだと参加した側からどんどん死んでいくような話になってしまうし、デスゲームに対するアンチテーゼにしたいのかデスゲームではなく死生観が焦点なのは分かるのだが、こういうのってストーリーあってのメッセージであってそれ自体はシナリオの核にはならないものだと思うが

設定がガバガバなのもあってデスゲームの緊張感は皆無だし、だったら参加者が結託して運営の闇を暴こうとするのかと言えばそうではない。主人公の能力だけ代償を伴うのも単にゆゆゆのパクリとしか思えないし。終盤の強引な展開でぶん投げENDは『ジビエート』と同じ。名のあるクリエーターばかりだと全員の顔を立てなければいけないから中途半端な作品になりがちなのだろう。当に”船頭多くして船山に登る”って感じ。一応2期が予定されているようだが、このデキでは期待できそうもない

とにかくデスゲームものが好きな人、参加しているクリエーターの信者、緻密なストーリーより雰囲気重視の人なら悪くない作品なのかも。逆に『プラチナエンド』を知っている人、筋の通っていないグダグダ展開が嫌いな人には酷評されても仕方がないだろう

 

冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 0.4
原作は門司柿家の小説でコミカライズも出版されている。タイトルで察するように所謂なろう系

アニメ制作は颱風グラフィックス。なろう系アニメなので作画には期待できないとは言え、かなり酷いデキ。戦闘シーン以外でも徐々に崩れることが増えるが、戦闘シーンは最初から殆ど紙芝居。冒険譚に重きを置いた作品ではないのだろうが、これはねえ…

タイトル通りのようでタイトル通りではない作品。確かに娘はSランクの冒険者ではあるのだが、艱難辛苦の末にSランクに到達して故郷に凱旋する話ではなく、Sランクまでの経緯は全くと言っていいほど描かれない

では何が描かれるかと言えば、本作は辛い過去を持つ人物が多く、厳しい境遇にある人達に愛を注ぐハートフルな異世界ファンタジーと書けば多少は体面が保てるが、娘のファザコン全開の作品。ストーリーは無いようなもので、イベントの度に父(ベルグリフ)に好意を抱く女性が増えて娘(アンジェリン)が嫉妬する機会が増える

びっくりするほどストーリーが盛り上がらないし、当に虚無アニメって感じで嘸かし低評価なのかと思いきやそうでもないようで。まあタイトルからしてなろう系なので、なろう系が好きでない人は見ないってことなのかね。なろう系嫌いにはオススメできないが、ベルグリフのカッコ良さが魅力的なので中の人(諏訪部順一)のファンなら

 

魔法少女マジカルデストロイヤーズ 0.3
JUN INAGAWAの作品のコンセプトを元に作られたアニメ作品。アニメ放送開始と同じくしてソシャゲもリリースされたが、早々にサービス終了が決定し、アニメもゲームも惨憺たる出来

アニメ制作はバイブリーアニメーションスタジオ。OPとED(の映像)は素晴らしいが、本編の作画は普通。作品の世界観に合わせて手描きっぽいCGを使っているのは評価できるが、バトルシーンに見どころがある訳でもないし。シナリオの出来の悪さからすれば勿体ないレベルだろう

本作を例えるなら、バランワンダーワールドとかフジテレビのようなアニメ。(´・ω・`)とか今となっては懐かしいという印象だが、2011年の設定なのでAA(アスキーアート)文化は健在。ただノリ自体はもっと前の時代っぽい感じ。バランワンダーワールドはKOTY(クソゲーオブザイヤー)に選出されるなど出来もセールスも散々な結果だし、フジテレビも視聴率で万年最下位と言われたテレビ東京の後塵を拝す有様。そんな両者に共通するのが過去の栄光に縋っていること。成功者である我々の感性で作られた作品が面白くない訳が無いという驕りが端々に滲み出ているから、不快感を感じるし作品に引き込まれない。本作も当にそんな感じ

「好きなものを好きなだけ好きという」。本作の主人公であるオタクヒーローが事あるごとに口にするセリフだが、今の時代だと違和感しか感じない。趣味嗜好の多様化に歯止めがかからず、ドラマの視聴率だって1桁が当たり前で皆が共通の価値観を持ち得ない時代。そんな時代では「好きなものを大過剰に好きといって(流行っている根拠にして)反対意見を封殺する」のが当たり前になっている

ぶっちゃけストーリーは糞。シリアスとコメディのバランスが悪い上に寒いネタも。「俺達の戦いはこれからだ」とかこのク◯アニメで言われても全く笑えん。実際その通りだしな。物語の本筋に関係ない話も多く、それを無理やり「好きなものを~」で括ろうとするのは無理がある

勿論オチも激寒。脚本家は秀逸なオチと思っていそうだけど。ありがちなオチ+俺戦END。続きはソシャゲでってことだろうが、ク◯アニメの続きを知るためにソシャゲをプレーしたいと思う人はいるのかね

せめてもっとシリアスに寄せて設定や背景を丁寧になぞればこの作品を評価する人も増えたと思うけど。JUN INAGAWAがどの程度このプロジェクトに関与したかは知らないが、自分の名前でク◯ゲーとク◯アニメを作られたんじゃたまったものじゃない

 

異世界ワンターンキル姉さん 〜姉同伴の異世界生活はじめました〜 0.3
このえによる小説を田口ケンジの作画で漫画化した作品が原作。タイトルで察しのようになろう系。ぶっちゃけなろう系は好きではないが、なろう系二大不快要素の俺TSUEE&ハーレムは回避しそうだと思ったのだが…

タイトルに偽りがあるので、『異世界ワンパターンで飽きる姉さん』に変えた方がいいだろう。毎回ワンターンって訳にはいかないからね。とは言え姉がチート級に強いのは間違いなく、ブラコン&姉TSUEEの連続は緊張感の欠片もなく速攻で飽きる

流石にこれでは持たないと思ったのか、中盤以降は人数が増えてハーレム&オネショタものに。しかし、真夜とキルマリア以外の姉さんポジションのキャラが増えて奪い合いになるだけで本質的に何も変わらんからねえ。エロシーンもあるが内容的にも作画的にも一線は越えないし特に見どころはない

なろう系は設定ガバガバのご都合主義がデフォルト化しているが、”内容が無いよう”は当にこの作品の為にあるような言葉。良く言えば頭を空っぽにして見られる軽い作品だが、皆同じようにボケてツッコミ不在がずっと続くのに耐えられない人の方が多いだろう

アニメ制作は月虹。過去に制作協力はあるものの、本作が初の元請けでのアニメ制作のようだ。作画は崩れてくるし手抜きも目立つが、なろう系ならこんなもんって感じ。C級なろう作品がC級アニメ制作会社の持続化給付金状態になっているのは何とかならんのかね

P.S. アシㇼパも何年かするとこうなってしまうのだろうか…

 

・Opus.COLORs 0.3
C-Station制作のオリジナルアニメ作品。筆者は未視聴だが、本作同様女性向け作品である『スタミュ』と同じ制作会社で監督やシリーズ構成等のメンバーも同じようなので期待が大きかったようだが…

作画は正直パッとしない。C-Stationはゆるキャン△を手掛けた制作会社だが、腐女子向けアニメにコストはかけられないってことか。キャラデザは『スタミュ』と同じ人が担当していることもあって似ているが、『スタミュ』は2015年の作品なので今時の作品としては少し古くさいし、キャラが簡素に見える

まあキャラが古臭くても内容があればいいのだが、どこぞの内閣の”骨太の方針”位中身がないし、魂胆が見え見え。幼馴染が仲直りするだけの話に12話使っているからなあ。絵を描くだけなのに態々グレーダーと呼ばれるプロデューサー的立場の人と組まなければいけないのは意味不明だが単に(声優の)ペアを組ませたいからだろうし、作者不明の絵の作者を犯人呼ばわりして態々探す必要があるとは思えないが、これも幼馴染が仲直りする話に関係があるし、話を引っ張っている間に他のペア回を挿入する為だしね

ぶっちゃけアートである必要性がない。折角、VRアート(作中ではパーセプションアート)という目新しい題材を扱っているのに、VRアートの特徴や素晴らしさが全く伝わらない。傑出した才能を持つ先輩がいて主人公たちはその作品に感銘を受けるのだが、客観的に見てスライムとスライムベスの違い程度でしかない。結局、声優のMVが作りたいだけ。魅力的なペアは1組もなく、グレーダーとアーティストの仲が悪い所をずっと見せられる感じ

強いてアートらしい所を挙げるなら、各話のタイトルの後ろにある#で始まる文字列。これは色コードで、Webなどで色を指定する際に利用するもので各話のイメージを色で表しているのだろうが、正直各話に特徴があるとは思えない。それより月見里と書いてやまなしと読むことの方がためになるだろう

おっさんから見れば腐女子向け作品=駄作の山だが、本作は客観的に見て酷いでしょ。こんなんでも絶賛するヲタクがいるのだろうが、このレベルで絶賛しているようだともっと質の悪い作品が量産されるだけだと思うけどね。良作を求めるなら、もっと厳しい目を持たないといけない

 

ウマ娘 プリティーダービー Season 3 0.2
期待はしていなかったが、予想以上に酷かった。ヲタクに媚びないからヲタに反感を買っているのではなく、盛り上がらないから純粋につまらんと思っている人が多いのだろうな。あと競馬の知識があると腹が立つことが多いので、競馬ファン向けとか言っている一部のレビューは間違っていると思う

アニメ制作はスタジオKAI。作画クオリティには定評のある会社なので、レースシーン以外の描写は素晴らしい。ただ、肝心のレースシーンはねえ。作画クオリティの問題ではないが、あまりに単調。調教でもレースでも只管叫んでいるだけ。直線の叩き合いも絶叫&エフェクト多用でアニメとしても見どころがない。競馬=脳筋のスポーツではないから、アニマル浜口みたいに気合だけでは勝てない

内容についてだが、まず何故キタサンブラックウマ娘シリーズは主人公の馬が持つドラマとライバル関係が肝だと思うが、どちらの面でも物足りない。キタサンブラックは相手に恵まれた感は否めないし、故障らしい故障はなかったからねえ。運と健康は名馬の条件なのは確かでキタサンブラックを貶めるものではないが、ドラマ性に欠けるのも事実。それを”衰え”とか訳の分からないことを言い出してストーリーを〆ようとするから「は?」ってなる訳で。天皇賞(秋)1着、JC3着、有馬記念1着で衰えたというのは、表向きの献金が減っても裏金塗れの政治家並に説得力がない

ライバルはサトノダイヤモンドってことなんだろうが、”サトノの呪い”は1話費やすほどの話なのか。多くのウマ娘ファンにとっては特に金子真人所有馬が全く出てこない”サイゲの呪い”の方が気になると思うけどねw

他に気になる点としては、トウカイテイオーとかナイスネイチャとか昔の世代に頼り過ぎ。ナイスネイチャは物凄く長生きしたけど、トウカイテイオーキタサンブラックが生まれた直後に没しているから、史実に照らし合わせるとキタサンブラックトウカイテイオーの幽霊と話していることになる

そもそもトウカイテイオーが目標っておかしいでしょ。今の中学生が「憧れの歌手は?」って聞かれて矢沢永吉って答えるようなもの。永ちゃんファンがいないとまでは言わないが米津玄師とか答えるのが普通で、キタサンブラックにとっての米津玄師はオルフェーヴルだと思うけどね。アニメの粗筋は社台の馬が使えるようになる前に決まっていたから、慌ててドゥラメンテだけはねじ込んだってところか

まあトウカイテイオーに関しては同じチーム所属ってことらしいので仏の御心で大目に見るとしてナイスネイチャはなあ。別なチームな上に、G1を何勝もしているキタサンブラックがG1未勝利のナイスネイチャにどうやったら勝てるか相談に行くとか当てつけ以外の何物でもないでしょ。制作側はネタのつもりみたいだが、こういうのは笑えん

当てつけと言えばマリアライト(アニメではリバーライト)の扱いが酷すぎる。「誰?」はないだろ。宝塚記念と同距離で行われる前年のエリザベス女王杯の覇者で今回も稍重馬場。良馬場だと切れが足りないが、道悪は得意で伏兵として警戒しなければいけない1頭。叫んでいるだけでレースに勝てるから周りを見ていないんだろう。キャロットの関係者が本作を視聴したかは定かでないが、見ていたら激怒だろうな。マリアライトは勿論、リスグラシューウマ娘に採用されることはないだろう

どうしても「誰?」を使いたいなら、最後の有馬記念の2着馬(クイーンズリング)に「誰?」って言って欲しかった。クイーンズリング宝塚記念マリアライト同様8番人気(の牝馬)。まあ、社台の関係者が見ていたら激怒して「やっぱり社台の馬はウマ娘に使わせない」ってことになるだろうけどw

それと中途半端な史実改変は必要なのか。史実ではドゥラメンテ宝塚記念2着の後、故障で競走能力喪失の診断を受けて引退しているが、アニメでは現役続行。しかしレースには出てこない。ウマ娘は史実を基にしたフィクションなんじゃないの。だったら懸命のリハビリで有馬記念に間に合ってキタサンブラックと再度対決ってことにすれば盛り上がりに欠けるストーリーも少しは盛り上がったと思うのだが

本作では学園を去るウマ娘が描かれているが、「限界を感じてターフを去るのは珍しくない」と素っ気ない態度。ただ、走れさえすればレースに出て稼ぐことも可能だが、競走能力喪失じゃレースに出ることは不可能だから余裕で”限界突破”しているのだが。限界=サイゲに逆らうとウマ娘には採用されないという脅しなのかね。だったら、「あの娘、シロフネちゃんって言うんだけど、馬主さんが学園の上層部と喧嘩したから学園を去るんだって」とでも言わせればいいのに

腐女子狙いのスポーツアニメの多くがク◯アニメなように、本作も萌え豚にバンバンお布施させるための販促アニメだからね。そんな作品にクオリティを求める方が間違いなんだろう。ウマ娘は映画公開が決定しているが、中身にはとても期待できそうもない。ゲームも明らかに失速した今、大ヒットは期待薄だろう。特典商法でどこまでだろうな

 

・絆のアリル 0.1
キズナアイの活動休止中に進行するプロジェクトとして原作・キズナアイの名義で制作されたアニメ作品。分割2クール(と見做すのが妥当な)作品だが、凄まじいクオリティの低さで1クールで断念した。が、1クール視聴したことを褒めて貰いたい

原作・キズナアイとなっているが、本作はキズナアイの物語ではない。故にキズナアイは殆ど出てこない。海老で鯛を釣るではなく、キズナアイでヲタを釣ってボロ儲けを狙った志の低いプロジェクト。まあ、キズナアイが出てくるだけジーコサッカーよりはマシだろう

WIT STUDIOシグナル・エムディの共同制作だが、最終話のライブシーンだけ別次元のクオリティなので最終話だけWIT STUDIOが担当したんだろうな。クレジットを見れば分かりそうだが、今更確認する気にもならん。シグナル・エムディは有料視聴者100%である筈のWOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』でもあり得ないレベルの低クオリティで地雷制作会社と言っていいだろう

予算もやる気もないのが手を取るように分かるクオリティ。キズナアイが出てくることで分かるように本作は現実世界と仮想世界を描いているが、現実世界のキャラと仮想世界のアバターは殆ど同じ。明らかな手抜きだと思うが、それを「リアル世界の自分をそのままアバターに使っている人は50%位」というご都合設定で誤魔化す

皆の大きな目的であるバーチャルアーティストの最高峰・ラピンドールを決めるバーチャルグリッドアワードだが、課題曲があるのにも関わらず歌詞は変更しても構わないというルール。これも歌詞だけを変更してキャラソンを量産するためだろうし。歌唱シーンはあるが、背景は代わり映えしないし、曲は歌詞だけ違う使い回し、アクションも大差なくカメラワークも工夫なし。主人公のミラクは歌もダンスも稚拙という設定で作中を通して成長していることになっているが、一体何が違うのか『ウォーリーを探せ』レベルで分からんw

勿論、ストーリーに見どころなんてなくカルピスを1000倍に希釈したような薄さ。キズナアイの名前を出しているからか絆がテーマになっているが、仲間たちを掘り下げるのは後半になってからな上に後半に仲間になるメンバーもいるし、前半は殆ど無駄。しかも、Cパートのしょうもない寸劇で尺を潰す始末

本作は4月に放送開始で10月から2nd Seasonが始まるが、7月から再放送する局もあるらしい。そんな金があるならクオリティ向上に使えよ。ぶっちゃけ1st Seasonだって6話でも十分な位だし、1クールで最後まで行けると思うけどね。2クールにすれば信者が買う円盤の枚数も2倍でガッポガッポって皮算用なんだろうが

正直0点にしようと思ったが、最終話のライブのデキとアリルズプロジェクトの犠牲者に同情して0.1点

P.S. アリルズプロジェクトはKizuna AI株式会社がプロデュースして、アニメの登場人物と演者を現実世界と仮想世界を繋ぐ”XRアーティスト”として活躍させて「一粒で二度美味しい」を狙ったプロジェクトで2023年2月より活動してきたが、2024年3月をもって事実上の活動終了。アニメがこけて速攻でサ終するソシャゲみたいなものだが、このクオリティで販促になると考えていたのかね。いくらなんでもヲタクを舐めすぎでしょ

 

・でんでんの電脳電車 0.0
CBCテレビAT-Xで放送されたオリジナルアニメ。CBCテレビは製作に参加している。所謂VTuberものは『バーチャルさんはみている』以降クオリティの低い作品ばかりで印象が悪いのは否めず、VTuberという肩書を前面に出すのはリスクが高いと判断したからかは不明だが、本作の出演者は(VTuber兼)VSingerということになっている

VSinger(バーチャルシンガー)とは上海禾念が販売しているVOCALOIDシリーズに出てくる架空の歌手の呼称だが、初音ミクなど広く音声合成ソフトに登場するキャラを指す言葉として使われている。また歌手活動をメインにしているVTuberのことをこう呼んでいて、本作ではこの意味で使われている。但し、本作に歌の要素は少なく、VSingerというより単なるVTuberアニメ

ぶっちゃけ死ぬほどつまらん。ショートアニメでは内容に多くは期待できないのは当然と擁護する向きもいるだろうが、3分程度の作品でもメリハリあるトークを展開している作品もあるからなあ。話の筋道は勿論、オチもなく、ダラダラと何となく終わる。登場キャラは5人で獅子神レオナとユプシロンがレギュラー扱いで全話に登場、残りのFigaro、Rasetsu、Mugeiは登場したりしなかったりだが、メンバーによって内容に変化がつくようなことはない

加えて作画のクオリティが商業アニメと呼ぶのは烏滸がましいレベルで低い。アニメ制作は獅子神レオナ以外のメンバーが所属するSTUDIO HUITだが、事務所に所属できないような泡沫VTuberが投稿する動画だってこれよりクオリティ高いでしょ。更に大半の回は電車の中でのシーンだが、当然のように背景は使い回し。やる気の無さが滲み出ている

この手の作品は登場するVTuberのファン以外は殆ど見ないことを前提に作られていると思われ、それ故に徹底したコストカットが行われているのだろうが、この程度の作品を商業アニメとしてリリースすること自体VTuberアニメは勿論、アニメ界全体のイメージダウンに繋がりかねない。なろう系アニメもそうだが、ヒットするわけ無いと考えているならアニメ化するなよ…

強いて褒めるとすればOP代わりのジングル位。トークの内容は1時間もしないうちに忘れるが、ジングルは翌週の放送まで覚えていられるくらいのインパクトはある

2023年に放送・配信されたアニメレビュー(その2:評価1.8-2.5)

2023年に放送・配信されたアニメレビュー(その1:評価2.6以上)の続き

 

・青のオーケストラ 2.5
原作は阿久井真の漫画。NHKで放送された音楽アニメと言えば『ピアノの森』が思い出されるが、音楽に関してはキャラ毎にピアニストを用意するなど力が入っていたのに対して、作画とストーリーは酷いもので殆どショパン・コンクールの話で終わってしまったが、本作も残念ながら『ピアノの森』と同じ傾向。総合的に見て『ピアノの森』よりはかなりマシだが、褒められるのは音楽についてだけなのは同じ

オーケストラだと楽器の種類がかなり多いが、本作の演奏シーンは合奏以外はバイオリンが中心で、専任の演者が用意されているのもバイオリニストが殆ど。しかし『ピアノの森』の場合ショパン・コンクールに出てくるようなピアニストは皆優秀なピアニストだが、本作は名門とは言え高校のオーケストラ部なのでスキルには大差がある。青野一や佐伯直は将来を嘱望されるレベル、小桜ハルや立花静、山田一郎は上手いが目を見張るほどではなく、秋音律子は初心者。青野一や佐伯直のスイッチが入った時の演奏も良かったが、演奏的に難しいのは寧ろ下手な方で、秋音律子は初心者なだけに目に見えて上達するが、それでも普通の経験者に比べれば下手な訳で演奏は大変だっただろう

クラシックを知らない人の取り込みも意識されていて、コンサートマスターとか座順の意味とかの解説もある。楽曲はCMなどで使われるようなド定番曲がメインなので、クラシックガチ勢には不満が残るかも。曲目の一部は作品中に字幕が出るが、出ない曲もあるのでWikiに曲目一覧があるのでそれを参照して検索すれば曲と曲名が一致するだろう。そのリストにない曲(ビゼー作曲『アルルの女』第2組曲よりメヌエット)はアニオリなのかね

中学時代の話もあるが、2クールで高1の夏の定期演奏会までなので、かなりゆっくりした進行。その分、演奏会当日の演奏前までで1話、演奏会の演奏に2話使えてじっくり演奏を聞けるのは良いが、全体的に見ればやはりテンポが悪い。NHKだと1話25分で民放より1分程度長いこともあるのかシーンが全体的に長い。あとストーリーは1年生目線での進行で良かったと思う。3年生はすぐ卒業するのに、終盤になってスポットライトを当てる意味が分からない

最悪だと思ったのは”昼メロ”展開。不倫設定からして悪い意味で女性作者の原作って感じ。序盤は人物の掘り下げで演奏が少なく、中盤以降から演奏が増えるならいいが、本作は逆だからなあ。原作未読勢でこの展開を望んだ人はいるのだろうか。まあ、青野一と佐伯直が互いを理解して友情を深めるイベントなんだろうけど、他にやりようがあるでしょ

”昼メロ”展開と並んで本作の評価を落としている要因が作画。アニメ制作の日本アニメーションはかつては世界名作劇場を手掛けていたが、最近は制作作品数も少ない。批判が集中しているのが演奏中の作画。オーケストラは人数が多いし、それを動かすとなればCGは理に適っていると思うが、残念ながらCGの質が低く動きが気持ち悪い

但し、問題なのは演奏中だけではない。クオリティが低いのはCGだけではなく、手描きも同じ。背景までボロボロではないものの、人物に関してはかなり不安定。シーンによって顔が違ってるし、演奏シーンに移行すると顔の違いにビックリする

個人的にクラシック音楽は好きだし、演奏をゆったり聞けるのでこの評価だが、クラシックに興味がなかったらボロカスでも仕方がないだろう。2期が決定しているが、この出来ではなあ

P.S. 本作の舞台は千葉県だが、千葉らしいと思ったのがMAX COFFEE(作中ではMIX COFFEE)。今では他の地域でも売られているが、昔は千葉・茨城限定商品だったんだよな

 

・アンデッドガール・マーダーファルス 2.5
原作は青崎有吾の小説。既に漫画化されているが、今回アニメ化された

アニメ制作はラパントラック。作画はかなり酷い。明治時代らしい街並みなどは何とか表現しているが、終盤は予算が尽きたのか悲惨なことに。それと本作は推理ものという触れ込みに反してバトルシーンが多いが、いくらバトルシーンが売りではないにせよこの作画ではなあ…

本作を端的に言えば「FGO風味の虚構推理」。探偵役の輪堂鴉夜は岩永琴子のように相手の動揺を誘うべくカマをかけるような推理を披露する訳では無いが、人外を相手にする点、真犯人を捕えることに拘らず事件が解決すればいいという点で共通している。まあ、輪堂鴉夜の場合はスタイルをシャーロック・ホームズに寄せたからだろうけど

ストーリー構成はイントロに当たる1話を除くと、2-4話、5-8話、9-13話の3部構成。最初のエピソード(2-4話)こそ王道の推理ものっぽいが、次からはカオスになる。FGO風味と書いたようにシャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパン、モリアーティなどが入り乱れて事態は二転三転する。vsものって両雄を立てなければいけないからどっちつかずのつまらない展開になることが多いが、vsものとしては良く出来ている部類だろう。ただ、vsものは『名探偵コナン』にでも任せておけよと思う。最後のエピソードは無駄に尺を使いすぎ。釈然としない結末だし、作画もなあ。個人的には輪堂鴉夜と半人半鬼の鳥籠使い・真打津軽との掛け合いが面白いので二人のトークをもっと交えながらの(本格)推理ものが見たかったが

複数の勢力が絡んでの先の読めないストーリーを面白いと思えるか、とっ散らかりすぎと思うかが評価の分かれ目になるか。原作は4巻まで出ているがストーリーはまだまだ続くのだろう。本作では3巻までをアニメ化したと思われるが、次回作を作るにしても原作のストックが足りないんだし、このタイミングでアニメ化しなくても良かったと思うけどね

 

百姓貴族 2.5
原作は荒川弘の漫画。代表作の一つである『銀の匙』は農業高校を舞台にした作品だが、実際農家の生まれで、農業高校卒業から漫画家になるまでの7年間は農業に従事していて、その体験を元に綴ったエッセイ漫画である

1話4分、OPとEDを除けば3分程度のショートアニメ。ストーリー性はなく1話毎にテーマが決められていて、農業に関する薀蓄や家族の話等を小ネタを交えて笑わせる感じ。まあ、千葉繁のナレーションによるところが大きいと思うが

最近は「熊を撃ち殺すなんて可愛そう」って騒ぎ立てる人がいるが、北海道(の田舎)に住む人達にとっては熊を含めた野生動物を可愛いなんて言っていられない現実があるのが分かる

2期が決まっているようだし、2期もYouTubeでも配信されるだろうから気楽に見るにはいい作品だろう

 

・星屑テレパス 2.5
原作は大熊らすこの漫画。所謂きらら系

アニメ制作はStudio五組。あまり作画の良い制作会社とは思わないが、本作のデキは上々。女の子も可愛く描けているし。ただ、原作はきらら系にしてはシリアス寄りでキャラデザも可愛い系というより美少女系のようなので、キャラデザやタッチが何か違うなと思う人もいるだろう

まあ青春群像劇としては悪くない。喧嘩をしながらも内省して人間的に成長していく様を描いているのは青春してるなって思えるし。しかし、きらら系はほのぼのとしているのが相場でギスギスした人間関係を描くのは珍しいと思うので、きらら系に求めるのはこういうのじゃないって思う人も少なからずいるだろう

個人的にダメだと思うのは、まずキャラ設定。極度のあがり症の小ノ星海果も自称宇宙人の明内ユウも設定がストーリーと無関係ではないのだが、どちらかと言えば話の腰を折っている感じ。きらら系の電波キャラと言えば『ぼっち・ざ・ろっく!』の後藤ひとりが思い出される。コミュ障+電波キャラというイジりにくいキャラにも関わらずツッコミが入るが、本作はコメディ色が薄くボケっぱなし。電波キャラはイジられてなんぼでしょ。それと海果のコミュ障もやり過ぎ感があり、これに嫌気が差した人も多そう。せめてロケット研究同好会のメンバーとは普通に話して欲しかったものだが

設定といえば宇宙を目指す設定もねえ…。『Dr.STONE』の石神千空もガキの頃はペットボトルロケットを打ち上げていたように素人がロケットに興味を持ったらスタートラインはそこだと思うが、ペットボトルロケット→小型モデルロケットを経て、何処とも分からない宇宙にある星にたどり着けるようなロケットを制作するのはかなりの”わらしべ長者”ストーリー。それにも関わらずロケット作りより人間描写の方に重きを置くのはかなり違和感がある。それにモデルロケットってかなりマニアックな題材を扱っているんだし、もっとモデルロケットの魅力が伝わる作品にして欲しかった

JK4人が簡単には到達できない所を目指す話といえば『宇宙よりも遠い場所』を思い出すが、同作と比べると大きく見劣りするのは否めない。せめて2クールで宇宙に行く位のテンポで話を進めて欲しかったが、原作もまだまだ完結には遠いのだろうし、正直アニメ化は時期尚早だったと思う

P.S. どちらかと言えばドラマ向きと思ったが、ドラマ化されるようで。但し、予想通りの”学芸会ドラマ”。きらら系って女性アイドルグループをねじ込むにはもってこいだもんなあ。まあ、ドラマを視聴する気はないけど

 

・Buddy Daddies 2.4
P.A.WORKSによるオリジナルアニメ。同社の作品は作画はいいものの、シナリオの出来はイマイチといった印象だが…

裏稼業x偽装家族と言えば『SPY×FAMILY』を思い出す人が多いだろうが、全くの別物。『SPY×FAMILY』は各々が秘密を隠し通す心理戦も大きな要素だが、本作ではミリに正体を隠し続けてはいるが心理戦ではない。父親に似つかわしくない若者二人の子育て奮闘記がメインで、最初はクソガキに手を焼いていたものの徐々に…って作品。ただ裏稼業x子育てものも珍しくないから、それだけだと既視感だけで終わってしまう

正直惜しいと思う作品。もっとシナリオの完成度が高ければ。子育て部分は良い出来だが、裏稼業の部分がお粗末過ぎる。特に終盤が取って付けたような話になっちゃっているのは印象が悪すぎる。はっきり分かる伏線を張っているので、終盤こうなるであろうことは予想できるからね。子育てメインにしたいのは分かるが、真っ当な子育てのためには避けて通れないことだし、葛藤があって当然だし、超ハードモードで然るべきなのだが、あまりにあっさりし過ぎでしょ

ストーリーなんてどうでも良くて、(ほっこりする)子育ての話が見れたらそれでいいなら悪くないのかも。ただ、その手の作品が好きな人がミリに好感を抱くかは微妙。序盤は二人に懐いていないこともあって、我儘の限りで二人を振り回すのを見ると視聴を止めちゃう人もいるかも

P.S. 本作の舞台は福岡なんだな。マリノアシティ福岡はまだ残っていたか。福岡市内とは言え交通の便がいいとは言えない立地。いくら福岡が車社会と言えども、休日に商業施設に車で行くのは大渋滞覚悟だからねえ。鳥栖プレミアム・アウトレットを始め近隣に似たような商業施設ができて、スペースワールドの跡地もアウトレットモールみたいだし先行き厳しいわな

 

異世界おじさん 2.4
原作は殆ど死んでいるの漫画。所謂異世界モノだが、これらにありがちな”お約束”をネタにしたコメディ作品。17年間異世界にいて現世に帰還した”おじさん”が過去を振り返る形で話が進んでいくのが本作の面白いところ

本作の感想を簡潔に述べれば”そこそこ面白いけど、全体的に中途半端”。中盤以降はおじさんの語りがメインでたかふみと藤宮はツッコミ要員になるが、もっと現世の話も交えて欲しかった。この形式故にストーリーを時系列で辿りにくくおじさんの冒険譚に集中できない

本作が話題になった要因としておじさんのセガ愛があるが、セガネタはオマケだと思っていた方ががっかりせずに済むだろう。セガハードを所有したことがないのではっきりとは言えないが、そこまでディテールに拘っているようには思えないし。『ハイスコアガール』のようなクオリティとは程遠い

アニメ制作はAtelier Pontdarc。作画自体は普通だが、1クール作品でありながら2回の中断を挟んでいる。コロナ禍の影響はあるにせよ、実績に乏しい会社で制作体制が整ってないのかも

主人公がおじさんだし、セガハードも既に古のハードなので、明らかにおじさん向けの作品だろう。ただ、セガネタとか異世界コメディとか何か刺さる要素がない人にとっては特に見るべき所はないって評価になりそう

 

・贄姫と獣の王 2.4
原作は友藤結の漫画。2クール作品

アニメ制作はJ.C.STAFF。作画はこんなもんでしょ。本作は意外にバトルシーンが多いのでバトルシーンを基準にすると不満が残るが、バトルよりにすると全体の雰囲気を損ないそうだしねえ

99番目の生贄として捧げられた人間の少女・サリフィと魔族の王・レオンハートの恋物語。少女漫画原作作品らしく甘いラブロマンスだが、自然な甘さって感じ。前半はサリフィが妃となる為のテスト、後半は種族間の対立とそれに絡む権力争いの話がメイン。2クールできちんと纏めたことは評価できるが、中弛み感があるのは否めない

特に目を引くエピソードもなく、ファンタジー世界にありがちな話ではあるが、サリフィやレオンハートが慣例に囚われず新たな道を切り開いて賛同者が徐々に増えていく様は現実社会においてもかくあって欲しいというメッセージなのだろう

正直おじさんに刺さる作品とは思わないが、少々長い以外は纏まった話ではあるので少女漫画好きには悪くないのでは。ただ、生意気なシンデレラだったのが良い子になるのは面白くないって人が多いようで、感想を書いているのが女性とは限らないとは言え女ってやっぱり嫉妬深いんだなって思ってしまう

 

・AIの遺電子 2.4
原作は山田胡瓜の漫画

アニメ制作はマッドハウス。ぶっちゃけ制作会社の無駄遣いだろう。原作がそうなのだろうが、背景もキャラデザも近未来感は皆無でキャラデザは寧ろ一昔前って感じ。作画負荷はかなり低そうで、これならなろう系専門と化している三流制作会社でも大差なかったかも

主人公の須堂光はヒューマノイド専門医だが闇医者でもあり、『ブラック・ジャック』を意識したであろう設定。助手である看護師の樋口リサはピノコのポジションか

ストーリーはオムニバス形式で複数エピソードを纏めて1話にしたようなものもある。医療行為より、AI化社会における倫理や心の問題、AI化の進行に伴う社会問題などに重きをおいた問題提起型の作品。その中で須堂光や樋口リサの過去を掘り下げていき、続編である『AIの遺電子 RED QUEEN』への橋渡しになっている

ただ、背景や設定についての説明が不足している。人間とヒューマノイドとロボットの違いは?MICHI(ミチ)って何?、他にもしれっと作中用語を使うしね。何となくは分かるけど、問題提起型の作品なら尚更、視聴者に考えさせる為にもきちんと説明すべきだっただろう。ヒューマノイドの問題として扱っているけど、別に固有の問題に思えなくて説得力に欠ける

それと掴みが下手。序盤の話が安っぽい。お涙頂戴が多すぎる。”テセウスの船”からのお涙頂戴とかSFものではベタオブベタでしょ。本作はSFファンが多く視聴しただろうが、この内容じゃ序盤で切られても文句は言えない。全8巻で1クールだとかなりの話を削った筈で、裏を返せばエピソードは選び放題だし、オムニバスなら話の順序も入れ替えやすいだろうから他のエピソードを選べなかったのかね。まあ、原作がテセウスラッシュなのかも知れないが

それと原作は『スター・ウォーズ』のように途中の話から始まっていて、続編である『AIの遺電子 RED QUEEN』は『AIの遺電子』の後の話、その続編である『AIの遺電子 Blue Age』は『AIの遺電子』以前の話。『~Blue Age』はまだ完結していないが、完結(の見込み)を待って時系列順にアニメ化すれば説明不足も解消できた気がするが、全てをアニメ化する前提では話は進められないってことなんだろう

 

SPY×FAMILY Season 2 2.4
原作は遠藤達哉の漫画。Season 1はかなり話題になり、満を持してのSeason 2だが…

Season 1も掴みは良かったものの後半(2クール目)はテンポが悪くダラダラ感があったが、Season 2も相変わらず。Season 1の後半では殆ど出てこなかったヨルのヒットマン稼業の話に話数を割いているが、反面学校のシーンはかなり少なく当然ステラ獲得はならず本題は全然進んでいない

設定が秀逸なのでそれを活かしての面白さは健在だが、ダイジェストやスロー演出等露骨な尺稼ぎが目立つのも事実。船上の話もかなり長いしねえ。SPY(仕事)とFAMILYのバランスで悩むタイトル通りのエピソードではあるが、如何せんここまでテンポが悪いとこれも尺稼ぎとしか思えん。原作未読なのでどの程度原作に忠実なのか分からないが、全体的にテンポを上げてSeason 2では少なかった学校絡みのアニオリエピソードを入れればよかったのにと思う

Season 1の感想にも書いたが、本作がヒットしたのって本筋のストーリーの完成度や面白さでは無い訳で、Season 2でより視聴者の選別が進んだ感じ。原作ストックが少ないようなのでSeason 3はまだ先のことだろうが、Season 3が始まる頃には話を完全に忘れていそうな気がする

アニメ制作はWIT STUDIOとCloverWorksの共同制作なので作画レベル自体が低い訳ではないが、上述のように演出的な問題もあって折角のアクションシーンの迫力に欠ける。予想以上に低年齢層にウケたこともあって過激なシーンは遠慮したのかも知れないが、鬼滅だって残虐シーンはそれなりにあるからねえ。まあ、ストーリーに期待するおっさんが観るべき作品ではないってことなのだろう

 

・アンダーニンジャ 2.4
原作は花沢健吾の漫画。アニメ化に続き2025年には映画公開が予定されているが、監督は福田雄一、九郎役は山﨑賢人って…タダでも視聴するか迷うレベル

アニメ制作は手塚プロダクション。作品の持つ独特の雰囲気は表現できていると思うし同社にしてはマシな作画だと思うが、戦闘シーンはかなり酷い。『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』レベルは到底期待できないにしても、開き直ったかのように紙芝居を見せられてはなあ

最近は3話切りとか言われるが、3話切りされても仕方のない構成。序盤から複数のエピソードが同時展開するのはただでさえ分かりにくいのに時系列シャッフルまで行われている。原作ファンからは好評のようだが、原作未読勢を置き去りにしている

ただ話が分かりにくいのは時系列シャッフルのせいというより原作消化ペースが速すぎるせいだろう。1クールで原作漫画の8巻までカバーするのはギャグアニメでも無理がある。確かに区切りとしてはいいしインパクトのある最終話だが、ただでさえ説明不足なのに分かりにくさに拍車をかける結果に繋がっている。アニメなのである程度のテンポの良さは必要だが、終盤に重きを置いたこともあり途中の話をかなり端折っているからストーリー進行が唐突なのは否めない

作画はどうしようもないが、この話数でどうしても収めなければいけないなら本筋に関係ないエピソードはバッサリカットで良かったと思う。時系列シャッフルのエピソードはこの世界に関する情報を小出しにしているだけだし、こんなに引っ張る必要はなかったと思うがなあ。構成がまともならもっと評価が上がっただろうから残念だ

 

江戸前エルフ 2.3
原作は樋口彰彦の漫画

アニメ制作はC2C。作画レベルは非常に高いのだが、日常系だし、萌え系キャラでもないし、ここまで頑張らなくてもと思ってしまう。このクオリティでのアクション系作品に期待したい

日常系作品としては良く出来ている部類だろう。ボケっぱなしの作品も多い中、イルマがボケで小糸がツッコミで役割分担が出来ているし、たまに出てくる他の神社のエルフもキャラが立っている

ただ、他のエルフ達より出番の多い月島の人間があまり面白くない。400年位前に別世界からエルフを召喚するというかなりぶっ飛んだ設定だが、イルマをイジって厳しいツッコミを入れる展開にはならないのでコメディとしてはパンチが足りない

それと江戸時代の話がくどい。前半はまだいいが、後半は多すぎて江戸時代の話をする為のイベントになっている感がある。それと原作では記述がある高耳神社が佃島から月島に移転した話が有耶無耶になっているのは頂けない。地方の人は知らないだろうが、月島は埋め立て地だからねえ。こういう所がいい加減だとイルマが語る薀蓄も嘘くさくなる

あと本作は所謂”ご当地アニメ”で当然のように月島推しだが、神社らしいイベントに絡めて名所紹介するなどそこまで露骨ではない

本作は基本ゆるくほんわかとした日常系なのでそういう作品が好きな人なら高評価だろうが、上述のようにコメディとしてはパンチが足りないし、イルマが元の世界に戻るとか目標がある訳でもないのでダラダラとした虚無アニメと見做されても仕方がないだろう

 

・夫婦交歓〜戻れない夜〜 2.3
原作はペーター・ミツルの漫画『夫婦交姦〜一度シたら戻れない…夫よりスゴい婚外セックス〜』。タイトルで分かるように僧侶枠作品

本作も前作の『漣蒼士に純潔を捧ぐ』同様、作画は良好。制作会社はずっと同じだと思うが、汚い作画では課金する気も失せるというもの。それに加えて、本作は放送バージョンでも肌色成分多め(勿論、露骨な露出やシてるシーンは課金が必要)で、YouTubeだと自主規制が過ぎて観られたものではないので、課金する気はなくても他のサイトで放送バージョンを視聴した方が良い

所謂スワッピングを題材にしていて、主人公と妻、親友夫婦の4人で温泉旅行に行ったが、夫に不満がある親友夫婦の妻の方が「こんな夫なんてくれてやる」というとあっという間に交換成立。片方が致している(と思われる)のを見て、もう片方も…という僧侶枠らしい展開

但し、このまま泥沼かと言えばそうではなく、結局元の鞘に収まる。「他の人と偶に関係を持つことでマンネリ防止にもなるし、改めて(夫婦の)お互いの良さが分かる」のはそうかも知れないけど、僧侶枠に求めるのはモラルではなく、脳天気に”お股がゆるキャン△”なんだがなあ。まあ、アニメ化されたのは一部だろうから、今後沼にハマるのかも知れないけど

 

・彼女、お借りします(3期) 2.3
原作は宮島礼吏の漫画。桜沢墨を主人公にしたスピンオフ作品『彼女、人見知ります』も同作者により描かれている。2020年に1期、2022年に2期が放送され、2期と同タイミングでTVドラマも放送された

アニメ制作は引き続きトムス・エンタテインメント。大手だけに可もなく不可もなく無難な仕上がり

2期は繋ぎのような内容だったので、3期で大きく動くかと思いきや…。水原千鶴を主演女優にした自主制作映画の制作という一大イベントはあるものの、まさか映画の話を最終話まで引っ張るとはね。後半は映画には関係ないエピソードではあるが、映画の件が終わらないと恋愛が先に進む筈もない

しかし、木ノ下和也にはそれが理解できないようで。今シリーズのウリは緻密な心理描写だと思うが、成長がないなあって感じ。水原千鶴には(大)女優になる夢があり、その為のレンタル彼女であり映画制作であるから裏表があって当然なのに全てを繋げて考えるからなあ。大学生とは言えバイトはしている訳だから、どこぞの芸能人みたいに誰に対してもタメ口ってことはなく使い分けが必要なこと位理解しているだろうし、いくら非モテキャラとは言え付き合った経験もあるし、レンタル彼女とは言えデートも場数を踏んでいるのに未だに妄想癖が抜けないのはねえ。フィクションと言えばそれまでだが、ストーリー進行が遅い上に成長がないと余計にイライラする

3期で唯一良かったのは八重森みにの存在。誰が正ヒロインか明確なだけに焚き付け役は必要だわな。ズバズバ物を言い行動力があるタイプで、グダグダなストーリー進行に喝を入れる立ち位置

4期でいよいよ元カノの性悪女・七海麻美による爆弾投下イベントがあるのだろうが、正直今更だわな。更科瑠夏をはじめ、和也に関係ある女性陣にとってはレンタル彼女であることは既知の事実なんだし、ここで周囲にバレたからってどうもこうもないでしょ。原作は37巻まで出ていて完結していないのでまだまだアニメは続くのだろうが、個人的にはもうお腹一杯かな

 

・ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~ 2.3
原作は餅月望のライトノベル。長いタイトルでお察しの通りなろう系。小説は単行本と児童書、漫画も原作のコミカライズとスピンオフ、舞台と幅広く展開されていて満を持してのアニメ化といったところか

アニメ制作はSILVER LINK.。作画はこんなものでしょって感じ。戦闘シーンなどは明らかに見劣りするしキャラも背景も簡素だが、コメディ色の強い作品だし、なろう系としては良い部類だろう

第1話の冒頭こそシリアスだがそれ以降はコメディ路線。ミーア姫はマリー・アントワネットをモチーフにしていると思われギロチンによる処刑が待っているのだが、何故か昔にタイムリープし運命を変えるべく奔走する話。ミーアは自身のギロチン回避しか考えていないのだが、それを周囲が深読みして…。勘違い系の作品は多いが、本作は上坂すみれの演技とナレーションの成田剣のツッコミがハマって”ナーロッパのちびまる子ちゃん”的なコメディになっている

ただ、ナレーション頼みも良し悪し。ツッコミ役なのは悪くないが、ナレーションで全てを説明してしまうこともあってストーリーに引き込まれない。その為、断頭台を回避してからの話がグダグダに思える。この話はこれからの伏線になっていると思われるが、今後の展開に興味が持てないと蛇足でしか無い

ストーリーに注目させるならシリアス路線の方が良かったと思うが、リゼロに代表されるようにダラダラと続くのがなろう系でシリアス一辺倒では最後まで持たないってことなのだろう。なろう系が好きな人にとっては本作は良い作品なのだろうが、そうではない人にとっては凡庸な作品の域を出ないと思う

 

・お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 2.2
原作は佐伯さんのライトノベル。長いタイトルでお察しの通りなろう系。アニメ制作はproject No.9。『弱キャラ友崎くん』や『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』など尖った作品が多い印象だが、本作は王道純愛作品。とは言え、王道純愛作品自体が少なくなっているようにあまり世間受けしないのは前記の作品同様だろう

作画はこんなもんかなと思うが不安定。キャラデザが少年漫画と少女漫画の中間って感じで、男キャラは皆イケメンで清潔感のある髪型なのでちょっと作画が崩れると誰だか分からん

ストーリー的には特に見どころはない。最終話の展開はラブコメっぽいが、全体的にはラブコメ色は薄く終始淡々と進む。共に主人公の悪友である赤澤樹と白河千歳のカップルは付き合っていることを隠すこともなくバカップルのようなノリでじゃれているのに対し、主人公の藤宮周と椎名真昼は明らかに両想いでいい雰囲気でじゃれているのにお互いに踏ん切りがつかない様子にキュンキュンするかイライラするかで評価が決まりそう

アニメよりドラマ向きの原作だと思うが、旧ジャニタレ起用の学芸会にされてしまう懸念も

上記のように純愛アニメが好きでなければ凡庸な作品だが、石見舞菜香の声にやられたので加点してこの点数で。この声でツンデレはたまらん

 

・いきものさん 2.2
原作はゲーム『マイエクササイズ』。ゲーム制作に関わった和田淳が本作の監督・脚本を担当している

いきものになりたい「いがぐり」とそれを叶えてあげたい「犬」の日常を描くショートアニメで、ナンセンス系のシュールな笑いは『ポプテピピック』のようなノリと言えばいいか

ポプテピピック』のようだと言えば、本作は通常Ver.の他に副音声ver.があるがこれがいただけない。だったら見るなと言われそうだが、配信サイトで見ると通常ver.の後に副音声ver.が続いていてこれで1話扱いだからなあ。素人2人のグダグダトークは勿論のこと、内容を説明されてもねえ…。通常verは台詞らしい台詞はないがそれでも十分伝わるし、こういう作品なら「考えるな。感じろ」でいいと思う。東海オンエアとか使って彼らのファンを呼び込みたいという浅知恵なのだろうが、作品の評価を落とすだけ。いい加減YouTuberとかVTuberを使うのは止めた方がいい

 

鬼滅の刃 刀鍛冶の里編 2.2
説明するまでもないが、原作は吾峠呼世晴の漫画。立志編、無限列車編+遊郭編に続く第三期。TV放送開始前に遊郭編の10話と11話、刀鍛冶の里編の1話がワールドツアー『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』と称して映画館で上映された

アニメ制作は引き続きufotable。2期でも素晴らしい作画だったが、本作ではそれをはっきりと凌駕するレベル。ワールドツアーで十分な興行収入があったし、どこをどう切り取っても映画館での上映に耐えうるクオリティを目指しているのだろう。ただ、昨今のアニメーターの待遇問題やストーリー構成的に超絶作画が活きているとは言い難いのでここまでじゃなくても良かったと思うが、鬼滅の名に恥じないクオリティなのは間違いない

反面、ストーリーはねえ…。鬼滅名物回想地獄は健在というか最悪レベル。”今回の鬼”である「上弦の伍」玉壺と「上弦の肆」半天狗の回想は控えめだが、竈門炭治郎の同期である不死川玄弥に恋柱・甘露寺蜜璃と霞柱・時透無一郎、更に鬼舞辻󠄀無惨の回想まであるからねえ。中盤以降は回想ラッシュでバトルもストーリーもぶった切る。更に全体的にシーンが長く冗長なのでテンポが凄く悪い

キメヲタが発狂しそうだが、『鬼滅の刃』って少年漫画の寄せ集めみたいなものだからねえ。深いストーリーで勝負ではないでしょ。バトルを超絶作画で見せるのが『鬼滅の刃』をアニメ化する意義だと思うし、それならシンプルなストーリーも活きるしね

折角、鬼に一筋縄ではいかないギミックを考えているのに、それに苦戦しているというより話を引っ張っているようにしか見えないんだよな。炭治郎に「ざーさん(甘露寺蜜璃)待ち乙」って言いたくなるからなあ

甘露寺蜜璃は異色の存在で武器も刀というより新体操のリボンみたいで柱っぽくない。格好も女児向けヒロインのようで「月に代わってお仕置きよ」とか言い出しそうだ。ただこの格好はどうかねえ。遊郭編でも言ったけど、大正時代にこの露出はないって。まあ、たわわな胸は少年漫画のお約束だし、おじさんには目の保養だけどねw

1話と11話が拡大版なので実質13話+αだが、スペシャルなしの10話位で収まる内容。柱の過去についてはサイドストーリーで円盤のおまけにするか、YouTubeで無料公開するとかすれば良かった。無惨の過去もどうせ次のシリーズで改めて触れるだろうし

「鬼滅は立志編がピーク」って言っている人が少なからずいたけど納得した。無惨との最終決戦までは流し見で十分かな

 

・勇者が死んだ! 2.1
原作はスバルイチの漫画。最近は勇者=なろう系=異世界みたいになっているが、本作はなろう系でも異世界ものでもない。まあ、なろう系ならこんなシンプルなタイトルはないわな

アニメ制作はライデンフィルム。当たり外れの激しい制作会社だが、本作は残念ながらハズレ。でもキャラデザに関しては個人的にはいいと思う。明らかに今風ではないが、本作のノリが今のアニメのノリではないからね。”大根”と”牛蒡”の違いもGood。”大根”組のムチムチ感はおじさんには堪らん

しかし作画がねえ…。今クールは『君は放課後インソムニア』に全力投球だったのか。コメディなら作画の悪さも上手くやればネタにできるが、本作はコメディの要素もあるがフェチ&バトルアニメなだけにこれでは落第レベル

序盤はかなりテンポ良く進む。エロ&ギャグ多めのおバカ冒険譚は一昔前のアニメのノリでおじさんには刺さるだろう、このままのノリで最後まで行ってくれた方が良かったが、中盤からスローダウンする

ただ、スローダウンした割に中身がないし端折ってるように感じる。おバカ冒険譚なら必要なくても、ストーリーを追わせるならきちんとした設定が必要。まあ、設定がない訳じゃないが、後出しジャンケンな感がある

本作の主人公は真の勇者ではなく傀儡なので魔力がとても低く、真っ向勝負では勝ち目がない。知略を駆使しての戦いになるが、作画が悪い上に手抜き、全部セリフで説明って感じだからなあ。バトルシーンの見どころに欠ける

それと無駄なシーンが多い。仲間を救うにはタイムリミットがあるのにいらんシーンが長々と続くのは緊張感に欠けるし、そもそも仲間を救う気があるのかって思ってしまう

良くも悪くも原作再現度が高いのだろうな。だから原作の良くないところも再現されているのだろう。原作改変=悪みたいな風潮になっているが、こういう作品ほど原作改変が必要で脚本家の腕の見せ所だと思うけどね

ストーリー自体はまだまだ続くって感じだが、主人公が徐々に本物の勇者らしくなっていく様子や太ももマニアのクズ野郎かと思いきや幼馴染のユナ思いな所が良く分かるなど、主人公への理解や愛着が湧くような脚本。その分、他の人物の掘り下げが足りないが、1クールじゃ致し方ないだろう

決してつまらない作品ではないし、駄作とは思わないが、上述のように欠点が多いのも事実で勿体ない。作画とシナリオがもっとブラッシュアップされていれば”紳士向け作品”としてもっと評価されたと思う

 

・わたしの幸せな結婚 2.1
原作は顎木あくみの小説。所謂なろう系。漫画、(実写)映画、舞台と幅広くメディアミックス展開されている。1クール作品だが、2期の制作が決定している

アニメ制作はキネマシトラス。キャラデザやキービジュアルは少女漫画風。作画は良好で、イケメンはちゃんとイケメンだし、大正時代のラブロマンス作品らしい雰囲気を醸し出している。ラブロマンスに似つかわしくない異能バトルも不自然でショボいCGでお茶を濁すようなことはなく、雰囲気を損なわない程度に派手な演出が使われている

本作を端的に言えば『はいからさんが通る』に『フルーツバスケット』的なお家事情を絡めて、そこに『帝都大戦』を加えたような作品。なんのこっちゃって感じだが、本作のベースは大正シンデレラ・ストーリーなのだろう。そこに名家らしい要素(跡目争いや政略結婚、勢力争い)が加わるが、勢力争いの鍵を握る要素が異能で実は特別な異能を持つ可能性がある斎森美世を巡って様々な勢力がちょっかいを出してきて、久堂清霞との結婚を阻止しようとする

ストーリーは大まかに言えば、前半がラブロマンスで後半が異能関係の話。1話早々、唐突な胸糞シーンの連続だが、美世がこのように虐げられる理由は徐々に明らかになっていく。ただ、美世の過去が明らかになる過程で美世に関する異能の話は明らかになるが、本作のバックグラウンドについての説明は不十分で、突如オクツキがどうとか言われて困惑する。まあ、本作の異能要素はベタなラブストーリーにしないためのスパイスに過ぎないのだろう

実際、異能バトルものが観たいなら『呪術廻戦』の方がいいと思うので、本作は少女漫画的なラブストーリーが好きな女性向けだと思うが、そういった層に受けるかどうかは何とも言えないところがある。父・母・(異母)妹の胸糞トリオが受け入れられない人もいるだろうが、それ以上にヒロインの美世の性格がいけ好かないって人が多そう。使用人同然の扱いを受けてきたのは事実にしても、あまりに自己肯定感が低くて卑屈なのにイラッとするのでは

上田麗奈の薄幸の女性役は本当に嵌り役で、特に妹の香耶(CV:佐倉綾音)と継母の香乃子(CV:植田佳奈)のクズっぷりを際立たせていて当にシンデレラって感じだが、本作は(少年漫画的な)異能バトルの要素もあるだけに話の腰を折る感じにも繋がっていて、ちょっと行き過ぎている感がある

 

・スパイ教室 2.1
原作は竹町のライトノベル。分割2クールでの放送だが、2クール纏めての感想。2クール視聴前提の構成になっているので、視聴者の各キャラの理解が深まり各キャラが個性を発揮するようになる第2クールの方が面白いのは確かではあるが、第1クールでつまらないと思ったら第2クールでも多少はマシ程度だろう。基本的なシナリオ構成は変わらないし

アニメ制作はfeel.。作画は中の上ってところか。アクションシーンは物足りないし、”極上”レベルではないと思う。女の子さえ可愛らしく描けていればそれでいいって人を狙った作品ってことだろう

本作を一言で言えば”劣化プリンセス・プリンシパル”。スパイを題材にしたのは『ジョーカー・ゲーム』や『プリンセス・プリンシパル』がきっかけらしいので影響を受けているのは確かだろう。1話の最初のスチームパンクっぽいシーンは『プリンセス・プリンシパル』の1話っぽいし

ストーリーは3-4話で構成されるミッション回と1話完結のキャラ回(女の子8人分で8話)で構成されている。第1クールでは8人のうち4人だけで残りの4人については第2クールでの扱いになっている

ミッション回は毎回最後にサプライズがある感じだが、これを素直に受け入れられないのも事実。本作は時系列操作が多すぎる。最後の謎解きは「実は…」でいいにしても、伏線に当たる部分も「実は…」になっていたりするので後出しジャンケン感がある。こういう話だと各キャラの掘り下げに回想(これも一種の時系列操作)が多くなるのは分かっているのだから、無駄な時系列操作はすべきでなかっただろう

それと緊迫感やシビアさに欠ける。”極上”クラウス先生があまりに強すぎて、どうせ助けに来てくれるだろうって思ってしまう。更に決断が甘い。人情派キャラがいてもいいが、シビアな現実があってこその人情派だからなあ。これじゃただのマッチポンプでしょ

更にテンポが悪い。ミッションの導入が長すぎる上にキャラが多いので、全員を活躍させようとすると間延びしてしまう

キャラ回はあまりにしょうもない話が多すぎる。ワチャワチャするのを否定はしないが、ミッション回も緊張感がないのにキャラ回もゆるゆるだとスパイ作品としてはどうよ?って感じ。『プリンセス・プリンシパル』位シビアだとゆるい回はアクセントになると思うが。1話完結なのでテンポは悪くないのは救い。ミッション回もこれ位のテンポで進めて欲しかった

プリンセス・プリンシパル』も百合色が強く、Lとかノルマンディー公とか渋いおじさんキャラが多いのは女性をターゲットにしているのだろうが、反面ストーリーはかなりシビアで媚びるような作品ではなかったが本作は…。ダラダラとしてシビアなシーンを極力カットしているのは萌え豚に媚びているのが見え見え。折角有名声優で固めて、キャラ回ではキャラソンをEDにしているのだから、萌え豚にそっぽを向かれては困るってことだろうが、やり過ぎ感は否めない

『五等分の花嫁』みたいなゆるいアニメが好きな人なら面白いのかもね。そうでない人にはオススメできない。(これでもシビアだと言われそうだが)酷評するほどつまらなくはないが、2クール視聴前提だしね

 

・Helck 2.1
原作は七尾ナナキの漫画で既に完結している(全12巻)。2クールアニメ

アニメ制作はサテライト。目立った作画崩壊とかはないが、クオリティは褒められたものではない。キャラデザもそうだが、序盤はコメディ色が強いのでコメディなら許されるレベルだと思うが、コメディ一辺倒ではないからね。バトルシーンも重要だと思うが、正直物足りない。限られた予算をどこに使うか腐心しているのは伝わってくるが、中途半端な作品は原作の評価も落とすし、本作以外も含めたアニメ作品全体の印象まで悪くなる。まあ、それだけ期待されていなかった作品ってことなんだろうけど

感想を一言でいうとダラダラしていてメリハリに欠ける。コメディとシリアスの落差は悪くないと思うが、テンポが悪すぎてストーリーの重さを緩和する役回りの鳥みたいなキャラ(ピウイ)やヴァミリオのヘルクを信頼すべきかどうかで揺れる心理描写が話の腰を折るように作用している

それとストーリー構成もなあ。ダラダラしている以外にも、2クール作品でありながら中途半端なところで終わっているのは大減点。山場がヘルクの過去話でそこから尻すぼみな感じなのは下手過ぎるでしょ。2クール24話で原作の7巻までアニメ化したと思われるが、18話までの内容を1クール14話位でやれればテンポも良くなっていいところで終われた筈だし、28話位あれば最後までアニメ化出来たと思うのだが。日テレの深夜アニメ枠だと変則的な話数は難しいかも知れないが

ストーリーはベタと言えばベタだが、人間の愚かさや弱さを描いた内容は王道だし今の時代に対するメッセージになっていると思う。進行が遅い分、ヘルク役の小西克幸とヴァミリオ役の小松未可子の演技を堪能できると考えれば二人のファンには悪くないのかも。ただ、もう一段上のクオリティなら評価も上がって、もっと人気が出たと思うけど。勿体ない作品って印象

 

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 2.1
原作は和月伸宏の漫画。勿論完結しているが、続編である『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』はまだ続いている。過去にアニメ化された時には緋村剣心役を元宝塚歌劇団涼風真世が務めていたが、今回は男性声優の斉藤壮馬ということで一部のヲタが暴走していたようだが、中性的なキャラではないと思うし合っていたと思うけどね。こういうのを「思い出補正」って言うんだろうな。筆者は原作も原作も見ていないので、思い出補正の類は全く無い

アニメ制作はライデンフィルム。作画は及第点なんだろうが、正直物足りない。画が今風になっただけの域を出ていないと思う。有名作品のリメイクな上に佐藤健が主演した実写映画も評判が良かったんだし、看板を汚さぬようにもっと頑張って欲しかったものだが

上述のように画こそ今風だが、如何にも昔のアニメって感じでダラダラ感は否めない。流浪人という立場とは言え剣心に大義はなく、工場のベルトコンベアのように次々と敵が因縁をつけてくるのを撃退する簡単なお仕事って感じなので、ストーリーの盛り上がりに欠ける。作画がもっと良ければ戦闘シーンが盛り上がって全体の印象も変わったかも知れないが

2クールかけて長々とプロローグをやった感じで京都に行ってからが本番なのだろうな。2期の放送が決まっているが、1期よりは面白くなりそうなので期待したい

 

・ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~ 2.1
原作:麻生羽呂、作画:高田康太郎による漫画をアニメ化した作品。Netflixで実写映画化された

アニメ制作はBUG FILMS。実績に乏しい会社で恐らくこれが初の元請け制作だと思うが、案の定”落とす”ことに。本作は夏アニメだが、ラスト3話は12月に纏めて放送された。ラスト3話は”紙芝居”も見られるが、そこまでの作画はまずまず。キャラデザもカラーリングもポップな感じで、ゾンビの怖さは全く感じられない

正直、出オチ感が強い作品。「ゾンビになるまでにしたい100のこと」って着想は面白いと思うが、ブラッシュアップが足りていない印象。本作は1クールなので既に17巻も出ている原作を最後までアニメ化できないのは当然としても、既に無理やり話を引っ張っている感は否めない

メッセージ性の強い作品で、ゾンビ化パンデミックという一般人からしてみればディストピアとしか思えない状況もブラック企業に勤めるアキラにとってはパラダイスだという発想は奇抜だし、こういう状況だからこそ人生をリセットできるチャンスで自分探しを始めるアキラ達と自暴自棄になって自らの手でこの世をカタストロフィに導こうとするグループとの対比も面白い。先の読めない社会情勢の中、自分らしさって何だろうって所に重きをおいているのは現代人へのメッセージなのだろう

ただ、シリアスにしては浅いというか、群像劇になっていることもあって心理描写が足りていないし、コメディとしてはポップな画とは裏腹に弾け具合が物足りない中途半端な作品に。それと6話後半-7話の話はいらなかったかも。心理描写が足りていない作品では単なる胸糞展開で評価を落とすだけだろう。まあ、緻密な心理描写があったとしても話が長すぎだとは思うが

 

・しーくれっとみっしょん~潜入捜査官は絶対に負けない!~ 2.1
原作はモティカの漫画『潜入捜査官はセックスもお仕事です。』。僧侶枠作品とは言えド直球なタイトルは憚られたのか。但し、内容はいつにもましてド直球だがw

マトリの女性捜査官である雷土吏子と後輩の野間啓二が捜査対象に怪しまれないように偽装カップルを装う設定は明らかに『SPY×FAMILY』 を意識したものだろう。アーニャ的なポジションのキャラは出てこないけど。しっかりしているようで抜けている雷土と煩悩の塊である野間のコンビはバディものとしての面白さはあるが、『SPY×FAMILY』 のパロディとしての面白さはない。1話こそ斜め上の展開で笑えるが、それ以降は僧侶枠とは言えエロに頼りすぎなのは頂けない

それと作画がねえ…。明らかに作画ミスと思われるシーンがいくつかある。コメディとしてはいいかも知れないが、こういうあからさまなミスを放置されるとお布施したいとは思わないわな

恐らく原作の1巻をアニメ化したと思われ如何にも続編がありそうな終わり方だが、続編はあるのかねえ。もし続編があるならもう少しセックスに至るまでの意外性が欲しい

 

・イジらないで、長瀞さん 2nd Attack 2.0
2021年に1期が放送された作品の続編。アニメ制作がテレコム・アニメーションフィルムからオー・エル・エムに変更されているが、キャラデザが大きく変わった印象はない

長瀞さんのセンパイイジリが厳しかったのは1期の序盤位で中盤以降は長瀞フレンズによるイジリがキツかったが、2期では大幅減少。長瀞さんは恋愛に関してはピュアなこともあって純粋なラブコメ色が強くなったのでそういう路線が好きな人には見やすい作品になったと思うが、正直コメディとしてはパワーダウンした感は否めない。2期からの新キャラも出てくるが使いこなせていない感じ。1期もそうだけど、キャラ自体は立っているのでセンパイや長瀞さんとの絡みを工夫すればもっと面白くなりそうだが

高木さんや宇崎ちゃんみたいなピュア路線が好きな人にはこれでもノイズが多いだろうし、逆に(筆者のように)普通ではない作品を求める層には物足りない中途半端な立ち位置の作品になってしまった

 

・氷属性男子とクールな同僚女子 2.0
原作は殿ヶ谷美由記のラブコメ漫画。ハーレムラブコメではなく、氷室くんと冬月さんを中心に他の同僚カップルも描いた日常系群像劇。恋愛要素は弱めなので、本格的なラブストーリーを求める人向けではない

ゼロジーリーベルの共同制作で作画レベルは十分。原作が女性漫画家の作品らしく、キャラデザは少女漫画っぽい

それぞれのカップルの片方が人外の末裔で気持ちが高ぶると祖先の特徴が出る”設定オチ”。会社員とは思えないゆるい雰囲気はトレンディドラマをアニメ化したような感じ。今時の企業でこういう雰囲気の会社はないだろうな

ゲラゲラ笑うよりはシュールな笑いって感じで氷室くんの似非関西弁(というより京都弁か)もスパイスになっているが、似非関西弁は絶対に許せんって人は拒絶反応を示すだろう。気楽に見られる作品だが、社会人とは思えないピュアさで恋愛に関しては相当じれったいので続きが見たいと言うよりは1クールでお腹一杯

 

・老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます 2.0
原作はFUNAのライトノベル。タイトルで分かるようになろう系作品。FUNAの作品は過去に『私、能力は平均値でって言ったよね!』がアニメ化されていて、『ポーション頼みで生き延びます!』もアニメ化が予定されている

アニメ制作はFelixFilm。作画はこんなものでしょって感じ。バトルシーンもあるがそれがメインではないし、キャラもビジュアル的には普通だし、並の作画レベルで十分だと思う

本作の特徴的な点は異世界と元の世界を自由に行き来できること。ただこの能力がいつまで使えるか分からないので、どちらの世界に残ることになっても十分な老後資金として金貨8万枚(20億円相当)貯めることを目標にするという話

率直に言って中途半端。金貨8万枚貯める話と異世界での立身出世話が喧嘩している感じ。両者は必ずしも反するものではないが、金を貯めるだけなら日本で買った100均グッズをチマチマ売るだけではなく異世界のものを元の世界に持ち込めば早く目標を達成できる筈だし、武器商人になれば一撃金貨ウン万枚も可能

そうされると話がすぐに終わってしまって引っ張れないのでw、ミツハは暴利を貪ってお金を貯めることが第一ではなく、信用第一の商売を心がけている。まあ交通事故で家族を失って孤独の身、商売を通じて人との繋がりを求めるのは理解できる。兄がやたら登場するのもミツハが孤独の身だから寂しく思っていると考えればではあるが、序盤のテンポの悪さに繋がっているし、言うまでもなく兄は異世界人じゃない。元の世界に戻れる設定なので、帰ってネットで調べればいいし実際そうしている

ミツハはかなりの腹黒で嘘で塗り固めての立身出世伝だが、この手の話にありがちなアホな異世界人を騙してという感じではなく強かな人物も多いのでどう嘘をついて切り抜けるか緊張感はあるし、金貨を貯めるのが目的であれば節操がないのも当然なので、そこにツッコミを入れられるようなコメディ色強めの展開なら良かったのだが、良くも悪くもなろう系らしいゆるい話になっている

正直面白いかと言われれば微妙とは言え世間の評価ほどつまらない作品ではないと思うが、なろう系好きには邪道だし、逆になろう系が好きではない人には変わった設定でも所詮なろう系と言われるような話なので評価が伸びないのだろう

 

・鴨乃橋ロンの禁断推理 2.0
原作は天野明の漫画。実質分割2クール作品。アニメ放送中に舞台も上演された

アニメ制作はディオメディア。作画は悪くないが、良くも悪くも作画でどうこうと言われないレベルだろう。まあ、原作ファンはもう1ランク上を期待しただろうけど

タイトルに禁断推理とあるように推理ものではあるが、本作の推理は第1クールを見た限りではオマケと考えた方が良く、本格推理を期待して視聴するとガッカリすることになるだろう。まともな推理もあるものの、思わずツッコミを入れたくなるような推理が散見される上に推理の過程が殆ど無く、あっさり推理を披露してお終い。テンポの良さには繋がっているが、推理ものとしての魅力は薄い

本作はバディものとして見るべき作品なのだろう。優秀だがとある事情で大っぴらに探偵業を営めない自由人・鴨乃橋ロンと熱血漢だがお人好し過ぎて優秀とは言い難い警察官・一色都々丸(トト)の掛け合いはそこそこ楽しめる。トトの上司の雨宮や雨宮のライバルである敏腕刑事・翡翠臣疾など脇役もキャラが立っていて癖のある人物が多く、キャラを楽しむ作品の側面も

1-3話で1つの事件を解決するオムニバス形式。その中でロンの過去が明らかになって…という内容で、寧ろこちらが本編なのだろう。ただ、本編の進行は極めて遅く、2024年に放送予定の2期でも大して話は進まないような気がする。原作もまだ完結していないし

コメディ色が強いが、ネタのバリエーションに乏しいので正直1クールでお腹一杯かな。まあ、『名探偵コナン』なども緻密な推理を披露とは言い難いものがあるので、とにかく推理アニメが好きという人なら十分楽しめるクオリティではあると思う

 

・漣蒼士に純潔を捧ぐ 1.9
原作は村上晶の漫画『漣蒼士に処女を捧ぐ~さあ、じっくり愛でましょうか』。僧侶枠作品なので、ムフフなシーンをみたいなら課金が必要

本作で褒められるのは作画。僧侶枠=作画が悪いは過去の話になりつつあるが、過去最高レベルの作画だろう。作画が悪ければムフフなシーンの作画にも期待できない訳だし。キャラデザは少女漫画っぽいが、古風な感じ

タイトル通りの内容で、26歳で恋愛経験ゼロのOL天海凪沙が旅行先でイケメンヤクザの漣蒼士に出会い、操を…という展開。勢いのある超展開は僧侶枠らしいし、作画の良さとキャラデザのおかげでキュンキュン感はあるが、ご都合主義の嵐だとストーリーに没入できないしそういうのは求めてない

後半の展開はヤクザっぽくはあるが全体的には別にヤクザでなくても…って思ってしまうし、終盤は失速感がある。最近はコンプライアンスに厳しいし、僧侶枠もお股がゆるキャン△で炎上したからな。ヤクザを前面には出しにくいんだろう

 

・あやかしトライアングル 1.9
原作は『To LOVEる -とらぶる-』等で知られる矢吹健太朗の漫画。作風的にエロは避けられないが、そのエロシーンが…

アニメ制作はCONNECT。実績のない会社だが作画そのものは悪くない。バトルシーンも手抜きはないし。だが、前述の通りエロシーンが問題。今時B地区は無理としても下着くらいは思うが、その多くが猫の姿の妖であるシロガネのデフォルメキャラで隠される。僧侶枠かよ。シーンが少ないならともかく多いと作品に集中できないし、例えば(女子なのに)褌着用もそのシーンを描かないなら必要ないと思う

全体的に欲張り過ぎな感じ。(日常系)エロアニメでもあり、TSものでもあり、ラブコメでもあり、妖の世界を描いたファンタジーでもあり、如何にも少年漫画的なバトルシーンもある。テンポは悪くないしそれなりに楽しめるが、欲張り過ぎのせいか全体的に中途半端だしストーリーも唐突でチグハグな感がある。原作は全16巻と長いので、1クールでは序章って感じなんだろうけど

エロを描きたくないんだったらエロはスパイス程度にして、もっとストーリーに集中した方が評価も上がっただろう。アニメ化にあたってもっと考えて欲しかった

 

・てんぷる 1.9
原作は吉岡公威の漫画。タイトル通り、お寺を舞台にした話で、これぞ”僧侶枠”wまあ、主人公たちは出家していないから僧侶ではないけど

アニメ制作は月虹。前作(『異世界ワンターンキル姉さん 〜姉同伴の異世界生活はじめました〜』)も褒められた作画ではなかったが、本作も及第点はつけられない。まあ、作品のクオリティ的にはこんなものだろう

清々しいほどのバカらしさは最近はこういう作品が少なくなったと思うので好印象だが、何でもかんでもラッキースケベ+主人公が鼻血ブーで笑いを取ろうとするのは頂けない。昭和から平成初期の作品のノリだわな

一応、お寺や仏教に関連した話題もあるが、本作のストーリーはおまけに近い。原作はまだ続いているし、1クールではお寺の経営を立て直すところまで行かなくても仕方がないとは思うけど

主人公の声が合っていないとか叩かれているけど、寧ろこれ位インパクトがあった方がいいだろう。それ位ヒロイン達に魅力がない。作画がイマイチなのもあるが、何より個性がない。メインヒロインが空気だもんなあ。たわわ揃いの中、一人だけぺったんこなのもあるがロリっ子以外印象に残らない

この枠で前クールに放送されていた『女神のカフェテラス』よりは面白いけど、原作者が作画を担当している『ぐらんぶる』と比べると切れ味が足りない。どういった層に刺さるのか、良く分からない作品

 

死神坊ちゃんと黒メイド(2期) 1.9
原作はイノウエの漫画。2021年に1期(全12話)が放送された

アニメ制作はJ.C.STAFF。同社制作の『ハイスコアガール』と同様の柔らかいタッチのCGは作品の雰囲気に合っていると思う。原作ファンからは不評みたいだが

ぶっちゃけ1期はつまらなかったが、2期になって話が大きく動いたら…と思ったが、展開の遅さは相変わらず。終盤になって辻褄合わせのように話が動き出すからなあ

このシリーズのファンはストーリーに期待している訳では無く、ゆるい日常系ラブコメを期待しているのだろうな。2期ではカフとザインの話が多いが、ストーリー進行に期待すると時間稼ぎにしか思えないが、日常系ラブコメなら微笑ましい話だしね。3期制作が決定しているが、個人的にはもういいかな

 

・REVENGER 1.8
魔法少女まどか☆マギカ』や『翠星のガルガンティア』等で知られる虚淵玄が原案・シリーズ構成を担当したオリジナルアニメ

本作を視聴して誰もが思うであろうことは某時代劇をかなり意識しているなと言う事。パクリとか言う人もいるようだが、この程度でパクリだったら今作られる作品の殆どが何かのパクリでしょ

ただ本作は利便事屋による仕事人稼業をメインに据えていないと思われる。利便事屋や絵描きとして新たな生き方を確立しつつあるものの過去の行いについての自責の念に駆られる元薩摩藩士の主人公繰馬雷蔵の揺れる男心を描くのがメインだが、これが正直面白くない。如何なる時も主従関係が大事なら割り切らなければいけないことだし、そこまで嫌なら拒否すればって思うのは筆者だけなのか。引き受けるにせよ引き受けないにせよ薩摩で平和に暮らすって選択肢はないでしょ

それと前半はオムニバスで後半は阿片密売に関わる闇を暴く話になるがこれもどうなのか。利便事屋自体怪しさの塊だが、密売の背景や人間関係がかなり複雑。闇を暴くのがメインならいいと思うが、本作は繰馬雷蔵の揺れる男心を描くのがメイン。1クールだと尺不足で全てが中途半端に終わった感じ

素直にアニメ版必殺仕事人で良かったと思うけどね。それなら作画の良さも活きるし、本家がそうであるように似非時代劇でも許されるだろう。意地でもそうはしたくなかったんだろうけど

終始煮えきらないストーリーは鬱展開が好きな虚淵信者にはいいかも知れないが、そうでない人にはオススメできない

 

・私の百合はお仕事です! 1.8
原作は未幡の漫画

アニメ制作はパッショーネスタジオリングス。パッショーネと言えばあの伝説のアニメ作品の制作会社なのでエチエチな百合作品を期待するだろうが、そういう路線の作品ではない。ただ作画は良好なので、女の子の魅力を損なうようなことはない

正直掴みが下手過ぎる。全体的に設定が甘いのでイマイチストーリーに入り込めないが、特に1話が酷い。そんなに重要な話なら説明しておけよw1話が終わっての印象はドロドロ&ガバガバ。ゆるい百合作品を求める人に逃げられるのは仕方がないにせよ、ドロドロしたのが好みな人にもいい加減過ぎてストーリーをまともに紡げないと思われるだろう。実際、1話切りした人が多いのではないか

観ていてどういう路線にしたいのか分からないので不安になる。題材はコンセプトカフェなのに、本作のコンセプトが分からん。シリアス路線なのか、コメディ路線なのか、あくまで”ビジネス百合”を描くのか、それともガチ百合に進行するのか。ギスギスし過ぎて本音と建前がイマイチ分からないし、女の園的なノリを笑いにつなげたいのか、そこから一悶着あるのか。これを”先の読めない面白さ”とするのは違うように思う

ストーリーは大まかに二部構成で、前半が陽芽と美月の話で、後半は果乃子と純加の話。後半の話は百合が絡む話ではあるが、どちらも女の子の人間関係の面倒臭さとか人間関係を円滑にするためにどうしたらいいかとかがメインでシチュエーションが百合なだけ。職場に嫌いな人がいたらどうするのか、(同性異性に関係なく)好きな人がいたら職場恋愛をするのかとかに置き換えたら現実的な話になる

”ビジネス百合”とリアルとのギャップを楽しむ作品だとは思うが、原作がイマイチなのか、アニメ化で原作の良さがなくなったのか、1クールでは良さがでないのか、この作品の魅力が伝わってこない。ゆるゆりでもガチ百合でもないと思うし、一体どの層を狙って作られた作品なんだろうと思ってしまった

 

・王様ランキング 勇気の宝箱 1.8
十日草輔の漫画を原作としたTVアニメ『王様ランキング』が2021年に放送され、本作はその続編…だったら良かったのだが、本編では描かれなかったエピソードを纏めたもの。原作未読なので、アニオリエピソードがあるかは不明

原作未読かつ前作未視聴で本作を視聴する人は少ないとは思うが、エピソードがバラバラで時系列で並んでいないのはかなり不親切。メインストーリー目当ての視聴者を逃さないようにする為だろうが、こういうのは頂けない

ほっこりとしたショートエピソードが多いのでそういうのが好きな人にはいいと思うが、メインストーリーに大きく関係するのはオウケンの話位なので、ストーリーが進むのを期待するとガッカリするだろう。但し、最終話の10話だけは本編の続きなので9話までは流し見でもここだけはきちんと観ておいた方がいい

劇場映画が公開予定だが、本編の続きなのかそれともオリジナルストーリーなのか。まだアニメ化されてないエピソードもありそうだから、それをアニメ化するのかね。まだ原作は完結していないようだし、流石に劇場版で完結はやらないと思うけどねえ

 

・もののがたり 1.8
原作はオニグンソウの漫画。分割2クールでの放送だが、2クール纏めての感想

2クールアニメということもあって進行がかなり遅い。ただ、1クール目に関しては岐兵馬が長月家の面々と信頼関係を築いていく様子や関係者の紹介や設定の解説になっていてプロローグとして機能していると思う。『呪術廻戦』ほどではないにせよ登場人物は多いし、設定も複雑。日本の民話が好きな人なら現世(うつしよ)とか付喪神とかとっつきやすい設定だと思うが

問題は2クール目で、原作もそうらしいが一気にラブコメ色が強くなる。堅物で不器用な岐兵馬と人当たりがきつい訳じゃないが幼少期から辛い経験をしていることもあって恋愛恐怖症に陥っている長月ぼたんの恋物語は周囲から見れば歯痒い以外の何物でもなく、周囲がお膳立てしようと動くのは王道ラブコメって感じ。既にお互い内心は満更でもないのに噛み合っていない様子は笑えるし、二人の関係が深まることはストーリー上意味がある

しかし、恋愛要素は長月家と敵対する他勢力との争いに勝ってこそだと思うが、そちらの描写がご都合主義が過ぎる。バトルに関しては多少の超展開はお約束としても、無駄に戦いが苦しくなるような設定に寧ろ地味すぎる展開、褒められたものではない作画でしかも相手を撃破するでもなく逃げられるだけのバトルをダラダラと描かれては評価されないのも当然

『呪術廻戦』と比較するなと言われそうだが、どう見たって岐兵馬のキャラデザは虎杖悠仁を想像させるし、術式を用いたバトルとなれば比較するなという方が無理。バトルがグダグダなのは区切りの良いところまでにするために引っ張ったのもありそうだが、そもそも本作のウリは何なのかもっと考えてアニメ化して欲しかったと思う

 

・白聖女と黒牧師 1.8
原作は和武はざのの漫画

アニメ制作は動画工房。作画が特にいい訳ではないが、キャラは可愛らしい感じに描けているのでそれで十分だろう

マガジン系の作品だが、キャラデザが少女漫画寄りだし、ノリも激甘ではないものの少女漫画のような甘い感じ。ファンタジー世界の設定だが魔物討伐とかファンタジーらしい話はなく、教会で同居する聖女セシリアと牧師ローレンスの日常系ラブコメ。ラブコメあるあるで男(牧師)が極めて鈍感なので、ドメカノ展開なんて無縁の至って健全な作品

特に大きなイベントが起こる訳でもなく、毒のあるキャラも不在。じれったい2人を優しく見守るだけの作品。セシリアの天然ボケにツッコミを入れる掛け合いはあるものの、どちらかと言うと微笑ましい感じ。この手の作品が好きな人にはいいだろうが、そうでない人にとっては退屈な作品だろう

 

・でこぼこ魔女の親子事情 1.8
原作はピロヤの漫画

アニメ制作はA-Real。作画崩壊している訳ではないが、キャラデザといい今時のアニメとは思えない簡素な画

1話につき1-3エピソードで構成されており、テンポは悪くない。但し、コメディ色の強い作品なのでストーリーはないに等しい。一応、過去に触れる話もあるのだが深入りはせずに終わる

ボケっぱなしでツッコミ不在ということはなく掛け合いがあるにはあるのだが、正直切れ味がなくて面白くない。ゲストキャラが絡まない回は間が持たない感じ。アリッサとビオラより脇役の方が印象に残るんだよなあ

まあ、緩い日常系コメディ作品が好きな人にはいいのかも。声優も豪華だし、何故かプリンセス・プリンシパルの主要役勢が勢揃いで『ポプテピピック』でおなじみのキングレコードらしい遊び心だと思う

P.S. ED中に次回予告が挟まるのは珍しいかも

 

・新しい上司はど天然 1.8
原作はいちかわ暖の漫画

アニメ制作はA-1 Pictures。作画は良くも悪くも普通。まあ日常系アニメだしね

結構評価の高い作品のようだが個人的にはイマイチ。こんな会社あるのかってツッコミはフィクションだからいいとしても、全体的にクドくてテンポが悪いので飽きる

率直に言ってアニメ化は時期尚早だったと思う。ストーリー色の強い作品ならいざ知らず、ゆるい日常系作品で原作2巻分を1クール引っ張るのは無理がある。いくらストーリー上関係あるとは言え、前職でのパワハラを引っ張り続けた上に掘り下げる訳でもないから単なる尺稼ぎに映ってしまう

キャラデザも少女漫画風だし、BLを意識した作風は女性を意識しているのだろう。個人的にはここまで薄味な作品なら是非とも声優を続投させて欲しかったが、女性がターゲットなら無理な話か。女性特に主婦には受けそうな作品だが、会社勤めのサラリーマンにはパワハラは笑えないし、課長の青山がかなり痛く映ると思うので単調な展開と相まって視聴に耐えないかも

 

・BURN THE WITCH 1.8
原作は『BLEACH』で有名な久保帯人の作品。2020年に短期集中連載されたSeason1は既にアニメ(映画)化されているが、今回2018年に発表された前日譚に当たる読み切りについてもBURN THE WITCH #0.8としてアニメ化された。#0.8は30分アニメ1話分程度のボリュームで単独で評価するほどではないと思うのでSeason1と#0.8を合わせて評価する

ニニー・スパンコールと新橋のえるの女子2人によるバディもので、一般の人は存在を信じていないリバース・ロンドンでドラゴンと戦うファンタジーアクション作品。作画はそこまで古臭くはないものの今時のくっきりはっきりとは異なるし、何よりセクハラまがいのノリはルパン三世とかシティーハンターって感じで今の若い人にはウケないだろう

セクハラ云々はともかくSeason1と称しているように当に”私たちの戦いはこれからだ”で終わっていてアニメ化は時期尚早だったと思う。有名な漫画家でありながら『BLEACH』以外の作品は少なく、知名度の低い作者や監督の作品ではまずヒットは見込めない昨今のアニメ映画界隈では垂涎の的なのだろうけど

 

2023年に放送・配信されたアニメレビュー(その3:評価1.7以下)に続く

2023年に放送・配信されたアニメレビュー(その1:評価2.6以上)

今更ながらの2023年のアニメレビュー。2024年のアニメも記録に残しているが、流石に視聴する作品数は減りそう。苦手なジャンルは世間の評価に関係なく面白いとは思えないし、何よりそういう作品のレビューを書くのは苦痛だし、アニメだけでなく映画も見たいし。最近、映画のレビューが書けていないし、そもそも映画館に行くことが少なくなっている

 

しかし、今年も当たりと呼べる作品が少ない。ストレスフリーで見られる無難な作品がトレンドになっているが、それは筆者の好む尖った作品とは真逆の方向性だからなあ

 

最高点は5、最低点は0。2023年のアニメ=2023年に最終回が放送・配信されたアニメという括りで、年をまたいでの連続2クール作品や万策尽きて2023年中に完結できなかった作品は含まない

 

前置きはこの位で。長いので今年も三分割にする

 

 

・【推しの子】 4.2
赤坂アカx横槍メンゴによる漫画のアニメ化

アニメ制作は動画工房。最近はパッとしない印象だが、近年の作品とは明らかに違うクオリティ。流石に『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』比べると…だが、バトルものではないし、アイドル活動も本作の一面に過ぎないのでこれで十分だろう。これ以上を求めるとCGゴリゴリにしないと無理だろうし

TVシリーズのアニメとしては異例な1話完結のTVスペシャル並みの80分オーバーの第1話。正直、何話かに分割して放送でも良かったと思うが、最近は1話切りする人も多いからね。ここまで話が進まないと本作のストーリーの方向性が見えないから、そこまでに切られてしまう可能性があるってことなんだろう

2話以降はじっくりと話が進む。丁寧に話を紡いでいる印象で各話の引きも上手いし、良く考えられた構成。芸能界の闇を暴くような過激な内容がクローズアップされがちだが、本作の面白さって子役時代から芸能活動をしていて芸能界の表と裏を知っているアクアや有馬かな、黒川あかねと芸能界に憧れしかないルビーのコントラストにあると思っていて、1期では芸能活動を始めたばかりのルビーが芸能界に染まっていくとどうなるのか興味深い

ケチを付けるとすれば、芸能界を描く作品としては面白いと思うが、サスペンス物としてみると冗長過ぎる点ときちんと風呂敷を畳めるのか心配な点。『かぐや様は告らせたい』はダラダラ感があったが、緊張感を保ちつつ風呂敷を畳むのは難しいと思う。ストーリーの方向性は定まっているが、サスペンス、芸能界でのサクセスストーリーに恋愛要素と盛り沢山だからねえ

アニメ放送前からかなり話題になっていたが、話題作に恥じないクオリティだと思う。まだ原作も続いているし完結までに何クール必要か分からないが、最後までアニメ化されることに期待したい

P.S. 本作に関わるエピソードと言えば何と言っても”場外戦”だろうが、アレって当に炎上すべくして炎上した最たるもので他山の石としなければいけないと思う。思い込みで他者を非難するのも最悪だが、謝罪の筈が他責を咎めて保身を図ったのも最悪。個人でなく企業だとしても確実に火に油を注ぐ行動。思い込みで逮捕してヘラヘラしている神奈川県警を見習う必要はない

作中では「謝ったら負け」って言っているけど、ネットの世界は2、3年前でも大昔。今は時代が違う。適切なタイミングで適切な謝罪をすることが重要。結局、ネットで叩いている人達はごく一部な訳で、クラスタの細分化が更に進んでいる今、きちんと謝罪しているのに「誠意が足りない」とか誠意大将軍を気取ると逆に叩いている連中が炎上するからな

 

・天国大魔境 4.0
原作は石黒正数の漫画

アニメ制作はPRODUCTION I.G。ポストアポカリプスSFなのでCGかと思いきや手描き。キャラデザも作画も癖が強めなので、合わない人には合わないだろう。壁の中と外の世界の対比は作画でも表現できていて作画が悪いということはないのだが、戦闘シーンは正直物足りない。『鬼滅の刃』とは路線が違うにしても、『チェンソーマン』位の水準は欲しかった所。まあ、本作のウリはバトルシーンではないと思うけど

本作は壁に囲まれた施設での子供たちを描いた天国編とポストアポカリプスな世界でマルとキルコが天国探しの旅をする魔境編が同時進行する。天国編は『約束のネバーランド』を彷彿とさせるが、きな臭さは約ネバの比ではない

天国編と魔境編は同時進行と描いたが、時間軸はズレている筈。マルとキルコの天国探しの旅は過去を探る旅でもあるし、少しずつ過去に遡ることによって事実が段々と明らかになるし、両編がクロスオーバーしていくのは上手く出来たストーリーだと思う。ただ、本作は1クールで作品としては途中で風呂敷を畳みつつも新たな風呂敷を広げて終わっているのでモヤッとした感じはするが、もし2期があるなら巧みなストーリー進行できちんと風呂敷を畳んでくれると期待が持てる

掲載誌が月刊アフタヌーンということもあって大人向けの内容。エロ、グロ、その他胸糞シーンが多い。ストーリーは丁寧に紡いでいると思うが、『鬼滅の刃』みたいに一から十まで説明してくれる訳では無いし、なろう系や日常系みたいに脳死で見れるような話ではないし、アニメ作品を集中して観る習慣がない人にはきついだろう

TV放送こそ全国ネットとはいかないまでも多くの局で放送されたが、配信はDisney+限定。一応、他の配信サイトでも遅れて開始されたが、個別課金なのでこれからの視聴はハードルが高い。限定配信だから制作費が確保できるのも事実だろうが、限定配信の時点でバズることは期待できない訳で痛し痒しだわな。まだ原作が完結していないし2期があるとしてもだいぶ先になりそうだが、できれば2期は独占配信は勘弁して欲しい

 

・お兄ちゃんはおしまい! 3.9
原作はねことうふの漫画。掲載誌は一迅社の月刊ComicREXで百合系ではないが、百合要素は多め。ヤバめのキャラを女の子の可愛らしさでオブラートに包むゆるゆり日常コメディ作品という点で『私に天使が舞い降りた!』に通ずるものがある

アニメ制作はスタジオバインド。本作のセールスポイントは何と言っても作画の良さで、かなり拘って作っているのが伝わってくる。胸のサイズも当に”胸囲の格差社会”で現実離れした超デカパイからぺったんこまでよりどりみどり。単にデカパイが揺れまくるようなことはなく様々なアングルやシチュエーションを見せてくれるし、胸だけでなく太ももとかも艶かしくて露骨なエロシーンはなくても十分エロい

エロだけでなく所謂劇中アニメも高クオリティで、まひろ達が観に行く映画の予告編(『スペースタイタニック』)やまひろ的紳士の嗜みであるニチアサアニメ(『魔法少女ニコララ』)は普段の場面とは違うタッチや色彩で描かれている。勿論、両者は同じアニメとは思えない位作画が違っている。『スペースタイタニック』は本当に(別の作品の)予告編が始まったかと思った

キャラはまひろ達が中1設定だし、全体的な色彩がパステルカラーなこともあってかなり可愛らしい感じ。ただ可愛いだけではなく動きも日常系アニメとは思えない動きだし、引きの構図でもキャラの崩れが少なくて全体的にかなり作画コストをかけているのだろう

日常系なのでストーリー性は強くなく、女の子あるあるや女の子同士のワチャワチャ感にまひろが戸惑いつつも順応していく様子を描いている。とは言え、ブラジャーや生理(用品)とか際どい話題もあるが。但し、思わせぶりなシーンでも露骨なエロはない。「ビンビンにたっている程実用性が高いものは何?」と聞かれて◯◯◯とはならないってこと

薬を飲まされて女の子化したまひろは勿論、薬を飲ませたみはりも自身の立ち位置や兄との距離感に悩んだり、まひろとみはりの関係だけでなく、かえでともみじの姉妹愛を描いたり、同じボーイッシュキャラでも見た目は男の子でも中身はフェミニンなもみじと見た目は活発な女の子だけどあまり女の子っぽくないあさひとの対比も面白いし考えられた設定だと思う。ただ、小難しい話や(泣かせようとする)いい話が全面に出てくることはなく、ツッコミも厳しくなくパロティ色も薄めなので、シリアスや過激な要素をマイルドなコメディで包んだ絶妙なバランスになっていると思う

万人受けする作品ではないのは確かだが、個人的に尖った作品は大好きだし2期に期待したい

 

Dr.STONE(龍水+3期) 3.9
原作は稲垣理一郎Boichiによる漫画。3期は分割2クール(全22話)で放送されたが、2クールを通しての感想。それと2期と3期の間の話である2022年に放送されたTVスペシャルの『Dr.STONE 龍水』も含める

アニメ制作はこれまで通りトムス・エンタテインメントだが、制作スタジオが8PANからDie4studioに変更されている。ただ、作画クオリティは良くも悪くも変わらない。本作は少年漫画が原作でバトルシーンが少なからずあるので、もう少しクオリティが高ければと思うが。まあ水準レベルではあるし、本作のウリはバトル(シーン)ではないと思うけど

2期で獅子王司率いる司帝国とのバトルが終結し3期は繋ぎとも言えるシーズンではあるが、個人的にはやっと始まったって感じ。司との対決は通過点で石化の謎に迫るのが本題だろう。全くダレていないと言えば嘘になるが、直接関係ない話をこれだけ挟みながら関心を維持できるのは原作の出来の良さの賜物だろう

遅れてきた主要キャラ(と思われる)七海龍水はかなり強烈なキャラで人気投票上位らしく、復活の顛末をTVスペシャルにしたのも頷ける。強いリーダーシップを持ち独善的なところはあるが、何でも自分が主役でないと気が済まない訳ではなく人を立てることも知っているのが人気の秘訣だろう

人が増えてきたこと、新たな勢力との接触もあって”メンタリスト"あさぎりゲンの存在感が増している。真っ当な人心掌握術もあるが、千空とのタッグでの黒い企みが猛威を振るう。ただ信用不安を煽るのは戦争の常套手段ではあるが、現在の社会では風説の流布で市場操作を行おうとするのは犯罪なので注意喚起の一文があった方が良かったかも

一般的に科学といえば自然科学だろうが、人文科学や社会科学も科学であり、自然科学の枠に収まらないのが『Dr.STONE』という作品のスケールの大きさだろう。難しい話も多いが、科学と非科学、シリアスとコメディのバランスは今期も取れていて、最終シーズンとなることが予告されている4期も楽しみだ。但し3期と同じ話数では足りなさそうだし、TVスペシャルならともかく劇場版商法は勘弁して欲しいが

 

・君のことが大大大大大好きな100人の彼女 3.8
原作:中村力斗、作画:野澤ゆき子による漫画のアニメ化

アニメ制作はバイブリーアニメーションスタジオ。作画は良好で、女の子の個性を引き立てている

タイトル通りハーレムラブコメではあるが、ラブコメ色は薄め。女の子の掘り下げはしっかりしてるし、水着回なんかもあるもののラブコメを期待するとガッカリするかも。まあ、ハーレムラブコメが見たければ『カノジョも彼女』を見ればいいと思うし

本作はパロディ色の強いオバカギャグアニメでこのノリを受け入れられるかどうかだろう。個人的には恋太郎がもっと人外な方が良かったが、今からそうだと最後まで持たないのだろう

1期で出てきた彼女は6人。漫画はまだ完結していないし、まだまだ先は長い。100人目が出てくる頃には飽きていそうな気がするが、たまに見る分にはこのノリのままでも問題ないと思う

 

・ダークギャザリング 3.7
原作は近藤憲一の漫画。2クール作品

アニメ制作はOLM。作画はホラーものにありがちなボヤッとしたタッチではなく、バトルものらしいクッキリ寄り。悪くはないものの、できればもう一ランク上であって欲しかった。もっと作画が良ければバトルシーンが映えるし、怖さも増したと思う。キャラデザは原作より目が強調されて子供っぽく見える

タイトルのダークギャザリングは悪霊捕縛のこと。空亡によって連れ去られた寶月夜宵の母の霊を取り戻すために、「毒を以て毒を制す」とばかり悪霊を捕えて手駒にしていく”ベリーハードなポケモン収集”がメインの作品。最後は空亡とのバトルになるのだろうが、原作はまだ完結していないし、全25話で原作の9巻まで消化するペースだと2期があるにしても先のことだろう。人を選ぶ作品なのは間違いないのであまり期待できないか

寶月夜宵は小学生らしく好奇心旺盛で無鉄砲だが、小学生らしからぬ強さ。とは言え無敵という訳ではなく、また悪霊捕縛のせいで悪霊が寄って来ないので霊媒体質で霊の気配を感じる力が強い幻燈河螢多朗の協力が不可欠であり、ここにIT関連に強い運転手の寶月詠子を加えた3人で連携してポケモンバトルを制する様は如何にもジャンプ系作品って感じ

設定はよく練られていて複雑だが、後出しジャンケン感がないかと言えば嘘になる。とは言え、設定がコロコロ変わるようなことはなく、捕えた悪霊もそれぞれ個性があってどんな敵でも力が発揮できるとは限らないところもポケモンバトル感がある

最近は(実写)ホラー映画も本当に怖い作品が少ないだけに、きっちり怖いホラー作品というだけでも価値がある。キャラデザ含めてややポップな感じで怖さを抑えているとは言え、ホラーが苦手な人が夜に見ようものならトイレに行けなくなるかもね

 

・ブルーロック 3.6
原作:金城宗幸、作画:ノ村優介による漫画をアニメ化

アニメ制作はエイトビット。作画はまずまず。少年漫画原作だが、イケメンが多いので腐女子受けしそう

本作が評価されている要因はやはり設定の斬新さだろう。デスゲーム自体は珍しくないが、サッカー+デスゲームとなると話は別。デスゲームの要素が強くなりすぎると”なんちゃってサッカー”になりがちだが、破天荒ではあるもののサッカーとしての本質を失うような話ではない。サッカーに興味がない人にとっては関係ないだろうが、スポーツアニメとして越えてはいけない一線はあると思う

全体的に見て十分面白い作品だったと思うが、思ったほどではなかったのも事実。一次選考まではいい意味でぶっ飛んだ展開だったけど、二次選考からは普通のサッカーアニメというか。普通のサッカーアニメがク○ではないが、本作に求めるものはそれではないって感じ

キャラの掘り下げが丁寧なのは悪くないが、アクの強い連中に埋もれて主人公の影が薄くなっている。それと青い監獄プロジェクトが目指すものがイマイチ見えてこないのでストーリーの説得力が弱い。目標とされている選手たちはワールドカップで優勝していないしね。まあ、それには何らかの意図がありそうだが

2期が楽しみではあるが、もっと日本サッカーや選手に喧嘩を売るような内容だと思っていたから拍子抜けした。最近はヲタク病(批判してはいけない病)が蔓延しているから攻めた内容だと炎上不可避なんだろうけど、アニメは実写より現実っぽくないのでもっと攻めた作品にして欲しいが期待薄か

 

・トモちゃんは女の子! 3.6
原作は柳田史太の漫画。最近は高木さん、宇崎ちゃん、今期だと長瀞さんなどヒロインの名前がタイトルに付く作品が多いが、いずれも可愛らしい小悪魔系キャラなのに対して本作のトモちゃんは大柄でボーイッシュ、手や足を飛ばすのは当たり前の今風とは言えないキャラ。内容も真剣に青春していて、一昔前のドラマとかでありそうな感じ

相沢智と久保田淳一郎は幼馴染。幼馴染から恋人関係を目指す話はラブコメ作品に限らず多いが、現実の話でもハードモードなのは間違いない。特に男女の幼馴染の場合、女の子がお転婆で男の子と野球やサッカーに興じたり、田舎なら木登りとか虫取りとかだろう。スカートは穿かずにショートヘアにパンツルック、小学生なら男女の体格差はそれほどない(小学校高学年なら女子の方が大きい)し、男からすれば女の子と遊んでいるって意識がないのも不思議ではない

ただ、それが悪いことかと言えばそうではないだろう。性別を意識しないからこそ親友でいられるのは事実。特に淳一郎は智の告白をLoveではなくLikeだと勘違いしていたが、徐々に智を女性として認知するようになると接し方に悩む。逆に智は淳一郎が自分を女として見ていないことが不満だが、同時に今まで通りの親友としての付き合いも求めているのが話が拗れる原因になっていることに気付けないでいる

主要人物が少ないせいもあり、智と淳一郎だけでなく全体的に心理描写が細かい。智と淳一郎の幼馴染でクラスメイトの群堂みすずは真っ直ぐな智と淳一郎とは対極の”寝技”が得意の腹黒キャラ。腹黒さを活かして恋人未満カップルにけしかけるポジションのキャラだが、智と淳一郎が恋人になった場合に自分と智との関係はどうなると悩むことも

また、智と淳一郎のクラスメイトのキャロル・オールストンは見るからに鋭さを感じさせる群堂みすずとは異なり天然ほんわかキャラに見えるが、こちらも腹黒キャラ。特に男性視線での自分の女としての価値に自信を持っていて、それ故高飛車だったり計略を仕掛けることも。智が所属する男子空手部の部長である御崎光助とは従兄弟同士で好意を寄せているが、こちらも周囲から見れば歯痒いカップルに見える

心理描写の細かさはシリアスさに結びついているが、原作が4コマ漫画なので本作も1話が2-3エピソードで構成される話が多く、それがテンポの良さに繋がっていて重苦しさはない。1クールでちゃんと決着がつくのも良い

しかし、原作は全8巻なのでエピソードをかなり削ることになったのだろう。そのせいかエピソードが単調。不良とケンカとか昔のドラマのような展開が目立つ。空手なら智だが喧嘩なら淳一郎の方が強いので淳一郎が智を守るのはラブコメっぽいが、智も並の男子じゃ空手は勿論、喧嘩でも勝てるような相手じゃないからねえ。大きな胸の持ち主で”待望の水着回”もあるが、たわわな胸は女性らしさの象徴ではあってもそれで恋愛一直線とはならんでしょ

智が着慣れないワンピースを着用したら淳一郎に智に似た別人と思われたように見た目の問題じゃない。原作未読なので分からないが、もう少し内面的なことで智の女の子らしさが感じられるエピソードがあればストーリーの説得力が増したと思う

それと本作は実写向けな話だと思うが、智はモデル系の人でいいとして、淳一郎をどうするかだな。旧ジャニタレでは合わないだろう

アニメ制作はLay-duce。作画は悪くないし、キャラデザも合っていると思うが、萌え豚じゃなくて恋愛映画やドラマが好きな人に刺さりそうな内容だけにもう少し少女漫画っぽいデザインだと女性に受けたかも

 

・僕の心のヤバイやつ 3.6
原作は桜井のりおの漫画。名前の印象に反して女性漫画家の作品。2期制作が決定している

アニメ制作はシンエイ動画。ヒロインの山田杏奈は中学生には見えない位大人っぽいが、全体的には可愛らしい感じのキャラデザ。作画レベルは高く、柔らかいタッチと淡い色使いはノスタルジックな甘酸っぱい青春って感じで本作の世界観によくマッチしている

本作の魅力=山田杏奈の魅力と言っても過言ではない。モデルとして活動している背の高い少女でクラスの人気者だが、それで天狗になるようなことはない。マイペースでサバサバした性格はヒロインでありながらイケメンキャラのようで、それでいて天然、不思議ちゃんなところがいいギャップになっていてシュールな笑いに繋がっている

本作は厨二病キャラの市川京太郎と山田杏奈がメインではあるが、他のキャラも存在感がある。京太郎も杏奈も仲の良い同性の友達がいるが、グループ内での会話は中学生あるあるって感じ。厨二病キャラの京太郎は勿論のこと、この時期の男子中学生はおこちゃまなので妄想まみれの痛さは持ち合わせているもので、それを的確に描いているのは女性漫画家とは思えないし、本作のラブコメ以外の魅力に繋がっていると思う

難点を挙げるなら序盤がね。ラブコメらしくなるのは4話位からで、序盤は京太郎の痛さが目立つ。ただ、上述の通り、中学生あるあるなエピソードは京太郎の痛さを緩和しているし、序盤があるから京太郎の成長が描けているのも事実。これを中盤まで引っ張ると純愛描写が嘘っぽくなる。杏奈は背だけでなく胸も大きいので、そりゃ厨坊なら妄想もするし、杏奈は意識していなくても胸を押し付けられたりしたらドキドキするのも当然だろう

全体的によく考えられた脚本で完成度が高い。青春ラブコメは好きだけど、最近のあざとさMaxの小悪魔系ヒロインは苦手な人には特にオススメできる作品

 

・呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変 3.6
原作は芥見下々の漫画。2020年に1期が、2021年には前日譚に当たる『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』をアニメ化した映画が公開された。2期は前5話が『懐玉・玉折』、残りの18話が『渋谷事変』のアニメ化で全23話

アニメ制作は1期に引き続きMAPPA。1期とはタッチが違う印象だが作画は高水準で迫力あるバトルシーンを堪能できるものの、厳しいことを言えばやや不安定な所も。放送中にMAPPAのブラックな一面が暴露されたが、アニメーターの待遇についてはMAPPAだけでなく業界全体で見直さなければいけない喫緊の課題。しかし、それで回っている間は甘い汁を吸い続けて吸えなくなったら恫喝すれば何とかなると思っているような連中が牛耳るのが日本の組織。改善される日は来るのだろうか

1期と映画はプロローグで2期からが本番って感じでかなり楽しめた。『懐玉・玉折』に引き続き『渋谷事変』の構成も良かった。登場人物が多いので全ての人物を掘り下げる余裕はないが、五条悟も夏油傑もストーリー上重要だし、五条はともかく夏油については素性不明だったしね。これなしに『渋谷事変』に突入しても盛り上がりに欠けただろうな。特にこういう展開だと

原作未読だが、『渋谷事変』は多分『呪術廻戦』という作品のピークだろう。『渋谷事変』内でも何人かが殉職しているが、ただでさえ登場人物が多い上にストーリーが収束していけば関わる人物は自ずと絞られるのが道理だし、多くの人物に見せ場があるのはこれが最後なのかも。ナレーションを効果的に使って多すぎる登場人物を上手く捌いている。とは言え、後付け設定が多すぎる感は否めないが

ただ今後は多くは期待できそうもない。五条悟の封印は禁じ手だと思う。五条が強すぎて大活躍するシナリオだと他の出番がなくなってしまうし、逆に苦戦するようだと五条のイメージを損なうから苦肉の策なんだろうが、五条を封印できるのであれば虎杖悠仁を死刑にする必要もないように思えるし、ストーリーの整合性に苦心しそう。それでも某鬼狩りよりは期待できそうだが

 

・ワールドダイスター 3.5
バンダイナムコフィルムワークスの新規IPによる「“演劇”ガールズ」プロジェクト。メディアミックス=二兎を追う者は一兎をも得ずが定説化しているが、本作は果たして

アニメ制作はLerche。作画レベルは高く通常時の作画も悪くないが、本作が力を入れているのは演劇シーン。激しい動きは皆無だがヌルヌル感が半端ないし、劇伴も照明も舞台らしさを引き立てている。特に最終話は演劇シーンが長いこともあって更にグレードが上がっていて舞台の奥行き感を強く感じるし、演技の素晴らしさと途中でアスペクト比シネスコに変わることもあってミュージカル映画を観ているかのよう

本作は演劇を題材にしているから当然とは言え、演劇に全振りしたような作品。ゆるい日常シーンがない訳じゃないが、役者バカの集まりなのでいざこざも演劇に関することだし、最後の演目もミュージカルファンには嬉しいチョイスだろう。ただ、この後の展開を予想できちゃうかも

本作はメディアミックスプロジェクトでソシャゲ展開もされていて故に登場人物がかなり多いが、アニメではシリウス以外の劇団は出てこない。更にシリウスの中でも鳳ここな、静香、カトリナ・グリーベル、新妻八恵、柳場ぱんだ、流石知冴以外はモブに近い扱いだし、実質ここな、静香、八恵の三人を描いた作品になっている。ぱんだと知冴のエピソードも面白そうだが、1クールだしね。取捨選択は必要

ここまでだと非の打ち所がない作品に思えるが、残念ながらそうではない。”センス”と”ダイスター”、この2つが作品の価値を下げる要因になっている。特にセンスはね。考えた奴はセンスがないw

何でセンスが出てきたかと言えば、メディアミックス作品だからだろう。ソシャゲとは相性抜群だし。センスはあらゆる人間のセンスをコピーできるというチート能力持ちや逆に共演者のセンスを任意に使用不可能にできるといったゲームなら役立ちそうだが舞台ではどうなのってスキルもあるが、シリウスメンバーが持つスキルはスキルというよりは各人の長所に近い

「あの役者には華がある」とか「(演技中に)今はゾーンに入っている」とか芸術の世界は抽象的な表現になりがちで、それらを分かり易くって狙いもあるのだろうが、一々目が光ったりしなくても演技で示せばいいだけ。実際、演技はメリハリがついていると思うし安っぽい演出は必要なかった

安っぽいと言えばダイスターも。ダイスター=大スターであろうネーミングもそうだが、大スターって認定されるべきものなのか。ドイツのマイスター制度に着想を得ているのだろうけど、世界規模での演劇ブームなら目の肥えた客が多いんだし、自分のオキニを応援すればいいだけでしょ。賞(の権威)ってその分野について興味がない・知らない人たちの判断基準に過ぎないと思う。そういう点で最終話のアレはいただけない

それと1クールだから仕方ないとは言え、人間ドラマがあまりに淡白過ぎる。ここなvsカトリナは最後まで引っ張れば良かったのに。ここなの成長に伴ってカトリナが軟化してここなを認めるようになるで良かったような。ぱんだも良くつっかかるけど、大人というかあっさり引き下がるしね。別にヘアアイロン持って突撃しろとは言わないが、本作は演劇ではなく演劇アニメだけにいざこざもないと面白みに欠ける

あとキャラデザやキービジュアルも気になる。出来が悪いってことではなく、作品の中身とあまりに違うからなあ。このビジュアルだと(萌え系)アイドルアニメと思われるだろうから、それを期待して観た人からは低評価を食らうし、逆に萌え豚向けアニメが嫌いな人にはスルーされるだろう

欠点も多い作品なので評価が伸びないのは仕方ないと思う。舞台が好き、声優の熱演が観たい人向けで、特に石見舞菜香長縄まりあのファンにとっては至高の作品だと思う

P.S. 横浜市が出てくる作品は珍しくないが、横浜町が出てくる作品は激レアだろう

 

・スキップとローファー 3.5
原作は高松美咲の漫画。掲載誌は『月刊アフタヌーン』だが、キャラデザやキービジュアルを見ての通り少女漫画っぽい

アニメ制作はP.A.WORKS。作画には定評のある会社なので全く問題はない。イケメンや美人とそうではない人の差が歴然としているが、少女漫画っぽいタッチや色使いなので刺々しい感じは皆無

石川県珠洲市(蛸島町)出身(作中では石川県凧島町)の垢抜けない田舎者の少女岩倉美津未と小学校時代は子役としてドラマに出ていたイケメン志摩聡介の恋物語という構図は男女が逆転した『僕の心のヤバイやつ』と言えなくもないが、ラブコメ色は薄い。何事にも直向きな岩倉美津未と要領の良い志摩聡介がお互いに感化されて変わっていく様子をメインに描いた青春群像劇だと思う

「隣の芝生が青く見える」のは青春あるあるだと思うが、イケメンや美女は羨ましいと思う反面、打算的に近づいてくる人が多いのも事実だろうから、それで人間不信になるのは分かるような気がする

心理描写がとても細やかで、主役の2人だけでなく周りの人の心理描写もある。青春らしい青さだけでなく黒い部分も感じられるが、全体的にはほのぼのとした感じの作品。ただ、お世辞にもテンポが良いとは言えないし、展開に乏しいのも事実。それにアニメだと悩みが軽く感じられるのもマイナス

ぶっちゃけアニメ向きではないと思うので、実写映画かドラマで観たい作品。とは言え、旧ジャニタレ起用の”学芸会”にされちゃうんだろうな。河合優実や橋本愛とかちゃんと演技ができる人を集めてくれたらいいのだが

 

・カノジョも彼女 Season 2 3.5
原作はヒロユキの漫画。2021年に1期が放送された

アニメ制作はSynergySP。正直作画が良いとは言えない会社で本作も決していい出来ではないのだが、1期の手塚プロダクションに比べると安定している

1期はラブコメの仮面を被ったナンセンスコメディって感じだったが、2期はラブコメ色が強くなった。1期では出番の少なかった桐生紫乃がメインなので、向井直也の彼女である佐木咲と水瀬渚の存在感が薄いのは彼女達のファンには不満かも

桐生紫乃は本作のヒロインにしては常識人で、泣かせる行動をしたり、二股というモラトリアムから脱却し話を進める役割を果たしているのだが、話が進むのはテンポの面でいいにしても泣かせる話が必要かと言えば意見が分かれるだろう。おバカなノリは2期でも健在なのだが、紫乃の存在でラブコメとしては締まった反面1期ほどのインパクトがないのも事実。採点には反映していないが、今期は他にぶっ壊れたラブコメがあったし

原作は既に完結(全16巻)していて2期で10巻まで消化するペースだともう1期あれば最後までいけそうだが、続編は作られるのだろうか。パワーダウンしたとは言え量産型ラブコメに比べれば遥かに面白いし、3期に期待したい

 

・神無き世界のカミサマ活動 3.4
原作:朱白あおい、作画:半月板損傷による漫画をアニメ化した作品

アニメ制作はstudioぱれっと。本作が初の単独制作のようだが、お世辞にも褒められない作画。CG自体の質の低さもさることながら、重ね合わせも一昔前の芸能人のコラージュ画像並に違和感がある。とにかくコストを削減したいのか、動くシーンはドット絵を多用。序盤は作画を頑張っているシーンもあるので作画コストを振り分けただけに思えるが、8話と11話と1クール作品で2回も延期になっているように遊んでいる余裕はなかった筈で苦肉の策だろう。それにOPやEDはそれ用の映像を作成するのが普通だが、OPは本作では本編の使いまわしでEDは本編をドット絵にしたもの、OPやEDに被せて本編が進行することも多いので間違って飛ばさないようにしたい

本作はコメディ要素強めなのでチープな作画も笑いに繋がっているのは事実だが、ストーリー上バトルシーンは重要だし、エロシーンもこの作画では見えてる見えてない以前の問題。トータルではマイナスだろう

異世界転生、作画が悪い、でも声優は豪華。なろう系作品の典型だが、本作はなろう系ではない。但しなろう系のパロティであり、なろう系らしいストーリーもある。現代技術を中世レベルの異世界でひけらかしてドヤるのはなろう系あるあるで不快に思う人も多いだろうが、設定とストーリーの練り込みは(テンプレ)なろう系とは比較にならないので、この後の展開をお楽しみあれ

コメディ要素多めとは言え、パロディ要素は少ないのでパロディが嫌いな人にはいいだろう。しかし”全ての笑いは下ネタに通ず”なので下ネタ嫌いな人は無理だろう。1話の序盤から「ざーさんに何言わすねん」って感じでぶっこんでくるので、間違って最後まで視聴することはないだろうけど

ただエロ全開のはっちゃけた面とは裏腹に本作は神や宗教をシニカルな目線で描いている。色々な宗教や神話を参考にしたと思われ、ユキト達が対峙することになるアルコーンはグノーシス主義における「偽の神」のことで上位にアイオーン(真の神)が存在するが、それを示唆する話が出てくるし、アルコーン達の名前も色々な神話などの想像上の神や人物の名前から取られている

全12話だが、原作漫画の7巻までをアニメ化したと思われる。かなりのペースで消化していることもあってストーリーに雑なところも見受けられるが、神とか宗教といった概念自体がご都合主義の象徴みたいなものだし”無理が通れば道理が引っ込む”を体現している

作画が悪い、癖が強いで人を選ぶ作品なのは確か。ただ、中盤の超展開も伏線がない訳じゃないし、ちゃんと風呂敷を畳みながらストーリーが進行するのは好感が持てる。声優の演技もはっちゃけてて見どころがあるし、funとinterestingを兼ね備えた作品だと思う

P.S. 雑な合成だらけの本作だが、”コンバイン”は別格。コンバインに人を乗せてアニメ風に加工、顔の部分だけ登場人物にすげ替えた映像はインパクト抜群。令和のアニメ史に残る迷シーンだろう

 

・マッシュル-MASHLE- 3.4
原作は甲本一の漫画。1期終了時点で2期が2024年1月から放送されることを告知しているので、実質分割2クールアニメだろう

アニメ制作はA-1 Pictures。大当たりと言える制作会社で作画に問題はないが、コメディ色が強いこともあって本作のバトルシーンは某鬼狩りなどとは違い比較的あっさりしているのでそもそも作画を堪能できる作品ではない

本作を端的に言えば”ワンパンマンinハリー・ポッター”。主人公のマッシュはどんな敵でもワンパンで倒せるほど強くはないが、フィジカルに特化したコメディ色の強いヒーローという点では共通している

本作は『ハリー・ポッター』シリーズのオマージュに溢れていて、各話のタイトルもハリポタ風に「◯◯と△△」だし、クィディッチに似た競技(ドゥエロ)が登場したり、寮制度も寮の数こそ3つだが、寮ごとに特徴があって各寮への振り分けの儀式があったり、得点(本作ではコイン)を寮ごとに競わせたり、筆者はハリポタに詳しくないので他にも色々あるかも。そう言えば、校長もダンブルドアに似ている

魔法を使えないキャラが魔法至上主義社会の象徴である魔法学校で首席(神覚者)を目指す爽快感と常に飄々としていて間の悪さや空気の読めなさに起因するシュールな笑いが本作のウリだろうが、何はなくともシュークリームなのは流石にワンパターンだし、間の悪さは話の腰を折っている所もあるから一長一短。それと強いのに淡々としているのは、なろう系の俺TSUEEに通じるものがないと言えば嘘になるので不快に思う人もいるだろう。筆者はそうは思わないけど

あといくらコメディ色の強い作品とは言え、もう少しバトルを見せて欲しかった。最初の方の敵は弱いから瞬殺でも仕方ないとは言え、徐々に強い敵と対戦している訳だし。いくらフィジカル最強でも優秀な魔法使いにフィジカルだけでは勝てず戦略があるのだが、それがイマイチ伝わらない

それと本作も敵の回想が入るのな。某鬼狩りほど長くはないし、キャラの掘り下げがこの世界の闇も同時に掘り下げているので悪くはないが、やられる前になると回想が入るのは『イセスマ』感があるw

マッシュは不器用でどこまでも真っ直ぐ。そんな彼が仲間とともに選民思想を掲げる敵を蹴散らし、敵すら味方に変えていこうとするのは如何にもジャンプらしいストーリー。マッシュが魔法を使えない理由も明らかになっていないし、魔法が使えないことが周囲にバレた上に更に強そうな勢力が出てくるので2期が楽しみだ

 

・もういっぽん! 3.3
原作は村岡ユウの漫画。女子柔道と言えば『YAWARA!』が思い出されるが、『YAWARA!』の主人公・猪熊柔は柔道のエリートなのに対し本作の主人公・園田未知はそれほど強くなく、人数を確保するだけでも大変な弱小校の女子柔道部に所属する普通の女子高生を描いた青春群像劇である

アニメ制作はBAKKEN RECORD。リアルなのはストーリーだけでなくキャラデザもでギャル風の姫野紬以外は垢抜けない感じな上に軽量級の選手でもスポーツ選手らしい体格なので、”美少女動物園”を期待して観る作品ではない。作画は褒められるほどではない。序盤は手抜きで不安になるが、終盤に作画コストを回したのだろう。ばっさりカットするところはカットで勝負所を重点的に描いているのでダラダラと紙芝居を見せられることはない

1クール13話だが、正直1クールは短すぎる。2クールと言わなくても1.5クール位あれば。1クールだと何となく終わってしまいがちなので、高校柔道の三大大会の一つである金鷲旗高校柔道大会に尺を割く構成は普通なら悪くないのだが、本作だと微妙。他校の選手を掘り下げることで頻繁に回想が入ってテンポが悪く試合に集中できない上に本来描くべきシーンが描けなくなっている

他校より足元。南雲安奈や姫野紬が柔道部に入部するまでの葛藤や入部して部に馴染むまでの過程がカットor紙芝居にされている。滝川早苗もいつの間にかキャプテンになってるし。本作は園田未知に感化された人達の群像劇だと思うが、感化されたのは自校の生徒だけでなく対戦相手もだし、そうやって人脈が広がっていくのを描きたいのは分かる。しかし全国レベルの氷浦永遠が主人公ならともかく、ただでさえ尺が足りないのに滅多に対戦しない他都道府県の選手を掘り下げる必要はなかったと思う。こういう所は某鬼狩りに感化されているのかね

原作はかなりきめ細やかで対象が広い群像劇なのかな。そもそもアニメ向きではないのかも

 

ゴールデンカムイ(4期) 3.3
原作は野田サトルの漫画。2018年からアニメが放送され、今シリーズが第四期。各方面への展開は人気の証であるが、実写映画化は不安しかない

今シリーズよりアニメ制作がジェノスタジオからブレインズ・ベースに変更されている。ブレインズ・ベースはこれまでに多くの作品を手掛けているが、『虚構推理』はお世辞にも作画がいいとは言えない出来だし、制作会社変更に伴いスタッフの多くが変わっていて、特にキャラクターデザイン担当の変更は「誰?」になる危険性もはらんでいるが不安を払拭する出来。キャラデザは細かい所は違うのかも知れないが大きく変わった所はないし、3期と同等以上の作画クオリティだと思う

4期も3期同様、人物を掘り下げる為の回想が多くテンポが良いとは言えないが、後半は回想が減ってストーリーが進んでいく。とにかく登場人物が多いので主要人物のエピソードを入れるだけでもかなりのボリュームでテンポの悪さに繋がっているが、尾形百之助を始め既に裏切っている人物もいるし、行動原理が分からないとそれが裏切りかどうかも分からないので必要ではあるのだが

3期と4期を纏めて2クールでやってくれれば良かったのだが、途中で制作会社が変わっているし、制作会社が変わらなくてもコロナ禍の影響でかなり間隔が空いての分割2クールとかになっていたかも

アイヌ文化は勿論、時代考証や方言の監修等、細かい所まで気を配っているのは相変わらずだが、下ネタもね…。下ネタ嫌いは既に離脱しているだろうが、これまでのは許容できても宇佐美のはちょっとって人はいるだろう

 

・山田くんとLv999の恋をする 3.3
原作はましろの漫画。掲載されているのはWebコミック誌GANMA!で特に女性向けという訳ではないが、キャラデザも内容も少女漫画っぽい

アニメ制作はマッドハウス。今時のくっきりはっきりではないが、柔らかいラインで淡めの色使い、山田秋斗も佐々木瑛太もイケメンだし、木之下茜や前田桃子は清潔感のある女子で女性受けを意識しているのだろう。まあ、酔っ払うと口から湖を放出するのは清潔ではないけどw

少女漫画と言うと練乳を10倍濃縮したようなゲロ甘ストーリーと思ってしまうが、本作はそこまでではないので女性向け作品が苦手でもついていけるレベルだと思う。勿論、キュンキュンするシーンはあり

恋愛依存体質な茜と恋愛なんて全く興味がない山田の波長が合うはずもなく、噛み合わなさが”とんこつ”シャツのようにシュールな笑いに繋がっている。そんな二人が徐々にお互いを意識していくのだが、心理描写は少なめ。だが、逆に互いの距離を測りかねている様子を表現できている

オフ会とか懐かしい響きって感じ。ネット犯罪の周知率が上がったことやMMORPGが下火になったことが影響しているのだろう。ゲームを題材にしているのでゲームに関する話題は出てくるが、あくまで恋愛ものでガチなプレーシーンはないのでゲーム目的で視聴する作品ではないと思う。外付けグラボとかマニアックな話題も出てくるが、それも深く立ち入る訳ではない

全体的に見ればごくごくオーソドックスな恋愛もの。恋敵も出てくるが、腹黒さは感じさせず爽やか。女性には腹黒女キャラは好感度が下がるんだろうが、個人的には物足りない。1クールなので原作の最後までアニメ化された訳ではないが、ちゃんと”けじめ”はつけているし、テンポの悪さに繋がる回想は少なめ、やや冗長に感じる序盤も終盤へのフリになっていて脚本の完成度で勝負な作品だろう

P.S. 木之下茜役は水瀬いのり。キンキン声のイメージだが、本作では山田より年上のお姉さんキャラなのでいつもよりトーン低めで目新しいイメージ。山田秋斗役は内山昂輝。クールなキャラは本当に合っている

 

・吸血鬼すぐ死ぬ2 3.2
2021年に1期が放送された作品の続編

2既から登場する新キャラもいるが、EDを見れば分かるように1期からのキャラがかなり多いので数は控えめ。更に主要キャラの紹介エピソードは1期で済んでいるので、キャラ同士の関係をベースにしたネタが多くなっている。タイトルに2とつくと1期を見ていない人は見ないだろうし、関係が分からなくてもナンセンスギャグとして笑えないことはないと思うけど

個人的に残念なのは各話のタイトルの映画色が薄めになったこと。1期の『市民野球ケーン』は笑った。最近はパロディを極端に毛嫌いする人が多いから、新海とか細田の作品をネタにすると発狂する人が出てくるのだろうけど。『君の縄。』みたいなの個人的には好きだけどね

アニメ制作は1期と同じマッドハウスで作画は安定している。小学生レベルの下ネタや厨二病レベルの妄想など2期も安定のしょーもなさで頭を空っぽにして笑うにはいい作品

 

・事情を知らない転校生がグイグイくる。 3.1
原作は川村拓の漫画

アニメ制作はスタジオ サインポスト。キャラデザは原作準拠だと思うが、正直今風ではない。作画もキャラデザに合わせたのか解像度低めな感じ。まあ日常系アニメだし、作画崩壊している訳でもないし、作品の雰囲気には合っていると思う

ストーリーはタイトル通りで、苛められっ子の西村茜に事情を知らない転校生の高田太陽がグイグイ迫る話。いじめなんて明確な理由はないからな。何で?って問い詰められたら回答に窮するのも当然で、いじめっ子がいくら高田に突っかかっても説得できない

ただ単調なのも事実。西村に少しずつ友だちが増えて西村が成長していく様は描けているが、高田は良くも悪くもそのまま。小5だと女の子の方がませているし、高田が時折予想外の反応を示すのがスパイスにはなっているけど。いじめっ子達への切り返しも痛快ではあるが、やり込めるまではいかないし。いじめは悪いことという明確なメッセージ性はあると思うが、同時に誰かを悪者にはしたくないという方針も感じられるので、ほんわかとした日常系コメディ作品としては良くてもストーリーアニメとしては物足りなさを感じる

本作が面白いかは人それぞれだと思うが、本作に不快感を感じる人は自身の生き方を顧みるべきなのでは。ネットでは常に多数派につこうとし、同調圧力は当然、叩けるターゲットは理由もなくとにかく叩くのが当然な反面、自分の好きなことに関しては批判が正論でも許せない輩にとっては本作は自己否定以外の何物でもないだろう。これからの時代、益々多様化が進んでクラスタがどんどん細分化されるのは間違いないので同調圧力では説得力がないし、それで生き抜くのは不可能だと思うけどね

 

・Lv1魔王とワンルーム勇者 3.1
原作はtoufuの漫画

SILVER LINK.とBLADEの共同制作。コメディパートで節約したコストをバトルパートで使うメリハリの効いた作画で好印象

勇者が魔王を倒した10年後を描いた作品。ありがちな設定だが、この手の作品は中世のヨーロッパらしき国が舞台になることが多いのに対して本作の舞台は現代の日本(と思われる国)。ちょっと注目されただけで有頂天になる勇者、ヒーローを使い捨てにするマスコミと甘い汁を吸おうとする連中、汚職がバレてもヘラヘラしている政治家…。当に現代の病んだ日本の姿だわな

前半はコメディ色が強い。勇者と魔王と珍妙な同居生活がメインだが、幼女化した魔王の容姿はパタリロを彷彿とさせることもあってギャグ展開に違和感はない。無茶苦茶面白いとは思わないが、自堕落な勇者に魔王が発破をかける構図は笑える

後半はシリアス色が強くなるが、同時に失速感も。細切れではない分マシだが、それでも何回かに分けて結構な時間回想が挟まるのでテンポが悪い。最後は完全復活した魔王vs勇者一行のバトルで締めだろうから、王国vs共和国という明らかに通過点な戦いを引っ張ってもね。回想は纏めて第1話でやって欲しかったが、それだと1話切りされてしまうという判断なのだろうな

 

・虚構推理 Season2 3.0
2020年に1期が放送された作品の続編。ぶっちゃけ1期は面白くなかったが、オムニバス構成になれば化けそうな作品だと思ったので視聴。1期は鋼人七瀬の話だけで終わっちゃったからねえ

本作の面白さはタイトル通り虚構推理にあり、岩永琴子が態と間違ったり遠回しな推理を披露しつつ相手の出方を伺ったり心理を揺さぶる対人(対怪異)バトルを楽しむ作品だと思う。1期はネット対策や不死身設定である桜川九郎の(物理的)バトルが多くて観たいのはそれじゃない感が強かった。2期でもバトルシーンはあるが少なくなっている

1期でもそうだったが、”知の女神改め痴の女神”岩永琴子の下ネタ披露の機会が増えている。コンプライアンスに厳しい今の社会では口に出せないような一昔前のオヤジの下ネタを息を吐くようにサラリと言い放つのはサバサバした印象の中の人っぽい。最終話は鰻屋の話だが、期待通りのオチで締めるしw

ただ所謂本格推理ではないし、怪異が絡むのでご都合主義なところも。アニメ制作は1期と同じブレインズ・ベースだが、作画がねえ…。バトルシーンが少なくなって作画の重要性は下がっているが、もう少し頑張ってほしいところ

第2話から第4話の雪女のエピソードが泣かせる

 

・君は放課後インソムニア 3.0
原作はオジロマコトの漫画。メディアミックスプロジェクトでTVアニメ放送中に実写映画も公開された

アニメ制作はライデンフィルム。超絶作画ってほどではないが、ライデンフィルムは過去に『よふかしのうた』を制作していて、本作でも夜の描写は美しくいい雰囲気を醸し出している。キャラデザは古風とは思わないが、普通の高校生って感じでメインキャラのオーラはない

当に”ザ・青春”って作品。甘酸っぱくてほろ苦い、キラキラした青春。これをイケメンと美女でやると嫌味で嘘くさくなりそうで、地味なキャラにしたのは正解だろう。ストーリーはゆったりと静かに進行して、中見丸太と曲伊咲がじっくりと愛を育む様子を優しく見守る関係者の気分になる

OPとEDも合っているし良く出来た作品だとは思うが、雰囲気だけって印象なのも事実。不眠症設定は二人が出会うためのトリガーでしかないし、天文部も写真についても天体や撮影について深く探求するって感じではないし。写真=感性は事実だとは思うけど、ストーリーに核がない印象

それと展開に乏しすぎる。脇役はキャラが立っているけど絡みは多くないし、それで話が進行するわけではない。二人でいる時間が多いが、駆け引きなしの真っ直ぐな愛。『処刑少女の生きる道』みたいにいつ殺られるかって緊張感がある訳じゃないし

アニメ向きでないって思う作品はチラホラあるが、本作はその典型。そういう意味では実写映画は悪くないと思うが、多分TVアニメの範囲のダイジェストになるだろうから安っぽいラブストーリーって印象になっちゃうだろうな。しかし、オジロマコトの作品をアニメ化するなら『富士山さんは思春期』とかの方が良かったんじゃないの。詳しくは知らないが、こちらはラブコメだった筈。最近の深夜アニメはラブコメ過多だから、アニメ化されても埋没しそうではあるが

OPはaikoだが、『聲の形』は本人の好きな漫画だったらしいから多分本作も好みなんだろう。本作は真っ直ぐな青春ラブストーリーが好きな人にはオススメできるが、そうでない人まで唸らせるほどの作品ではないので意外に人を選ぶ作品だと思う

 

・ちびゴジラの逆襲 3.0
ちびゴジラ坂崎千春がデザインした東宝の子供向けキャラ。ちびゴジラを用いたアニメは過去に『ただいま!ちびゴジラ』がWebアニメとして配信されたが(未視聴につき内容は知らない)、前作とは別路線なのか声優が一新されている

キャストは最近の人気声優が勢揃いって感じ。声ヲタならそれだけで高得点だろうな。1話2分40秒のショートアニメでテンポが良く、ボケとツッコミが小気味いい。前半はキャラ紹介的な位置づけであまり面白くないが、後半に入って縛りがなくなって面白くなってくる

放送枠がテレ東の子供向けアニメ枠「イニミニマニモ」なので子供向けを意識していると思うが、子供じゃ分からなさそうなネタも。ゴジラシリーズに関係ないネタがメインだが、知ってればニヤリとできるだろう

各話の最後にSDGsの目標が表示されるが、SDGsは17の目標があるのに本作は全13話。内容もSDGsとは関係ないし、そもそも”破壊王ゴジラSDGsって対極にあると思うけどね。まあ、深く考えるなってか

 

・BIRDIE WING -Golf Girls' Story- (Season 1+Season 2) 3.0
女子ゴルフを題材にしたオリジナルアニメ。Season 2となっているが、実質分割2クール作品。Season 1は2022年に放送されたが、採点はトータルで

女子ゴルフはおっさんに人気があるだけに、アニメもおっさんを強く意識した作り。声優は若い人も出演しているが、池田秀一古谷徹、JK役も小清水亜美中原麻衣田村ゆかりらお◯さん声優(失礼)が務めている

Season 1もジェットコースタードラマが展開されたが、Season 2はそれ以上。Season 1が怒涛の展開だったのでSeason 2はじっくりとイヴと葵の成長を描くのかと思いきやさにあらず。昔のアニメはシュートを打つだけで何話も使うような作品もあったが、本作はとにかく展開が速い。ぶっ飛んだ設定、派手な演出、人間の欲の生々しさは大映テレビの作品を彷彿とさせる

ただ、コルフに関しては(マナー的なものを除けば)比較的まとも。ストーリーはトンデモだけにSeason 2は異能バトルものになりそうな予感もあったが、パー5でホールインワンとか女子ゴルフ視聴者勢をバカにするようなことは起こらず、どこまでも無理がきくわけではなく無理をした代償は大きい。『ブルーロック』なんかもそうだが、いくらぶっ飛んだストーリーでも越えてはいけない一線はきっちり守ることが重要だと思う

アニメ制作はBNピクチャーズ。作画はまあこんなものでしょ。スポーツものだし少なくとも一ランク上の作画を期待したかった所だが、結果はリアルでも演出はリアル指向ではないし、十分派手なのでショボい演出にがっかりすることはない

本作の一番の問題はニギリ(賭けゴルフ)。いくらフィクションとは言え、多すぎる。イヴは貧しくて生活の糧としてニギリをせざるを得なかったのは仕方がないにせよ、そんなイヴが裏の世界から表舞台にって話なのにニギリの方が魅力的に描かれているように思えるのは何だかなあ。まあ、話数の都合でトーナメントをじっくり描くことはできないだろうし、ニギリの方がよりアツさが伝わるのは確かだろうが

それと大映テレビと書いたように昭和のメロドラマかよって展開。Season 1の終盤からトンデモ展開の予兆はあるが、完全にそっちがメインって感じでゴルフはおまけ。しかもバリバリ賭けゴルフなのはゴルフのイメージが悪くなるし流石に頂けない

OPはSeason 1に引き続き広瀬香美。トンデモ展開に反して強欲セレブに振り回される人達の悲哀を描いている部分もあって重苦しさもあるが、『Venus Line』が全てを吹き飛ばす。最初から最後まで全力で突っ走るジェットコースタームービーは寧ろゴルフを知らない・興味がない人ほど細かいことを気にせず、ツッコミながら観られそうなので楽しめるかも。まあ、若い人にはウケないと思うけど

P.S. しかし、アムロの中の人が亜室役で出ていてこの展開はなあ。実話ベースじゃないのって思わされる

 

・16bitセンセーション ANOTHER LAYER 3.0
原作は若木民喜みつみ美里甘露樹による漫画。但し、ANOTHER LAYERとあるようにアニメ版オリジナルキャラの秋里コノハが主人公になる等、原作から大きく改変されている。原作でも昔の美少女ゲーム開発を題材にしているが、アニメでは現在から過去にタイムリープする設定になり、美少女ゲーム開発今昔物語の要素が強くなっている

美少女ゲーム黎明期から開発に携わってきたクリエーターが原作に関わっているだけのことはあって歴史考証はしっかりしている。美少女ゲームには詳しくないが、懐かしのPCや周辺機器、今と違ってマシンスペック的に制約が多い時代のテクニック等は美少女ゲームに限ったことではないし、舞台となる秋葉原の街並みも今では存在していない店舗が出てきて懐かしさを感じる

ただ、ストーリーの完成度はイマイチ。本作には往年の美少女ゲームが登場しトリガーとして作用する。ぶっ飛んだ展開はゲームらしいといえばそれまでだが、舞台が秋葉原タイムリープを繰り返しているうちに歴史が変わるといえばどうしても『STEINS;GATE』と比較してしまうだけに同作の完成度の高さと比べると明らかに見劣りする。まあ、本作はあくまで美少女ゲーム(を題材にした作品)であってSFではないってことだろうが

アニメ制作はst.シルバー。実績のない制作会社だが作画は良好。昔のゲームっぽいドット絵もあるが、CGを全面に出した作画ではない。その辺からも本作はSFでなく美少女ゲームを軸にした作品にしたいという意思を感じる

美少女ゲームは勿論の事、過去のゲームやデバイス、ヲタク文化に対するリスペクト、美少女ゲームの未来に対する期待感などクリエーターの熱量が感じられる作品。若い人には刺さりそうもないが、美少女ゲームは知らなくてもパソコン黎明期を知る人には刺さる作品だと思う

 

・地獄楽 2.9
原作は賀来ゆうじの漫画。アニメ化だけでなく、舞台化も予定されている

アニメ制作はMAPPA。毳々しさや得体の知れなさを表現できていて、世界観を構築できている。ただ、他の作品と比べちゃうとね。MAPPAと言えば『呪術廻戦』だし、えげつない死に方と言えば『チェンソーマン』だが、後者との比較でも戦闘シーンは物足りない

OPがmillennium parade × 椎名林檎、EDがUruとアニソン歌手や声優じゃなくて一般に認知されている歌手の起用は期待度の大きさを示していると思うが、だったら2クールにして欲しかった

本作には仙薬を探して持ち帰るという大義はあるが、明らかに奇妙で何者かによって作られたとしか思えない島の謎を解明する、死罪人と監視役という役割が変わっていく様とか過程も重要。しかし、島行きのメンバーが決まってから終盤までがかなりカットされている印象でダイジェストを見せられている感じ。原作でもすべての組が丁寧に描かれている訳ではないのだろうが、理不尽に死罪にされている感があるのも関係性が変わっていく要因になっているのだろうから過去の話はちゃんと見せて欲しかったし、とんでもない所に来てしまったというディストピア感をもう少しじっくりと表現して欲しかった。ただ、それだと1クールでは殆ど話が進まないからねえ

2期の制作が決定しているが、原作が全13巻と短めだし、あと2クールあれば最後までいけるか。2期で完結しなくてもいいから、最後までアニメ化して欲しい

 

うる星やつら 2.8
高橋留美子の代表作の1つで1981年にアニメ化されているが、勿論2022年版の話で前半2クール(23話)を観ての感想

しかし、リメイクするにしても何故うる星やつらとは思った。プロデューサーによれば(古いアニメにしては)若い人の認知度は高いもののどんな話か知っている人は少なく、じゃあ若い人が態々1981年版を観るかと言えばそれは無理だと

今でもラムのコスプレをする人はいるし、それがうる星やつらのキャラであることを知っている人は多いのだろう。40年以上前の作品だと今の作品とはアニメ制作技術が違いすぎる上に全218話+劇場版を見ろと言うのはきついのは確かで、それを4クール(46話)に纏めてくれるなら価値はあるのかも。TVシリーズは原作完結前に終了しているから、最終章は映画だったしね。とは言え、我らがフジテレビは”劇場版商法”が大好きなので、最終章はリメイク版「うる星やつら 完結篇」にしかねないけど

ただ、この作品が若い人に受け入れられるかと言えば無理だろう。ストーリー性は殆どなくて、ドタバタコメディだからねえ。今時のコメディ作品のノリとは違って昭和のノリはキツいので嫌悪感を示しそう。とは言え、改変が過ぎると最早うる星やつらではなくなって「やっぱり昭和のアニメは令和のアニメより出来が悪い」って思われるだけで誰からも支持されない作品になりかねない

視聴前の不安点はこれ位にして観ての感想だが、まずは作画。アニメ制作はデイヴィッドプロダクションで勿論1981年版より進歩しているが、今風かと言われれば違う感じ。ポップな色彩は明らかに今時のアニメとは違って懐かしさがある

声優陣はかなり豪華で期待の大きさを感じさせるが、声優だけ豪華で中身が伴わない作品も多いのは事実。1981年版で声優を務めた古川登志夫平野文が別の役で出演しているのも前作を知る人には嬉しいところだろう

シリーズ構成も工夫している感じでエピソードを纏めて◯話は◯◯の回みたいにしているのだろう。正直2クールでもキャラクター過多な感もあるが、それぞれのキャラが立っていて埋没しないのは原作の良さか。スッキリしていてテンポも良く、1981年版のようなダラダラ感はない

全体的に原作愛が感じられて、故に昭和ノリがちゃんと残っていたのは良かったと思う。若い人にはウケないだろうが、この出来なら極端な原作や前作至上主義者以外には受け入れられるのでは。とは言え、無茶苦茶面白いかと言えばそうではないし、物足りなさを感じるのも事実。地上波でオッパイ露出は当たり前、「スクール☆ウォーズ」みたいなドラマもやっていたからねえ。今なら前者は勿論、後者もこんな暴力教師は論外で大炎上しかねない。そんな時代のノリを今に求めること自体が時代錯誤なんだろうけど

 

・ポールプリンセス!! 2.8
エイベックス・ピクチャーズタツノコプロによるオリジナルWebアニメ。エイベックス~はアニメ制作会社ではないのでアニメ制作はタツノコプロだろうが、エイベックス~が関わるとメディアミックスを画策しそうなのが嫌なところ。実際、Webアニメの続きは映画という”劇場版商法”になっている。WebアニメはYouTubeで無料公開されているのでペイするには映画や円盤等の収益が必要なのは理解できるが、Webアニメって認知度がかなり低いからねえ。大した興行収入は期待できないだろうし、それを見越しての低予算アニメになりそうな予感

作画は全編CG。スポーツものでモーションキャプチャをすることを鑑みればCGの方が相性がいい。ダンスシーンは全てモーションキャプチャで作られているようなのでヌルヌル動く。反面、それ以外のシーンではCGアニメ特有の不自然な動きが目立つが、女の子っぽい動きではあるのでまだマシだし、本作のウリはダンスシーンだろうからそちらがダメよりは遥かにいい

ストーリーの粗筋は主人公・星北ヒナノの祖母が経営するプラネタリウムをそろそろ畳もうとしているのを知り、夜、偶然見かけた外で踊っていた人に心を奪われ、(その人が踊っていた)ポールダンスをプラネタリウムでやれば集客に繋がるのではないかと仲間を集めポールダンスに取り組むようになる。Webアニメではプラネタリウムで初のショーを行うところまでが描かれている

全8話だが、最終話以外はかなり短くトータルで1時間程度で30分アニメなら3話分程度にしかならない。その為、かなり強引な展開も。とは言え、マイナーな題材を扱ったアニメで主人公がそれを知るのは偶然なのは珍しくないし、どうしても人数を集めなければいけない局面で強引な勧誘をするのもお約束だろう。脚本は過去に女子スポーツものを手掛けてきた待田堂子なのでそつなく纏まっている

題材がポールダンスなのはポールダンスありきだからだろうが、polestar(ポールスター、北極星)とポールダンスのスター(を目指す)をかけてのプラネタリウム設定だろうからちゃんと考えられている。タイトルをポールスターにしなかったのは車のイメージがあるのと万が一の商標権問題を避ける為だろうと推測する

ただ時間が短い分、初心者が簡単に踊れるようになるのかって印象は拭えない。せめて2時間ならもっとポールダンスの(基本的)技術などに立ち入れただろうし、少しずつ上達していく過程を描ける分最後のショーがより印象的になっただろう

それと歌はねえ…。激しいダンスがウリの歌手(グループ)もいるけど、ポールダンスしながらは流石に無理でしょ。リップシンクだとしても露骨にアイドル路線にしようとしているのは何とも。マイナーな題材だからこそ王道で行って欲しかった。まあ、アイドルアニメ好きは一定数いるから保険をかけたいという思いがあるのだろうけど

映画を見るかどうかはともかく、無料公開のアニメとしては高クオリティなので興味を持ったなら是非視聴を。今なら全話纏めたものやそれに加えて本編ではカットされた他のメンバーのダンスを収録したものもあるのでそちらを視聴した方が手間が省けるだろう

 

・六道の悪女たち 2.8
原作は中村勇志の漫画。悪女と書いておんなと読む

アニメ制作はサテライト。キャラデザは今風ではなく、昭和感が強い。最近でも『東京リベンジャーズ』とかヤンキーものはあるが、不良が社会問題化した昭和-平成初期の遺物に思える。作画も作画崩壊とかしている訳ではないが、今時の作品にしては解像度が低い。キャラデザに合わせた結果だろうし、昔のアニメを観ている感じ。制作会社にとっては作画コストが低くて助かるだろう

タイトルと設定からするとヤンキー+ハーレムものって思ってしまうし、タイトルが明らかに『極道の妻(おんな)たち』を文字っているのでパロディ色が強い作品かと思うが、ハーレムものではないし、コメディ色は強いがパロディ色は薄い。苛められっ子で気弱な六道桃助が設定に甘えず漢気で仲間を増やしていく少年漫画の王道のような作品

キャラをとても大切にしている印象で、設定上どんどん”ヒロイン”が増えていくが第1ヒロインの向日葵乱奈の存在感は健在だし、ヤンキーと付き合うようになると苛められっ子時代の関係は無くなってしまうことが多いと思うが、同じく苛められっ子だった大佐や課長との関係は続き、大佐や課長も漢気を見せるようになる。ただ、そのせいか話の後半の鬼島連合との抗争がやや冗長になっている感はある

作画やストーリー的に若い人にはウケないだろうし、『東リベ』とは違って女性受けするとは思えないが、おじさんは初見でもどこか懐かしさを感じる作品だろう

 

・柚木さんちの四兄弟。 2.8
原作は藤沢志月の漫画。アニメ化に続き、ドラマも放送された

アニメ制作は朱夏。聞いたことのない制作会社だが、同社の元請制作は独立以前から手掛けていた『デュラララ!!』及び『夏目友人帳』シリーズ以外の作品は数少ないので知名度の低さは致し方ないか。作画は良好だし、実写風のカットを挟んだりして工夫も見られるが、日常系作品ということもあって作画で話題になるほどではないだろう

本作を端的に言えば「男兄弟版若草物語」ってところか。若草物語も大昔にアニメ化されたが、昔はアニメに限らずドラマなどでも家族の苦労話を描いた作品が多かったように思うが、最近は少ないように思える。今は重苦しい話は好まれないのが要因だろうが、日本の貧困国化に歯止めがかからない昨今、今後はこういう話が増えてくるかも

原作が既に18巻も出ていて1クールじゃ当然カバーできるわけもなく、エピソードを厳選して複数のエピソードを纏めて1つにしたりしている感じ。4兄弟は皆個性的だし、全体的にキャラ数が少ないので脇役もキャラが立っていて無駄がないというかそつなく纏まっている作品って印象

ただ個人的には物足りないかな。もっと三男(湊)と宇多が引っ掻き回す展開の方が面白かった。お互い支え合って生きていくのは当然としても、ドラマならともかくアニメだとなあ。メリハリ不足に思える。それとリアリティが中途半端。無駄にリアリティを追求するから、全体的に話が嘘っぽく思える

ほっこりした作品が好きな人は勿論のこと、普段アニメは見ない、見ても『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』って人にはウケる作品だと思う。しかし、そうではない人まで引き込めるほどではないと思うので、世間受けしそうな作品なのにイマイチ受けなかったのはそれが原因だろう

 

・夢見る男子は現実主義者 2.7
原作はおけまるの小説。所謂なろう系作品だが、なろう系のラブコメは珍しい気がする。アニメ化の前にコミカライズされている

Studio五組アクシズの共同制作。作画ははっきり言って終わってるレベルで序盤から作画崩壊が目に付く。この作画でイケメンとか可愛いとか言われてもね。他の作画崩壊アニメと同様OPとED(但し、紙芝居)はまだまともな作画なので、本編もこのレベルでお願いしたいものだ。EDを見る限り、女の子は可愛いしキャラデザは悪くない

本作はジャンルとしてはラブコメになるだろうが、ラブコメ色は薄め。ちゃんと主人公の佐城渉とヒロインの夏川愛華の恋愛を描いてはいるし、二人をけしかける芦田圭というキャラもいるのだが、二人の恋愛の話は1話、11話、12話を見るだけで十分だろう

同じく小説(ライトノベル)原作のラブコメアニメである『弱キャラ友崎くん』の1期に近いノリの作品だと思う。同作ほど自己啓発色の強い内容ではないが、結局「恋愛は人を変える」ってことだと思う。恋愛を経て物事を冷静に見れるようになって視野が広がり、それによって多くの人と関わるようになって関わった人達にも変革を齎すという観点に立てば筋の通った作品だと思う。とは言え、序盤の展開はちょっと無理があると思うので、面白くなるのは中盤からだが

”押して駄目なら引いてみろ”。良く言われる恋愛テクニックであるが、その作戦が有効かどうかは相手次第だし、主人公が意図してやったことではないだろう。勿論、一途な愛に感動したわけではなく、元々両片思いであった訳でもないと思う

”簡単に手に入る筈のものが手に入らなさそうになると不安になって欲しくなる”のが人間心理。品薄商法が当にそれだが、流石に恋愛だけにそれだけでは上手く行かないだろう。ただ、毎日のように話しかけていた主人公が突如距離を置くようになると、不安になって気になるのが当然

変わったのは主人公だけでなくヒロインも同様で、多くの人と関わるようになって主人公のことを客観的に見られるようになったところで主人公の評判を聞けば高く評価するようになる。”ターゲットを落とすには周りから”はその通りで、特に日本人は周りの評価を気にするしね

純然たるラブコメを期待しなければそれなりに楽しめる作品だと思うが、やっぱり作画が…。全ての作品に『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』を求めるのは論外だが、ここまで酷いと本作だけでなく原作の評価まで落としかねない。原作者に対する背信行為でしょ。猛省して欲しい

 

・デキる猫は今日も憂鬱 2.7
原作は山田ヒツジの漫画

アニメ制作はGoHands。『好きな子がめがねを忘れた』でもそうだったが、超美麗な背景。でもこれだけの実力があるなら、本作は日常系でここまで綺麗でなくても良かったと思うので、Pixerの『私ときどきレッサーパンダ』のようなモフモフ感を出すのにコストをかけて欲しかったかな。まあ、メインキャラの方が背景よりコストがかかるのだろうけど

福澤幸来が拾ってきた野良猫は諭吉と名付けられた。最初は子猫だったものの、どんどん成長して熊のようなサイズに。そんな諭吉は喋れないが人間の言葉は理解でき、家事全般をこなし、OKらしきスーパー(作中ではDKK)に買い物に行き、公共交通機関を使って遠出する姿はかなりシュール

しかし流石に単調過ぎる。社畜と専業主猫(?)を描いた作品なのでリアリティはあるけど、アニメとしてはねえ…。心の声も面白いけど、どうしても似たようなものになってしまうから、もっと控え目な方が歯痒さが伝わったかも。それと回想も拾われてきた直後の話ばかりだしなあ。1クールだとメインの話が進まなくなりそうだが、徐々にこのサイズになったのか、突如大きくなったのか興味がある

社畜マンセーではないが、企業姿勢を皮肉ったり扱き下ろすような作品ではないので、批判してはいけない病の人も脳死で見れる日常系アニメだろう。ただ主人公の福澤幸来は諭吉依存が酷く、ダメ人間が諭吉のお陰で虚勢を張る様はドラえもん野比のび太に通ずるものがあるので、のび太に嫌悪感を示す人は本作も無理だろう

 

・MFゴースト 2.7
原作はしげの秀一の漫画。2期の制作が決定しているが、2期というより分割2クール作品というべき

しげの秀一と言えば『バリバリ伝説』や『頭文字D』が有名で両作品とも峠道(公道)でのバトルの熱さがウリであったが、それは本作でも健在。但しアウトローなものではなく、(F1の)モナコグランプリなどのように公道を封鎖して行われるカーレースとして描かれている

レースは決勝だけでなく予選もしっかり描かれるのでレースシーン中心の構成。レースシーン中心なのは悪くないが、ラブストーリーや本題である筈の片桐夏向の父親探しがオマケのような感じでテンポの悪さに繋がるだけの要素でしかないのは残念。それとレースだと非合法公道バトルほどの熱さがないのも確か。某女子ゴルフアニメがニギリを多く描いたのも分かる気がする

アニメ制作はFelixFilm。作画は悪くないが、問題なのはキャラデザ。原作がそうだから仕方がないのだろうが、男も女も似たような顔なのはねえ…。しかも今風のキャラではないし

頭文字D』のようにヒロインが◯◯交際するようなことはないが、レースクイーンを性的な視線で見たり、やたらイケメンとか容姿を強調するなど最近の作品とは思えない価値観。曲もユーロビートが多く使われているし、(平成初期の)バブルのノリって感じ。一部のおじさんには刺さるかも知れないが、女性や若い人には嫌悪感しか残らない作品だろう

 

・HIGH CARD 2.6
既に小説や漫画に展開、舞台化も予定されているメディアミックスプロジェクトのアニメ版

アニメ制作はトムス・エンタテインメント。有名作品を多く手掛けている同社だが、本作は『ルパン三世』シリーズに近い感じ。少年漫画というよりは大人向けでおしゃれな感じのアクション作品。キャラデザは女性向けのイケメンアニメ寄り。作画はまあこんなもんでしょって感じ。決して悪くはないけど、アクションものだとどうしてもあの辺の作品と比較してしまうからねえ

本作はトランプを用いたカードバトルでそれぞれのカードに特殊能力があり、スペードは武器を出現させ、ハートは自身の肉体を変化させ、ダイヤモンドは異能力が与えられ、クローバーは自然の力を操れるらしい。Aが最強で2が最弱。但し、複数のカードを持つことで強力な技を発動できるエクスハンドというルールもあるが、強力な技の発動は自身の肉体へのダメージも大きい

とは言え、実際に使用した時の強さがカードの序列に直結しているとも思えず、正直カードバトルとしての面白さはない。あくまでカードを利用したバトルに過ぎなくて、バディもののアクション作品ってことだろう

1期は各メンバーに関するエピソードがオムニバスで展開されるメンバー紹介の位置付けでカードを狙う他の陣営も出てくるが顔見世程度に過ぎず、カードの所有を巡る本当のバトルは2期でってことだろう

正直、無茶苦茶面白い訳ではないが、ちゃんと世界観も構築できているし気楽に見るにはいいだろう

 

・ミギとダリ 2.6
原作は佐野菜見の漫画。作者はアニメ放送開始前に亡くなっているので、本作が最後のアニメ化になりそう。作者の御冥福をお祈りする

アニメ制作はGEEKTOYSとCompTown。作画負荷の高い作品ではないこともあって無難な仕上がり。作品の持つ独特な雰囲気は表現できていると思う

本作に緻密なストーリーを求める人は多くないのだろうが、ツッコミ所に事欠かないのは確か。双子絡みのトリックに関してはコメディ要素にも繋がっているし否定したら話として成り立たないと思うが、ミステリーについては何とかならなかったかね。せめて時代設定を戦前にするとか。1990年ってもう平成だし、今とは技術に差があるとは言え科学捜査だって普通に行われていた筈で、こんな”神隠し”みたいなことが通用する時代ではないでしょ。それに舞台も神戸でド田舎じゃないし

まあ犯人は途中でわかるし、後はどう追い詰めるかって展開になるので、本作のウリはミステリーやサスペンスではなく人間ドラマなのだろう。事件の謎を追っているうちに園山秘鳥という一人の人間ではなくミギとダリ、それぞれの個性が確立していく所、数奇な運命を通じての家族愛を描くのがテーマになっている

原作は全7巻だが最後までアニメ化したと思われ、1クールでちゃんと完結したことは評価できる。ただテンポが良いのは悪くないが、終始淡々と進むのでストーリーに溜めが欲しかった。ミステリーやサスペンスとしても、ミギとダリの性格の違いが明らかになっていく所にしても、もう少し心理描写や行動原理にフォーカスしてもらいたかった。1.5クールあれば緩急がつけられて良かったと思うが、1クールだと仕方がないとは思うけど

独特な雰囲気とシュールなギャグ、登場人物が多すぎずそれぞれのキャラに存在意義がある、最終話は感動できると思うし俯瞰で見れば完成度が高い作品。ミステリーやサスペンスものとして多くを期待しなければ楽しめると思うが、そこに期待すると物足りなく感じてしまう

 

オーバーテイク! 2.6
KADOKAWAとTROYCAによるオリジナルアニメ。TROYCAのオリジナルアニメと言えば『忍の一時』が酷かっただけに不安になるが、個人的に大好きな『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』のあおきえい監督なのは好材料でどちらに転ぶかと言ったところか

『忍の一時』も作画だけは良かっただけに本作でも作画は良好。サーキットや車、サウンドに至るまでレースシーンへの拘りは感じられるが、レースシーンが少ないこともあってレースの熱さがイマイチ伝わってこないのは残念なところ

モータースポーツを題材にした作品は野球やサッカーに比べれば少ないが、今期は思いっきり被っている。しかし両者はかなり対照的で、『MFゴースト』は予選にまで尺を割いてレースシーンに全振りしたような作品だが、本作のレースシーンはストーリーのメインパーツの一つに過ぎなくて、人間ドラマの描写に重きを置いている

ただ人間ドラマが薄っぺらく感じられる。その理由の一つが欲張りすぎなこと。ライバルはベルソリーゾの2人だけでレーサーの浅雛悠とフォトグラファーの眞賀孝哉のクロスオーバーがメインではあるのだが、F4の世界の描写もあってライバルについても人間ドラマがあるので1クールだと尺が足りていないように思える

それと特に眞賀孝哉は覚悟が足りない。人間なのでトラウマはあると思うが、それと社会人としての振る舞いは別。ストーリーに東日本大震災を絡めたことで一部の不謹慎厨が騒ぎ立てたようだが、不謹慎とは思わないにしても覚悟のなさが「別に震災に絡めなくても」って思われてしまう要因になっている

人間ドラマを盛り込むのはあおきえい監督らしいし、登場人物も本質的にはいい奴で爽やかな感じで終わっているので、(モーター)スポーツに興味がなくて爽やかな青春ドラマが好きな人には悪くない作品だと思う。モータースポーツに興味がある人は『MFゴースト』、そうでない人は本作って感じか

 

2023年に放送・配信されたアニメレビュー(その2:評価1.8-2.5)に続く

2024年に視聴した映画短評(その7)

*今年観た映画なので、今年公開の作品とは限らない。5点満点で最低点は0

 

ゴジラ-1.0 2.8
視聴するつもりはなかったが、アカデミー賞受賞とのことで観てみることにしたが…。うーん、やっぱり山崎貴。安っぽいわ。”人間ドラマ”が

邦画で安っぽいと言えばVFX。ハリウッド作品と比べてクオリティの差に愕然とすることが多いが、視覚効果賞受賞は伊達じゃない。完璧とまでは思わないが、街並みの再現は見事だし、「ゴジラつええ」「ゴジラかっけえ」って素直に思えるからな。これを製作費1500万ドル(推定)でやってのけたのは凄い。「白組」GJ。ただ1500万ドルでも邦画では大作だし、制作費が安いのは人件費が安いからという笑えない現実もあるが

この映像のクオリティにストーリーがついてきてくれたら素晴らしかったのだが、さにあらず。タイトルは太平洋戦争により焦土と化し文字通り”ゼロ”となった日本にゴジラが現れてゼロどころか”マイナス”に叩き落とすところから来ているように、日本にとっての太平洋戦争とゴジラを絡めたいのは良く分かる。しかしGHQが日本の武装解除を企てておいて対ゴジラにはアメリカは関与しないはないでしょ。”世界の保安官”を気取っているのは昔から。アメリカ軍が関わる設定にすると作戦が複雑化するし、あんなアホなことを許可する訳ないけどね。9.11だって特攻だし、特攻なんて命の無駄遣いは許されることではないというメッセージがアメリカでウケた理由の一つなのだろう

本作の評価が伸びない原因は人間ドラマの出来が悪すぎるから。ゴジラ映画といえば組織vsゴジラという図式だが、本作では敷島浩一を主人公に据えることにより敷島だけでなく個々の戦争観を描いている。つもりだろうが、敷島の言動が支離滅裂で何を考えているか分からない

更に敷島に限らず、全体的に演技が大きすぎる。それがヒューマンドラマの陳腐さに拍車をかけている。安っぽい恋愛がない分マシなんだが、なんで生きてるんだよwあれは即死級だろ。ストーリー的に生死不明で問題ないのに無駄な所で評価を下げてるよなあ

まあ山崎貴に緻密なストーリー展開を期待する方が間違っているのだろう。世の中には意味不明な駄作が数多くあるから、監督が伝えたいことが分かるだけマシかな。これからTV放送もあるだろうが、陳腐なヒューマンドラマはカットでゴジラと対峙するシーンだけを残したバージョンを放送した方が忙しい現代人にはウケるだろう

 

・怪盗クイーンはサーカスがお好き 1.0
はやみねかおるの同名の児童向け小説をOVA化。劇場公開されたが、有名作品ならともかく折角の劇場公開でこのクオリティでは新たなファン獲得は厳しいだろう。まあ、端からファン以外が観るとは思っていないのだろうが

作画は作画崩壊ではないものの、劇場版は勿論、TVアニメだったとしても良好とはとても言えない水準。数少ないアクションシーンも見せ場なし

上映時間58分が示すように内容は薄い。特に犯人がサーカス団だと断定するプロセスが省かれているので、唐突過ぎて「は?」って感じ。ホームズやコナンが犯人を断定するのは(毎度おなじみの)犯罪組織の仕業だからであって、このサーカス団はサーカスを隠れ蓑にする犯罪組織なのか?

あと、いくら変装の名人とはいえ、誰に変装しているか(視聴者には)分かる仕掛けは必要じゃないの。あからさまに動き回ってる二人が怪しいのは分かるけどさあ

それに怪盗クイーンが謎多き人物にしても、(初見勢の為に)多少の説明は必要だろう。過去の話は兎も角、手口とか分からないとどうやって盗み出すのか予想がつかないし、何より「美学」とか言われても何が美学なのか全く分からん

上述のようにファン以外にはオススメできないが、キャラデザは少女漫画風だし、怪盗クイーンの声優は元宝塚歌劇団大和悠河なので女性になら受け入れられるのかも。おっさんが観ても酷評確実だろう

 

・17クラブ 2.0
Web漫画のような縦型でコマ割りされた画を背景に実写でキャストが演技をして、それに声優がアテレコする<縦型マンガ×声優アテレコ×実写人物>の青春系SF。劇場公開されたのは2ページずつの「見開き」にしたバージョンだが、1ページずつの通常バージョンはYouTubeで無料で視聴可能

駅の階段から落ちた時に「1秒だけタイムリープ」できる能力を獲得した主人公の七色。「1秒だけタイムリープ」は目に見えて効果がわかる直近の危機回避には殆ど役に立たないものの、バタフライエフェクトにより未来が改変されるリスクがあることに気づく。ジョン・タイターとか異なる世界線とかそれっぽい話も出てくるが、本作のSF要素は設定だけ

短編ということもありストーリーに大きな展開もなく何となく終わってしまうし、<縦型マンガ×声優アテレコ×実写人物>の各要素が上手く噛み合っているとも思えないが、目新しさと期待料込みでこの点数で

P.S. これって”パンダ商法”にもってこいだな。どうやっても棒読みなアイドルも声優がアテレコすれば少なくとも普通に演技しているように見えるからな

 

・ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー 2.6
2021年に公開され一部で話題になったバディアクションものの第2弾。ちさととまひろは前作では高校生だったが、本作ではフリーターという設定に

本作のウリであるアクションシーンは正直パワーダウンした感が否めない。細切れのシーンじゃなくて長回しで見せてくれるのはいいのだが、相手が弱いとね…。キグルミを着てのアクションなどアクションコメディ路線寄りに。まあ、アクションシーンが過激化し過ぎるのも考えものではあるけど

きっちり1ネタで笑わせようという意図を感じるけど、正直クドい。特にブラック企業ネタは寒い。社会情勢もさることながら、殺し屋稼業がまともな訳ないからね。寧ろ予想外にホワイト企業の方が笑えると思うが、今更変えられないだろうし、「殺し屋を美化してる」とかクレームがつくのだろうな

『ベイビーわるきゅーれ』って日常のユルさと殺し屋稼業のシビアさのコントラストがウリだと思うが、本作では敵が弱すぎてシビアさに欠ける上に1ネタが長くなってテンポの悪さに繋がっている。ユルさとテンポの良さは両立不可能ではないと思うけどね

本作で良かったのはちさととまひろがバディっぽくなってきたこと位かな。シリーズ化するとワンパターンに陥りがちなので今からそうならないようにしているのは理解できるし、本作も駄作って吐き捨てる程ではないし次回作に期待したい

P.S. まさかのTVドラマ化かあ。期待半分、不安半分かな。テレ東だから深夜ドラマだと思うが、最近のTVはコンプライアンスを口実に日和っているからな。本作以上にユルさに振った作品だと正直見たくないな。期待できそうなのはちさととまひろの過去。人物を掘り下げるのは映画ではやりにくいと思うし、訳ありであろう過去には興味がある

 

・牛首村 0.5
「恐怖の村シリーズ」第3弾。特に前作の「樹海村」が超絶クソだっただけに金を出して見たいとは思えないが、アマプラ配信で追加料金無し&キムタク娘鑑賞の為に視聴

三作の中では一番マシという声が多いが、個人的には犬鳴村>牛首村>樹海村の順。犬鳴村は伝承があるし、牛首村も坪野鉱泉で実際に起きた事件を元にしているらしい。犬鳴村の伝承もリアリティには乏しいが、清水崇の脚本力よりは上だと思う

「樹海村」でボロカスに言われたからなのか、本作では説明パート多めであまりに突飛な展開は避けようとしているのは分かる。ただ、突っ込み所が多いのは相変わらずだし、展開に欠ける分ダラダラ感がある

忌み子とか飢饉とかいつの話だよ。昭和風の画で誤魔化しているつもりだろうが、時代設定は現代でしょ。今時、こんなことできる訳ないでしょ。襲われる必然性皆無なのは「樹海村」と同じだし。リアリティに欠けると、怖さにも繋がらない

ゴアシーンも大したことないし、笑えるかと言えば…。牛首少女はシュールだが、それだけじゃねえ

肝心のKoki,だが、ぶっちゃけ普通。この程度の映画では○○○○級の棒演技で無い限りは目立たないからな。演技力を身につけるには数をこなさないと無理だと思うが、親が煩そうだし、周りも忖度するだろうからなあ。主役に拘るとB級映画にしか出演できないだろうが、そうなる予感しかしない

2024年に視聴した映画短評(その6)

*今年観た映画なので、今年公開の作品とは限らない。5点満点で最低点は0

 

フェラーリ 2.8
フェラーリを題材にした映画といえば2019年公開の『フォードvsフェラーリ』が思い出されるが、本作はブロック・イェーツの著書『エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像』が原作で、私生活と会社経営の危機のダブルパンチで窮地に陥ったフェラーリの創業者エンツォ・フェラーリの1957年(エンツォ59歳)を描いた作品

私生活の危機はご察しの通り。フェラーリはエンブレムから”イタリアの跳ね馬”と呼ばれるが、エンツォは”イタリアの種馬”だったって話。不倫相手のリナとその息子ピエロの存在が妻のラウラにバレてしまいさあ大変

会社経営の危機については、エンツォは元々レーシングドライバーだったこともありレースにかける情熱が凄い。他のメーカーはレースは車を売るための販促だと割り切っているのに対し、フェラーリはレース資金を得るために車を売っているようなものなので常に経営は火の車で他社に買収される危機であった。そんな状況を打破するために「ミッレミリア(イタリア語で1000マイルの意)」で優勝して経営を立て直そうとする

本作の見所はやはりレースシーン。流石に実際のクラシックカーでって訳にはいかないにしても、サイドバイサイドの攻防とか迫力がある。勿論、1957年のミッレミリアなのであのシーンも再現されている

アダム・ドライバーのエンツォ役はカッコよくて嵌っていると思うし、妻ラウラ役のペネロペ・クルスの演技は鬼気迫るものがあった

ただ、色々と難点があるのも事実。あくまで実話ベースなので正直スッキリしたとは言えないストーリーだし、不倫の話が多すぎて流石に辟易する。もっとレースや経営の話に触れて欲しかった。あとこれはしょうがないのだろうが、何故英語。英語を話しているせいで、舞台がイタリアではなくアメリカに思える

個人的には『フォードvsフェラーリ』は駄作だったので本作の方が楽しめたが、『フォードvsフェラーリ』は寧ろモータースポーツに興味がない人向けなのに対し、本作は「エンツォ・フェラーリって誰?」って人が観ても不倫オヤジが不快に思えるだけで面白くないだろう。まあ、最近は実写映画は不振だし、モータースポーツに興味がある人以外は観ないと思うけど

 

・SALAAR/サラール 3.0
テルグ語映画としては『バーフバリ 王の凱旋』『RRR』に次ぐ興行記録を打ち立てた作品。邦題ではナンバリングが消えているが、原題はSalaar: Part 1 - Ceasefire(停戦)で既に続編が作られている

ストーリーは大きく2部構成。大まかに言えば第1部が現在で第2部が過去(回想)というラージャマウリ作品にありがちな構成。メインストーリー自体は複雑な話ではないので理解できるが、重要な話を伏せたまま進行する上にサイドストーリー的なものを混ぜて頻繁に時系列シャッフルするので話を追いにくい。その上に登場人物が多い。インド映画に慣れたせいもあるのか3時間がそれほど長くは感じられなかったが、もっと整理して2時間半位にした方が良かったと思う

アクションシーンそのものはそれほど凄くないが、ブラバース扮するデーヴァは”インドのワンパンマン”かって位に強く、しかも潜伏している設定もあって暴力を封じられていたので、満を持しての大爆発は爽快感がある。やっぱりインド映画はこうでないと

デーヴァとヴァラダの友情タッグが都市国家カンサールの権力争いに立ち向かう話なのでコメディ色は皆無で、インド映画のお約束である歌と踊りとラブロマンスは歌が多少ある程度なので古き良きインド映画を期待する人が見るべき作品ではない

ここまでの展開からすればPart 2は何でもありなので、この先の展開は読みにくい。デーヴァとヴァラダが袂を分かつことも普通にありそうだが…。続編に期待したい

 

・ライド・オン 1.5
『タイガー・プロジェクト ドラゴンへの道序章』で初主演してから50年、今年で70歳になるジャッキー・チェンの主演作

香港映画と言えばカンフーと派手なアクションシーンだが、派手なアクションは生命の危機と隣り合わせだし最近はVFXが当たり前。インド映画が歌と踊りとラブロマンスからの脱却を図っているように、香港映画も脱カンフーが課題になっていて、本作もアクションを全面に押し出した作品ではない

率直に言って冗長でテンポが悪い。スタント、馬、娘が本作の三大要素だが、これらが上手く噛み合ってない。本作にはジャッキーの過去作のオマージュも出てくるし、娘と一緒に派手なアクションシーンを振り返るシーンもあって、アクションスターとしての人生を顧みる趣旨だと思うので、スタントに挑んで成功させたものの体へのダメージが大きく、これ以上スタントマンとしてやっていくのは無理だから、これからは家族を大切にしていきたい位の内容で良かったと思う

それとストーリーで魅せたいのなら、もっと説得力がないと。金持ちがこの程度の馬に執着する理由が分からないし、CGを否定しておいて前後のシーンはCGバリバリとかねえわって思ってしまう

ジャッキー・チェンの熱烈なファン以外にはオススメできないが、娘のシャオパオ(小宝)を演じたリウ・ハオツン(劉浩存)が品のある可愛らしさなのでおじさんには刺さるかも

 

・ダム・マネー ウォール街を狙え! 3.3
2021年に起こったゲームストップ株騒動をベン・メズリックのノンフィクション作品『The Antisocial Network』を原作として映画化した作品。一部のレビューで経済用語なんて知らなくても楽しめるとか煽っているが、それは無理だと思うので以下、簡単に解説

ヘッジファンドは平たく言えば「お金持ちしか相手にしない投資信託」。最低購入金額もウン千万円とかウン億円になるらしく、それをポンと出せるような財力のある人(年収や資産のチェックが入る)のみが購入を許される。ヘッジとは回避という意味で、いかなる状況でも利益を生み出すように分散投資するが、分散投資自体は投資信託も同じ。但し、投資信託は公募であるので有価証券報告書の提出等報告の義務があるのに対し、ヘッジファンドは私募なので報告の義務がない。その為、先物取引信用取引といったリスクの高い投資も(失敗しても運用方法が分からず責任追及のしようがないので)やりたい放題になる

空売り(ショート)は信用取引の一種で、株式を所有していないまたは所有していても売りたくない時に証券会社等から株式を借りてそれを売り、返済期日までに株式を買い戻して返却すること。売った時の株式の価値から買った時の株式の価値を差し引いた分だけが利益になるので、株価が下げ局面にある時に株で利益を得る方法として有効

ショートスクイ(ー)ズとは日本語では踏み上げと呼ばれ、ある銘柄が下げに傾いた後に株価が急騰すること、若しくはそのように仕向けること

ゲームストップ(GameStop)はゲームソフトやゲーム機、トレーディングカード等を扱うアメリカの企業でアメリカだけでなく海外にも店舗がある。コロナ禍による店舗の一時営業中止やオンラインゲーム、オンライン販売の普及に伴い業績が低迷、株価が下落したことがヘッジファンドに狙われた要因になっている

タイトルのダム・マネーだが、ダニエル・グロスによって名付けられたリーマン・ショックを引き起こしたアメリカの狂ったマネーカルチャーのことだが、本作ではヘッジファンドなどの大口投資家が小規模な個人投資家による投資を「ダム・マネー(愚かな投資)」と揶揄する意味で使われている

この位知っていれば十分だろう。騒動を纏めるとヘッジファンドが仕掛けた空売りに対して、「ローリング・キティ」ことキース・ギルの呼びかけに応じてゲームストップ株を買った大勢の個人投資家たち。株価が下がるほど儲かるヘッジファンドvs株価が上がるほど儲かる個人投資家による仕手戦に発展した。個人投資家の結束は固く、株を更に買い増すなど長期保有の構えで株価が更に上昇すると、ヘッジファンド側は少しでも損失を少なくするために損切り空売りした株式の買い戻し(ショートカバー)を行う羽目になったが、これも株価を上昇させる要因になる皮肉。結果的にヘッジファンドは大損、潰れるヘッジファンドも出た

ノンフィクションベースなので盛大に盛り上がる訳ではないが、ネットの”祭り”に参加している高揚感や庶民にとっては大金と言える時価総額になった株式を売るか否かの葛藤、コロナ禍の鬱屈とした雰囲気が伝わってきて、改めてコロナ禍はいったい何だったのかと思わされる

キース・ギルが英雄かどうかはともかく、この一件が証券業界にとって”雨降って地固まる”要因になったのは確かで、個人投資家をバカにせず動向を注視するようになったし、無理な空売りは行われなくなり、ヘッジファンドへの投資熱も冷めた

しかし、上級国民を優遇し、大企業に甘いのは万国共通ってか。日本では政治に意見するのはタブーという認識が未だにはびこっているが、市民活動が盛んなアメリカでさえこれなんだから、国民が黙っていたらつけ上がるのは当然だわな。メガネ君と不快な議員(なかま)たちによる失政の数々を咎めないと、失われた30年が40年、50年…になるだけだろう

 

ゴジラxコング 新たなる帝国 1.5
ハリウッド版ゴジラシリーズと『キングコング:髑髏島の巨神』をクロスオーバーした”モンスターバース”シリーズの通算5作目。本作を視聴する前に前作『ゴジラvsコング』を視聴したが、前作より劣化した感は否めない

ストーリーもセキュリティも前作同様ガバガバw。本作に緻密さを求める人はいないにしても、あまりに盛り上がりに欠ける。日本のゴジラ映画がヒューマンドラマとかシリアス色が強い方向に向かっているのに対して、ハリウッド版はいい意味で”特撮”時代のノリが残っていて、前作では”怪獣プロレス”を堪能できたのだが、本作でははっきり言ってショボい。予定調和なのは当然としても、敵が弱すぎる

正直、観る映画を間違えたかと思った。猿の惑星シリーズの新作も同じ時期に公開だったが、こっちが猿の惑星シリーズかと思った

まあ、頭を空っぽにして見られるエンタメ映画としてはそこそこなんだろうが、タイトル通り”ゴジラxコング”を期待するとガッカリするだろう

2024年に視聴した映画短評(その5)

*今年観た映画なので、今年公開の作品とは限らない。5点満点で最低点は0

 

君たちはどう生きるか 0.3
宮崎駿=過去の人としか思っていないし、予告編を見た時点で少なくとも当たりではないと思っていたが想像以上に酷かった

君たちはどう生きるか』の予告編なんて見られるのかって思ったそこのアナタ。『君たちは~』は無理でも、『The Boy and the Heron』の予告編ならYouTubeで視聴可能。『君たちは~』=『The Boy~』かは分からないが、流石に大きく違うことはない筈で視聴する上での判断材料にはなるだろう。派手な宣伝が必要とは思わないが、客が見るべきだと判断するには最低限の情報は必要。それがショービジネス。情報を遮断して「俺を信じろ」じゃやっていることは信者ビジネスでしょ

実際、映画の中身はファンムービーだからな。信者ビジネスと変わらんわな。(キュビズム時代の)ピカソの絵を芸術と評価するか子供の落書きと評価するかと一緒。本作も信者にとっては「宮崎駿の集大成」「常に新たなことに挑戦している」だろうけど、そうでない人にとっては…。尤も、本作に関しては信者でも心が揺らぐような”特級呪物”みたいだが

宮崎駿はなぜ引退を撤回したのか。引退詐欺と批判を浴びることは承知の上だろうし相当な覚悟があったと思うが、それで出来上がった作品がこれなのか。宮崎駿の立場はクリント・イーストウッドのようなものだと思うが、最近のイーストウッド監督の作品は若い世代を叱責するのではなく、優しく諭すようなメッセージが込められているように思う。駿も若い世代に何か言いたいんじゃないのか

まあ、宮崎駿は元々メッセージ性の強い作風ではないのでメッセージが伝わらなくてもいいのかも知れないが、問題なのはストーリー。こんなんアイデアメモをそのままアニメ化したようなものでしょ。だからストーリーが断片的で一貫性がないように感じる

作画は良くも悪くもジブリクオリティ。悪くはないが、『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』が当たり前の世代には明らかに物足りなく映るだろう。ただ、お金の問題もあるし、ドラクエとFFみたいなものでドラクエにFFのグラフィックが必要かと言われたら必要ないと答える人は多いだろうから、どこに照準を合わせるかだろう

それと声優は相変わらず似非声優起用だが、ぶっちゃけ酷い。及第点未満が多すぎる。それに似非声優だって何度も起用されれば上手くなるのが普通でフレッシュさは失われていくと思うのだが。似非声優に拘るのはどこかと癒着しているからと勘ぐりたくなる

最後に感想を一言で言えば「宮崎駿ジブリに失望した」。まだ宮崎吾朗の方がマシ。信頼を裏切ったツケは次回作以降に響いてくる筈。ただでさえ業績不振なんだから、二度と”信者ビジネス”をやろうなんて思わないことだな

 

・トラペジウム 3.3
原作は高山一実の同名小説。トラペジウムとはオリオン大星雲の中にある年齢の若い星からなるトラペジウム星団のことで、星団の中にある4つの明るい星(とは言え肉眼では厳しい)がトラペジウム(不等辺四辺形、不等辺四角形)状に並んでいる

アニメ制作はCloverWorks。比較的最近の作品だと『ぼっち・ざ・ろっく!』や『SPY×FAMILY』、『その着せ替え人形は恋をする』を手掛けた制作会社で作画クオリティには定評があるだけに納得のクオリティ。唯一のライブシーンも定点カメラではなく、実際の放送のように視点(カメラ)が切り替わるし、『青のシンフォニー』みたいに雑なCGではないしCGと手描きの顔が違いすぎて誰?みたいなこともない

本作はかなり異色な作品なのは確か。最近は尖った作品はウケが悪いのによくアニメ化したなと思う。本作にアイドルアニメを期待する人も多いのだろうが、ぶっちゃけアイドルアニメではない。4人組アイドルでの活動は通過点として描かれている。青春(モラトリアム)アニメだと思っていた方がいいだろう

本作のメッセージってWhere there is a will, there is a way. ってことだろう。意志のあるところ自ずから道が開ける、要は為せば成る、なさねばならぬ何事もってこと。本作の主人公である東ゆうを善人として描く気はなかっただろうが、別に悪人として描く気もなかったと思う

どんな性格も表裏一体だからね。我儘な性格はトラブルメーカーになりやすいのは確かだろうが、じゃあ八方美人ならトラブルと無縁かと言われればそうではない。煮えきらない態度で誤解を招くことは珍しいことではない。ゆうの性格によって救われたエピソードも描かれているし、アイドル活動での経験はアイドル活動でしか役に立たないってこともない。Experience must be bought.経験(苦労)は買ってでもしろ。失敗だって糧になるのだし、何事も経験ってこと

本作の前半はメンバー集めの話だが、アイドルが売れる条件ってコンセプトがしっかりしていることだろう。そういう意味では理に適った人選。AKBグループだって会いに行けるアイドルってコンセプトがあったし、坂道グループもAKBのライバルって設定だしね。ただ、コンセプトさえしっかりしていれば必ず売れるってものではない。◯◯プロデュースが勝利の方程式なんて20年以上前に崩壊しているからなあ。秋元康だって成功の裏に多くの失敗プロジェクトがある

ぶっちゃけ売れるか売れないかは「運」。アイドルではないが、『マッシュル-MASHLE-』が2期になってバズったのはOPがバズったのが大きいと思うが、アイドルが売れるかどうかもそれに近しいものがある。ただ、運の要素が強いからっていい加減でいいってことではない。運の要素が強いと言えば麻雀だろうが、麻雀だって長い目で見れば実力のある人が勝つゲームだからね

ご都合主義って評価も多いけど、自称アイドルならともかくアイドルになれるかどうかは運の要素が大きく緻密な計画を立ててその通りに遂行できたからといってなれる訳ではないのが現実だし、最後は伏線を回収して綺麗に落としているしそつなく纏まってはいると思う。ただ、上述通り4人組でのアイドル活動は通過点として描かれている作品なので、ストーリーの盛り上がりには欠けるしダイジェストを見せられている感はある

本作に岡田麿里展開は期待しないが、もう少しメンバー同士の理解が深まっていく様子や心境が変化する様子を描いて欲しかった。特に空白の6年。それでも上映時間が2時間を超えることはないだろうし。原作自体がアイドルになるまでの話がメインなんだろうけど、終始淡々と進むから”浅い作品”って印象に繋がってしまう

それと声優。爺さん役に批判が集まっているが、チョイ役だしなあ。チョイ役の演技で作品がぶち壊しってことはないから正直どうでもいい。それより気になったのは主役級4人の実力差。結川あさき、相川遥花と上田麗奈、羊宮妃那の差が大きすぎる。羊宮も声優としては新人の部類だと思うけど、経験の差なんだろうなあ

映像化には色々あるが、劇場アニメを選んだのは正解だったと思う。実写だと刺々しい所がより強調され、ご都合主義なのがより嘘くさくなるし、TVシリーズ化は本作の構成が起承転結ではなく承起転結になっていることからして大幅な原作改変が必要になるだろう。最近は1話切りとか3話切りとか言われるが、そのままだと起の部分、即ち何故アイドルを目指すのかが明らかになるのはもっと先なので何が描きたいのか良く分からない作品って評価になってしまい切られてしまうだろう。その上に最近の風潮からして東ゆうに悪印象を持つ人は多いだろうから、アイドル活動を始める前までに大量の離脱者が出るだろう

P.S. 本作では実際の地名などは使われていないが、E131系(らしき車両)+海で木更津より先の内房線区間だろうなとすぐ分かった。E131系が走るようになったのは最近(2021年)で小説の発表より後のこと。小説に画はないから調べて画にするしかないが、ちゃんと現状に合わせているのは流石。こういう所にもクオリティの差が出るからなあ

 

・好きでも嫌いなあまのじゃく 0.5
スタジオコロリドの長編アニメ映画第4弾。作品毎にどんどん劣化していく印象で前作の『雨を告げる漂流団地』は惨憺たる出来だったが、ここで歯止めをかけて欲しいものだが

監督は前作の石田祐康じゃなくて、その前の『泣きたい私は猫をかぶる』の柴山智隆。『泣きたい~』は脚本の岡田麿里との相性が最悪で作品途中での急な作風の変化に戸惑いがあったが、今回の脚本は柿原優子。優秀かどうかはともかく、岡田みたいに癖の強い脚本家ではないと思うので柴山監督の色が強く出ていると思われる

本作を端的に言えば、前半は『すずめの戸締まり』、後半は『千と千尋の神隠し』って感じ。ボーイミーツガールからのロードムービーを経て日本神話っぽいファンタジー。全体的にテンポは良いが、前半はイベント過多な感がある

とにかく全体的に雑。開始1分程度で映る米沢駅米坂線の発車案内の行き先が坂町になっているのを見て、細かい所にまで気を配った作品ではないなとは思ったけど。米坂線は今泉-坂町間が豪雨による被害で不通になっているが、列車案内にバス代行区間を含めはしないでしょ。説明不足で最後まで見てもよく分からないのは前作同様。その割に「思っていることは素直に言おう」というメッセージがくどすぎる

作画はこのクオリティで問題ない。新海みたいなのを期待して観る人はいないだろうし、ジブリっぽいのはファンタジーな冒険譚に合っている

前作みたいにずっとギスギスしているのもどうかと思うが、ストーリーが前作に輪をかけていい加減なのはねえ。今の時代、作品の出来とセールスは無関係と言っていいと思うが、スタジオコロリドの知名度はそれほどでもないから、知名度が上がらないとヒットは難しいだろう。その為には矛盾しているようだが良い作品を作って口コミで広まるのを期待するしかないが、ネトフリ独占契約は残り1作。独占契約がなくなれば資金不足でクオリティが落ちそうだが、今のままじゃ契約更新はないだろうな。次回作が正念場だろう

P.S. 自分が思っていることを隠すと子鬼が出てくるシステムが実在するなら永田町に設置してほしいものだ。小鬼が多く出る人間はいずれ鬼になるらしいから、永田町は鬼の巣窟になるだろうな

 

・屋根裏のラジャー 0.8
スタジオポノックによる長編アニメ映画第2弾。前作の『メアリと魔女の花』は興行収入は良好だったものの評価サイトでの評価は低かったが、本作は如何に。スタジオコロリドは2作目でコケて以降右肩下がりの印象だが、スタジオポノックも同じ運命になるのか

作画は高水準だと思うが、癖がある。最近は『THE FIRST SLAM DUNK』のような手描き風CG作品が増えているが、本作では逆に手描きをCG風に見せている。本作の原作はA・F・ハロルドの小説『ぼくが消えないうちに(The Imaginary)』なので(CGアニメが多い)外国の作品っぽく見せたいのかも知れないが、全体的に淡い色使いでぼやっとした感じはディズニー(ピクサー)っぽくなく、と言って(CGっぽいのは)ジブリっぽくもないのが観客動員が伸びない一因だろう。まあ、ジェネリック◯◯なだけで客が呼べるほど甘くはないが、スタジオポノック知名度は高いとは思えないだけにパッとしない作画では映画ファン以外は見に行く気にならないだろう

監督があの世紀の超駄作『二ノ国』の百瀬義行だけにシナリオに期待するだけ無駄だと言われればそれまでだが、率直に言って酷い出来。本作を例えるなら”ご都合主義のゾンビ映画”。ミスター・バンティングが執拗にラジャーを追い回す理由が分からない。全ての子供とは言わないまでも、イマジナリーフレンドがいるのはアマンダだけってことはないでしょ

全体的に無駄が多い作品。無駄に多い設定、無駄に多い登場人物を有効活用できていない。これだけ複雑な設定なのにストーリーに筋が通っていないのはある意味奇跡的。原作の出来がイマイチなんだろうが、そもそも小説とアニメ映画ではメディア特性が違うから小説では面白くてもアニメ化したらイマイチなんて普通にあることでしょ

それともっと細部に拘れないのかね。イギリス(ロンドン?)と思しき場所なのに日本語で「閉店セール」「みんなの掲示板」って書いてあったり、逆に長崎(出島)では「DEJIMA」って書いてある。パロディもなあ。イギリス人(と思しき人物)のイマジナリーフレンドもイギリス文化圏なんじゃないの。2001年宇宙の旅のパロディはいいとして、日立の樹のパロディは分かるわけないだろ

ジブリ出身監督の作品らしく声優は似非声優起用。そもそもこの出来なら演技で台無しってことはないが、こんなもんでしょってところか。一部の脇役陣の方が演技が上手いので主役級がやや霞んでいる感はある

児童文学なんてなろう系同様、ご都合主義はお約束みたいなものと思えれば本作は悪くないのだろうが、そうは思えない人にとってはぶっちゃけ駄作だろう。評価サイトの評価が高いのは、前作で見切った人が多いから採点者が少なくなっているせいだろう。IMDbの評価では前作が6.8で本作は7.0だから大差はない

本作はそれなりに制作費がかかっていそうだから大赤字だろうな。今後はとりあえず全権監督は止めたほうがいいだろう。細田守新海誠だって脚本力が評価されている訳じゃないし、脚本は脚本家に任せるべきだろう。細田や新海のようなオリジナルストーリーならまだしも、原作があるのに監督が一々口出しする必要があるのかって思うがな

 

らくだい魔女 フウカと闇の魔女 2.0
原作は成田サトコの児童書『らくだい魔女』シリーズ。タイトルから想像するに第1作と第2作の内容をダイジェストにした感じだろうか

上映時間は約1時間と短い。そのせいか前置きが非常に短く、すぐ本題に入る。全体的にテンポが良く、分かり易い冒険譚。子供向け作品としては良く出来ている

反面、大人向けにはもう一息。背景とか何も語られないに等しいし、他作品との差別化ができていないように思える。原作を貶すつもりはないが、ありがちな世界観、ありがちなストーリーなので原作未読であってもついてこられるという判断なのだろうが、もし続編を作るのであればちゃんと説明しておくべきだっただろう。まあ、本作は記念作品的な位置付けみたいなので、続編制作は考えていないのだろうけど

アニメ制作はProduction I.Gなので、安心して観られるクオリティ。声優もプロパー声優起用なので、全てを破壊するような超絶棒読みが炸裂なんてこともなく、安心して映画の世界に浸れる

原作ファン、”ニチアサは紳士の嗜み”な大きなお友達にはオススメできるが、基本子供向け作品で大人が見ると物足りないと思う人が多いだろう