2024年に視聴した映画短評(その4)

*今年観た映画なので、今年公開の作品とは限らない。5点満点で最低点は0

 

・私ときどきレッサーパンダ 4.2
劇場未公開のピクサー作品3作品『私ときどきレッサーパンダ』『あの夏のルカ』『ソウルフル・ワールド』をコロナ禍のせいで公開できなかったが満を持して公開みたいな雰囲気だが、実際は違うでしょ。劇場公開か否かで二転三転、急な決定で劇場に多大な迷惑をかけたにも関わらず大企業の驕りでヘラヘラしていたら、劇場側にディズニー作品の予告編上映を拒否されたせいかどうかは知らんがディズニーはかなりの業績不振。最近でもレビューに圧力をかけるなど謙虚とは程遠い殿様商売だが、この業績では「お前ら黙ってDisney+を契約しろ」とは言っていられないからなあ。少しでも評判の良い作品を公開してディズニーのイメージを回復したいってところだろう。まあ、どこかの国のバブルが忘れられないどころかバブル回帰するような企業に比べれば健全だがな

本作は良くも悪くもピクサーらしからぬ作品。両親と思春期に入った娘の家族愛を描いた作品と言えば凡庸な作品としか思えないが、本作のキャラたちはかなり”リアル”。母親は娘に過干渉する筋金入りの”毒親”、娘はアイドルグループ4★TOWNの熱狂的なファンである”ヲタク”、父親は娘を守ってあげたいものの母親に配慮して大したことはできない

母親の毒親っぷりはかなりのもので、それを強めのコメディ要素とテンポの良いストーリー展開で中和している感じ。ストーリーに緻密さが足りないのは事実だが、これ位勢いがあった方が重さを吹き飛ばすのは勿論、コメディ色の強い作風に合っていると思う。とは言え、辛い経験をしてきた人はトラウマが蘇って笑うどころではないだろう

主人公の少女メイが中国系(華僑)且つ容姿があまりよろしくないことから一部のポリコレアレルギー患者が発狂しているようだが、多分監督の子供時代をモチーフにしているからでしょ。毒親は欧米にもいるだろうが、日本もそうだが極度に世間体を気にするのは儒教の影響が大きく(白人より)説得力があると思うけどね。それに男にモテるような容姿なら彼氏とのデートもあるだろうし、熱心にヲタ活なんかしていたら彼氏に怒られそうだが

作画は凄いの一言。レッサーパンダのモフモフ感は半端なく、当に毛の先まで神経が行き届いているって感じでここまでやれるのはピクサーだからだろう。またストーリー的に喜怒哀楽がはっきりしているが、本当に表情豊か。まあ、エ◯◯◯◯ムみたいなのも逆の意味で凄いけどねw

テーマは最近のディズニー(ピクサーではない)のような極度に社会への遡及を意識したものではなく家族愛と自分らしさという普遍的なものだし、素晴らしい作画でテンポの良い活劇に仕上げられていて個人的には傑作だと思うが、クセの強い作品なのは確かで特に最近の日本ではウケない作品なんだろう

 

・あの夏のルカ 3.0
劇場未公開だったピクサー作品の劇場公開第2弾

本作を一言で言えば”少年ジャンプ風リトル・マーメイド”ってところか。人間と人魚(シー・モンスター)の交流を描くのはリトル・マーメイドと同じだが、恋物語ではなく力を合わせて大会で優勝を目指す話がメインで当に”友情・努力・勝利”って感じ

全体的に纏まってはいるものの、これというインパクトには欠ける。テンポが良く見易くはあるが、設定が甘い&説明不十分なこともあって終盤の展開がご都合主義の塊に思えるのでこれで泣けるかと言われるとね。作画もピクサーらしく高水準で画だけでイタリアを満喫できるが、『私ときどきレッサーパンダ』のもふもふ程のインパクトはないし。本作はリトル・マーメイド(人魚姫)をモチーフにしていると思われるので親子の対立も描かれているが、この位は普通でしょって感じで『私~』を見た後だと全く印象に残らない

港町の名前ポルトロッソは『紅の豚』を元にしているのだろうし、画もストーリーもジブリの冒険譚らしさがある。『私~』も作品名は分からないが、日本のアニメや特撮をモチーフにしていると思われるシーンがあったし、ピクサー作品でもセルフ以外のオマージュが普通なのか

オマージュと言えば、イタリアを舞台にした映画『君の名前で僕を呼んで』に類似したカットが使われていることから本作のテーマはLGBTQ+なのかって話もあるが、シー・モンスター=人種とかLGBTQ+とか大げさなものではないと思う。シー・モンスターは誰もが持つ二面性や知られたくない事実の象徴であって、それを態々取り上げて差別したり罵ったりする必要はあるのかってことだろう。本作と『私~』は実はほぼ同一のテーマによって作られた作品だと思われ、それなのに全然違った印象の作品が作れるのがピクサーの底力なのだろう

 

・ソウルフル・ワールド 3.5
劇場未公開だったピクサー作品の劇場公開第3弾

本作を一言で言えば”ピート・ドクター(ピクサー)風漁港の肉子ちゃん”。本作と『漁港~』を両方とも観た人は少なさそうだし、観た人にもどこがって言われそうだが、『漁港~』は西加奈子の小説が原作で、プロデュースを担当した明石家さんまの人生訓である「生きてるだけで丸儲け」を体現するような人間讃歌が展開される。「生きてるだけで丸儲け」やハレではなく日常のさりげないことに幸せを感じるのは本作のテーマに通ずるものがあると思う

『漁港~』はリアル路線でコメディ色強めの人間ドラマだが、本作はリアルとファンタジーの融合。主人公がすぐ死んで異世界行きはク◯アニメが多いなろう系そのもので嫌な予感しかしなかったが、主人公が迷い込んだのは人として生まれる前の「ソウル(魂)」たちの世界。なろう系だと現世と異世界を行き来するルールは極めていい加減なのがお約束だが、本作ではしっかりとしたルールがあって序盤はルール説明に費やされる

序盤がつまらないという意見も見られるが、個人的には序盤の方が面白かった。序盤はルール説明と同時に実世界でバディとなる22番と親交を深めるステージであるが、22番は現世で生を受けたいとはこれっぽっちも思っていないだけにかなり辛辣。22番のキャラに合わせたのかシニカルなネタが多くて、最近は持ち直しているがこのアニメが制作された当時は長期低迷期にあったニューヨーク・ニックスまでイジっていて笑ってしまった

それ故に中盤以降が物足りない。人生讃歌を否定はしないし、こうなるであろう伏線はあるのだが、この程度で納得するなら今までに…って思ってしまうし、こうなるにしても22番らしいひねくれた顛末が欲しかった。実際、性格形成に先天的なものと後天的なものがどの程度の割合で関与するのかは知らないが、この世界ではソウルの時点ではっきりと性格が形成される設定だからねえ

作画は流石ピクサーと言える素晴らしさ。『あの夏のルカ』ではアニメらしい作画でイタリアを堪能できたが、本作では写真のような作画でニューヨークに浸れる。写真っぽいことで現実の世界とソウルの世界をより対照的に映し出している

主人公のジョーは(黒人の)おっさんだし、ジャズミュージシャンを目指している設定なので劇伴にもジャズが使われていて大人向けのアニメって感じ。かなりの高評価がついているが、上記のようにストーリーの完成度はそこまで高くないのでアニメ=(子供でも分かる)娯楽と決めつけている人でなくてもメッセージが前面に出過ぎてストーリーがおざなりになっていると思う人は少なからずいると思う。刺さる人には刺さる作品だが、”万人向けの分かり易い傑作”ではないと思っておいた方がいいだろう

 

・クラユカバ 1.2
『クラユカバ』は塚原重義監督による初の長編アニメーション映画。2023年ファンタジア国際映画祭の長編アニメーション部門で観客賞・金賞を受賞した

『クラユカバ』『クラメルカガリ』を同時上映している映画館が殆どだと思うが、両者は世界観の一部を共有しているだけで話は別物なのでどちらから見ても問題ない。世界観が面白ければ脚本の出来は問わないのであれば『クラユカバ』、そうでないなら『クラメルカガリ』がオススメかな。まあ、『クラメルカガリ』も素晴らしい脚本とは言い難いが、『クラユカバ』がね…

他の人のレビューも見てみたが、同じようなことを書いている人が多いな。筆者のレビューも同じようなことになってしまうので恐縮だが、(ダメ出しすると)そういう感想にしかならんのよね

作画に関してはかなり拘っているなと感じた。現代の技術で作られた大正-昭和初期っぽい世界は昔と今が同居している感じで斬新。『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』(の作画)が至高と思っている世代にはウケないだろうが、その世代を狙った作品ではないだろうし

声優は例によってプロパー以外の人達も出演していて、主人公の荘太郎役は講談師の神田伯山。声優っぽくはないが、飄々とした感じはキャラにも作品の雰囲気にも合っていて納得の人選。稲荷坂役は活動弁士坂本頼光。実質、彼を出演させるための役でやっていることは活弁。ただ、活弁自体は素晴らしいし作品にも合っているが、正直クドい。ただでさえ尺が足りないのに。サイレント映画活動弁士を題材にした作品ではないのだし、こういうのはスパイスだと思うのだが

脚本はお粗末としか言いようがない。プロローグを更に圧縮した感じで明らかに詰め込みすぎ。監督が過去に制作した『甲鉄傳紀』シリーズと世界観や用語を共有しているようなので監督のファンであれば話についていけるのかも知れないが、未視聴勢では無理だろう。それと予告や粗筋を見ると本作は謎解きがメインと思ってしまうが、最後まで見ても謎しか残らない。雰囲気だけは江戸川乱歩的だけどね

監督も1時間では無理だと分かっているのだろうな。チャラン・ポ・ランタンの「内緒の唄」も作品の雰囲気に合っているし、雰囲気に何点つけられるかって作品だろう

 

・クラメルカガリ 2.0
『クラユカバ』と同時上映している映画館が殆どだしレビューは纏めてと思ったが、両者に関連性はあまりないので別にする

本作は『クラユカバ』の第二回クラウドファンディングの返礼品として成田良悟が執筆した同名のスピンオフ小説をシナリオ原案として制作された

作画については『クラユカバ』と同じチームOneOneによる制作なので省略。前作よりクオリティが落ちたということはない

脚本に関しては『クラユカバ』よりはだいぶマシだと思う。小説家が書いた小説が原案なだけ『クラユカバ』よりスッキリしていて映画の脚本っぽいが、それでもねえ…。映画の脚本も成田良悟にお願いできなかったのかね

率直な感想を言えば、一般的な商業アニメ映画と同じく100分程度あればこの脚本力でも評価が上がっただろう。キャラが多すぎる上にキャラの印象付けが弱く、尺不足でキャラを掘り下げることもできない。汎用雑魚キャラで構成された『クラユカバ』に比べればキャラは立っているが、主人公のカガリは『クラユカバ』の主人公の荘太郎以上に印象が薄いし、ユウヤは単なる裏切り者ポジションでしかないし、シイナと飴屋はストーリーに必要あるのかって思ってしまうしなあ

それと折角、シンプルで分かり易いストーリーの筈なのに独自の用語が前に出過ぎ。最後まで何も分からない『クラユカバ』とは違い、後付けで何となくは分かるけど。本作にも活動弁士坂本頼光が出演しているが、彼に説明させれば良かったのに。直前にアニメで説明したことをリピートするだけなのは勿体ない

塚原監督に脚本力があるとは思えないので、今後脚本は他の人に任せるべきだと思う。新海誠細田守だって脚本力があるとは言い難いし、画作りってそれだけで大変な仕事だと思うが

正直『クラユカバ』よりはマシなレベルってだけで高評価は無理だが、『クラユカバ』は1クールのTVアニメでも風呂敷を畳みきれない可能性大で映画の尺ではどうしようもないが、本作は何とかなるレベル。アニメ制作にもお金がかかるので少しでもって思うのは理解できるが、こちらに専念して2時間弱のアニメとして公開した方が評価が上がっただろうし、おじさんたちにプチヒットする可能性はあったと思うけどね。残念だ

2022年に放送・配信されたアニメレビュー(その3:評価1.7以下)

2022年に放送・配信されたアニメレビュー(その2:評価1.8-2.5)の続き

 

エスタブライフ グレイトエスケープ 1.7
駄目な作品の典型。説明不足且つ設定を上手く使えていない。脚本家がダメなのか、監督がダメなのか、メディアミックスを画策したからなのかは分からないが脚本が雑。説明を極力したくない、後に引っ張りたいのが見え見えで、本来ならストーリーに引き込まれる筈が行き当たりばったりのご都合主義に思えてしまう

後、百合要素が邪魔。ただでさえテンポが悪くて説明不足なのに話の腰を折る。もっとキャラや設定を掘り下げるのに時間を割くべき。そもそも何でこういうチームになったのか謎過ぎる

作画は悪くないしぶっ飛んだ逃がし方は面白いから、1話完結で逃がし屋稼業にだけ照準を合わせればこの展開でも良かったと思うが、それだとソシャゲとしてはってことなんだろうな。この後ソシャゲと映画が控えているようだが、この出来じゃ惨憺たる結果になる予感しかしない

 

・ブラック★★ロックシューター DAWN FALL 1.7
元々は1枚のキャラクターイラストらしいが、このキャラに着想を得てボカロ曲「ブラック★ロックシューター」が作られ、2012年にTVアニメ化。前作は未視聴なので分からないが、本作は一部世界観を共有するだけで全くの別物

ストーリー的にはAIvs人間と言うありきたりな話。全体的にテンポが良く、設定はそれなりに練り込まれていると思うが、説明は必要最小限って感じだし、ヘーミテオスユニットとしての悲哀を描き切れていないのでカタルシスが無い。最後もとんでもないご都合主義だし、途中も話がブツ切りで何でこうなったって感じで話に入っていけない

作画は序盤こそモーションが怪しいが、それ以降は悪くない。きちんとアクションしているが、レイトレONとOFFとで違和感を感じた。CGアニメにしてはそこまでCGっぽくないのが原因か

スマイリーが正に悪役って感じで悪趣味の極み。やられて当然ってキャラでカタルシスに欠ける本作では貴重なキャラ。ルナティックもかなりの胸糞だし、ベビーフェイスキャラに魅力がない分、ヒールキャラが目立っている

 

リコリス・リコイル 1.7
アニオリ作品。所謂、バディもの。新作アニメの制作が決定している

制作はA-1 Picturesなのでアニメのクオリティは十分。ただ、アクションシーンはそこまで多くない。本作が評価されているのはキャラの可愛らしさによるものだろうが、エロシーンを極端に回避するのは何だかなあ。パンツの柄まで考察しろってか。原作があるならともかく、アニオリなんだからエロを回避したいならこういうエピソードなんか入れなきゃいいと思うが

パンツの件はともかく、ぶっちゃけストーリーは並以下。薄っぺらいと言うか、脚本が拙いので薄っぺらく感じられると言うべきか

薄っぺらく感じる理由は大きく2つ。まず、既視感の塊であるということ。ただ、以前にも書いたように毎年夥しい数の作品が発表される中で「全く似ていない」作品を作るのは不可能だと思うので、どう個性を出していくかだと思うが

更に物語としての核がない上に、いらない要素を混ぜすぎ。特に不殺に拘るならもっと明確な理由がないと。マッチポンプにも程があるでしょ。これを先が読めないストーリーと取るか、内容が無いようと取るかは人によって分かれるだろう。今時、シリアスな作品は受けないから緩い作品にしたいってことなんだろうが

緩い日常とシビアな仕事モードの落差が売りの女子2人のバディものと言えば、最近だと阪元裕吾監督の『ベイビーわるきゅーれ』が思い出されるが、本作の主人公は千束(ちさと)とたきなで『ベイビーわるきゅーれ』のちさとと被るので(もう一人はまひろ)何らかのインスパイアがあったのかも。本作はストーリーに無駄が多いので、『ベイビーわるきゅーれ』みたいに90-120分位のアニメ映画かTVスペシャルで公開すれば粗が目立たずに楽しめる作品になったように思う

 

終末のハーレム 1.6
エロシーンの多さが話題だが、正直この作画では…。海苔連発も単なる作画崩壊でしかない。題材的にエロシーンは避けられないのだし、中途半端なことをするなら腹を括って地上波では放送しなければいいと思うのだが。これでは作品の評価が下がるだけ

ウイルスによる人口減少、男女比のバランス崩壊、子孫を残すためのメイティング義務化と言えば小松左京の『復活の日』を思い出す。ハーレム状態もずっと続けば飽きるのは当然だし、"男"になって豹変する翔太、頑なに操を守る怜人と三者三様なのは面白い

ただ、本作のメインは怜人ルートの筈で、それぞれの思惑が交錯してのストーリー展開が楽しみだが、これからと言う所で終わっている。1クールだとここまでになるのは仕方ないと思うが、地上波に拘らなければ話数縛りも無くなって第1部完結まで描けただろうから残念だ。続編が作られる可能性はまずないだろうし、あってもこの作画じゃなあ

 

カッコウの許嫁 1.6
少年マガジンで連載中のラブコメ。所謂、ハーレムラブコメだが、主人公である凪の性格や笑いのノリは女性作者らしさを感じる。ただ、あくまで男性誌向けの作品で少女漫画のようなキュンキュンした恋愛模様を描いた作品ではない

郭公は托卵することで有名、それに取り違え子と言う事で予想通りの展開。ただ、2クールかけた割には話が全く進展しない。終盤は謎の兄の話がメインになってしまっている上に、結局…

女性キャラはかわいいし、性格も個性的。コメディ要素を楽しめないことはないが、上述のように話のテンポはかなり悪い。声優は有名どころを起用しているので、ダラダラとした話が好きな声ヲタ向けの作品なんだろう

 

・ピーター・グリルと賢者の時間 Super Extra 1.6
原作は檜山大輔の漫画で2020年にアニメ化。Ver.によって”見え方”に差があるものの、異種族による子種争奪戦という内容だけにエロシーンは避けられない。まさか2期が制作されるとはね

ただ、残念ながら1期に比べると大幅に劣化している。まず作画。1期のウルフズベインは2期も担当しているが、2期からアニメーションスタジオ・セブンが加わったせいなのか明らかに質が落ちている。止め画で誤魔化すシーンも増えた。予算削減ってことなんだろうな

エロあっての作品なので作画は重要ではあるが、それ以上に劣化したのが脚本。シリーズ構成・脚本は1期と同じ人だが、何を血迷ったのか

1期に比べてストーリー性が強くなっているが、これが間違いの元。本作にシリアス展開とかちょっといい話を望む視聴者がいるとは思えないが。原作はエロ&ギャグ押しの作品だからストーリーはオマケ。超展開も笑いに繋がる要素なのに、ストーリー重視だと粗にしかならない

ワンパターンを打破したかったのだろうが、ショートアニメだしお約束を貫き通した方が良かったと思うけどね。何もかもが中途半端になってしまった感じ。それに同クールに『不徳のギルド』があるからねえ。方向性は違うが、ファンタジー世界+エロでモロ被りな上に明らかにこちらの方が見劣りする。とは言え、量産型ラブコメレベルの面白さはあると思うのでこの点数で

P.S. これだけ槍魔栗三助ならいい加減誰がが孕んでもと思うが。「地上最強の男」も受精能は低いのか

 

・錆喰いビスコ 1.5
所謂バディ物。独特の世界観だがそれを作品に活かせていない感じで、褒められるのは中盤のロードムービー的な数話のみ。まあ、作画は悪くないが

序盤は時系列シャッフルを行っているようだが、はっきり言って糞。1話と2話が遊んでしまっていて3話が1話みたいな感じ。時系列シャッフルは1話で作品の世界観を提示して2話からストーリーを始めるケースが多いが、本作は特になし。何でも主要キャラであるミロがすぐに出てこないのが気に入らないらしいのだが、主人公クラスが2話、3話で初登場は珍しくないと思うし花江に弱みでも握られているんだろうか。意味不明なシャッフルはストーリーが把握できなくて視聴者に切り捨てられるだけだと思うのだが

終盤はBL色が強くなる。本作はラノベ1巻を1クールにしているので明らかに無理があり冗長感が半端ない。しかも冗長な上に唐突。序盤に世界観を説明しておけば多少はマシだったと思うのだが

BL、花江が最初から出てくるように改変、女性ファン獲得が狙いなんだろうがこのデキではねえ。きちんと世界観を示して8-10話程度に纏めていたらだいぶ印象が変わったと思うので残念だ

 

・うちの師匠はしっぽがない 1.5
TNSK原作の漫画のアニメ化。落語を題材としたアニメ作品と言えば『昭和元禄落語心中』や『じょしらく』が思い出されるが、両者の中間的立ち位置の作品

中盤まではまめだが徐々に成長していく様を師匠である文狐が厳しいことを言いつつも優しく見守る人情噺のような展開だが、終盤はそうではなくなる。終盤に展開があるのは脚本としては悪くないが、同時に作風のブレを感じさせることに

文狐を含む四天王の過去のエピソード自体は面白いが、正直展開に無理がある。江戸にせよ上方にせよ他の一門と無関係という訳にいかないのは分かるのだが、流石にこれは「余計なお世話」でしょ。こんなんやられたら立川流みたいに組織から離脱しても不思議じゃない

また、人間が賢くなって簡単に見破られるようになり、住処がどんどん狭まっているからと言って、「今の時代に化けるのは時代遅れ」とマウントを取るのは違うだろう。令和の自粛警察かよ。時代は大正だし、しかも上方、簡単に大勢に阿るような気質ではないと思うのだが

作画は大正時代にしては明るい感じで、キャラデザも現代風。OPは文狐のイメージなのだろうが割とお洒落な感じ、EDはまめだのイメージでまっすぐに進む様子なのだろうが、ストーリーが中途半端に重たくなったりして世界観を構築できていない

Cパートの豆知識のコーナーは噺の内容だったり上方落語江戸落語の違いに触れたりと為になる。まあ、ヘビーな落語ファンには必要ないだろうが

本作はヘビーな落語ファンには物足りないだろうが、と言って上方落語江戸落語があることすら知らないレベルの人が観てもつまらないだろう。内容も中途半端だが、対象もたまに寄席に行くようなライトな落語ファン向けという何ともニッチな作品に。中途半端なのは原作由来なのか脚本のせいなのか分からないが、明らかにブラッシュアップが足りていない作品という印象

 

プラチナエンド 1.4
本作を一言で言えばDEATH NOTEのセルフ劣化コピーFAIRY TAIL→EDENS ZEROみたいなものか。DEATH NOTEが死や悪といった闇を描いたのに対し、本作は生や幸せといった光を描いているのだろう

本作はメトロポリマン編とそれ以降に分けられると思うが、所謂デスゲーム好きはメトロポリマン編、そうでない人はそれ以降の話の方に惹かれるだろうが、個人的にはどっちもどっち。本作の"ゲーム"のルールは戦略性があって面白いのでデスゲームを前面に押し出す手もあったと思うが、テーマに反すると言うことなのだろう

主人公の性格が悪い意味で日本人的で、お世辞にもテンポが良いとは言えないストーリー進行の腰を折る。優柔不断な所を含めて人間らしさを描きたいんだろうが、だったらメイティングでもしたらいいのに。両想いの子と同衾してしかも豊満なバストの持ち主、この先最悪死もあり得る訳で死ぬ前に愛を確かめ合っても不思議じゃないと思うが

因みにオチは激寒。タイトル回収にはなっているが、これまでの話は何だったって感じ。オチを含め最終盤の展開が唐突過ぎて打ち切り漫画をそのままアニメ化した印象

本作も少年漫画のお約束なのか立派なバストの持ち主が多い。豊かな乳房には少年の妄想が詰まっているんだろう

 

・可愛いだけじゃない式守さん 1.4
本作を一言で言えば量産型ラブコメって感じ。作画は悪くないので、まったりとした初々しい感じが好きな人にはいいのだろうが、そうでないと序盤で飽きるだろう

特に駄目だと思う点が2つ。まずは和泉くんの不幸体質を上手く使えていない点。不幸体質が和泉くんの性格形成に大きく関わっていることは分かるのだが、ストーリー的には無くてもいいんじゃないと思ってしまう。不幸体質を笑いに繋げる訳でもなく、と言って掘り下げる訳でもなく、ただ式守さんの漢気モードと言うか運動神経の良さが発揮されるトリガーでしかないので飽きてしまう。せめてパンチラでもあればいいが、本作にお下劣要素は皆無

次はシリーズ構成。6話位まで只管ワンパターンが続く。そこからやっと和泉くんや式守さんの過去やそれに付随して脇役達の話も絡んでくるが、そこまでに興味が失せている。1話はそのままでいいと思うが、2話以降は時系列の方が良かったと思う。元々Twitterに個人的に載せていたものを連載化したようなのでストーリーは考えていなかっただろうし

式守さんが和泉くんのことを敬語で呼ぶよそよそしさが、そのまま本作の雰囲気に繋がっている感じ。アニメ化に当たってもっと考えて欲しかった

 

・3秒後、野獣。~合コンで隅にいた彼は淫らな肉食でした 1.3
タイトルからして僧侶枠と分かる作品。タイトルは1話終了後の感想と言った感じで、2話以降の展開が気になるが…

最近の僧侶枠は凝った設定の作品が目立つが、本作は潔いほどのド直球。ただ、エロ100%って感じではなく、きちんと恋愛しているのが作品としては仇に。僧侶枠らしい展開の速さは悪くないが、何故、先輩がヒロインのことを好きなのか、他の男は眼中にないのに幼馴染は強烈に意識するのかが良く分からないのでイマイチ作品に入れない感じ

作画クオリティは低く、キャラデザも古臭い感じ。集団でのダンスは昔懐かし消費者金融のCMを思い出させる。僧侶枠らしくツッコミながら見られるのはダンスバトル位までで後半は普通の恋愛ものって感じだしなあ。正直、残念な作品

 

・じゃんたま PONG☆ 1.2
スマホでもPCでも遊べるオンライン麻雀ゲーム「雀魂」に登場する雀士キャラを使ったショートアニメ。中ビームとか緩く麻雀を打つシーンだけでなく、かなりぶっ飛んだ展開も。1話1分30秒なのでストーリー性に乏しいのは致し方ないと思うが、全然麻雀に関係ないエピソードも。麻雀ばかりだとネタがってことなんだろうが、麻雀ゲームのキャラなんだし強引にでも麻雀にこじつけて欲しかった

まあ、雀魂の販促アニメでグッズ販売や新規プレイヤー獲得目的なんだろうけど、キャラ目的で麻雀ゲームをする人ってそんなにいるとも思えないがそうでもないのかね

・あたしゃ川尻こだまだよ〜デンジャラスライフハッカーのただれた生活〜 1.2
1話2分30秒なのにOPが1分30秒で実質1分アニメ。いや、アニメと言うより電脳紙芝居か。原作は漫画エッセイらしいので原作の雰囲気を残したアニメ化と言えなくもないが、内容は一人暮らしあるあるでストーリー性皆無だしアニメ化の意義はと聞きたくなる

また、実質1分x24話も如何なものか。まあ、内容的に1週飛んでどうこうではないし、TVerで1週間無料視聴可能だが。内容的にまだ未婚率が高いTikTok世代向けと思うしYouTube等で配信限定にすればコスト削減になると思うが、TVで放送することにこそ意義があるのだろうか

OPは中毒性あり。放送時間の6割を占めている訳で、こっちが本編なのかも

 

・継母の連れ子が元カノだった 1.2
紙城境介の同名ライトノベルのアニメ化。ジャンルとしてはラブコメになるのだろうが、正直ラブコメとしては既存のラブコメの悪い所の寄せ集めって感じでかなり出来が悪い。本作は純愛ものとして観るのが正解だと思うが、それには”不純物”が多すぎるのも事実

とにかくテンポが悪い。連れ子同士が知り合いと言えば「ドメスティックな彼女」が思い出されるが、ドメカノと違うのは二人が(別れたばかりの)元カップルという点。1話からかなりギスギスした雰囲気で始まるが、早々に実はお互いに未練があるのが分かる。となると、何故別れたってことになるが、それが分かるのは何と第9話。流石に引っ張りすぎでしょ…

そこまで引っ張るなら他の要素が必要になるが、本作の脇役は曲者揃いで彼らを上手く使えばラブコメらしくなったと思うのだが。多分、原作ではもっと絡んでいるんだろうが、本作ではカット。原作未読なのではっきりとは分からないが、本作は原作第4巻までをアニメ化したと思われるので、水斗と結女以外の話は極力カットせざるを得なかったのだろう

ただ、そのせいで他のキャラが中途半端に絡むだけで展開がなく、回想がチマチマ挟まるだけの非常にテンポの悪い作品に。皮肉は頻繁に飛び交うものの、「かぐや様は告らせたい」みたいに相手に好きと言わせようとするような駆け引きも無し。そもそも、第9話を観た限りでは水斗はともかく、結女は皮肉なんて言えるキャラとはとても思えないのだが

それに第9話まで引っ張る時点で二人が復縁する方向なのが見え見えだからねえ。別に見え見えでも構わないとは思うが、ここまでに興味を失っているのにステレオタイプを見せられてもやっぱりねとしか思わん

ドメカノだったらGカップの東頭いさなとは確実に寝ているだろうし、結女との仲も一発やって復縁って感じだろう

意地でも純愛路線を貫くなら、余計な話は思い切って全てカットで全8話位に纏めたら良かっただろう。ただ、脇役だけじゃなく水斗と結女も相当癖ありだし、純愛もの向けのキャラじゃないと思うけどね

 

惑星のさみだれ 1.2
水上悟志の同名漫画作品のアニメ化。あらすじだけなら面白そうに思えるのだが、何を間違えてこうなったのか

まずは作画。相当酷いレベル。これで戦闘シーンが多いのだから目も当てられない。もし鬼滅の刃や呪術廻戦の戦闘シーンの作画がこのレベルだったらヒットどころかお寒い結果になっていただろう。ただ問題は戦闘シーン(の紙芝居)だけではなく、それ以外のシーンでもパースが狂っているなど不自然な作画が目立つ

それに加えてキャラデザが。原作は2005-2010年にかけての作品なので時代に合わせたと言えなくもないが、2000年代よりもっと古臭く感じる

では脚本は悪くないかと言われたら、脚本も稚拙だと言わざるをえない。よく「原作通りなら面白い」とヲタが曰うが、本作は「原作通りだからつまらない」作品の典型だろう。ギャグが滑りまくっているのもあるが、とにかくテンポが悪い。この作画にこのテンポの悪さでは最後まで見ずに見捨てられても文句は言えない。ぶっちゃけ序盤はあまり意味がないのだからばっさりカットして終盤足りない部分を補わないといけない筈だが、何となく終わっちゃう感じ

制作会社のNAZは過去にも「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」や「インフィニット・デンドログラム」でもやらかしていてハズレと言える制作会社だが、作品の出来が制作会社ガチャで決まるのは作者にとってはたまったもんじゃないだろう。「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」の作画が悪くなかったのはID(イド)の奇蹟としか言いようがない

 

・プリマドール 1.1
Keyによるメディアミックスプロジェクトのアニメ版で、この後ゲームも出るらしい。Keyのアニメと言えば「神様になった日」が物議を醸したが、本作も残念な出来。悪い意味でKeyクオリティを確立した作品になったかも

本作を端的に言えば、「ヴァイオレット大戦ですか?」ってところか。戦争帰りの人形(オートマタ)、和風(大正時代)な感じ、萌えなキャラが喫茶店で働く。戦場で歌を歌うのもあった気がするなあ。毎年大量のアニメ作品がリリースされるので多少似てくるのは致し方ないと思うが、これは酷い

まあ、外面はパクリでも中身にオリジナリティがあればと思うが、内容的にも中途半端。緩い萌えアニメにしたいのか、シリアスな作品にしたいのか、非常にバランスが悪い

まず、掴みが下手過ぎる。序盤にキャラ紹介回を作ってキャラの性格を理解して貰うのは悪くないが、ワンパターン。灰桜のマッチポンプを歌で解決して戦争の回顧。泣かせたくて必死な感じ。例えるなら、焼肉屋に行ってタン塩やロース、サンチュ等には目をくれず、ホルモンやカルビばっかり食べ続ける感じなので飽きてしまう

一応、後半の展開に対して多少の種明かしはあるし、前半に伏線はあるのだが、説明不足な感は否めず「は?」って感じ。「神様になった日」もそうだったが、とにかくややこしい話はカットしたいのだろう

最近はファスト映画が問題になっているが、「糸」「余命10年」みたいなダイジェストのような作品が泣ける映画としてそれなりの評価をされる時代。制作側としては、お前らの好物である萌えと泣きのシーンを凝縮してやったから堪能してくれと思っているのだろうし、これを高評価する人はいるのだろう。

ただ、泣けるシーンって感情移入できるかだと思うが、こんなダイジェストみたいな作品じゃ感情移入なんて無理な話。キャラは可愛いし作画も悪くないので、もっとストーリー重視で構成すれば本当に泣ける作品になりそうだが。それでも量産型の域を出ないとは思うが、本作に比べれば遥かにマシだったと思う。残念だ

 

後宮の烏 1.1
白川紺子の中華ファンタジー小説のアニメ化。原作は既に完結(全7巻)している。柳寿雪(烏妃)を頼ってくる依頼人の依頼を解決しつつ、寿雪と夏高峻(皇帝)の禁断の恋(?)を描く作品

本作は原作の2巻までをアニメ化したと思われる。かなりゆったりとしたペースでさぞかし濃密な話なのかと思いきや、びっくりする程内容が薄い。宮廷の人物の依頼をこなしていくうちに宮廷や烏妃に関する知見が得られるようにはなっているが、バックボーンに大きな話がある訳でもなく13話かけてプロローグが何となく終わったって感じ

それと終盤は烏妃の命が狙われる話が続くが、支離滅裂としか言いようがない。中国では”私憤”のことを”定め”と言うのかね。まあ、今の日本(と言うか世界)もそんな感じだが

作画は中国風で、回想シーンは切り絵風。今風ではないが、作品には合っていると思う。ただ、術はもっと派手でバリエーションが欲しかった。雰囲気を壊さないようにってことなんだろうが、烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)は明らかに浮いているし、全体的に作画負荷は低めだと思われるのでもう少し頑張れなかったかね。『呪術廻戦』にしろとは言わないし

あとOPとEDは作品の雰囲気に合っていて良い。女王蜂は『どろろ』のOPも担当していたと思うが、歴史物が合っているのかね

アニメに限らず『宮廷女官チャングムの誓い』とか中国や韓国の宮廷を舞台にした作品が好きな人には面白いのかも知れないが、そうではないおっさんにとっては退屈なだけの作品だった

 

・オリエント 1.0
鬼狩りの話だとどうしてもアレと比較してしまうが、正直かなり見劣りする。作画はバラツキがある感じ。この作画で戦闘シーンを描いても迫力に欠ける

世界観はハチャメチャ。オリジナル要素を否定はしないが、もう少し戦国時代っぽくできなかったものか。武士が刀持っている以外は戦国時代と思えない。その武士も女性武士が多い上に服装は忍者、バイクに動く城等、作画も戦国時代っぽさは皆無で何の為の設定なのかと思う

全体的にテンポが悪いが、特に序盤はテンポが悪い上に意味不明なので、話が進みだすまでに切ってしまう人が多かっただろう。主人公達のいた場所では鬼こそが神で武士は150年前まで日ノ本を支配していた化け物であり、鉱夫は鬼に奉納する金属を死ぬまで掘り続けるのが仕事で武蔵は鬼を退治する為に鉱夫となったらしい(原作未読)

この設定が本作を見ているだけだと分からない。序盤にチマチマと回想が入るが、主人公達が虐げられていたことは分かるがその理由は説明されない。だから鬼退治の旅に出て、外では武士が迫害もされずにいるのにかなりの違和感がある。更に回想過多はただでさえ悪いテンポをさらに悪化させるだけ

中盤以降は話も進みだして、少しずつこの世界の謎が明らかになって本題はこれからと思わせるが、このペースで進行して最後までアニメ化できるのか疑問。二期が7月から始まるらしいが、余程他に観る作品が無い限りは観ないだろう

 

・東京24区 1.0
本作を一言で言えば、アニメ制作におけるトロッコ問題解決に大失敗した作品。下倉バイオは本作がアニメ初脚本らしいが、それにしても酷い脚本。SF部分のプロットは悪くないが、それは他の作品の寄せ集めだから。ただ、世間にSF作品が溢れているので既視感があるのはしょうがない。それにどう肉付け、味付けしていくかが問われるが…

本作をどういう作品にしたいのかが伝わってこない。本格SFにしたいのか、ライト層にも観て貰う間口の広い作品にしたいのか。RGBの活躍を描く作品の筈だが、大人の魑魅魍魎が跋扈する世界を描きたいのか群像劇化してモヤっとした作品になってしまった

エピソードの取捨選択が下手で序盤からテンポが悪い。最終盤に全ての謎解きをするシナリオでないのはいいが、9話、総集編、10話と同じ様な話が続くのは下手過ぎる。まあ、総集編は事故なんだろうけど

で、終盤だが、殴り愛&大好きは失笑を通り越して嘲笑レベル。思わず飯島直子を探してしまった。ここまで散々決断を促してきたにも関わらずこれかい。まあ、今の日本は決断しないことが高支持率の秘訣な訳だが…

電話の発信主がアスミであること、RGBのみに電話がかかってくることから何らかの形でアスミの意思が関わっていることは予想できる筈で、それを軸にストーリーを進行させれば全てを他人に聞くようなことはなく自分達の力で核心に迫るようにできた筈。尤も、最後が殴り愛&大好きじゃ意味ないが

作画は序盤こそ悪くないがどんどん崩れてくる。1週飛ばし&総集編挿入はスケジュール遅れを示唆しているが、コロナ禍で致し方ない所もあるか。この脚本じゃ作画で台無しってことでもないし。それと舞台を2021年と現代に設定したのは謎。今この手のシステムはどこの国でも稼働していないでしょ。近未来(2040年以降)にしておけばストーリーにも説得力が出たと思うのだが。こういう所も詰めが甘いよなあ

 

・ハナビちゃんは遅れがち 1.0
最近擬人化作品が多いが、本作はパチスロの擬人化。スロッターならタイトルの時点でピンと来るだろうが

タイトルに反してパチスロ要素は少ない。1話実質3分は長くはないが、1分半とかの作品もあるのでもう少し内容を頑張って欲しかった。OPはかなりのバージョンが用意されているし、声優も豪華なのだが

ゆるい擬人化アニメはヲタ受けもいいし、スロッター以外にも観てもらおうとした結果なのだろう。キャラも立っているしゆるいアニメが好きな人にはいいだろうが、そうでない人にとってはとても満足のいく作品ではないだろう

 

・Extreme Hearts 1.0
本作を一言で言えば”闇鍋定食超特盛(総重量3kg)”って感じ。キャラもかなり多いし、ソシャゲ展開しているかその予定があるのかと思ったら、まさかのアニオリ。だったらもう少し内容を吟味しないと。こんなフードファイター御用達メニューじゃ、1クールでまともに消化できる訳がないのは分かっていると思うのだが…

正直、1話からツッコミ所しかないので例年ならば3話位で切っていただろう。今年は微妙な作品も一応、全部見ることにしているから見ているが、既に後悔している自分がいる

とある動画で本作に「あいみょんがスポーツで優勝してAKB48になる話」ってタイトルが付いていたが、ソロのシンガーソングライターで活動していて(グループの)アイドル活動をするのに葛藤がないと言えば嘘だろう。「アイドルがやりたくて声優になった訳じゃない」とか言っていた人もいたと思ったが

勿論、「声優になれば(キャラソン等で)歌の仕事もできる」「声優を契機に(吹き替えやナレーションを経由して)テレビの仕事や俳優業に進出したい」とか、言葉は悪いが声優を腰掛けに考えている人もいるだろうし人それぞれだと思うが、いずれにせよすんなりと割り切った人は少ないと思うし何らかの迷いはあって当然だろう

そんなこと言っても、ただでさえ詰め込み過ぎなのに尺があるのかって言われそうだが、ぶっちゃけ無駄だらけだからねえ。水着回を筆頭に雪乃や理瀬の勧誘もどこぞのアニメのコピーみたいな展開だし、1クールのアニメで他のグループとの交流や掘り下げにこんなに尺を使う必要があるのか疑問。メリハリが足りないから、詰め込み過ぎなのに終始ダラダラしている感じになる

本作のジャンルは何なのかと言われたら、少なくともスポーツアニメではない。理由は制作陣がまともにスポーツを描く気があるとは思えないから。とは言え、練習風景を含めてスポーツシーンが多いのが何ともね…

まずハイパースポーツ(大会)に関するレギュレーションの説明がお粗末。本編だけ観てると「何やそれ?」って感じなのだが、実は本編とは別にYouTubeにサイドストーリーが上がっていてそちらで説明があったりする。ただ、ルールなしのスポーツとかありえないんだし、本編できちんと説明するのが筋だろう

次にハイパースポーツの魅力が伝わらない点。エクストリームギアを用いてのハイパースポーツは(ギアを用いない)リアルスポーツではあり得ない動きができるのが売りだと思うが、最初のフットサルこそド派手な技が炸裂するがどんどん地味に。どうせなら最後までド派手で良かったと思うけど

エクストリームギアを使っただけで何でもできる訳では無いのは、選手のポテンシャルが重要ということで陽和たちのチームが(リアル)スポーツガチ勢ばかりなのは理に適っていると言えるが、その割には細すぎる。確か、身長と体重が出てきたシーンがあったと思うが、やや細めな体格では筋力が足りない。実際、箱根駅伝等でも厚底シューズで記録が大幅に伸びているが、反面、女子選手の故障も目立つように。エクストリームギアは言うなら厚底シューズの強化版みたいなものだし

極めつけはスポーツのルール無視、ハイパースポーツはあくまでエクストリームギアを使って既存の競技をするので、その競技のルールには縛られるのだが。決勝戦で態々スロー再生までしてファインプレーであるように見せているけど、あれはゴールテンディングで本来は相手のゴールが認められるからねえ。それに最終盤の時計の進み方もメチャクチャだし。まあ、プレーを省いているのかも知れないけど

制作陣はスポーツに興味なんて無いんだろうし、だからルールを勉強する気もないのだろう。だったら、エクストリームギアを使ったオリジナルスポーツにすれば良かったのに。そうすれば多少の破綻はルールだからで片付けられるし、ド派手なプレーでハイパースポーツの魅力もアピールできただろうに。様々な競技をこなす設定だと、どこかでボロが出るのは当然だろう

作画は下の上ってところか。流石に最終盤の見せ場はきちんと作画しているが、途中は作画崩壊といっていいレベル。この程度の作画でスポーツとライブてんこ盛りの作品を作ろうとするなんてとんでもない話

纏めると基本的なストーリーは王道だし、最後のライブもきちんとした作画で締めているし、スポーツに興味のないスポ根好きなら高評価もあり得るのかもね。反面、スポーツガチ勢、特にバスケットボールファンは激怒するかも。まあ、ガチスポーツ物に期待する人は3話までに離脱していると思うが

あと、本作で褒められる所は声優の演技。ちゃんと下手に歌うべき所で下手なのは素晴らしい。別作品になるが「シャインポスト」もこれ位落差をつけて欲しかったのだが。声優は台詞だけでなく歌を唄うことも珍しくないし。0点台にしたいところだが、声優の頑張りに免じて0点台は回避

 

・ラブオールプレー 0.9
原作は小瀬木麻美の小説。アニメ化と同時にコミカライズ化されたが、原作が全4巻(+番外編1巻)あって2クールアニメにも関わらず、アニメ版を元にした漫画が全3巻なのは失笑モノ。原作の全てをアニメと漫画にしたかは分からないが、原作のクオリティ?って思ってしまうのは確か

作画はぶっちゃけ底辺レベル。ただ作画崩壊とかではないので、バドミントンに興味がない人にとっては問題ないだろう

では何が問題かと言えば、バドミントンのシーンで動かない。止め画が多い上に動きを線でごまかすから紙芝居を見せられてる感じ。更に描かれるのはスマッシュと難しいレシーブシーンだけ。作中でも言っているようにバドミントンは一撃で仕留めるのは難しいので前後左右緩急で揺さぶる組み立てが重要だが、それが全く伝わらない。特に主人公の水嶋亮は(女子の)奥原希望のようなプレイヤーで、相手に攻められても粘り強く拾って相手のミスを誘ったり逆にこちらから攻めるのが持ち味なのに

全てのポイントを網羅していたらいくら時間があっても足りないのは事実なので、勝負所を選んでラリーを描いて欲しかった。これは本作だけでなく他のバドミントンアニメにも言えることではあるが、本作は特に取捨選択が出来てなくてダラダラと紙芝居が続くので目に余る

酷いのは脚本も一緒で、盛り上がりに欠けるし掘り下げが足りてない。2クールあればもっと人物を掘り下げられるし、関係を深めていく様子も描けるでしょ。それに余りに”浅い”。「ミスしなけりゃいいんだ」「相手を揺さぶればいいんだ」。その通りだけど、劣勢の中それをどうやるかが問題なんでしょ。「自分に自信が持てない」って自己肯定感が低い高校生らしい悩みではあるが、大した実績もない選手が自信を持てないのは当然でしょ

大した実績もないと言えば追っかけがいるのもなあ。1年生からエースとして活躍して既に実績があってイケメンの遊佐賢人の追っかけならまだ理解できるが。恋愛要素は否定しないし、追っかけ連中も男だけでなくバドミントンに興味を持つようにはなるのだが、ぶっちゃけいなくてもストーリーに影響ないし。追っかけなら”豚貴族”は高校生だから無理にしても、”ゼニーズ”辺りで松田くんのDTを奪う作戦会議でもしたらいいんじゃないの。DTかどうか知らんけど

OPにHey! Say! JUMPの曲が使われているように、本作は『ハイキュー!!』の二匹目のドジョウ狙いの志低い系アニメの一つだろう。だからバドミントンのルールすら説明しないし、バドミントンのシーンで魅せようとはこれっぽっちも思っていないのだろう。バドミントンを題材にしたアニメは『はねバド!』や『リーマンズクラブ』があるが決して数は多くないし、せめて野球やサッカーにしてくれというのが正直な所だ

どうでもいいことだが、那覇って実は全国の都道府県庁所在地の中で記録した最高気温が最も低いから猛暑日は稀。アニメ中で最高気温の予想が36度になっていたけど”記録更新”レベルの猛暑だわな。沖縄に限らず九州も温暖だと思っている人が多いが、宮崎や鹿児島はともかく九州北部は東京23区や横浜と大差なく、冬に降雪は珍しいことではない

P.S. 横浜湊高校=横浜高校か。能見台にあってスポーツ部が強い私立高校ならここだろう

 

・アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】 0.9
Yostarが運営する同名ゲームのアニメ化。Yostarのゲームは他にもアズールレーン等がアニメ化されているが、筆者未視聴ながら世間の評価はイマイチ。ソシャゲのアニメ化により数多くの駄作が生み出されているが、本作も例外ではなかった。ソシャゲ原作に加えて、中華アニメのダメな所を網羅したような作品。因みにゲームは未プレー

作画は普通。この作画で普通とはなんて野郎だって言われそうだが、戦闘シーン以外の作画は素晴らしいけど肝心の戦闘シーンがねえ…。迫力に欠ける。集団での戦闘なのに何故か皆棒立ち、伝説のク◯アニメ「ジビエート」じゃないんだから。それと術なのか何なのか分からないが、ショボ過ぎるだろ…

ストーリーは唐突なシーンの連続。1話から??????????って感じ。最近は面白そうなシーンを見せることで1話切りされないようにする為なのか1話は脈絡なく入る作品が多いので2話から普通に話を進めてくれれば問題はないが、他の中華アニメ同様そのまま進んでいく。特にゲーム未プレーでホームページに有るイントロダクション未読だと訳が分からないまま終わるだろうな。まあ、読んでも訳が分からないけどねw

とにかく全体的に説明不足。イントロダクションの内容は1話か2話冒頭に入れるべきだっただろう。更にこの状況に至るまでの話が皆無なのは酷い。ロドスとレユニオンの成り立ちや何故、反目しているのか位はきちんと尺を割いて説明しないとな

そんなん後でいいじゃんって言われそうだが、本作の終盤が陣営を選ぶ話なんだよなあ。例えるなら、日本のことを何も知らない外国人の前に自由民主党員と立憲民主党員が現れて、「自由民主党は役立たずです」「立憲民主党は木偶の坊です」と言われた後に「あなたはどちらを選びますか?」と言われた感じ。そんなん知らんがな…。まあ、ゲームをプレーしている人なら泣けるのかも知れないけど

数少ない説明も何気ない台詞で終わる。肝心なことは説明がないこともあって印象に残らない。ゲームでは台詞か文字で説明されているからだろうけど、アニメ化したんだからアニメらしい説明にしてくれ。結局、元がゲームだからそこまで設定を作り込んでなくて、ゲーム内でもあまり説明がないのだろうな

他には登場人物が多過ぎる。これでもかなり絞っていると思われるので、多過ぎるように感じるが正しいか。それぞれの組織は勿論のこと、ロドスとの関連性も良く分からんから、キャラ、名前、所属が一致しないんだよなあ

Yostarはアニメに関してどう考えているのかね。酷評の嵐になったが、ゲームをプレーしている人にとってはゲーム内で説明されていないことを補いつつ綺麗な画でアニメを観られるのは最高なんだろう。Yostarは儲かっているだろうからゲームプレーヤーへのご褒美でいいのかも知れないが、これだけの作画のポテンシャルがあるのなら、もう少しアニメ作品としてどう見せるのかを考えればプレーヤー以外にも響くような作品になりそうだが。正直、勿体ないと思う

 

トモダチゲーム 0.8
所謂デスゲーム系の作品。あまりこの手の作品は観ないが、割と評価が高いので見てみたら…。やっぱりなろう系と同レベルの地雷ジャンルだわ

まず、掴みが弱い。この手の作品にありがちなこのゲームに参加しなければならない理由があまりに弱い。それに加えて第1ゲームからバカ丸出し。流石に何かがおかしいって気づくでしょ。かなりの人が1話で切ったのでは

それぞれのゲーム自体は心理と論理が要求されて楽しめるが、徐々に公平性を損なうような超展開になってきて白けてくる。こいつは天才だとか言われても「は?」って感じ。色々と不自然で視聴していてゲームに入り込めない

ゲームに参加しなければいけない理由はこのゲームの真の目的とか運営の秘密に繋がる話でストーリー構成上後回しにされることが多いし、隙のない展開では話が続かない。デスゲーム系が好きな人はお約束で片づけられるのだろうが、そうでない人にとってはついていけないだろう

アニメより実写向けじゃないのと思ったら過去にドラマ&映画化されているようだ。ただ、学芸会にはうってつけの題材、演技力に問題のあるキャストの起用もあって評価はイマイチの様子。今夏にジャニタレ出演で再ドラマ化されるみたいだが、この内容じゃキャスト以前の問題だ

 

・群青のファンファーレ 0.8
絵に描いたような駄作と言うべきか。アニメ化までに紆余曲折があって大規模な改編が何度かあったのだろう。話の軸がぶれてよれているので話に引き込まれない。断片的にはいい所もあるが

キャラデザを見るに本作は女性向けを意識しているのだろう。実際の競馬学校では男性の候補生は坊主頭な筈だが、本作ではそうではない。全員坊主頭だとキャラの区別がつきにくいからなのだろうが、おかげで女性と男性の区別がつかない。女性らしくロングヘアにするなり巨乳にするなりすればいいと思うが、中の人をやや意識したのかショートで貧乳。主人公の有村優は元アイドルな割にはオーラが無い。全体的に没個性で地味、寧ろルー大柴教官とか脇役の方が脂っこい

ストーリーは大きく3つに分かれていて、1-7話は競馬学校、8-11話は厩舎実習、12-13話は学校に戻って模擬レース。全体的にお粗末だが、特に競馬学校編が酷い。1話から強引なBL展開にサラブレッドの2人乗りとか言語道断なやつまで。アニメだし多少のやんちゃはいいと思うが、2人乗りは予後不良になりかねんしな。因みに、BLは1話の次は最終話までお預けなので何でBL要素を入れたのか良く分からない。とりあえず女性ウケ狙いで入れとけな感じか

本作はJO1がOP、EDを担当しているが、本編でも声優として声を当てている。超絶棒読みを披露と言う事はないが、JO1を使う為に脚本を書き直したのだろう。おかげで元アイドル要素が膨らみ過ぎて競馬要素がおまけみたいになっている。まあ、競馬学校のカリキュラムは地味なのは確かだが、だったらさっさと厩舎実習編に行けばいいだけ

厩舎実習編だが、ここでは有村優ではなくBLの片割れ、風波駿が主人公になっている。だいぶ競馬っぽくなって競馬ガチ勢にとっては面白くなってきたと感じられる筈だが如何せん尺不足。レースシーンもカットやダイジェストばっかりだし。模擬レース編は…。やっとレースシーンが見られるって感じだが、中途半端なファンタジーはなあ…

全体的に見ると、まず騎手候補生が多すぎる。全員が騎手になる訳ではないしレースシーンを考えてだろうが、人数が足りなきゃ助っ人で他の人が乗るのが普通だし。個性に乏しい上に碌に掘り下げないのでキャラの存在感が薄い

それから肝心な所を端折り過ぎ。まず、有村優が騎手を目指した理由が弱く感じられるし、他にも理由をカット、理由を後ろの話に引っ張り過ぎとかでただでさえツッコミ所が多いシナリオの説得力を更に欠く結果に。まあ、元アイドル→騎手は元SMAPで現オートレーサーの森且行に着想を得ているのだろう

多分、本来はガチアニメにするつもりだったのだろうが、女性向きに改編、JO1フィーチャーに改編と少なくとも二度の大改編があったと思われ、それでシナリオの完成度が低いのだろう。ただ、ガチアニメとしてはツッコミ所多数だし、ガチ勢向けじゃないにせよG1のファンファーレは本物を使って欲しいし、皐月賞のレースシーンはカットとかかなり残念な点も。競馬学校の所在地は白井になっているし、まだまだ田舎な感じとかどうでもいい所はリアルなんだよなあ

 

・くノ一ツバキの胸の内 0.8
からかい上手の高木さん等で知られる山本崇一朗の原作。高木さん同様、癒し系作品ではあるが大きく見劣りする。まあ、高木さんも好みではないけど。作画はいいし、女の子達は可愛くて個性的なのだが、それを作品の面白さに繋げられていない

まずキャラが多すぎる。ツバキ達もグループ(班)を組んでいてこの班がメインなのだが、毎回他の1班がフィーチャーされてのショートストーリーが展開して、EDもその班が担当する形が続く。EDのキャストは声優がズラリって感じだが、原作未読だと1クールでキャラと名前を全て一致させるのは困難だろう

次に何を描きたいのかが不明。高木さんも本作も日常系作品ではあるが、高木さんは高木さんと西片の恋の行方と言うテーマがある。ツバキ達が属するくノ一軍団は男子禁制にも関わらずツバキを始め男子に興味津々な女子が多いが、これを上手くストーリーに繋げられていない感じ

何の盛り上がりもなくダラダラと進んで何となく終わってしまう感じでとてもお勧めできる作品ではないが、ストーリーなんてどうでもいいから、ゆるい“美少女動物園”で女の子達を愛でるのが目的ならいいのかも知れない

 

・それでも歩は寄せてくる 0.8
からかい上手の高木さん、くノ一ツバキの胸の内、そして本作と立て続けにアニメ化されている山本崇一朗原作作品。くノ一~はぶっちゃけ駄作だったが、本作は高木さんと同じラブコメなので多少は期待していたが…。まあ、高木さんも高評価ではないけど

本作を一言で言えば、劣化高木さん。うるしのキャラデザは高木さんに良く似ていることもあって、高木さんの二番煎じ感は否めない。中学生じゃなくて高校生、男女の攻守が逆なのが相違点だが、ぶっちゃけ今時の高校生が揃いも揃ってシャイなのは違和感アリアリ。特に歩は露骨に言動に出ているのに告白しないのは、マザームーンって叫んでいるのに某教会とは関係ないと言い張るレベル

本作は将棋を題材にしているので将棋アニメとしては見所があるならまだマシだが、将棋を指しているシーンは多いものの盤面は殆ど出てこない。まあ、本作はラブコメってことなんだろうな

ただ、うるしの友人のマキとか今風のJKなキャラも出てくるのでもっと引っ掻き回してくれればいいのだが、うるしを冷やかすものの基本的には見守るスタンス。宇崎ちゃんに近い感じか。脚本の問題じゃなく作者の作風なんだろうな。個人的には全く合わないことがはっきりしたので、この作者の作品は二度と観ないだろう

P.S. 違和感と言えば、〇澤さんの演じるキャラが爆乳なのは違和感しかない。魔獣王女、万歳!

 

・むさしの! 0.8
7年ほど前に放送された「浦和の調(うさぎ)ちゃん」の続編。所謂ご当地アニメだが、これを見ると八十亀ちゃんかんさつにっきが神作に思える。4期はイマイチだったけど

正直、1期よりは多少はマシといったレベル。何がしたいのか分からん。鉄道部でありながら鉄道ネタがないのを拘りにしたいみたいだが、本作から鉄道を取ったら何が残るのって思うが。今時のゆるい感じのアニメにしたいのは分かるが、ゆるキャン△だってキャンプはしているからなあ。鉄道は県内各地の紹介にはうってつけだし、もう少し県内の話題に触れるべきだと思うが

まあ、県内の話題に全く触れない訳じゃないが、埼玉県民でなくても知っていることとそんなん知りたくもないってネタと両極端な感じ。有名なネタから少し踏み込んだディープなネタに触れていくのがご当地アニメだと思うけどね

 

・ブッチギレ! 0.8
オリジナルアニメ。新選組の替え玉という発想は面白いが、ぶっちゃけそれだけの作品。タイトル通り、ブッチギリでつまらない作品なら多少は印象に残っただろうが、残念ながら(?)並の駄作ってところか

作画はそこまでではないが、武井宏之がキャラデザを務めただけあってキャラは如何にも少年漫画って感じ。今風のキャラだと歴史モノの背景に合わせた時キャラが浮いてしまいがちだが、そういったことはなく上手く溶け込んでいる

しかし、ストーリーは正直1話のAパートが最高潮。終盤もデキがいい訳ではないが、特に中盤まではかなりイライラする。近藤勇の代役である主人公の一番星は無鉄砲(というより◯カ)な上に決断力がなく、しかもバディである土方歳三の代役である朔夜と無駄に衝突してばかり。それなのに一番星をリーダーとして持ち上げるのは違和感しか無い

なぜ一番星がリーダーかと言えば、それは局長だった近藤勇の替え玉だからだろう。ただ、本作では代役を務めているにも関わらずキャラを本名で呼ぶので、一番星がリーダーの器とは思えないこともあって余計に違和感を感じさせる結果になる

とにかく全体的に中途半端。中途半端に歴史を絡めたありきたりな作品って感じで、どうせならもっとぶっ飛んだ作品にすれば良かったと思うのだが。こんなんじゃ歴史好きからは高評価は得られないだろう

 

・虫かぶり姫 0.8
原作は由唯の同名ライトノベル。2018年からコミカライズ版が連載中。虫と言っても昆虫のことではなく、所謂”本の虫”のこと。何よりも読書が好きなエリアーナとサウズリンド王国の王太子であるクリストファーの恋物語を描いた作品

本作を一言で言えば「激甘」。甘すぎる恋物語はカルピスの原液を10倍に濃縮したよう

ただ、面白いかと言われると…。あまりに展開に乏しい。イベント自体はあるのだが、そちらを記述するのではなくエリアーナの揺れる乙女心の描写がメイン

そのエリアーナがあまりに弱々しくてイライラする。芯の強さを感じさせる描写もあるにはあるが、ここまで自分に自信がないのは逆に嫌味に思える

作画はこんなもんでしょ。おっさんなので詳しくは知らんが、ザ・少女漫画って感じの作品なので少女漫画が好きな人なら楽しめるのだろうが、女性でも少年漫画が好きな人だとかなりイライラすること間違いなし。「妃の座を狙うならNTRだろ」とか考えてしまう不純な人達はお呼びでないってことだろう

 

社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。 0.7
タイトル通りの作品。幼女幽霊は確かに可愛いが、それだけ。後半に行くにつれ幼女幽霊が増えるが、とにかく可愛い一点押しなので単調。しかも、毎回違う男性声優に可愛いと言わせる始末

可愛さを活かして毒があれば良いのだが、この手の作品が好きな人はそういうのは望まないんだろう。30分枠だと明らかにダレるのでショートアニメなら少しはマシだったかも

どうでもいいことだが、(携帯の)カメラに映らないんだったらコピー機でもダメだと思う。基本的な原理は一緒だからね

 

・トライブナイン 0.7
『TRIBE NINE』はアカツキとトゥーキョーゲームスによるメディアミックス作品。アニメ版のタイトルはカタカナで『トライブナイン』

本作を端的に言えば『ヒプノシスマイク』に重度にインスパイアされた作品。『ヒプノシスマイク』はラップバトルによるディビジョン抗争を描いた作品だが、ラップバトルをXB(エクストリームベースボール)に、ディビジョンをトライブに置き換えたのが本作

本作の原案を担当した小高和剛が『ダンガンロンパ』シリーズに携わっていたからなのか、キャラデザは同シリーズっぽい感じ。ただ、作画はねえ。通常時に作画崩壊しているとかではないので折角のキャラデザがってことはないが、肝心のXBのシーンがねえ…。とにかく作画負荷を減らしたいのか止め画やエフェクトで誤魔化しすぎ

更に音量調整がおかしい。台詞に対してBGMの音量が大きすぎるので台詞が聞き取りにくい。どうせ本作は”内容は無いよう”なんだから、台詞なんて聞き取れなくても問題はないって考えているのだろう。実際、その通りだけど

結局、作品内で誰かが言っていた「ルール無用ってなると何でもありすぎて逆に楽しくないものだ」に尽きるだろう。『熱血硬派くにおくん』シリーズっぽいノリで楽しめるのは途中まで。ルール無用になって、逆に野球であることが足枷になっている。それと終盤の展開はねえ…。陳腐にも程があるというか。本作にお涙頂戴を求める人なんているとは思えないが

『東京リベンジャーズ』が流行っているし、やっぱり腐女子を釣るなら不良ものってことで作られた”志低い系”アニメの一つってことなんだろう

 

・其れ、則ちスケッチ。 0.5
ボキャブラ天国に出演していたフォークダンスDE成子坂のネタを後世に語り継ぐプロジェクトらしいが…。コント自体の面白さを証明する為に再メディア化ではなく女の子2人による新規コンテンツとしてアニメ化されたが、YouTubeの再生回数が示す通り残念な出来

キャラクターデザイン(コンセプトデザイン)は吉崎観音が担当していることもあってキャラ自体の出来は悪くないが、予算が無いのか表情に乏しい。スマホで撮影している風の縦画面だったり、実写と組み合わせてみたりしているが、アニメとしての見所はない

まあ、本作の売りは飽くまでネタであってアニメはおまけと言えなくもないが、中身もねえ。肝心のコントに入る前に、まずは設定。無人島で遭難してVlogを残すのはいいとして、何でコント動画…。無人島を探索して少しずつ事実が明らかになるが、最終話で救出されるわけでもなく何の意味があるのって感じ。島の探索中に脈絡なくコントに入る、それが12話続く

肝心のコントだが、うーん…。照れずにやっているだけマシだが所詮素人。テンポが悪いし、間の取り方が全然ダメ。それにオリジナルのネタを中途半端に改変しているから、Uber Eatsとか今時の話題が入る一方で笑っていいとも!とか持ち出すのはいつの時代なんだよって違和感がある

コントはノーカットで収録したらしいが、声優じゃなくて芸人にネタをやらせてからそれに画を被せないとコントの間や空気感は伝わらないと思う。それと前に述べたが、モーションだけはキャプチャーしているのか良く動くのだが表情がねえ。コントに表情は大切でしょ。どうせだったら、エクスアームみたいに雑なモーションキャプチャーで無表情の方がまだ笑えたかも

この出来でフォークダンスDE成子坂のファンは満足なんだろうか。納得するのは声優のファンだけだろう

P.S. テンポの悪さは1.5倍速位にするとマシになる。ただ、一本調子で上手く間が取れていないのは事実なので笑いには繋がらないかな

 

RPG不動産 0.5
所謂きらら系作品。ゆるい日常系作品と見せかけて実は…な作品と言うと、きらら系では「がっこうぐらし!」が思い当たるが比較するのもおこがましいって感じ

駄目な所を一言で言うと中途半端。伏線がない訳じゃないが、終盤の展開が取って付けたような感じ。全体的にテンポが悪く、ストーリー展開を重視するなら先の展開に関係ない客のシーンはカットして5,6話で収めるべき内容だと思うが、まだ原作ストックが少ないようでそれだと1クール持たないのだろう

明らかにアニメ化は時期尚早だと思うが、どうしてもアニメ化するなら話が展開する前の8,9話で終わりにすべきだっただろう。こういう中途半端な脚本はゆるい作品を好む人からもそうでない人からも低評価を喰らうことになるので、原作の評価も下げることになる

作画は悪くなくファンタジーっぽい感じが出ていて良いと思うが、戦闘シーンはイマイチ。いくらコロナ禍とは言え本作は作画負荷は軽いと思うし、ストーリー的にも見せ場な筈で作画を頑張って欲しかった

 

聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal- 0.5
当たりと言われるクールだがハズレも多くその内の1つ。神保昌登が監督兼シリーズ構成なので自動的に戦犯ってことになるが、過去にCHAOS;CHILD白猫プロジェクトアズールレーン等ゲーム原作の作品を手掛けていることから本作を担当することになったのだろうか

原作は1999年にPS向けとして発売された『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』。2021年にマルチプラットフォームでHDリマスター版が発売されたが、アニメは2022年。何故、ゲーム発売のタイミングに合わせなかったのかね

作画は普通レベルだが、キャラデザも背景も往年のゲームっぽい雰囲気で世界観を構築できていると思う

音楽はゲームと同じく下村陽子が担当。OPは歌唱力に定評のある早見沙織RPGらしい壮大な感じの曲で歌唱力が活きていると思う。ただ、曲を聞きたきゃサントラでいい訳だが…

で問題の脚本だが、率直に言って稚拙極まりない。全てを語り尽くす気にはなれないので掻い摘んで話すと、まず登場人物が馴れ馴れしくて違和感がある。「師匠」「お兄様」「久しぶり」…皆さん、初見なんですけどw1から描くと尺が足りないのだろうし、登場人物がかなり多くて皆を掘り下げることなんてできないのは分かるけどね

それにゲーム途中からの設定であれば、もう少し強くて然るべきだと思うのだが。主人公のシャイロがクソ弱い。こんなんじゃドラキー相手に全滅するんじゃないのw。まあ、アニメ制作を担当しているグラフィニカと横浜アニメーションラボは作画に定評があるとは言い難いので、作画負荷の高い戦闘シーンでボロが出ずに済んだと言えるが

次にこれは今クールに放送されたゲーム原作アニメである『アークナイツ~』にも言えることだが、話の繋ぎが雑でぶつ切り感が強いし、全体的に説明不足。ゲームだと細かい所まで設定されていないのだろうが、アニメ化するに当たっては間を補完する必要があると思う。中盤の話も”おつかいクエスト”をそのままアニメ化したような感じ

本作最大の問題点はシャイロとセラフィナが共存していること。ゲームでは男を選べばシャイロ、女を選べばセラフィナになり、どちらを選んでもストーリーは変わらないらしいのだが、本作では別々のエピソードが用意されている

その両者のエピソードをどちらも最後まで引っ張るものだから、終盤は回想ラッシュでごちゃごちゃしまくりで訳わかめ。最後は勿論、アニオリだと思うが、こんなんで泣けるのか。ぶっちゃけセラフィナ=サイコパスとしか思えないのだが

本作における珠魅は狩りの対象にされる可哀想な種族という側面だけでなく、罪作りな存在でもある。それをシャイロとセラフィナを反対陣営につかせることで浮かび上がらせようとしたいのは分かるのだが、特にセラフィナの秘密を引っ張りすぎたせいで珠魅の罪作りなところが見えてこない。アニメに限らず、両陣営を同じように描こうとすると大体失敗するものだわな

当に”ごらんの有様だよ”って出来なのでゲーム未プレイの人は勿論、原作に思い入れのある人にとっても満足のいく作品とはいかないのではないか。タイトルからしていかにも外伝って感じで聖剣なんて出てこないし、『聖剣伝説』シリーズの宣伝が目的なら聖剣が出てくるであろうナンバリングタイトルのシナリオをアニメ化した方が良かったと思うが、何か理由があったのかね

 

・フットサルボーイズ!!!!! 0.3
ソシャゲ連携、女性向けのキャラデザ、若手男性声優多数起用と地雷臭が半端ないが、1話OP突入前に駄作と確信するレベル。一応最後まで観たけどね…

まずは声優。全員とは言わないがキャリアの浅さを隠せない人がちらほら。まあ、棒演技って程では無いし青春アニメには合っているとは思うけど

次に作画。試合中以外でも崩れかけているのに試合の作画に期待できる筈もなく、止め画、上半身アップ、エフェクト等でごまかしている。極めつけは決め技とか言う中途半端にフットサルを冒涜する技。どうせならもっとぶっ飛んだ技の方が良かった

最大の問題点は脚本。ヤンキーとのフットサル勝負に2話使うとか。今期の野球もどき作品もそうだが、不良がスポーツ勝負とか押忍!番長かよ。ヤンキーとの勝負が終わった後は割と普通の展開に思えるが内容は薄い。1クールのアニメで全ての試合を詳細に描く訳にはいかないのは理解できるが、フットサルは1チーム5人だし自チームの選手位掘り下げるべきだと思うのだが…

それができない理由は本作のメインテーマが榊君のパス問題だから。特定のチームメイトにどうしてもパスが出せないと言う話を1クール引っ張る暴挙。しかも理由は…。試合も榊君のパス問題がメインなので試合に集中できない。まあ、作画が酷いのも原因だと思うが

女子向けスポーツアニメに競技シーンやストーリーなんて関係ないってことなんだろうが何だかなあ。フットサル愛が全く感じられず、パチスロエウレカセブン以上にフットサルを冒涜していると言わざるを得ない

 

・錆色のアーマ-黎明- 0.3
漫画やアニメより舞台が先という通常のメディアミックス展開とは逆の"逆2.5次元舞台"プロジェクトらしいのだが、一言で言って"お粗末"。まるで「テルマエ・ロマエ 戦国時代編」の如く毎話のように入浴シーンがあり(但し男性)、上半身裸のシーンが多い等明らかに女性をターゲットにしているのだろうが、今女性の間でブームな某鬼狩りと比較されたら目も当てられないと思うが

全てにおいてヤバいが、まずは作画。所謂(雑な)3Dモデリングをしているエクスアーム枠。モデリングの酷さはエクスアームを上回っていると思うが、動きが少ない為に目立たない。ストーリー的に戦闘シーンが売りの筈だが露骨な手抜きが目立つ。この手のアニメにありがちな表情の乏しさは勿論だが、モデリングされていない非主要キャラは口パク一切無しの潔さだ

キャラだけでなく背景も酷い。ウン十年前の中国アニメかよって感じ。舞台が戦国時代なのでまだマシだが、スペイン(イスパニア)まで同じタッチで描かれるのでとてもヨーロッパとは思えない。古臭い背景に今風の3Dキャラと言うのが違和感アリアリで色んな意味で浮いている

声優も酷い。本作は舞台版のキャストの多くがそのまま声を担当しているが、勿論プロの声優ばかりではない。舞台ではアニメより大きな演技を要求される筈で、そのままだと寧ろ演技しすぎに思えて当然だと思うが、まさかの棒。まあ、発声や滑舌がプロっぽくないのは仕方ないにせよ棒演技は勘弁。シリアス場面での棒演技は本作は実はギャグアニメだと思うしかない

本作は今季だとオリエントと同じ仮想戦国時代。オリエントよりはイメージ破壊度は低いし、各キャラの過去が絡み合うストーリーはプロットとしては悪くない。ただ、脚本としては戴けない。回想の入れ方が下手過ぎて、ここで回想かよって所で入るし回想と現在の区別がつきにくい。SFやサスペンスじゃないんだし、こういう構成にする必要はないと思うが

それと1クールのアニメで全主要キャラの過去を同程度に掘り下げる必要があるのかって思ってしまうが、上述のように各キャラの過去が絡み合っているし、原作が舞台らしい脚本ではあるだろう

ラストは無難なハッピーエンドだが、このクオリティならジビエートみたいなぶっ飛んだエンディングの方が歴史に残ったのに。正直、〇〇学院の卒業制作の方が数段クオリティが高いだろう。この出来でメディアミックスを画策するとかアニメ界を冒涜していると言わざるを得ない

 

・忍の一時 0.3
ゴミ。脚本の稚拙さだけなら今年ワースト級、とても脚本と呼べる代物ではない。かの高橋ナツコ女史でさえ脚本にはなるからな。オリジナルアニメなのでプロットは監督、脚本に仕上げるのが脚本家だろうが、監督の渡部周は演出がメインで監督経験は過去1作のみ、脚本の高野水登はTVアニメのシリーズ構成はおろか脚本さえ初めてで、あの『映像研には手を出すな!』のドラマと実写映画に関わった人物。アニメは面白かった作品がゴミと化したのは明らかにこいつのせいだろう

本作でもその手腕は遺憾無く発揮されていて、本作を一言で言えば「闇鍋定食IQ1風味」。とにかく詰め込みすぎ。登場人物もソシャゲ原作かよと思う位多い。何を軸に描こうとしているのかが全く伝わらないし、世界観を構築できていない

”全員、忍者――敵か、味方か?裏切りのどんでん返しが待ち受ける現代忍侠アクション!”らしいのだが、目的不明、行動原理不明では裏切りかどうかも分からん。増しては◯に◯◯◯◯◯◯◯とか、それは裏切りなのか。稚拙な脚本のせいで超展開にしか思えず、”先の読めないオリジナルニンジャアクション”にはなっているが。まあ、これを忍者と呼べるのかって話だが

「どうしてだよ」「何でこんなことになんなきゃいけないんだよ」。それは視聴者の台詞だよw

無駄に作画だけはいいが、この脚本じゃ寧ろ『ジビエート』みたいに酷い作画の方がお似合い。突っ込み所しかない作品なので、ニコ生等で皆でツッコミながら見る分には良いかも知れないが、レンタルで一人で見るのは明らかに時間と金の無駄

最後に脚本や設定については他にも突っ込み所の山なのでこれ以上触れないが、固有名詞は正しく使わないとな。雑賀衆はさいがしゅうではなくてさいかしゅう、甲賀はこうがではなくてこうか。後者に関してはこうが読みが一般化しているが、偶々忍者の話が出てきたとかなら兎も角、一応(似非)忍者ものだからねえ。こういう所にもクオリティの低さが垣間見える

 

・シュート!Goal to the Future 0.2
「シュート!」は1990-2003年まで週刊少年マガジンに連載された大島司によるサッカー漫画で、1993年には「蒼き伝説 シュート!」のタイトルでアニメ化されている。本作は原作の時代からだいぶ時間が経って弱小チームと化した掛川高校サッカー部を立て直す話を描いたオリジナルアニメ作品で、神谷篤司ら原作で活躍した選手が指導者として登場する

この点数なので酷評祭りとなるが、まずは作画。作画崩壊ということはないが、キャラデザが今風ではないのを含めてパッとしない。それより問題は試合中で、背景に線を描いて動いているように見せかける演出が多すぎる。まあ、全く動いてないことはないし、もっと躍動感が感じられないサッカーアニメもあるが、折角累計5,000万部を超える”サッカー漫画の金字塔”を約30年ぶりにアニメ化するのだから、もう少し頑張って欲しかったものだが。尤もこの内容では作画が良くても世間の評価はボロッカスだろうけど

で問題のストーリーだが、プロット自体は上述通り弱小サッカー部を立て直す王道の話なので悪くないが、肝心の部員達が沸点の低いバカの集まりって感じで話の腰を折る。そのヤバさは第1話から相当なもので、因縁をつけてPK勝負というありがちな展開に持ち込むと、この俺様からゴールを奪うとはあり得ないと曰う彼のポジションはGKではない。素人キーパー相手に決めるのは普通だろ…

ただ本作で一番ヤバいのはBL要素で、全員すっぽんぽんでプールとか”彼氏”を盗られたと逆恨みして闇堕ちするメガネとか色々あるが、クライマックスは第2話。主人公の幼馴染で現在は別の高校に通う小久保公平、こいつがとにかくヤバい。異常なほどスキンシップを求める彼は敵チームにも関わらず試合中に逆走して主人公に付き纏う。この後暫く登場しないのは救いだが、終盤に再登場してとんでもないことに…。昨夜は(けつなあなで)お楽しみでしたねとしか思えないのだが

更にこれらの要素のせいで内容が薄い。サッカーは少なくとも選手が11人必要で、選手の掘り下げや試合シーンを描くことを考えればそもそも1クールでは相当厳しい。レジェンドサッカーアニメのようにシュートを打つまでに何話もかける必要はないが、大切な試合位はきっちり見せるメリハリはつけて貰いたかった

とにかく志の低さしか感じられない作品。人気スポーツ漫画にBL要素を足せば、男性からも女性からも支持されてウハウハって安直な考えだったのだろう。実際はいくらBLが好きでも、EDのくねくねダンス等狙いすぎていて態とらしいのには拒否反応を示しそうだが。勿論、BLに興味がない人は言うに及ばず

ネタアニメとして笑えるという意見もあるが、流石に同意しかねる。「ジビエート」みたいに最高の作品になる筈が歯車が狂って明後日の方向にって作品なら笑えるが、原作へのリスペクト0の安易な作品には不快感しか感じない。関係者は猛省して欲しい

2022年に放送・配信されたアニメレビュー(その2:評価1.8-2.5)

2022年に放送・配信されたアニメレビュー(その1:評価2.6以上)の続き

 

・てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!! 2.5
声優三姉妹【チームY】が原案協力しているメディアミックス作品で、まずは漫画「てっぺんっ!!!」がスタート。本作は漫画を原案としたオリジナルアニメ

チームYの3人が扮する漫才トリオ「ヤングワイワイ」がお笑いコンテスト「てっぺんグランプリ」を目指す設定は共通だが、アニメではライバル4組と共にタカコ荘で合宿生活を送りながらのドタバタ日常系コメディになっていて、漫才色は薄くなっている

漫才色が薄いのは賛否両論だろうが、個人的には大英断だと思う。漫才を題材とした作品は最近だと「まえせつ!」「其れ、則ちスケッチ。」等があるが、ハッキリ言ってイマイチにも届かないレベル。漫才の間やテンポ、(会場の)空気感を表現するのが極めて難しい印象

タイトルの!は人数を示していて、漫画ではヤングワイワイの1組(3人)だが、アニメでは他に4組(12人)が加わり15人に。15人を1クールで捌くのは普通に考えれば地雷警報だが、基本トリオでの行動が多いし、ビジュアル的にもキャラクター的にも個性的で誰が誰だか分からない状態にはならない

演技が全体的に大きいが、一応お笑いを題材にしている上にドタバタコメディなので違和感はない。小ネタ(パロディ)がふんだんに盛り込まれているが、ジャンルが多岐に渡る上に古いネタも多いので、若いアニヲタや声優目当ての人には厳しいかも

ただ、凄く面白いかと言われるとそこまでではない。坂田銀時のいない銀魂って感じだが、銀魂ほどの切れはない。あと最後は中途半端。漫才はオマケなんだし、無理にてっぺんグランプリに繋げなくても良かったと思う

 

・殺し愛 2.4
全体的に見ればそこそこ纏まった作品だと思うが、色々と損している作品。タイトルが昭和っぽいし、1話を見るとナンパな殺し屋の寒いプロポーズを永遠に見せられるのかとウンザリしてしまうが、3話位まで見れば明らかに訳ありなのは分かる。タイトルも最後まで見れば納得

中途半端と言うよりは捉え所の無い作品と言うべきか。キャラデザは女性向けに見えるが乙女ゲー要素は少ないし、ラブコメかと言われればそういう要素はあるがコメディ要員は寧ろ天﨑滉平演じるジムだし、サスペンスかと言われればストーリー進行上過去が分からないから必然性に乏しくて緊迫感に欠ける

色々な仕事(事件)に関わりながら少しずつ主人公達の過去が明らかになるストーリーかと思いきや(現在進行形の)事件はおまけのようなもの。本作のメインテーマはあくまでシャトーとリャンハの過去。事実が少しずつ明らかになりながら二人の過去がクロスオーバーしていくのは面白いし、アニメと言うよりはドラマのような脚本。OP、EDも大人な雰囲気で、本作はアニメをあまり見ない人がドラマを見る感覚で見る作品なのかなと思う

本作は原作の7巻辺りまでをアニメ化したと思われ、1クールの作品としては消化が早い方。ただ、これでも冗長に感じる。ストーリーの区切り上ここで切りたかったんだと思うが、10話位で纏めても良かったように思う

 

・スローループ 2.4
可愛らしいキャラ、アウトドア、明るいボケ役と無口なツッコミ役と言えば某キャンプ作品を思い出すが、本作はアウトドアはおまけ要素でしかない

本作の題材になっているのはフライフィッシング。本作を見ていればフライフィッシングの知識は身に付くと思うが、魅力が伝わるかと言えば…。フライフィッシング自体が地味だし、作画は普通だし、釣りに割くべき尺を料理にも振っている感じだし

また、本作の登場人物はやたら重い過去を背負っているが必要なのか。過去を掘り下げる訳じゃないし、内容の発散、テンポの悪さにしか繋がっていない

これは小生は気にしない要素だけど、本作の舞台は横須賀だが、主人公達は暇さえあれば釣りだし、横須賀以外の場所に釣りに行くことも多く横須賀観光要素は皆無。バイトしている店は横須賀海軍カレー本舗をモデルにしていると思うが

本作は所謂日常アニメで、家族愛をはじめとしたアガペー溢れる日常生活を送るうちに心の澱を取り除いていって自分自身に素直になっていく様を描く作品なのだろうが、正直ドラマの方が良いかも。アニメ向きの作品ではないと思う

アウトドアと言うと、最近だとゆるキャン△とか放課後ていぼう日誌等がアニメ化されているが、アウトドアの魅力と緩いギャグと言うノリではないので、ああいう作品が好みの人向けではないと思う。スーパーカブとかきららだと恋する小惑星辺りの作品が好きな人向けだろう

 

・王子の本命は悪役令嬢 2.4
所謂僧侶枠。最近の僧侶枠はパロディが多いが、乙女ゲーの世界に転生する本作は「はめふら」辺りを意識しているか。ただ、「はめ」は破滅じゃなくて〇〇〇をはめるだが

転生RTAと呼ばれるようにあまりに呆気ない転生劇は笑える。この手の作品はテンポが悪いものが多いからアンチテーゼになっているし。ただ、僧侶枠=AVみたいなものなのでストーリー展開に関しては強引で構わないが、世界観はきちんと提示して欲しかった。鬼詰のオメコが評価されているのは鬼滅の世界観を表現できているからだと思う

それと作画が…。バラツキが酷すぎる。コメディとしては良くてもエロとしてはなあ。この作画レベルでは課金して全開バージョンを観たいとは思えない

僧侶枠にしてはストーリー性が強いしツッコミ所も多いので、ニコ生等でコメントしながら観るとより楽しめるだろう

 

・であいもん 2.3
タイトル的に「ばらかもん」と比較してしまうが、疑似親子が絆を深めていく過程を描いているのは共通している。ただ、本作は大人の世界を描いた作品なので、ばらかもん程はっちゃけた感じではない

本作は全12話で、各話が時系列で等間隔ではないが和菓子と京都(近郊)の風景で1年を表現している。緻密な心理描写、特に女性の恋心の描写は女性らしい目線だと思う。作画は今時のくっきりとした描画でなく水墨画っぽいタッチだが、京都の雅と周りが温かく一果を見守る感じが出ていて作品にマッチしている

ただ、正直まずまずの作品って感じで引き込まれるかと言われると…。その最たる原因は設定が雑な所。まず主人公の片割れの和。チャラ過ぎる。周囲は気難しい人が多いので対照的に描きたいのだろうし、チャラさは人当たりの柔らかさに繋がっていて悪く描こうとしていないのは分かるのだが、作品中で明らかに浮いているし演技のせいもあると思うがくどい感じ

それからもう一人の主人公の一果。和になつかないのはいいとしても毛嫌いするのは何故?父や母のことは恨んでいる訳でもないようだし。父の代わりはいないと思っているにせよ、毛嫌いする理由に乏しいように思える

更に脇役たちもなあ。多すぎるし、脇役の中でもっと強弱をつけないと。1クールしかないのに群像劇風味。それに加えて主人公の性格に感情移入できないから余計に発散した感じを受けてしまう。原作がこうなのかも知れないが、原作の忠実なコピーがいい作品とは思わないしもっとブラッシュアップして欲しかった。凄く勿体無い感じ

 

・炸裂!あまびえ姫。 2.3
テレ玉で放送された5分アニメだが、YouTubeでも視聴可能。アマビエは疫病封じの妖怪だが、本作の設定には関係ない。ただ、コロナ禍に着想を得たのだろう

ストーリー性は皆無で、毎回、あまびえ姫と執爺が困っている人を助けたり助けなかったりする作品。キャラデザは子供向けアニメに見えるが、シニカルな話も多い。パロディネタもシニカルの代名詞と言える笑ゥせぇるすまん等、子供じゃ元ネタが分からないかも

基本的には気まぐれな姫のゆるい話だが、上述のようにシニカルな話もあるしショートアニメなのでテンポは悪くない。ただ、あまりに自由過ぎる。登場の仕方もアマビエの似顔絵を書いて呼び出した人を助けるのが基本パターンだが、気まぐれで登場したり、解決方法もシニカルな話もあるが、その逆に励ましたりする内容もあったりで落ち着かない。どちらかは固定にした方が良さそうだが

それと本作もショートアニメにありがちな似非声優多数起用パターン。主要キャラのあまびえ姫と執爺は悪くないし、内容的に演技で台無しという感じではないが、パンダ商法は時代錯誤だと思う。YouTuberのファンが見てくれると言っても、視聴するのはごく一部。似非声優多数起用の時点でアニメファンから地雷扱いされるし、コストカットが目的なら声優さんに色々な役をやって貰った方が安上がりだと思う

 

・ハーレムきゃんぷっ! 2.3
放送開始前に炎上騒動があったが無事放送。僧侶枠なんてAVと一緒で結局ヤるのがお約束で、視聴者側は強引でリアリティに欠ける展開を笑いながら見るものだと思うが、良くも悪くもクラスタ化が進んで価値観を共有するのが極めて困難なご時世、「真に受けるな」は通用しないのだろうな。ただ、価値観を共有できない社会では規制は一番厳しいところに合わせられるようになることは頭に入れておかないと

タイトル通り、某キャンプアニメ(漫画)のパロディになっていて、登場人物(犬)は勿論、キャンプシーンで流れる音楽も本家っぽいサウンドになっている。しかし、キャンプシーンは少ない

股間のテントは常時設営中な高校(?)教師も相当酷いが、キャンプ部の生徒達もお股がゆるキャン△で大概にせえやって感じで、事前に混浴風呂で張り込んでいる教師を分かっていながら誘惑しにいく生徒といった斜め上の展開は笑える。生徒の中で唯一貞操観念がある志摩リン的ポジションのハルキも結局…

但し、僧侶枠なんてこんなものとは言え余りに内容に乏しいのも事実。もう少しキャンプシーンを多くしてゆるキャン△パロディ色を強くして欲しかった。個人的には大人のキャンプ道具を大塚明夫のナレーションで紹介してくれれば最高だった

 

ヤマノススメ Next Summit(4期) 2.3
しろ原作の漫画「ヤマノススメ」のアニメ化で、本作は4期目。過去作は未視聴だが、本作は最初の4話が3期までを振り返る内容なので視聴してみた

JKのアウトドアものと言えば「ゆるキャン△」が思い出されるが、「ゆるキャン△」よりコメディ色が薄く、登山に関してはかなりシビア。ここまでに登っている山はガチ勢じゃなくても登れる山だが、いい加減な姿勢で臨むことなかれと登山の楽しさだけでなく厳しさも思い知らされる内容になっている

ただ、本作の評価は最初から観ていた人とそうじゃない人とで大きく分かれるだろう。最初から観ていればあおいが満を持して富士山にリベンジして万々歳って思えるのだろうが、途中から観た人にとっては何となく富士山に再アタックしている感じにしか思えない

総集編で過去に富士山に登頂を試みて失敗しているのは分かるのだが、5話からの本編に上手く繋げていない。特に5話、6話と立て続けに新キャラ登場になるのは大きなマイナス。ただでさえ展開が早いのに、キャラへの理解が深まる前に富士山の話になっちゃう感じ

5話のキャラは本当に新キャラみたいだが、6話のキャラは過去作を観ていれば新キャラではないようだが本作から観た人には分からない。いつバイトを始めたんだよw4話のBパートはダイジェストじゃなくてキャラ紹介にしておけば、新規勢がスムーズに本編に入れたと思うのだが。制作陣は新規勢なんていないって思っていたんだろうか。全部アニメ化するつもりならまだまだ先がありそうなのに、みすみす新規を取り込むチャンスを逃すのは勿体ない

作画は悪くない。総集編には新規カットも入っているようだが、作画が向上しているのが分かる。写真のようとまではいかないが、山からの風景は作画も力が入っているのが分かる

 

・八十亀ちゃんかんさつにっき(4期) 2.2
名古屋愛溢れるアニメもついに4作目。本作ではストーリー性が強く、写真部存続ネタを1クール引っ張るとは某フットサルアニメかよって感じだが、1話3分なので30分アニメなら2話途中位。小ネタメインだしこんなもんかね

今作では関東出身キャラが大量に加わったが失敗だと思う。本作は飽くまで中部ネタがメイン、関東キャラも結局東京に対して卑屈になっているのは変わらず、それをベタネタでやられても面白みに欠ける

5期があるのか分からないが、翔んで埼玉なんかと一緒でこの手の作品は原作のエッセンスさえ押さえていれば原作に忠実である必要はないと思うし、新関東キャラは今回で終わりで。ただでさえキャラが多いのに更にキャラを追加するとすればリストラは必須だろう

P.S. ローカルスーパーネタはもっと話数を使えばいいのに。岐阜に神奈川のスーパー、ロピアが進出した際はオープン初日に大行列ができたらしい

 

・よふかしのうた 2.2
コトヤマの漫画作品のアニメ化。タイトルの「よふかしのうた」はCreepy Nutsの同名曲に由来していて、アニメのEDにも使用されている

本作で特徴的なのはタイトル通り主人公(達)が夜更かしをする話なのでシーンの大半が夜なこと。その夜の表現が特徴的で空こそ暗いものの、街のネオンを強調してかなり明るいイメージで本作の独特な雰囲気に一役買っている

ストーリー的にはボーイミーツガールからの青春群像劇。特に思春期に多い恋愛の悩みだけでなく、誰しも悩みを抱えて生きているもので社会不適合者と卑下することなく生きろという人生讃歌が根底にある

ただ、面白いかと言えば正直微妙。あまりに展開が遅すぎる。その割にはナズナが何故、眷属作りに拘らないのかとか肝心な話には触れないし。後半になって話が動き出すが、展開が遅すぎたせいか中途半端な終わり方だし、何よりそこまで興味が続かない人も多そう。序盤から虚々実々の駆け引きがあったり、心情が揺れに揺れまくるって話じゃなく、寧ろ話が進んで他の人の話を聞いて心情が揺れているからねえ。まあ、大人から見たら他愛のない悩みでグダグダしている様は青春ジュブナイルって感じではあるが

本作は原作の5巻位までをアニメ化したと思われ、最後はアニオリっぽい終わり方。現在15巻まで行っているみたいだし、最後までアニメ化できなくても2クールならだいぶマシだっただろう。しかし、急遽1クールになったならともかく、最初から1クールしか無いのなら脚本に一工夫して欲しかった

EDだけでなく、OPや挿入歌もCreepy Nutsの楽曲だが、作品に合っているかと言えば…。風景こそオシャレな感じだが、中身は青臭いからねえ。ただ、HipHop自体、若者文化の象徴で、背伸びしている所もあるという点では合っているのかも

キャラデザにも癖があるし、人を選ぶタイプの作品の典型。話が動き出すのは後半とは言え、2,3話見て合わないと感じたら最後まで見ても一緒だろう。本作が好きという人はストーリー以外の所に魅力を見出していると思われる

 

・おにぱん! 2.1
人間と鬼が共存する世界で鬼っ子達が鬼のイメージアップの為に奮闘する話。テレ東系の「おはスタ」内で放送され、月~金曜日の5回で1エピソードが展開される形

基本ゆるい日常系。パロディや小ネタが多く笑えるが、子供向け番組で放送している割には古いネタもある。作画はWIT STUDIOにしてはまずまずと言ったレベルだが、日常系だしアクションシーンはしっかりとしている。キャラは可愛いし、主要人物は多くないので覚えられないようなこともない。主題歌(ED)は前半と後半で違う曲だが、どちらもクオリティは高い

それでもこの評価なのは本作には超弩級の地雷が控えているから。主役の鬼っ子3人は素人声優で1話から超絶棒読みが炸裂する。基本ゆるい日常系なので声優で台無しとまでは言わないが、前半のエピソードはしんみりするような話もあり、それをこの演技でやられてもね…。後半になると演技に慣れてきたのは実感できるが、それでもプロの声優とは演技力に大差があるしシリアスエピソードは必要なかったと思う

1話放送時点で炎上したようだが、配信はAbemaやニコ生等無料で見られるサイトでは無かったのは彼女達にとっては救いだっただろう。下手と言われるのは当然にしても、これだけ声優がポピュラーになっている時代に超絶ド素人を起用する神経を疑う

 

・その着せ替え人形は恋をする 2.0
本作を一言で言うと中途半端。ストーリーのテンポは悪くないが、新菜の今時の学生らしからぬ言葉遣いがコメディとしては致命的。いくら女性に慣れていないとは言え、ある程度仲良くなったら流石に敬語はないでしょ。ましては高校生だしねえ。海夢は普段は活発なのに、男女を意識するとよそよそしくなるのはラブコメらしいが

途中の話で出てくる乾姉妹をもう少し絡めればラブコメらしくなったかも。新菜同様口下手だがダイナマイトバディの乾妹がボディランゲージとばかり新菜のDTを奪うとかなら一気に修羅場を迎えるが、流石に炎上しそうだし、描きたいのはラブコメじゃないんだろうな。本作のファンもそういうのは望まないんだろうし

コスプレに関してはコスプレの衣装作りや撮影に関するノウハウ等も取り入れられているし、コスプレ会場に出向いたりして新たな人と知り合ったりする様子が描かれているが、本作におけるコスプレは手段だろう。同様に雛人形作りについては雛人形こそ出てくるものの、作っているところは殆ど描写されない。舞台が(人形で有名な)岩槻だし、もう少し雛人形作りに関する話があっても良かったと思うが1クールでは難しいか

本作の作画は良好なのでコスプレは映えるし、海夢は乾妹程ではないがメリハリボディで見られることをあまり気にしないのでラッキースケベは堪能できる。いくら過激なシーンでも海苔じゃ興奮しないからね…

ただ、本作はコスプレを通じて自分の殻を破り成長していく過程を描くのがメインと思われるので作画の良さが活きているとは言い難い。心理描写メインならドラマの方が良さそうだが、このタイトルだと誤解を受けるか。まあ、「妻、小学生になる。」を22時台に放送できる位だし、深夜ドラマなら何の問題もないだろう

 

異世界美少女受肉おじさんと 2.0
毎クール大量に作られる異世界転生もの。他の作品といかに差別化するかがポイントだが、本作はおっさんと(美少女に転生した)元おっさんのラブコメ

作画はこんなものだと思うが、キャラデザはイマイチ。イケメンの神宮寺はサラリーマンならこんなものかなと思うが、美少女の橘は可愛いが端正な顔立ちとは言い難い。この姿で簡単に魅了されるかね。まあ、設定と言われればそれまでだが

神宮寺と橘の掛け合いはM・A・Oが演じる橘の演技もあって面白いが、パターンが限られるので食傷気味。それと頻繁に挿入される回想がテンポを破壊する上にエピソードがまともなので面白くない。ギャグアニメに常識人はいらんから。ストーリーもありきたりだし、ショートアニメが良かったかも

全体的に緩い雰囲気だし、普段異世界ものを観る人向けの軽めのコメディなのだろう

 

・邪神ちゃんドロップキックX 2.0
邪神ちゃんドロップキックも3期目。アニメ製作資金をクラウドファンディングふるさと納税で集めたり、切り抜き動画対策に公式自ら細切れ動画をアップロードするなど前衛的な試みが目立つ

但し内容の方はどんどん保守的に。まずキャラが多すぎる。2期でも多すぎたのに更に増えたからなあ。明らかにキャラを捌き切れてない。それにいくら日常系コメディとは言え何が軸なのか分からない。時折、思い出したように(本来の目的である)邪神ちゃんが(花園ゆりねを殺して)魔界に帰ろうとする話が挟まる感じだし

それから旅行回が多すぎる。2期でも北海道旅行に行っているが、今回は釧路、帯広、南島原富良野と4週連続はダレる。最近は聖地ビジネスが盛んで自治体とwin-winの関係になれるなら悪くないが、そう上手くはいかないもので。本作の内容について富良野市議会で揉めたが、自治体が求めがちな無難な内容は邪神ちゃんのアングラでブラックな笑いとは相容れないばかりか、マイナーアニメの無難な話で聖地ビジネスが成り立つ程甘くはないのが現実

アニメを作るのに金がかかるのは当然だし金集めは結構なことだが、内容を指図されないようにする必要はあるだろう。まあ、それ以前にキャラをリストラしないと厳しい。どんどん中途半端になっている印象で、今のままだと尖ったアニメとしても(キャラ推しの)緩めのギャグアニメとしても埋没してしまいそうだ

 

・PUI PUI モルカー DRIVING SCHOOL 1.9
モルモットが車になったモルカーの日常を描いたストップモーションアニメの2期。今回はタイトル通り、舞台が自動車教習所になっている

製作期間は短かったと思うが、映像のクオリティは保っている。モルカーは相変わらずコミカルで可愛いし、どことなくアメリカアニメっぽい雰囲気は変わらない

ただ、ストーリー面では正直劣化した感じ。1期で監督を務めた見里朝希は一歩引いたスーパーバイザーになり2期では小野ハナ監督になっているが、1話内でのメリハリもちょっとシニカルな目線もなくなって、ストーリーにダラダラ感がある

その分、キャラ推し感が強くなったのと、ほっこりするようなエピソードが増えた感じ。でも、キャラ数はもっと絞るべきだったと思う。ショートアニメ12話だと30分アニメなら1.5話分程度なので、多くのキャラを印象付けるには尺が明らかに足りない

シニカルな目線とかいいから、とにかくモルカーの可愛らしさを堪能したい人にとってはいいのかも知れないが、見里監督の作風が好きな人にとっては満足度は低いだろう。3期があるのだったら見里監督復帰を願いたい

 

・シャインポスト 1.9
コナミデジタルエンタテインメントとストレートエッジによるメディアミックス作品。ゲームはまだ発表されていないようだが、メディアミックス=ソシャゲ展開=キャラクター過多の悪循環に陥りがちな上に今季だけでも何作もあるアイドルもの。地雷の予感しかしないが…

本作の特徴として、最近の作品にしては珍しくメンバーを掘り下げるのにじっくり尺を使っている。他のグループを含めてそれなりに登場人物は多いが、描きたいのはTiNgSのメンバーとマネージャーで他のキャラとは明確に強弱がついている

ただ、面白いかと言われるともう一息。テンポがあまり良くないし、とにかく盛り上がらない。一言で言えば1クールアニメの脚本じゃない。メンバーの掘り下げにかなり尺を使っている上に終盤の話はもっと先を見据えての展開に思えるので、最終目標に向けて全力でって感じが伝わってこない

各キャラ毎のエピソードも没個性的で面白くない。メンバーを慮っての行動ってことにしないと炎上しかねないのもあるのだろうが、だったらそうじゃないだろって言いたくなる

その一つの要因がマネージャーの特殊能力。これ考えた奴アホだろ。嘘も方便と言うように嘘が絶対にダメとは思わないし、何よりマネージャーとメンバーが理解を深めていく過程に意味がなくなる。ペカるかペカらないかって…、ジャグラーかよ

それとマネージャーの女も必要ない。特殊能力よりはマシだが、ただでさえ盛り上がらないのに興味がそちらにいってしまうからねえ。まあ、全ての道は○に通ずは悪くないしタイトル回収に繋がる話ではあるが、1クールアニメなんだし取捨選択しないと

あと声優が…。新人アイドル役なのでまだマシだが、声優としてキャリアを積んでいる人とそうでない人が混ざっていて露骨に実力差がある。ただ、もっと問題だと思うのは歌唱の方。下手って程ではないけど、もう一つ印象に残らない。グループだと埋没してしまうのかね。ストーリーが平板なので、より演技や歌唱で成長しているのが伝わるかどうかが重要だと思うが

作画だけはいいので、アイドルアニメ好きなら悪くない作品なんだろうが、そうでない人にとっては特に印象に残らない並の作品って感じだろう

 

チェンソーマン 1.9
藤本タツキによる漫画のアニメ化。かなり期待度の高い作品であったが、正直イマイチ。本作を一言で例えると”劣化呪術廻戦”。印象に残らない並の作品。原作未読だが、原作ファンが怒るのもわかるデキ。新人監督に任せたのは大失敗だったと思う

まず世界観を確立できていない。OPを観る限りではギャグ要素もある作品だと思うし、作画からは生々しい描写もあって重苦しさを感じる、一方ストーリーは淡々と進み、”劣化呪術廻戦”と称したようにクールな感じ。一体何を目指しているのって思う

更にテンポが悪い。特に序盤。無駄なシーンが多い。主観映像的な引きでの台詞なしの描写が度々入るが、メリハリ不足なこともあってテンポの悪さに拍車をかけている

ダメ押しで盛り上がりに欠ける。無駄が多いとは言え1クールではプロローグにすらなっていない感じで、分割でもいいから2クールでやるべきだっただろう。ただ、この監督じゃなあ…

2クールは無理にしてもパッションが足りない。マキマやアキなどクールなキャラはそれでもいいが、主人公のデンジやパワーのようなビースト感が強いキャラだと淡々とし過ぎなんだよなあ。「おっぱい揉ませろ」とか「キスさせろ」とかクールとは程遠いでしょ。それにデンジたちの境遇は正直割に合わないモノだが、こういう苛烈なタスクを請け負う悲壮感みたいなものが感じられない

監督はアニメが嫌いらしくて(実写の)映画のような作品を目指したらしいが、率直に言って実写映画に対する理解が足りていないと思う。台詞をボソボソ喋るのも逆効果。字幕がなければ何言っているか分からない。邦画なのに字幕が必要なのは天龍源一郎だけで十分だからw

それとエンディングテーマを1話毎に変えるのはどうなのかね。カバー曲やキャラソンなら分かるけど、曲の印象が全く残らない。鬼滅の刃(立志編)がヒットしたのって2クール作品でありながら、OP(とED)を途中で変えなかったのも一因だと思う。1クールで変更だったら紅蓮華もヒットしなかったと思うし

酷評になったが、原作未読かつ押井守っぽい作風が嫌いでなければ受け入れられるのかも。アニメ制作はMAPPAなので、作画クオリティは高いしね

アニメ映画制作が決定しているが、監督はどうするのかね。映画となると熱心なファン以外観ないだろうから、彼らにそっぽを向かれると悲惨なことになるだろうな。アニメ映画=ヒットではないからねえ

 

ルパン三世 PART6 1.8
PART5が割と面白かったので期待したが、率直に言って残念な出来。ルパン三世の世界観は確立しているので全く楽しめないって程ではないが。前作同様今風アレンジに腐心しているのが感じられるが、これはご長寿アニメなら避けられない道であろう

本作も前作同様、メインエピソードとオムニバスエピソードの組み合わせになっているが、メインエピソードの出来がお粗末。前半はvsシャーロック・ホームズ、後半はルパンの出自に関する話だが、対決ものは名探偵コナンでやってくれって感じ。ルパンの敵は銭形警部でしょ。後半に至っては今更ルパンの生い立ちとか興味ないって。ネタバレになるので詳しくは書かないが、こんなシステムだったら既に発動してそうだし

メインエピソードがどちらも盗みに比重を置いていないこともあって、全体的に泥棒らしさが薄い。最近のセキュリティはIT技術勝負になって地味なのもあるだろうが、アクションシーンが少なくなってアニメとしての面白みに欠ける

それと今回はオムニバスエピソードは著名な作家に依頼しているが統一感が無くてイマイチ。特に押井守の回は西村京太郎のミステリーに村上春樹の小説が混ざったような違和感がある。押井回は賛否真っ二つって感じだが、個人的には論外。良くも悪くも押井らしい話ではあるが

本作の1話から次元大介役が小林清志から大塚明夫にスイッチしたが全く違和感なし。声優交代もご長寿アニメなら当然のことで、受け入れなければならないだろう

 

・イロドリミドリ 1.8
3分x8話ながらもバンド結成からライブまでストーリーが進行するのは評価できるが、内容は普通の緩い日常系、キャラも特に尖ったところもなく無難な作り。単位の為にバンドは面白いが、それがストーリーに活かされているとはいい難い

結局、CHUNITHMの販促アニメなんだろう。CHUNITHMをプレーしている人にはいいかも知れないが、そうでない人は顔と名前が一致する頃にはもう終わっているって感じだろう。勿論、曲も印象に残らず

 

・まちカドまぞく 2丁目 1.8
2019年に放送された作品の続編。緩いノリの中にもシュールな笑いがあって多少はメリハリがあったが、2期はキャラが増えたこともあって話が横道にそれがちでダラダラ感が増した。本筋は結構シリアスな話だが、上手く噛み合っていない感じ。元々福田組のような内輪受けな所もあったが、笑いも毒気が抜けてイマイチ

まあ、この手の作品が好きな人は深く掘り下げるようなことはせずダラダラとした作品が好みなんだろうし、ブラックな笑いは必要ないのだろう。3期があるかは分からんが、多分見ないだろう

 

・ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜 1.8
HoneyWorksの楽曲を原作にしたオリジナルアニメ。男性アイドルものだし、HoneyWorksの楽曲的にも女性を意識しているのだろうが、中盤まではどちらかと言うと少年漫画的展開。中盤、幼馴染が登場しても逆ハーレム的な展開にはならず、人として認め合い成長していく様を描いている

それだけに終盤の展開はなあ…。少女漫画ならお約束だろうけど。中途半端なリアリティが却ってリアリティを削ぐ結果に。あの程度の弁明で騒ぎが収まるならもみ消せそうだし、「設定」を明かせば済むだけの話。まあ、設定を明らかにしないのは最終話を意識して何だろうけど

あくまでLIP×LIPとひよりの関係を軸に成長を描き切るか、どうしても千鶴を絡めたいならアイドル本人、裏方、ファン、三者三様のアイドル像を描くかなら良かったのだが。女性視聴者を意識するとこういう展開になってしまうのかね

 

・組長娘と世話係 1.8
“桜樹組の悪魔”と呼ばれた霧島透がある日組長に一人娘・八重花の世話係に任命されて…という話。ヤクザの子育てコメディと言えば「ヒナまつり」を思い出すが、同作の足下にも及ばない

一言で言えばヤクザ要素を上手く使えていない。ヤクザのシビアさに反して子供には甘いというコントラストを楽しむものだと思うが、ヤクザの厳しさというよりヤクザのPVって感じ。ヤクザとしての側面を描くならきちんと描いて欲しいし、そうでないなら中途半端に他の組の人間を絡める必要はないと思うが

毒なし、ストーリーに見どころなしだが、八重花はかわいいし、ほっこりできる作品ならそれでいいという人にはオススメできる

 

・夫婦以上、恋人未満。 1.8
原作は金丸祐基の漫画

タイトルがそのものズバリと言うか、教科書のようなラブコメって感じ。学校側が決めたペアで監視下の元、疑似夫婦生活を送る”夫婦実習”というトンデモ設定なのだが、それを上手く活かせていない。毎月上位10組に入るとペア交換できるルールではあるが、主人公である次郎と星以外のペアの様子は殆ど描かれないからねえ。ギャルvs清楚な幼馴染みというありがちなシチュエーションに変わりはない

ただ、結構エロい。モロに…てことはないが、星は勿論、詩織もなかなかの”持ち物"で明らかにそれが武器になることを分かって迫ってくるのでぶっちゃけエロゲっぽい。しかし、本作はエロゲではないし”清い”高校生ということになっているので、あまりに際どいのは”寸止め”で終わってしまうし、顔を赤らめたり後悔したりと汚れきったおじさんはだったらするなよと思ってしまう

ブコメと言えばゴチャゴチャになりがちだが、本作は至ってシンプル。他の人物も出てくるが、次郎、星、詩織の三角関係に特化した内容。故に終盤でああなって、もう次郎がどちらを選ぶかだけなのにこのラストは頂けない。終わり良ければ~とは思わないが、本作の場合はねえ…

女の子達はかわいいが、作画は一昔前って感じ。色使いも原色系で、往年の作品『ハートカクテル』ほどではないものの明らかに意識していると思われる。OPは昔のアイドル風、EDは洋楽風でおじさん(おばさん)をターゲットにしているのだろう

少々エロい以外は主人公が超鈍感なのも含めて至って普通のラブコメ。ただ、星の可愛らしさを大西沙織が引き出していると思うので、彼女のファンは見る価値があるだろう

P.S. 主人公が”薬院”次郎、詩織のペアでいるイケメンが”天神”岬波(みなみ)、詩織の友人が浜野めい等、登場人物の名字(一部人物は名前も)は福岡市内の駅名に由来している。舞台設定も福岡市なのかね

 

2022年に放送・配信されたアニメレビュー(その3:評価1.7以下)に続く

2022年に放送・配信されたアニメレビュー(その1:評価2.6以上)

今更ながら2022年のアニメレビューを投稿

映画と同じで最高は5、最低は0

 

ランキングは省略するが、例年より多くの作品を視聴したが当たりと呼べる作品の数は変わらず。良くも悪くも好みが多様化したこのご時世。ヲタクはすぐ”覇権アニメ”とか言い出すが、老若男女、属性を問わずに支持されるような作品なんてないからねえ

 

こういう時代だからこそレビューに意味があると思う。日本に限ったことじゃないが評価点を盛ったところで「騙された」って思うことが多くなれば、盛ることに意味がなくなる訳で。評価点の高低ではなく、この作品を高く評価している人はどういう所を評価しているのか(もちろん逆も)の方が遥かに重要だと思うが、寧ろ今以上に評価点だけを気にするようになるのだろうな

 

前置きはこれ位にしてさっさと始める。作品数が多くて文章が長いので、三分割して投稿する

 

 

・ぼっち・ざ・ろっく! 4.6
原作ははまじあきの漫画。きらら系でJKバンドと言えば『けいおん!』が思い出されるが、『けいおん!』がきらら系を貫いた作品とすれば、『ぼざろ』はきらら系+少年ジャンプって感じで泥臭さがあるのが大きな違い

きらら系らしくワチャワチャしているシーンもあるが、少年ジャンプのようと称したように”ハードモード”を余儀なくされる。パッと出たてのバンドがいきなりメジャーデビューでスターダムと言う事はなく、バンドだとソロのようにはいかず息が合わずに実力を出しきれずに終わったり、バンド活動にも金がかかるのでバイトをしたりする。マイナーバンドだと”チケットノルマ”も厳しい

また、主人公の後藤ひとりは重度のコミュ障で作中で改善していく様子は描かれているものの、バンドメンバーに対しても余所余所しさは抜けないし、初対面の人とは全く会話にならないのは相変わらず。正直やり過ぎ感もあるのだが、コメディで中和しているし、周りがぼっちの奇行を個性と受け止める懐の広さがある。実際、バンドマンは普通じゃない人が多そうだし。ただ、コメディ色が強すぎて話の腰を折っている感もあるが。本作では原作の2巻(の途中?)までとかなりじっくりとしたペースで進んでいることもあって、同じような境遇にある人達が少しずつ進んでいく様に共感できるのだろう

本作にはパロディネタがふんだんに盛り込まれている。漫画・アニメ系のネタは比較的分かりやすいものが多いが、誰かさんのスマホについているアクリルチャームが同じくきらら系作品の『スローループ』の主人公だったり(逆に『スローループ』では結束バンドが文化祭で演奏しているシーンが一瞬描かれる)、同じCloverWorks制作の『その着せ替え人形は恋をする』のシーンが挿入されていたりよく観ていないと分からないものも

本作はバンド活動を描いているだけに、音楽系のネタも多い。まず、結束バンドのメンバーの名字はASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバーに由来するし、チケットなどに書かれている他のバンドは実在のバンドをもじったものだし、ポスターは勿論、シーンの構図がジャケ写オマージュになっていたり、あとはタワレコオマージュも。音楽系のネタに関しては気付かなくても楽しめるし、気付けば気付くほどニヤリとできる感じだろう

作画に関しては超絶作画ではないものの、いい意味で”無駄に凝っている”。キャラデザは最近の作品にしてはシンプルだが、その分デフォルメキャラとかコメディ作品っぽい演出がされている。実写が多く使われていて、ストップモーションアニメは勿論、実写をそのまま使ったり、アニメ風に加工するのも加工度合いを変えたりしている。シーンによってタッチを変えたりして、作画でも楽しませてくれる

勿論、演奏シーンもクオリティが高い。指もちゃんと動いているし。下を向いていたりして自分の演奏だけで一杯一杯だったのが、文化祭の演奏シーンでは周りを気にして合わせようとしている様子が伝わってくる

楽曲に関してもかなりクオリティが高い。所謂キャラソンではなく、ちゃんとロックしていて歌唱力も考慮してのキャスティングなのだろう。結束バンドの色がありつつも、曲を提供したKANA-BOONやtricot、the peggiesらしさも残っていて、彼(彼女)らのファンも満足できるだろう。演奏シーンも態と下手に演奏してバラバラな様子も表現されている。もう少し極端な方が分かりやすかったとは思うけど

本作にハマる人ハマらない人はいるだろうが、このクオリティなら好きでなくてもそれなりの評価はしなくてはいけないと思わせる作品

 

・地球外少年少女 4.1
Netflix配信作品。劇場公開された作品で脚本も映画を意識していると思われるが、(シリーズ)アニメ作品として評価する

電脳コイルから15年。ずいぶん待たされたが、磯光雄監督らしい近未来SFに仕上がっている。きっちり物語を紡いでいく視聴者に筋を追わせる作品って最近は特に少ないからなあ。一人で監督と脚本を担当するのは地雷警報発令って感じだが、十分過ぎる準備期間があり納得の出来。最近のネタもあるが、小ネタを含めて電脳コイルを下敷きにしている作品と言えるので、電脳コイルを視聴してからの方が楽しめると思う。電脳コイル未視聴組で磯光雄監督の名前を聞いたことがある人は少ないだろうから、未視聴組は観そうもないが

難点は設定を詰め込み過ぎな感があるのと、ストーリーに緩急が乏しい所。緩急に関しては映画公開を意識して前半にも山場を作る必要がある以上仕方ない所もある。寧ろ、この尺でこれだけのストーリーを展開したことを評価すべきだろう。本作は1話(正味)30分位あるので、6話と言っても通常の30分アニメ8-9話分位だが、それでも1クールあればもっとバックグラウンドにも触れられたしストーリーにもっとメリハリがつけられただろう

 

・風都探偵 3.9
2009年放送の特撮TVドラマ『仮面ライダーW』の最終回から数年後を描いた漫画『風都探偵』をアニメ化した作品。『仮面ライダーW』は数話観た程度なので詳しくは知らないが、菅田将暉若いねって感じ

仮面ライダーW』から年が経っていることもあるし、大人向けアニメにしたいのか左翔太郎とフィリップは大人っぽくなってイメージが違う。反面、鳴海亜樹子は可愛らしくなっている。ただ、ナレーションは本作でも立木文彦だし、ウォッチャマンは同役を演じていたなすびにかなり寄せている。原作至上主義者が一定数いるのは仕方がないので、主要役に関しては『仮面ライダーW』から遠ざけた判断は正解だと思う

『風都探偵』で初登場する主要キャラがときめだが、かなりエロいので特撮のイメージが強い人には受け入れられないかも。ただ、(大人の)左翔太郎が「エロスの塊のような女」と評するのなら、この位エロくて当然でしょ。他にも可愛くなった亜樹子のホットパンツ姿はセクシーだし、ネタバレになるので詳しくは書けないが変身シーンは往年のアニメのようだったり、おっさん層へのアピールを強く意識しているのだろう

おっさんホイホイはキャラデザだけでなく、OPは『仮面ライダーW』と同じく上木彩矢とTAKUYAが担当している。インスト曲なので声は聞けないが、挿入歌として『仮面ライダーW』のOPのアレンジバージョンである 『W-G-X ~W Goes Next~』が流れる。上木彩矢は個人的には『ピエロ』かな。笑点もとい昇天…

ED(主題歌)は『罪と罰とアングラ』。松岡充がヴォーカルで吉川晃司がコーラスを務める曲は懐かしくオシャレな感じ。ただ、男がダンスしているのを観ると、忌わしきサッカーアニメを思い出してしまうが…

仮面ライダーW』は2話で1エピソードが基本だったが、本作では3話で1エピソード。長くなった分は、探偵色が強くなったのと(主にときめ目線で)仮面ライダーWの説明に充てられていて、特撮未視聴層の取り込みも考慮されている

惜しむらくは1クールでは短すぎること。ときめは勿論、左翔太郎とフィリップについても良く分からないし、照井竜と仮面ライダーアクセルについては本当に簡単に触れるだけだしね。この次のエピソードである「sの肖像」が1話冒頭で流れるシーンに繋がるのだろうが

制作はウマ娘シリーズやスーパーカブ、シャインポスト等を手掛けたスタジオKAIで作画はかなり良く、アクションシーンも迫力があり、特撮とは違った魅力がある。この出来ならもっと話題になってもと思うが、ネットはU-NEXT独占なのがねえ…。独占配信だから予算が確保できるのかも知れないが、もし続編が制作されるなら独占配信は勘弁して欲しい

 

アオアシ 3.8
原作は小林有吾の漫画。サッカーは1チーム11人なだけに登場人物が多くなって1クールでは厳しいものがあるが、本作は2クール作品

本作のウリはサッカーに関してかなり細かい所まで掘り下げていることだろう。4-4-2とかのシステムやオフサイドトラップとかの話に留まらず、全体の戦術に対応した個人及びグループでの戦術を理解しそれを試合でできるかどうか。また本作はJリーグのユースチームを描いているが対戦相手はユースチームとは限らず、高校のサッカー部とユースチームの立ち位置の違いがもたらすメンタリティの差とか。本作を視聴しているのはサッカーファンだけではないと思うが、サッカーの知識がないと面白さは伝わらないと思う

この内容でサッカーばかりだと重苦しくなりそうだが、コメディやラブロマンス要素もあるし、意見が合わずに衝突したりとサッカーの邪魔にならない程度に色々な要素を織り交ぜているし、主人公の青井葦人だけでなく他のメンバーのエピソードも取り込んでキャラの性格付けも為されていて完成度の高い脚本。ぶっちゃけテンポが良いとは言えないが、これ以上のテンポを求めると内容が薄くなって原作の良さが活きないだろうし、逆に遅いとアニメとしてはダレてしまうだろう。絶妙なバランスだと思う

その割には点数がと言われそうだが、本作がコーフボールとかマイナー競技を題材にした作品であればもっと高評価にしただろう。でも本作はサッカーアニメ。言うまでもなくサッカーを題材にした作品は腐る程ある訳で、ガチなものからトンデモ系までよりどりみどり。その中で際立った個性があるかと言われると。アニメ制作はPRODUCTION I.Gなので作画に問題はないが、試合も(主に青井葦人の)思考で頻繁に止まるのでアニメとしての見せ場にはなっていないし

正直アニメ向きではないと思うので、アニメ化は原作ガチ勢には不満だろう。ただ(原作未読の)筆者からすれば上述通り絶妙なバランスで纏められた作品だと思うので、サッカーは好きだけどサッカーアニメは見ないって人に観て貰いたい作品

 

・時光代理人 -LINK CLICK- 3.7
オリジナルは中国のbilibiliで配信されたアニメ。本作は日本語Ver.だが、OPは英語、EDは日本語だが曲はオリジナル(中国語)と同じ。お洒落な感じで最初から海外配信を意識した大人向けアニメとして制作されたのだろう

作画は超絶作画と言う程ではないが悪くない。背景に映る文字は簡体中文、春巻やタピオカミルクティーが出てきたり、随所に日本とは違う価値観が出てきて、いい意味で中国のアニメを観ている感じがする

本作はタイムパラドックスやシンギュラリティを強く意識したSFである。この世界のルールを説明するのはヒカルの役目になっているが、難しい用語は出てこないので比較的理解しやすいのでは

話は1話から数話のオムニバス形式だが、それぞれのエピソードの中に主要人物であるトキ、ヒカル、リンの過去を織り交ぜたり、トキの暴走による改変が起こって他のエピソードと絡まる等してストーリーに引き込まれていく

シリーズ構成は明らかに日本のアニメとは違うが、明らかな尺余りが発生したり、前回のあらすじが長すぎたりして1話当たりの密度は薄目。それと最終話のクリフハンガーはなあ。これまでの話を全無視するようなしょーもないオチじゃなければいいのだが…

bilibiliでは2期の配信がスタートしているので、日本でも2期が放送される可能性が高いだろう。楽しみだ

 

・ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 3.7
アニメの前にドラマも放送されたが未視聴。故にどちらが面白いとか判断しかねるが、ドラマの評価も悪くないようだし原作のポテンシャルの高さが窺える

公務員を片っ端から受けて唯一合格したのが警察官だったからと言う素晴らしい志望動機。原作者は元警察官らしいが、本人もそうだったのかね。警察官は傍目に大変そうだと思うが、元警察官目線での警察内部の描写は生々しさがある。ただ、黒井津さん同様こういった皮肉を笑えないのが今の日本

シリアスとコミカルのバランスがいいし、ストーリー進行も丁寧、群像劇だが主人公の河合目線でストーリーは進んで発散した印象はないしそつなく纏まった作品。ただ、河合のキャラは十分に立っているが、アニメだしもっとはっちゃけていて良かった。本作はドラマが先に作られているだけに、もっと尖っていないとドラマ視聴組には物足りなく感じそうだ

 

・怪人開発部の黒井津さん 3.6
ヒーロー物と思ってしまうが、それはオマケ。本作は悪の秘密結社で働く女性技術員を主人公にしたギャグアニメで、妙に日本の会社のような悪の秘密結社での日常、サラリーマンあるあるを笑えるかどうかが評価を分けるだろう。学生にはサラリーマン生活は分からないだろうし、風刺が効いているネタを笑えない人も多いだろう。OPやキャスティング、全体的な雰囲気は昭和っぽいところがあって、その世代の作品(と視聴者)を意識したのだろう

作画はギャグアニメとしてはこんなものかなと思うが、ヒーロー物としては物足りない。ヒーロー物要素がメインではないとは言え戦闘シーンはかなりショボい。戦闘シーンに力を入れれば日常シーンとの落差でメリハリができたと思うが、そんな予算はないってことか

それから所謂ご当地ヒーローが多数出演しているが、もう少し絞れなかったかねえ。出演者過多の影響か素人声優が多いのだが、演技力が…。一人一人の出番は少ないが、全員の出番を合わせるとそれなりの時間になるからねえ。まあ、素人っぽさ、チープさ含め昭和のヒーロー物ってことなんだろう

 

・王様ランキング 3.5
本作の良い所を挙げると、まずは可哀そうな障碍者と言う目線で書かれていないこと。勿論、障碍はハンデではあるが、それは受け入れてストロングポイントで勝負する方法を極める。障碍ではないが、小兵力士が200kg超の力士に勝てば場内は沸くし、相撲に限らず多くの競技で体格差を克服している選手は多い

次に愛が感じられること。作画から受けるイメージと異なりシビアなシーンも多い本作だが、根底に愛がある。今の時代、孤独感が強いので、こういった作品は心を打つのだろう

ストーリーは王道ファンタジーではあるが結構複雑。12巻を23話なのでかなり消化ペースが速いが、序盤はゆったりとしたペースで進む。ただ、中盤に中弛みがあって後半は正直"薄い"。カタルシスが無いと言うか、心の葛藤が描けていないからその人物に共感できないのは勿論のこと何でその選択なのかを理解できない

ボッジとカゲの冒険譚を前面に出す為に他の人物に関することは最小限にとどめたのだろうが失敗だったように思う。ただ、評価は分かれるだろうし、葛藤を描くのがアニメとして面白いのかと言われると難しい所ではある

原作ストックが溜まるまで時間がかかると思われるので2期が作られるとしてもかなり先だろうが、本作はプロローグみたいなものでこれからが王様ランキング1位を目指す本番だと言える。これからの話の方がアニメ化し易そうだが、ストーリーにどう深みを出せるかが鍵になるだろう

 

・阿波連さんははかれない 3.5
独特な雰囲気がある作品。阿波連さんのキャラもあって全体的な印象はまったりだが、阿波連さんやライドウは勿論、他のキャラも斜め上の行動をすることが多いので、それがシュールな笑いに繋がっている。ラブコメ色が強くなるとパワーダウンする作品も多い印象だが、恋が発展しつつも笑いはしっかりついてくる感じ

個人的には毒が足りないと思うし、ややテンポが悪いので30分枠よりも15-20分枠位でやって欲しかった。それでも、他のシュールな笑い系の作品に比べればダラダラ感はないと思う

上手くバランスが取れた作品だと思うが、ラブコメなのか日常系なのか、ギャグなのかゆるさが売りなのか中途半端に感じる人も多いのかね

 

・処刑少女の生きる道 3.5
異世界転生ものだが、所謂なろう系とは一線を画する作品。俺TSUEEEEEEEEEEEEEEE、ハーレム、脳天気…とは真逆のどちらかと言えば重々しい世界観なので、逆にお気楽作品を観たい人には合わないのだろう。ストーリーもしっかりしているし作画も悪くないが、評価が上がらないのはそれが原因か

迷い人であるアカリと迷い人を処刑するのが仕事であるメノウの珍妙なロードムービー。処刑人と言えば必殺シリーズを思い出すが、本作はアニメだしああいう感じではない。ただ、迷い人は日本から来る設定で、迷い人によって持ち込まれた知識の影響で町並みは西洋風なのに看板は日本語という妙な世界

1話こそ目まぐるしい展開だが、2話以降はじっくりと進む。波乱万丈な冒険譚を見せるよりは、練り込まれた設定に基づく世界観とメノウとアカリの複雑な感情を描くのに重点を置いたシナリオになっている。ただ、このペースで進むならせめて2クールでやって欲しかった。全体の話からすれば序盤も序盤だろう

純粋概念をはじめ全体的に抽象的で理解しにくい。更に進行がかなり遅いので、ファスト映画で十分という人には向かない作品。異世界ものにアレルギーはないが、なろう系はワンパターンでイマイチと言う人にお勧め

 

パリピ孔明 3.2
三国志(演義)で有名な諸葛亮孔明が現代の渋谷に転生し、歌を聞いて感動した月見英子を軍師としてプロデュースする話。転生ものも三國志もありふれた題材ではあるが、作品の出来は調理の腕次第と思わされる

とにかく作者の三國志愛が感じられる作品。故事を丁寧に現代のシチュエーションに落とし込んでいる。月見英子という名も孔明の妻である黄月英に因んでいるんだろう。ただ、パリピ孔明と言うにはパリピ感が足りない。孔明のイメージを大切にしたいのだろうが、もっとメリハリが欲しかった

序盤はテンポも良くてこれは凄い作品になるかと思ったが、中盤の10万いいね以降テンポが悪くなり失速感が。KABEやAZALEAの過去とか削れる所が多く無理に引っ張っているように思えるので、最後も盛り上がると言うよりはやっと終わった感が出て来てしまう。10万いいね以降の話を削って、その前にアニオリで試練を挟めば良かったと思う

歌やラップを実際に表現できるのはアニメの良さだと思うし、それ程知られていない作品のアニメ化としては十分な出来なのでは。OP、ED共印象に残ったし。歌を声優にやらせなかったのは賛否あるだろうが、餅屋は餅屋でいいのでは。ただ、声優にやらせようがやらせまいが、歌が素晴らしいと思うかは個人の主観による訳でこればかりはどうしようもない

P.A.WORKSはオリジナル作品が多いがシナリオはイマイチの印象。作画は安定しているので、これからはオリジナルより原作のある作品のアニメ化に期待したい

 

ダンス・ダンス・ダンスール 3.2
バレエが題材だと主人公は女性が相場だが、本作では男性。熊川哲也とか男性のバレエダンサーもいるが、世間的には女の子の習い事のイメージだろう。そんなジェンダーバイアスを打破するところから話は始まる

モーションキャプチャで取り込んだダンサーの動きはとてもスムーズ。バレエのシーンが多く、使われている音楽もバレエの超定番、白鳥の湖がメインなので、バレエを知らない人にも魅力が伝わると思う。ライバルの存在と恋愛要素、クラシック音楽等、古典芸能に付きまとう伝統と革新の対立を描いているのはスポ根ものとして王道を行っている

脚本は1クールだとこれが限界って感じ。中途半端になりがちなので、サマースクールに尺を割いたのは良かったと思う。ただ、サマースクールに行く経緯からして行き当たりばったりであまり引き込まれない。ストーリー的に明らかに序盤に過ぎないからねえ。本作は5巻までをアニメ化したと思われるが、現在24巻まで出ているし、せめて2クールでやって欲しかった。本作の個性が出てくるのはこれからだと思われるし

キャラデザはかなり癖があって好みが分かれるだろう。キャラデザだけでなく性格も癖の強い人物が多いので、これも好みが分かれそう。但し、主要キャラのうち流鶯はかなりねじ曲がっているが、潤平は猪突猛進、都は情熱を内に秘めていて中学生らしい真っすぐなキャラなので、キャラデザや声がイマイチ噛み合っていないように思える

本作はTV放送こそ複数局だが、ネットはDisney+の独占配信。ネトフリ作品が話題にならないのは作品の出来もあろうが、見ている人が少ないのが原因。話題にならない→再生回数が伸びないの悪循環になりがち。今の時代TVを見ない人が多いし、口コミもネットなのでネット配信のチャンネルを増やすことが勝利の方程式だろう。アニメ業界も貧困に喘いでいるので、それなりの条件を提示されると流されちゃうんだろう。ヒットするかどうかは分からないし

 

サマータイムレンダ 3.2
原作は田中靖規の漫画。2022年にアニメ化、2023年にコンシューマーゲーム化されている。所謂、死に戻りゲーでリゼロ等既に手垢の付いたジャンル。本作ならではの味付けが問われるが…

中盤までは素晴らしいデキだと思う。誰が人間で誰が影なのか分からないのと成功失敗に関わらず、死に戻りのスタート地点が後ろにズレていく緊張感。若干テンポが悪い気もするが、これ位のペースの方が無理なく話についていけるし、少しずつ明らかになる設定や事実と誰が敵で誰が味方なのか分からない心理戦をじっくりと堪能できる

ただ、終盤は「呪術廻戦」なんだよなあ…。別に呪術廻戦をdisる訳ではないが、本作に求められているのはそれじゃないって感じ。後出しジャンケンみたいな設定が多くなって、やたら愛や友情の力を強調。まあ、原作は少年漫画だし、アニメ的に戦闘シーンは映えるのだろうが、そういう青臭さは求めてないって

更にラストは…。「その後」をここまで長く描く必要があるのか。タイムリープものって矛盾なくしてストーリーが成り立たないからねえ。終盤の超設定に更に矛盾の上乗せ、安っぽい恋愛ドラマのおかわりには食指が動かない

それと気になったのは言葉。一言で関西弁とは括れず地域によって差がある。舞台は和歌山なので紀州弁(和歌山弁)だと思うが、「しちゃる」とか「行けやん」とか言っているので方言指導は入っているのだろう

今時、完全な方言を話す人は少ないと思うし、特に東京に行ったらより標準語とのちゃんぽんが進行して当然だと思うが、それにしても序盤の言葉遣いはなあ…。こちらが慣れてきたせいもあるのか、上手く方言を取り込んだのか少しずつ違和感は解消されたけど

言葉の件はともかく、もっと序盤に終盤の超設定を印象付けておけば多少はマシになった筈。一応、何周目のあのシーンって説明はあるけど。粗製濫造が目立つ最近のアニメの中では良いデキの部類だと思うが、それだけに終盤が残念だ

 

・万聖街 3.2
原作はWeiboで連載されている漫画「1031万聖街」。オリジナルは1話5分だが、日本語吹き替え版は6話を纒めて1話の構成になっている。ジャンルは日常系コメディ。何故か人外ばかりが集うシェアハウス1031号室でのドタバタ劇を描いている

制作は寒木春華動画技術有限公司。中国の会社なんて知らねえよって言われそうだが、『羅小黒戦記』を作った所と言えば分かるか。『羅小黒戦記』は海外ではChinese Ghibliなんて言う人もいてキャラデザ含め日本らしい作画であったが、本作は癖の強いキャラデザでアメコミっぽい感じ。勿論、作画のレベルは悪くない。まあ、日常系アニメなので超絶作画でも良さを堪能できないしね

作中に出てくる看板などは中国語だし、新年に爆竹を鳴らしてお祝いするなど中国らしい風習も見られるが、全体的に中国色は薄めで日本人でもついていける内容。ゲラゲラ笑うような作品ではないが、ほんのりブラック風味のネタにクスリとする感じで気楽に楽しめる作品。キャラは多いが、どのキャラも大事にされていて好感が持てる

 

・BIRDIE WING -Golf Girls' Story- Season 1 3.1
ゴルフアニメ自体珍しい中で女子ゴルフを題材にしたオリジナルアニメ。対象を女子ゴルフに関心のあるおっさんに絞った作品と思われ、若い人が見ても面白くないかも

本作の良さはテンポがいい所だろう。ぶっ飛んだ展開もあるがダレずに最後まで突っ走る感じ。ただ、作画は今風でもストーリーはかなり昔っぽい。声優も鬼頭明里とか若い子も出ているが、池田秀一古谷徹、女性陣も小清水亜美中原麻衣田村ゆかりらがJK役で登場する。OPは広瀬香美だし。昔に比べて声がかなり低くなったが、力強さがあって本作のようなスポーツ物には合う声

個人的にはもう少しじっくり進めて欲しかった。全ての試合でなくてもいいから、じっくり描くところとダイジェストのメリハリが欲しかった。ゴルフファンはもっとゴルフシーンが見たいと思うし、逆にキャストに惹かれてゴルフを知らないのに視聴しているおっさんアニヲタにとってもゴルフという競技の何たるかが理解できないと思う

分割は最初から決まっていたことだろうが中途半端な所でSeason 1が終了しているし、Season 1はイヴが日本に来るところまでで良かったと思うが。ただ、高校を卒業してプロになってメジャーで勝つって感じのシナリオだと、じっくり描いていたら2クールでは無理そうだしなあ

ニギリ(賭けゴルフ)だったり、いちいちレインボー・バレットと口走ったりヤバい要素が結構多いが、500ヤードを1オンとかゴルフとしてあり得ないことは起こらないのはゴルフを知っている層を意識した結果だろう。2期もぶっ飛んだところとゴルフへのリスペクトのバランスは間違わないようにして欲しいが、イン・ザ・ゾーンは不安材料。異能バトル物になったら一気に視聴者が離れるだろう

 

かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック- 3.1
実写映画化もされた、かぐや様は告らせたいの3期。そろそろ決着を期待したいところだが…

作画は今期も良好だし、1つ1つのエピソードは面白い。声優さんの大きな演技によるところもあるが、パロディネタも多くきっちり笑わせてくれる。ただ、本作はギャグアニメではなくラブコメ恋愛頭脳戦はどこへ行ったのか

ただ、全体的(3期まで)にも今期にも言えることだが、引っ張り過ぎな感がある。ストーリー性の強い作品であれば、1クールなら特定のイベントにフォーカスするのは悪くないが、本作の場合、前半のコメディパートを後半に強引に軌道修正してストーリーパートに持って行った感があって、もう少し上手くトランジションして欲しかった

肝心のクライマックスはこんなものでしょ。上述のようにストーリー的には上手く繋いで欲しかったが、くどすぎずいい感じだったと思う。1期のEDであるセンチメンタルクライシスがピッタリでラブコメが好きな人なら泣けるかも

何期も続くとキャラが多くなりすぎてそれぞれの印象が薄くなりがちだが、本作はまさにそれ。主人公だけでは話が成り立たないし、新キャラが出てくることで話が膨らんでいくのは事実だが、藤原書記を筆頭に秀知院学園生徒会の影は薄くなった感じ。まあ、藤原書記はシリアス展開には合わないキャラではあるが

4期があるみたいだが、どうなるのかね。ストーリー的にはこれ以上の見せ場はない筈なので、ギャグに振り切れるかどうかだろうな

P.S. 福原遥は最近は声優の仕事が多いな。別に声優至上主義ではないので、きっちり演技してくれれば何の問題もない。声優もドラマに出演しているし、明確な垣根はないと思う

 

・Engage Kiss 3.1
最近多いメディアミックス作品。メディアミックスと言うとソシャゲ原作が多いが、それだと多すぎるキャラをアニメ内で処理しきれないパターンに陥りがち。最近はアニメが先で、前日譚やアナザーストーリーをアニメ化することで弊害を防ごうとしているが、本作もそのパターン

アニメ制作はA-1 Pictures。今のアニメ業界で"当たり"と言える制作会社の一つで、つなこ原作のキャラが作画崩壊するようなこともなくヒロイン達の魅力を引き出している。ただ、戦闘シーンはもう一息。作画自体が悪いわけじゃないが迫力に欠ける感じ。ファンタジーとリアルの中間的な設定なので、作画も中途半端になってしまうのか

脚本はよく考えられていると思う。各要素に目新しさはないが無駄がなく、序盤はシュウのチャラさが全面に出たラブコメながらも過去のエピソードを織り交ぜることで"訳あり"を匂わせつつ、中盤はキャラが増えてストーリーも動き出し"バトル"も本格化、終盤は先の読めないストーリー展開に引き込まれる。やや雑な面はあるものの、かなり重たい設定のストーリー、School Daysのような修羅場を迎えてもおかしくない所をラブコメとして上手く纏めたとは思う

ただ、中途半端な感は否めない。最初と最後もそうだし、道中も本作はあくまでラブコメだという思想は感じられるのだが、ラブコメを楽しむにしてはストーリーが邪魔、ストーリー物としてはラブコメ要素がノイズに感じられ、もう少しどちらかに寄せられなかったかね。あと、最後は賛否が分かれるだろう。ストーリー派は勿論、ラブコメ派でも否が多そうだが

それに最近は良くも悪くも"平和"な作品が好まれるので、1話から修羅場展開だとラブコメ好きにも切られてしまうのだろう。キービジュアルからしてエ□ゲ的なように、それっぽい描写もあるのではっきり大人向けの作品だろう。良く出来た作品ではあるのだが、どの方向から評価しても減点要素がそれなりにあって高得点はつけにくい

本作の続きはスマホゲー「Engage Kill」でってことだろうが、いつになるのかね。尤も、制作はスクエニらしいので期待はできないか。最近はスクエニ改めスグゼニって感じだからな

 

・シャドーハウス(2期) 3.1
ソウマトウによる漫画のアニメ化。2021年に1期(全13話)が放送された

1期と同じく制作はCloverWorks。(偶に外れがあるが)作画には定評があるだけに、画でも本作の世界観を体現している。OPとEDも本作にマッチしている

1期に比べて謎解きに重点を置いていて、その中でケイトとエミリコの関係は勿論、同期とも関係を深めていく様子が描かれている。1期に比べればテンポも良いし、1期より出来はいいと思う

ただ、それでも進行が遅すぎる。ここまでで1クールでもおかしくない内容だし。某鬼狩りに例えるなら上弦に力の差を見せつけられた所で終わっているので、完結までまだまだ話数が必要だろう。多分、3期は作られるのだろうが、3期でもそこまで話が進むようには思えないし

最後まできちんと作ってくれるならいいが、ヤケクソのネバーランドみたいに紙芝居で〆もありそうで怖い

 

・恋愛フロップス 3.1
オリジナルアニメ作品。タイトルからするとラブコメっぽいと思うだろうが、キービジュアルや各話のタイトルはエロゲそのものって感じで実際下ネタが多いので、嫌いな人には無理だろう

本作を端的に言えば”出来の良い麻枝アニメ”。『神様になった日』は酷かった。前半コミカル、後半シリアスなのは麻枝作品を彷彿とさせるし、起承転結ができているので(エロに抵抗がなければ)ストーリーに引き込まれる人は多いと思う。タイトルも考えられているし

もう少し詳しく観ていくと、1-2話(起)はありえない展開とご都合主義の塊で当にエロゲって感じだが、それも3-6話(承)では落ち着く。各ヒロインを掘り下げると同時に下ネタやパロディネタで笑わせつつ、しっかり伏線を張って、後半このままでは行かないと示唆している

ただ、ここまでエロ押しじゃなくても良かったかも。AV関連のパロディネタは分からない人もいるだろうし、前半と後半の落差ができれば十分。そこまでエロに拘りたいなら、『異種族レビュアーズ』くらい腹を括って欲しかった。同じパッショーネ制作だし

7-9話(転)は所謂水着回と見せかけての…で驚くが、6話までが明らかにおかしいし伏線も張られているので納得の超展開だろう

しかし、10-12話(結)が残念。一言で言えば安っぽい。10話はまだ許せるにしても、11話以降は何とかならなかったかね。この展開に”浪花節”はいらんわ。各ヒロインの中の人ファンにとっては演技を堪能できて良かったかも知れないが

それとメインヒロインについては6話までにきちんと伏線を張って欲しかった。終盤忙しすぎるのと、メインヒロインと他のヒロインとの差が少ないから、これだと泣けないんじゃないかね。まあ、EDが示唆していると言えばそれまでだが。回想っぽいシーンを少しずつ長くして6話でははっきり分かる位で良かったと思うけどね。まあ、ヒロイン達との出会いが偶然ではないことの示唆にはなっているけど

最後のご都合展開を含めて一昔前のエロゲって感じ。ネタもおじさん向けだし。上述の通り、ちゃんとストーリーを楽しめるデキなので、もう少し間口の広い作品に仕上げた方が良かったと思う

 

・恋は世界征服のあとで 3.0
所謂ロミオとジュリエットものだが、それが戦隊ヒーローと悪の一味なのが面白い所

本作を一言で言えばそつなく纏まった作品。悪役の恋愛観はさぞかし過激かと思いきや、かなり初で少女漫画のよう。二人のデートにヒーロー側、悪役側の一人が主に絡むパターンで毎話進んでいくが、悪役側はかなり個性的なキャラが多い

ただ、戦闘シーンは少な目で、正直戦隊モノである必要は?って感じ。まあ、戦隊モノを前面に押し出すには作画をもっと頑張る必要があるとは思うが。とは言っても、ラブコメとしては問題ないレベル

全体的に毒や尖った部分がなく、ラブコメなのでストーリー展開に乏しくちょっとダレ気味。2クールだったら飽きていたかも。ゲラゲラ笑うような所はないが、二人の関係は微笑ましくでクスリとは笑える。真面目な話もあるがシリアス度は低く、何よりデス美が可愛い。気楽に見るにはいい作品

 

・神クズ☆アイドル 3.0
タイトル通りアイドルもの。このクールだけでも複数の作品が放送されているように、食傷気味に思えるアイドルもの。伝説のアイドル復活と言えば「ゾンビランドサガ」が思い出されるが、(ゾンビとして)本人が復活するのではなく、楽して稼ぐことしか頭にないやる気のないアイドル仁淀ユウヤに憑依するのが違う所

仁淀ユウヤと吉野カズキのユニットZINGSの成長を描いてはいるが、基本的にはコメディ。吉野カズキや最上アサヒと仁淀ユウヤのテンションの違いも面白いが、最上アサヒが取り憑いている時とそうでない時の演技の落差がいい

ただ、今作の主役は仁淀ヲタだろう。ドルヲタを描いた作品と言えば「推しが武道館いってくれたら死ぬ」を思い出すが、コメディ色の強い作品と言う事もあって推し武道のようなピュアな愛を描く作品ではない。主にCパートで描かれる豚貴族での仁淀ヲタの居酒屋トークは強烈

ストーリー的にはテンポ自体は悪くないが、やや冗長な感も。本作は全10話(9話+1話と言うべきか)で通常の1クール作品に比べ話数が少ないが、あと1,2話削っても良かったかも

本作で一番残念なのは作画。作画崩壊ってほどじゃないし日常シーンはこのレベルで十分だと思うが、問題なのはライブシーン。EDは毎回のように変わるし、挿入歌も沢山用意されているように楽曲に力を入れているのは感じられるので、作画を頑張って欲しかった。この楽曲のクオリティに見合う作画ならもう少し話題になったと思われるので残念だ

 

SPY×FAMILY 3.0
変則2クールで放映された作品だが、2クール通しての評価。タイトル通り、(シビアな)スパイとしての側面と(ゆるい)家族としての側面を描いた作品なのだろうが(原作未読)、Season 1では殆どFAMILYって感じ

本作を一言で言えば「設定の勝利」だろう。フォージャー家は所謂偽装家族だが、各々が重大な隠し事をしていて、バレれば家族崩壊どころではなく各方面に多大な影響をもたらすレベル。スパイとしてのミッションと家族関係、2つの緊張感がバックボーンにある

ただ、少なくともSeason 1ではストーリーよりはかなりコメディ寄り。アーニャは人の心が読める設定で実際、相手の心を見通しての行動をするので一歩間違えるとしんちゃんのようなクソガキになりがちだが、アーニャの境遇とキャラの可愛らしさが相まって子供らしい無邪気なキャラという印象を与えているのが人気の大きな理由だろう。アーニャ以外のキャラも抜けているところがあって、緊張感とは対照的なゆるいコメディとして仕上がっている

それなのに点数が低いと言われそうだが、それはストーリーの進行があまりに遅いから。全体的に引っ張りすぎ。引っ張るのはキャラの個性を際立たせることにも繋がってはいるが、流石に2クール使ってやっとスタートラインって感じではなあ…

Season 2と映画版制作が決まっているが、上手くやらないと"バブル"はあっけなく崩壊しそう。映画はストーリー系なら前日譚的なもの、まあアーニャ推しのコメディタッチのオリジナルストーリーが無難な所だろう。鬼滅みたいにストーリーの一部を映画化するのは止めた方がいいだろう

原作未読なので分からんが、Season 2は少しはストーリーが進行するのだろうか。Season 1のようなペースだとドロップアウトしそう。ただ、今の人気はアーニャ推しのゆるいコメディによるものだろうから、逆にファンが離れる可能性もありそうで匙加減がかなり難しそうだ

 

・不徳のギルド 3.0
原作は河添太一の漫画。僧侶枠などエロ専門チャンネルを除けばエロ枠0のクールも珍しくないが、よりによってファンタジー+エロでモロ被りするとはね…。ただ、子種争奪戦を描いた『ピーター・グリル~』のような露骨なエロではなく所謂ラッキースケベ路線。まあ、ラッキースケベと言うよりはオールウェイズスケベって感じだがw

本作を一言で言えば「出来の良いこのすば」。主人公が出来の悪いパーティメンバーのお守りをするギャグ時々シリアスなのは共通している。故に出オチ感があるが、それをラッキースケベまでの導入と主人公のツッコミでメリハリをつけている感じ

作画は普通だと思うが、この手の作品は作画でガッカリさせられることも多いので十分なクオリティだと言える。キャラも可愛くて個性的。それにしても”胸囲の格差社会”だなw

 

異世界薬局 2.9
2015年より『小説家になろう』で連載が開始された高山理図の同名ライトノベルが原作。所謂なろう系。正直、なろう系にいい印象はないので嫌な予感しかしないが…

(テンプレ)なろう系の悪い所をいくつか挙げると、テンポが悪くダラダラとした展開になりがち、チート能力を無駄にひけらかす(それに加えて自分がとんでもない能力を持っていると気付いてない奴も)、苦労知らずの超展開の連続等があると思うが、本作ではそつなく纏めた印象

1クールで原作の第2巻まで消化は決して速いペースではないが、アニメとしてテンポは悪くないし、最後にこの時代(中世のような異世界)では相当な脅威である黒死病(ペスト)に尺を割くシリーズ構成は良いと思う。主人公のファルマは謙虚で、いきなり宮廷薬師に抜擢されるも実績を積み上げて周囲に認められていく過程を描いているのもGood

医師や薬剤師が監修していることもあって医療に関わる内容は本格的。本作では専門用語がバンバン出てくるので、医学、薬学系か化学系の知識がないと話が理解できないかも。例えば、第11話でカビの研究をしている教授がいきなり出てくるが、その時点で何が狙いなのか分かる人には分かるだろう。ただ、その割には浅いと言うか、もっと医療アニメ寄りで良かったと思う

その最たる例が最終話。本作にバトル物を期待する人はいない筈で、がっかりした人が多いのでは。まあ、なろう系が好きな人はテンプレなろうが好きなのだろうし、なろうで連載するとなるとテンプレからの完全脱却は難しいのか

作画は普通レベルだが、なろう系アニメは作画が悪い作品が多い印象なのでなろう系としては良好な部類だろう。鼻につくキャラは少ないし、テンポも良く内容を全て理解しようとしなければ知識もいらないと思うので、なろう系嫌いな人が観るなろう系アニメとしてはオススメできる

 

・Do It Yourself !! -どぅー・いっと・ゆあせるふ- 2.9
オリジナル作品だが、パッと見きらら系と思わされる。アニメと同時にコミカライズされ、今後ドラマ化も予定されている

作画は『電脳コイル』のようだと言うべきか。舞台は近未来だが、キャラデザ含めて一昔前の作品のイメージ。ロトスコープ風だったり、あえて画を崩したりして新しいものと古いものが共存する社会を表現している

実際、古いものが完全に無くなるかと言えばそうでもない。未だに観光用とは言えSLが走っているし、SNS全盛時代でもブログは消滅していないしね。電子工作キットの定番は今でもトランジスタラジオで、ワクワクしながら組み立てた人も多いのでは

本作のテーマはタイトル通り物作りであるが、作り上げていくのはもの以外もということだろう。せるふとぷりんは幼馴染みだが今はどことなくぎこちない。その関係性をDIYを通して…という話の方がメインになっている

モノ作りだけにしなかったのは悪いとは思わないが、そのせいかもう一つ盛り上がらないのも事実。目的のアレはあっさり完成してしまった印象。ああいうトラブルではなく、もっと技術的な話にできなかったかね。恰も凄いことをやっているように思えるが、CADなんて無料ソフトでもできるからねえ。本作を観る層はゆるめの日常アニメが所望でDIYなんて二の次なんだろうけど、DIYを題材にしたからにはDIYの魅力がもっと伝わる作品にして欲しかった

それと本作は三条市が舞台になっているが、ご当地要素は少ない。カレーラーメンは出てくるけど。また、三条市スノーピークや「CAPTAIN STAG」を展開するパール金属の本社があるのでアウトドアネタもあるかと思ったが、某作品ともろ被りになるので避けたか。水着回はあるけど

あと三条市だけでなく燕市と一緒にやれなかったのかね。両市とも金属加工で有名だし。今は知らんが、両市は仲が悪いことで知られていて、新幹線の駅名は”燕三条”だけど、高速道路のインターは”三条燕”だからねえ。那須塩原なんて妥協の産物が今では那須塩原市だし、アニメをきっかけに仲良くなれば、作中のせるふとぷりんみたいで良かったと思うのだが

 

平家物語 2.8
ご存じ鎌倉時代の軍記物語である平家物語をアニメ化した作品。平家物語と言うと吉川英治の新・平家物語が有名で、これを原作とした映像作品が作られているが、本作は古川日出男平家物語を原作としている

アニメ制作をサイエンスSARUが担当していることもあって癖のある作画だが、パステル調の画は歴史絵巻風で世界観を表現出来ている。それと軍記物語でありながら戦争のシーンはかなり少なめ。一番は尺の都合なのだろうが、政にフォーカスさせる目的もありそう。政だけでも十分面白いし、女性監督・脚本らしい選択だと思う

本作で一番特徴的なのは平家物語語り部である琵琶法師をアニオリキャラとして取り込んでいる所。琵琶法師の少女びわを通しての話は平家や朝廷だけでなく一般庶民の暮らしぶりにも触れているが、特に必要なかったかなと思う

ストーリーは序盤こそゆっくりだが中盤からは怒涛の展開。登場人物がもの凄く多い上に展開が早すぎて追うのがやっとって感じ。平家物語をアニメ化する意義は普段歴史に興味がない人に興味を持ってもらう機会を作るのが目的の一つだと思うが、これではね。まあ、ダラダラしているよりは面白さは伝わるだろうし、本作視聴をきっかけに(自分で)歴史を勉強しろってことなのかね

登場人物初登場、イベント(〇〇の戦い)時に字幕を入れる、各話冒頭で家系図を出すとか前話の内容をおさらいするとか工夫があったら良かった。それと2クールだとダイジェスト感が薄まってもっと話に立ち入れた筈。大河ドラマは1年かけてやる訳だが、流石に4クールは長すぎる気がする

大河ドラマ好きにとっては現在放送中の鎌倉殿の13人とオーバーラップするので凄く楽しめるだろう。ただ、上述の通り歴史に興味がない人向けの作品としては不親切で損している感じ。勿体ないなあ

 

ポプテピピック(2期)  2.8
良くも悪くも現状維持って感じ。明らかに労力がかかりそうなストップモーションアニメはなくなったが、作画クオリティは高い。内容はコーナーが減ったが、ノリは1期と変わらない。声優の無駄遣いも相変わらず

ただ、2期は配信がアマプラ限定。アマプラは他の有料配信に比べれば加入者が多いと思うが、1期は無料配信含め多くの配信サービスで同時配信していたからねえ。この作品に限ったことではないが、特に本作は細かい仕掛けがあったりして、それがSNS等で話題になってナンボなので、アマプラ限定だとどうしても盛り上がりに欠けてしまう

あと、1期と2期の間にもスペシャルとかやってかなり派手な仕掛けをしていたので、それに比べると地味なのは否めない

3期があるかどうかは知らないが、15分x2のパターンも食傷気味の人が多いと思うので何らかのテコ入れは必要だろう。ショートアニメでもいいと思うけどね

 

・アキバ冥途戦争  2.8
P.A.WORKS制作の”お仕事系”オリジナルアニメ。同社制作の『パリピ孔明』は面白かったが原作がある作品。オリジナル作品だと良くも悪くも質実剛健って感じで正直面白いとは思えない作品が多い印象だが、果たして本作は如何に

タイトル通り秋葉原のメイドの話だが、冥途戦争と物騒な字が当てられているように本作はメイドカフェグループ間の抗争を描いた任侠モノというP.A.WORKSらしからぬ攻めた設定。今クールは”忍侠モノ”を名乗る出来損ない作品も放送されているが、最近のヤクザを描いた作品は強面とのギャップで笑いを誘う日常系コメディがメインだけに、言葉は変えているとは言え、ここまでヤクザらしいヤクザを描いた作品は最近だと珍しい

ただ、メイドヤクザという設定を活かしきれているかと言えば微妙。トンデモ設定故に笑える所は多く、血生臭さが和らいでいるところはあるのだが、ヤクザものだとどうしても嵐子が目立ってしまうので、後半の前半辺りの話が中弛みに思えてしまう。それに強引になごみが主人公らしいエピソードで締めようとしたので、終盤はかなり雑で無理のある展開に。1.5クールなら終盤ももう少しゆっくりとした展開で幹部目線の話を入れてストーリーを補えただろうし、中弛みもアニメらしい説明方法だと思えただろう。ただ、本作は1クールなんでもっとストーリーや設定を練って欲しかった

脱マンネリの意欲は買うが、上述の通りシナリオの完成度が低いのも事実。寧ろ、任侠抜きで押忍!番長のような非暴力コメディ路線での抗争の方が他のキャラも目立てて良かったかも。店長のダメ人間っぷりは相当なもので十分キャラが立っているのだが、こういうシリアス路線だとノイズにしかならんのよね

 

・明日ちゃんのセーラー服 2.7
同クール、制作も同じCloverWorks、美少女ものと言うことで「その着せ替え人形は恋をする」と比較されそうだが…。本作も着せ替え人形同様、作画は素晴らしい。作画が良いので少女や風景が映える

本作はかなり癖があるので好き嫌いは分かれそう。まずはキャラデザ。顔が横長でかなりの垂れ目なのは珍しい。それと何と言ってもフェティシズム。セーラー服フェチ、脚フェチ。…。作画はいいし、全体的に中1の割には発育がいいので余計に艶めかしい

反面、ストーリーはかなり薄い。体育祭(の準備)に尺を割き過ぎたのは失敗のように思う。このせいでだいぶエピソードを削ったようなので。取捨選択は必要だが、本作の良さは自己紹介でパンツ全開ショーをやらかすような明日ちゃんの突拍子もない行動で友達作りをするプロセスを描くところにあると思うのでかなり不満が残る

それと本作はツッコミ所に事欠かないが、それも明日ちゃんの思い切った行動をメインにすればそういうキャラなんだってことになると思うのだが

1期では4巻の途中までアニメ化したようなので、もし2期があれば6,7巻の東京旅行の話がアニメ化される筈。東京旅行の話はこれまでとは打って変わって重い内容を含むようなので、この作品の印象も変わりそうだ

 

・リーマンズクラブ 2.7
バドミントンを題材にした作品。制作のライデンフィルムは当たり外れが大きい印象だが、過去に「はねバド!」でバドミントンを手掛けていることもあってバドミントンの迫力が伝わる作画になっている

本作の斬新な所は所謂実業団を題材にしている所。スポーツ物は学生がメインで、その延長でプロになってからを描く作品がチラホラあるかなと言う印象。実業団と言えども、一般の業務はしない実質プロから、午前は仕事午後は練習の所、ほぼフルタイム働いた後に練習と待遇にはかなり差があり、本作でも対照的に扱われている

ただ、後者が不幸かと言えばそうは言えない。確かに競技を続ける上ではハンデになるだろうが、生涯一選手という訳にはいかないのが人生。前者では監督・コーチになれなければ退社することになるが、後者なら今後は社業に専念することで会社に残れるので人生設計が変わってくる

それに、いくらスポーツマンとはいえ最低限の礼儀はなあ。本作はライバル達の不遜な態度が鼻につくが、これは競技にだけ目を向けているとスポーツバカになると言う当て付けなのだろうか。まあ、今の時代「有名人だから」で何でも許される時代じゃないからねえ

余談はこれ位にして、ここからはいちゃもんタイム。まず、中途半端に世界ランキングとか持ち出さないこと。本作では世界ランク上位の選手にリベンジする機会が結構訪れるが現実は…。他競技でもそうだが世界ランク上位の選手は海外の大会がメインになるので実業団の大会にはなかなか出る機会が無いと思うが。日本でトップレベルの選手を見られるのは全日本とジャパンオープン位だろう

次にライバルが多すぎる。例えば高校時代のライバル、大学に進学して別のライバルとかならいいが、同時に3つのチームがライバルでは1クールのアニメじゃ発散するだけ。ライバルは実在する(した)企業である日本ユニシストナミ運輸をもじっていてバドミントンに理解がある企業を出したいのは理解できるのだが

それから最悪なのが社内のゴタゴタ。池井戸潤ノーサイド・ゲームに感化されたのだろうが場違い感が半端ない。池井戸潤の作品はあくまで企業目線、本作は選手目線だからなあ。それに百歩譲ってこれがアリだとしても、専務他茶番に関わった連中にお咎め無しは流石にあり得ないだろう

全体的にベタではあるが、それで構わないと思う。実業団を扱っている時点で十分目新しいしね。主人公が選手として社会人として成長していく過程、社会人ならではの引退・復帰のあり方等を描ければ後は試合をじっくり描けば十分。余計な要素をぶち込んでも試合描写は削られる、ストーリーは纏まりが無くなり陳腐化するだけで良いことは一つもない

愚直に王道を行けば傑作になり得ただろうに池井戸潤に目が眩んで並レベルの作品に。残念だ

 

・4人はそれぞれウソをつく 2.7
橿原まどかによる漫画のアニメ化。本作を端的に言うと『SPY×FAMILY』☓『あそびあそばせ』ってところか。それぞれ人に言えない秘密を抱えた4人の女子中学生の学園生活を描いたナンセンスコメディ

序盤は設定を活かせてないなって感じるが、中盤以降は設定を活かした話になる。ただ、”普通の人”役の翼(剛)はいいとして(女子校に男子は普通ではないがw)、宇宙人(大佐)のリッカとサイキック(超能力者)の関根に対して抜け忍の千代は(設定的に)弱過ぎる感じ。まあ、戦闘力は高いのだが

あと、もう少し粘れなかったかね。全11話と1クール作品としては1話足りない感じだが、原作は全3巻で完結している。ダラダラ続くよりはいいと思うが、秘密がバレかかっている状況が面白いのに。それと本作の弱い所として脇役が印象に残らない。『あそびあそばせ』はメインの3人も強烈だが、前多とかオリヴィアの兄とか脇役もかなり脂っこいからねえ

採点が示すようにそこそこ面白いが、もう一押し欲しい。そんな作品

 

・彼女、お借りします(2期) 2.7
2020年に1期が放送された宮島礼吏による同名マンガ作品のアニメ化の2期目

1期に比べると良く言えば落ち着いた感じ。第1ヒロイン=千鶴の印象がより強くなり千鶴の心境の変化を丁寧に描いているが、反面他のヒロインの影が薄い。瑠夏はともかく、麻美と墨はぶっちゃけ必要ないと思う。キャラはそれぞれ個性があるが、ストーリーにどう絡めるかもう少し考えて欲しい。まあ、原作は32巻まで出ているから、これから重要な役回りなのかも知れないが

今期で原作の12巻までをアニメ化したと思われる。テンポとしては速い方だろうが正直2期は繋ぎの印象で、ここから話が大きく動くのか。3期は映画作りの話がメインになりそうだが、そろそろ麻美が暴れてくれないと。2人の関係をバラすだけなら性悪女でなくてもできる訳で、流石にプラスαがあるのだと思うがどうなのかね

 

鬼滅の刃(2期) (無限列車編+遊郭編) 2.6
無限列車編と遊郭編に分かれているが、採点はトータルで。一応、各編毎の評価もするが

- 無限列車編 - 1.5
この神作画の神作に何て点数をつけるんだとキメヲタに怒られそうだが、一言で言うと「無限列車編はTVシリーズに必要か?」

当然ストーリー的には必要で。無限列車編を2期に組み入れたのは1期は勿論、映画も未視聴組を引き込む為なのだろうが、未視聴組に"映画"を見せる必要があるのか疑問。映画が見たいならレンタルや配信で見ればいいし、これからも無料放送はあるだろうし。それに映画の内容をTVシリーズでやるとなると映画は観なくてもいいやと言う風潮になりかねないと思うが。キメヲタは太っ腹だから円盤も買うし、そういう心配は杞憂なのかね

流石に(映画の)無限列車編を分割するだけなのは意味がないと思ったか事件の前日譚的な内容が追加されているが、これってファンディスク的な内容で本編でやるべきなのか疑問

映画は映画の尺の中で盛り上がり所を作るために話を引っ張る必要もあるだろうが、TVシリーズはシリーズ全体での話で無理な尺稼ぎは必要ない筈だが。中弛みの典型である目覚めるまでの所や煉獄が死んでからの話とか大胆にカットしていいんじゃないの。遊郭編は原作4巻分を11話で纏めているのだし。正直、ストーリーの深さで勝負する作品ではないと思うし、超絶作画でテンポ良く戦闘シーンを見せるのがアニメ版鬼滅の刃の最大の長所だと思うのだが

- 遊郭編 - 3.3
TVシリーズ1期の立志編、映画の無限列車編も作画レベルは非常に高いが、本作では更に上回る出来。この作画で描かれる戦闘シーンは圧巻である

ストーリー的には特に強調する点はないが、誰がどう倒すのか読めない作りになっているのは評価できる。ただ全体的に冗長。頻繁に挟まる回想はテンポの悪さにつながっているし、戦闘終了後なのでまだマシだが鬼の過去話は必要なのか?

蜘蛛の回でも過去話があったが、確かに気の毒な境遇とは言え結局何事もなかったかのように斬るんだし単なる尺稼ぎにしか映らんのだが。まあ、泣けると言う人も多いみたいなので必要なんでしょ

声優陣は有名声優目白押しって感じだが、堕姫を演じた沢城みゆきと妓夫太郎を演じた逢坂良太が印象に残った

気になった点は指摘されてキメヲタが発狂していた三味線。確かに義太夫の三味線みたいで違和感がある。これで減点と言う程ではないが、折角の作画だしオリジナル設定に関係ない部分はきちんとして欲しかった。それと女性の露出が多いのもどうなのか。おっさんにとってはラッキーだが(笑)、大正時代にこれはねえ。それと皆、胸が立派なのも違和感が。まあ、少年漫画のお姉さんはたわわな胸の谷間がお約束ってことかね

 

・ヒーラー・ガール 2.6
ヒーラーと聞くとRPGの回復役で舞台は仮想世界かと思うが、本作の舞台は現世。ヒーラー=音声診療医と言う攻めた設定だが、音声医学が万能と言う訳でなく西洋医学東洋医学と補完しあう立場であってぶっ飛んだオカルトアニメが展開される訳では無い

寧ろ、地味で手堅く作られた作品だろう。各々が音声診療医を目指した理由はしっかり掘り下げていて、ストーリーにも大きく関係してくる。キャラの性格付けもきちんとされている

音声診療は抽象的な概念だが、それをイメージ化して捉えやすくしている。見習いである主人公達とベテランの音声診療医ではイメージのリッチさに明確な差がある。ベテランヒーラー役の高垣彩陽は歌唱力には定評があるだけに素晴らしい歌唱を見せてくれるし、若手も瑞々しい感じが出ていてとても良い。作画は全体的に明るい感じで、ヒーリングのイメージをファンタジックに表現している

ただ、ちょっと"薄い"かな。見やすい作品にしたいのは分かるのだが、もう少し医療アニメとして内容を掘り下げた方が良かった。それが無理なら、もっと歌を前面に押し出すべきだっただろう。序盤こそ診療以外も歌、歌でミュージカルアニメ色が強いが、段々と診療以外の歌は減っていく。手堅く作るのは悪くないが、個性も失われてあまり印象に残らない作品になってしまった感がある

 

・森のくまさん、冬眠中。 2.6
所謂、僧侶枠の作品だが、良くも悪くも僧侶枠らしからぬ作品。最近はストーリー性が強くなっている僧侶枠の作品だが、本作は理由が動物の特性を活かしたもので納得度が高く、ほんわかとした心温まる話でストーリーの完成度はこれまでの僧侶枠の作品の中で一番だろう。いい意味で僧侶枠のイメージを払拭する作品だと思う

ただ、結局エロ(しかも、敷居が高いBL)だし、エロシーンカットで1話3分30秒程度なので話を大きく展開させるのは無理だからねえ。僧侶枠らしい強引な展開がありつつの基本的には丁寧に話を紡ぐなら良かった。話の完成度は高いが、あまり印象には残らない

本作をノワとアイリの関係に絞ったのはいい判断で、このボリュームで2組の話を展開させるとどっちつかずで"薄い"作品になるのは目に見えているからなあ。もし2期があれば、もう1組のカップル(?)も絡んでの話になるだろうから話も膨らむだろう

 

2022年に放送・配信されたアニメレビュー(その2:評価1.8-2.5)に続く

2024年に視聴した映画短評(その3)

*今年観た映画なので、今年公開の作品とは限らない。5点満点で最低点は0

 

・キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 0.3
原作はデビッド・グランのノンフィクション作品『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』。マーティン・スコセッシ監督作品と言えば上映時間が長いことで有名だが、本作も例外にあらず

本作の感想を一言で言えば”如何にも賞狙いの凡庸で退屈な作品”。実際、アカデミー賞では作品賞をはじめ10部門でノミネートされたが、受賞は0。上映時間がクソ長い以外に際立ったところがないから受賞0は当然の結果だろう

ぶっちゃけありきたりな西部劇。2時間あれば十分な内容。『オッペンハイマー』といいアメリカの過去に疑問符を投げかける作品がノミネートされているのは2025年から適用されるであろう”多様性ルール”を先取りした結果なのだろう

映像的には特に見どころなし。西部劇だしね。ちゃんとお金をかけているのは分かるけど。日中のシーンもあるが、夜のシーンもそれなりにあるし室内は暗いので、ダラダラして盛り上がりのない展開と合わせて眠りへと誘われる

キャストでは”キング”役のロバート・デ・ニーロは流石の演技。追求されるとキレて恫喝する爺さんの姿は◯生や◯階を彷彿とさせる。アーネストの妻モリーを演じたリリー・グラッドストーンも良かったと思う。レオナルド・ディカプリオは微妙。小物感は出ていたと思うけど、やっぱりスターオーラを消しきれないと言うか。適役ではないと思う

しかし、レビューがヤバいことになってるな。まあ、3時間20分の映画を見る人なんて映画関係者とスコセッシのファンが殆どだろうからこうなるんだろうけど、客観的に見て称賛で溢れるような作品とは思えないんだが。信者が必死なのは◯◯の◯◯映画に似た気持ち悪さを感じる

P.S. あまりに長い本作。上映途中に休憩を挟む映画館が続出したら、パラマウントAppleは「変更や休憩なしで上映する」という契約に違反するとして厳しく取り締まったらしい。バカじゃないの。インド映画は逆にインターミッション前提で作られている作品が多いが、無しで上映してクレームがついたなんて聞いたことないけどね。アメリカを支配する多様性が商業主義によって歪められた紛い物であることを示すエピソードの一つだろう

 

・マエストロ:その音楽と愛と 1.0
エストロ=レナード・バーンスタインのこと。邦題は『マエストロ:その音楽と愛と』だが『レニー:煙草と両刀使いの人生』の方が良かったかもね。音楽家バーンスタインの曲作りとか音楽に対する姿勢を掘り下げる内容を期待するなら見ない方がいい

バーンスタインの偉大なところは作曲家としても指揮者としても成功したと言えること。演奏家兼指揮者はそれなりにいる(アシュケナージとか宮本文昭とか)が現実的には演奏家から指揮者にシフトしたが正しいと思う。化学者兼作曲家のボロディンって変わり種もいるが

大谷翔平の”二刀流”が話題になったが、どの世界でも”二刀流”は大変なこと。ニューヨーク・フィルの常任指揮者を辞任したのは作曲の時間を取るためだし、弟子が多いのも(作曲の時間を取るために)自身の代理を務められる指揮者の育成が必要だったのがきっかけ。弟子には小澤征爾佐渡裕アバドなど有名な指揮者も多い。去年のアカデミー作品賞にノミネートされた『TAR/ター』のリディア・ター(架空の人物)もバーンスタインの弟子という設定だった筈

本作の感想を一言で言えば「賞狙いが鼻につく」。”搦手”で来たのは、普通の伝記作品ではアカデミー賞は狙えない(ドキュメンタリー賞はあるが)からでしょ。アカデミー賞では作品賞など7部門でノミネートされたが、受賞は0。まあ、『ボヘミアン・ラプソディ』にはしたくない矜持もあるだろうが、『ボヘミアン~』は既にクイーンの伝記作品があったから捻らざるを得ないのは当然だし、『オッペンハイマー』は(量子)物理学者の研究内容(論文)を掘り下げてもついてこれる人は殆どいないだろうからねえ

ゆりかごから墓場までではないもののデビューしたての頃から晩年までを網羅している上に妻のフェリシアや家族と過ごすシーンが多く、それ故各シーンが唐突で細切れなので話に入っていけない。撮影を無駄に凝っているのも細切れ感が増すばかりで逆効果。山場がない訳じゃないが、伝記映画ではないので唐突にそのシーンが来て映画的な盛り上がりには欠ける。作品は白黒とカラーで構成されていて、内容的な章立てと大まかな時代を示唆しているのだろうが、何年とか一切出ないのでいつだか分からない

映画マニアや信者、映画関係者は置いておくとして、本作は非常に不親切なのでクラシックとバーンスタインについての知識があることが大前提。その上で(音楽家じゃない)人間バーンスタインに興味がある人向けだろう。それ以外の人、特にクラシックなんて全く知らんって人が観てもヘビースモーカーな上に(妻がいるのに)バイセクシャルでお盛んなおっさんに不快度MAXだろうし、フェリシアもそこまで好感度は高くないし、勿論曲も知らないだろうから不満しか溜まらないと思う

ぶっちゃけ映画としては0点だが、指揮者バーンスタインと作曲家バーンスタインを味わえるシーンは用意されているのでそれぞれ+0.5点で1点にする

 

・雪山の絆 3.3
『インポッシブル』『ジュラシック・ワールド 炎の王国』等で知られるJ・A・バヨナ監督の作品。『インポッシブル』は2004年のスマトラ島沖地震で離れ離れになった家族の実話を元にしているが、本作は1972年のウルグアイ空軍機571便遭難事故が題材で、事故機に乗っていたラグビー選手達と同じ学校に通っていた作家のパブロ・ビエルチが生存者16人全員の証言を記録し、事故から36年後に発表した同名の著書が原作になっている。アカデミー賞で国際長編映画賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の2部門でノミネートされたが受賞はならず

同事故を題材にした映画は多数作られていて、有名どころでは1974年にピアズ・ポール・リードによって書かれた『生存者―アンデス山中の70日』を原作にした1993年にイーサン・ホーク主演で映画化された『生きてこそ』。『生きてこそ』は実在しない人物が登場したり、過激なシーンにはエンタメ上の配慮があったようだが、本作ではキャストはウルグアイとアルゼンチンの俳優だし、痩せ細った様子やカニバリズム(食人)をもろに想起させるシーンがあるなどリアル路線

極限下での心理描写も見どころではあるが、人肉食に至るまでの葛藤や論争の描写は控えめ。人肉食を描くのが目的ではないだろうし、72日間にも及んだサバイバル生活の一部に過ぎないし、原作が生存者全員の証言を元にしている以上死者を含めて誰かを悪者にするつもりもないだろう。食人行為の是非について当時激しい論争になったことは想像に難くないし、それによって心に傷を負った生存者もいることだろう

難点はやはり現実の事故を題材にしているだけに予想外の展開にはならない上に前述のようにこの事故を題材にした映画が多いだけでなく、この事故に触発されて作られた話もあるので新鮮味に欠ける。とは言え、クソ長いエンドロールが示すように多くの人が関わった超大作。一度は視聴して損はない作品だろう

P.S. トンチンカンなことを書いている人がいたので補足しておくと、まず南半球なので季節が北半球とは逆。事故が10月で生還したのが12月だと日本の感覚では秋から冬になるので秋のうちに何とかしておけばになるが、南半球では春から夏になる。冬山登山の装備がないのに登山なんて死にに行くようなもの。富士山だって入山できるのは夏の僅かな期間だけだしね。夏を待っての勝負は賢明な判断でしょ

 

・PERFECT DAYS 2.5
ヴィム・ヴェンダース監督作品。ドイツ人の監督だが、本作の舞台は東京

本作を観たら誰もが気になるであろう”The Tokyo Toilet”の文字。TTTプロジェクトとも呼ばれ、誰もが快適に使える公衆便所を目指して2020-2023にかけて渋谷区内の17箇所に内外のクリエイター16人がデザインした”デザイナーズトイレ”が設置された。プロジェクトを実施したのは日本財団だが、2023年に渋谷区に譲渡され今後の管理は渋谷区が行う予定になっている

日本財団と言われてもピンとこない人が多いだろうが、2011年3月までの名称は日本船舶振興会。若い人は知らないだろうが、高見山(東関親方)やCMソングの作曲を担当した山本直純が出演した「♪戸締まり用心 火の用心」で始まるCM(火の用心のうた)は有名。このCMは月曜日から日曜日までの各曜日バージョンがある位かなりの頻度で流された。1962年に笹川良一(CM内で子供たちと一緒に一日一善と言っている爺さん)によって創立された同団体だが、現在の総資産額は3,000億円と言われる日本最大級の財団である

製作の柳井康治はユニクロジーユーで有名なファーストリテイリングのドンである柳井正の息子でファーストリテイリング取締役。(共同)脚本の高崎卓馬はdentsu Japanのグロース・オフィサー。色々手掛けているようだが、映画の脚本は過去に『ホノカアボーイ』で担当したことがあるものの実績には乏しい

別に誰が関わろうが素晴らしい映画ならそれでいいじゃないかと言われそうだが、日本財団xファーストリテイリングx電通の勝ち組コラボから弱者を慮る作品が生まれるわけがないことは知っておくべき。本作の主人公である平山は古そうなアパート暮らしで質素な生活ではあるものの、結構な頻度で飲みに行っている訳だし生活に困窮している訳ではないと思う

平山の職業は”デザイナーズトイレ”の清掃員。平日だけでなく休日もルーティーンに基づく行動が多いが、無趣味な訳ではなく一人暮らしをエンジョイしている昭和気質な自由人の印象。そんな平山の生活を”定点観測”することで毎日同じように見えても違う所もあること、ちょっとした出来事によって平山の嗜好や過去が明らかになっていくのは面白い。上映時間が2時間程度なので、テンポも悪くはない

とは言え、平山の過去が全て明らかになる訳ではないし、便所掃除が取り持つ縁が平山を含め人それぞれの生き方があることを浮き彫りにするだけで大きな展開がある訳ではない

それに色々雑なところが目に付く。流石にゴミを素手で拾いはしないと思うし、いくら自転車でも飲酒運転はなあ。普通にアウトだし。昭和気質の平山がハグするのも違和感があるし、外国人が少ないのも違和感が。渋谷も(平山が住む)浅草も外国人だらけでしょ。外国人は観光名所だけでなく、裏通りにも普通にいるしね

ぶっちゃけ役所広司だから成り立っている作品。寡黙な人物の設定で、後半はともかく、前半は殆ど喋らないからなあ。冒頭から全然喋らないから、まさかこのまま一言も発しないのかと思ってしまった。台詞はなくとも存在感を示せる役所広司は本当に素晴らしい

本作はアカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされたが受賞はならず。審査員が好きそうな作品ではあるけど。ただ、今年は『オッペンハイマー』や『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』等、過去の国の政策の過ちに目を向ける作品が多く選ばれていて、国際長編映画賞を受賞した『関心領域』もアウシュビッツを題材にした作品。平山も過去に家族と一悶着あってそれを悔いている様子ではあるが、何があったのかは描かれないし、アウシュビッツに比べたら些細なことだ

 

・パスト ライブス/再会 2.8
韓国映画はそれなりに観るが、殆どがアクションやドキュメンタリーでヒューマンドラマは退屈な作品が多い印象。ラブストーリーは邦画であっても殆ど観ないが、A24ならば尖った作品に期待できるかなと思ったが…

悪くはない。上映時間が示すようにコンパクトにそつなく纏めた印象。劇伴や映像はおしゃれで静かな大人の恋愛って感じ。ただ、初恋の人に会いに行くのも異なる文化の対比についても珍しい話ではないし、本作はシンプルなユニバーサルデザインのような作品でゴージャスなステンドグラスのような作品の多いアカデミー賞とは対極にあると思われるのに何故ノミネートされたのか謎だ。まあ、本作も”多様性”に触れた作品であるし、勢いのあるA24作品だからかね

韓国って儒教文化と欧米文化が対立する形で共存しているところがある。女性が男性より下に見られがちだし、作中でもあるように長男だから云々も未だに残っている。日本でもとうの昔に廃止された筈の家制度の影響で同じような考えの人はいるだろうが、少なくとも大都市圏では長男だからは通用しないでしょ。家督制度がないのに義務だけは果たせとか時代錯誤も甚だしいわな

反面、韓国人は上昇志向が強い。変われない国だからなのか海外移住に抵抗がないし、ビジネスの為なら外国語の学習も厭わない。韓国に限らず台湾も欧米風のビジネスネームを使う人が多いし、転職は当たり前、キャリアアップを実現するためには”踏み台”にしたところでどうこう言われない筈。一方、日本では外国人選手はともかく日本人選手が入団会見で「日本のプロ野球MLB移籍の通過点だと考えている」などと発言しようものなら大炎上でしょ

本作を観る人の大半は恋愛映画が好きな人だと思うが、恋愛映画が好きな人は人物への好感度が作品の善し悪しに直結する人が多い印象。韓国に残ったヘソンについてはともかく、海外に移住したノラについては反感を持つ人が殆どだろうから、作品の評価は上がらないし大ヒットは望み薄だろう。最近は浮世離れした作品は少ないとは言え、あまりにドライでサバサバしているのも恋愛映画好きには不満だろうし。役者の演技は悪くないし、あまり恋愛作品を観ない人がたまに観る作品としてはいいかも。ただ、2,000円の価値はないので、せいぜいサービスデー、レンタルや配信待ちでも十分だろう

2024年に視聴した映画短評(その2)

*今年観た映画なので、今年公開の作品とは限らない。5点満点で最低点は0

 

・アリスとテレスのまぼろし工場 2.5
岡田麿里監督による劇場アニメ映画二作目。個人的にはイマイチだったが、前作(『さよならの朝に約束の花をかざろう』)は大衆受けする作品だったのに対し、本作は癖の強さを感じさせる作風で当然のように評価もかなり割れている

アニメ制作は「呪術廻戦」などで知られるMAPPA。呪術廻戦を観ればわかるように同社の技術力は高く、本作でも素晴らしい映像美を堪能できる

劇場アニメと言えば似非声優起用問題だが、本作にも芸能人が起用されている。但し、主要役はプロパー声優が務めているし、芸能人声優が超絶棒演技を披露することはない

岡田作品と言えば肉食系女子だが、本作の女子もかなり積極的。女としての武器を最大限に活かして、他の女(と言うよりメスと言うべきか)とのオスの奪い合いを制する生々しさが描かれているが、本作はそれに加えてフェティシズム的な描写もあってより性的な意味での男と女を意識させる

ただ、正直ストーリーはかなり薄い。そのせいもあってかなりテンポが悪く感じる。伏線回収と言うよりはちまちまと情報を小出しにしていると言うのが正しい。タイトルもぶっちゃけ何の意味もない。察しの良い人なら分かるだろうが、アリスとテレスの二人が主人公という訳ではない。一応それらしい言葉は出てくるが、それがストーリーや主人公たちの行動原理に結びついているようには感じられない

本作はかなりメッセージ性を意識していると思われる。主人公たちがいる世界が今の日本(特に地方)、まぼろしがバブルで工場の爆発はバブル崩壊。工場の爆発(バブル崩壊)を契機に権力を手にする佐上は宛ら竹中平蔵ってところか。まあ、本作では現実のバブル崩壊の寸前で時計が止まった設定になっているが、いつまでもバブルを引きずっていていいのかというメッセージに変わりはないだろう

本作の主人公たちは中学生なので若者たちの手でバブルに終止符を打って新しい未来を築いて行こうって感じなんだろうが、その肝心の未来を築くつまり元の世界に戻るために何をすべきかには殆ど触れていないので何となく戻っちゃった感じ。岡田が脚本が務めた『泣きたい私は猫をかぶる』でも終盤の冒険譚はイマイチ(多分、本人の脚本じゃない)なように冒険譚は苦手なんだろうな。だからストーリーに引き込まれない

前作でも岡田らしい”女”の描写はあったのだが、ストーリーを詰め込みすぎたこともあって場面場面はそんなに長くなかったので”生臭さ”が抑えられて家族愛というテーマが感じられたのだが、本作では内容が薄いぶん一場面がかなり長くて”生臭さ”が口一杯に広がる感じ。そのせいもあって家族愛はどこかに行ったように思える。足して2で割ったら良いバランスになりそうだが

もっと宣伝をしていればって声もあるが、とてもではないが万人にオススメできる作品ではないので低評価が増えるだけになっただろう。最近はキャラへの好感度が作品の評価に直結する人が多いが、そういう人たちにも本作は向いていないと思うし。(岡田信者が集う)ディナーショーで出されるブルーチーズのような作品だろう

 

金の国 水の国 2.7
岩本ナオの同名コミックをアニメ映画化。2017年の「このマンガがすごい!」オンナ版で1位になった作品らしいが、果たして如何なものか

アニメ制作は日テレ系列のマッドハウス鬼滅の刃や呪術廻戦のような圧倒的な作画ではないが、本作の世界観に合った作画で及第点だろう。アクションシーンが売りの作品ではないしね

本作の最大の特徴はヒロインの容姿だろう。男の方もパッとしないが、アルハミドの王女サーラはぽっちゃりと言うよりは(100kg級の)肥満体型。男のデブキャラは珍しくないが、女はあまり多くない印象。ポリコレ的な考えではないだろうが、別にヒーローやヒロインは容姿端麗でなければいけない訳じゃない

正直、ストーリー的にはさほど見どころがない。ご都合主義が目立つし。ただ、作画を含めてお伽噺的な世界観なので、お伽噺と考えればこんなものでしょって感じ。もう少し掘り下げてもって思うが、原作も全1巻だから深く言及されていないのだろうし、ダラダラしてテンポが悪いよりはこの位のテンポの方がアニメ映画としてもお伽噺としても良いのだろう

他に気になったのはコメディ要素が過多なこと。原作もこうなのかね。政治的な話もあるが、全体的にあっさりとした描写でそこまで生々しさを感じるようなことはないし、稚拙な演技もあって話の腰を折っているように思う

本作には例によって似非声優が起用されているが、ナランバヤル役の賀来賢人については序盤こそややぎこちない感もあるが、すぐに掴んだのか全体的には適度にメリハリの効いたいい演技だったと思うので特に言うことはない

問題はサーラ役の浜辺美波で、『HELLO WORLD』では只管ローテンションで押し切った感じだったが本作ではそうはいかず。普通のテンションでの台詞はいいとして、コメディやラブシーンになると思わず「あちゃー」と言いたくなる。本作は少女漫画的なテイストも強いが、肝心のラブシーンでこの演技ではねえ…

お伽噺的な世界観なので子供と観るにはいい作品かも知れないが、容姿イジリが厳しいのは気になる。キレるのではなくウィットに富んだ切り返しをするのは欧米では受けそうだが、日本ではね。某声優が某牛丼屋の発言を茶化したら炎上するような”文化”だからねえ

原作ではA国、B国だったのをアルハミドとバイカリに変えたのは良かったと思うが、安っぽい煽りの予告編は勿論、キャスティングや内容をもっと精査すべきだっただろう。『グッバイ、ドン・グリーズ!』といい最近のマッドハウス作品はブラッシュアップ不足が目立つ

 

・大雪海のカイナ ほしのけんじゃ 0.3
2023年の冬アニメとして放送された大雪海のカイナの続編。フジテレビ得意の”劇場版商法”だが、TVシリーズの出来が悪ければヒットは見込めないこと位分からんのかね

アニメ制作はTV版と同じポリゴン・ピクチュアズ。この会社は竪穴とか要塞みたいな階層構造や(荒涼とした)大地を描くのは得意みたいだが、雪とか水の描写は明らかに見劣りがする。本作はタイトル通り大雪海が舞台だけに作画の良さが伝わらない

ストーリーは本作のみならこんなものかなとも思うが、TVシリーズからだとあまりに薄いと言うかカタルシスがない。プラナトでの話がメインになるのは分かるが、TVシリーズのペースなら大海溝を越えて大軌道樹に辿り着くまでに6話位使ってもおかしくないからなあ。あっさりし過ぎだと思う

それと”天空の城ナウシカ”は何とかならんかったのかね。本作のポストアポカリプスっぽい世界観が感じられるのはTVシリーズの序盤のみなので、それがなくなるとジェネリックジブリ感が半端ない。今は作品の数が多いので少々似ている程度なら仕方がないが、本作の場合変える気がないとしか思えない

だって中盤で「こりゃバルス待ったなし」って思ったらその通りだし。選民思想で選ばれる側がビョウザンとリリハじゃねえ…。ビョウザンがムスカ、リリハがシータ、カイナがパズーにしか見えない。せめて三者の立ち位置を本家とは変える位はすべきでしょ

あとSF的見地がゼロなのもねえ。選民思想を抜きにすればビョウザンのしようとしていたことは間違いではない訳で、それを科学的根拠で裏付けてビョウザンを説得して選民抜きの方法で実現できれば、ラピュタもどきなストーリーにはならなかったと思うのだが

弐瓶勉が劣化したのかフジテレビの横槍が入ったからなのかは分からないが、正直あまりの駄作に失望を禁じ得ない。「BLAME!」は面白かったんだけどね。今作だけで見限るようなことはしないが、次回作がハズレなら完全に見限るだろう

 

・ウィッシュ 1.3
ディズニーの創立100周年記念作品。ディズニーに限らず、何周年記念作品ってハズレの予感しかしないのは気のせいか。アメリカではかなり不評だったようだが、実際のところどうなのか観てみることにした。ただ、世間の評価が高くても個人的にはハズレなのは良くあることだが、逆は殆どないんだよなあ…

本作の感想を一言で言えば”パッとしない”。画は地味だし、ストーリーは良く分からないし、ヴィランであるマグニフィコ王も国王が国のためになる願いを優先して叶えること自体は当然とも思えるし、一体どういう作品を作りたいんですかって感じ。最近のディズニー作品は良くも悪くもメッセージ性が強いが、本作では何を伝えたいのかも良く分からない

個人的な解釈はマグニフィコ王は現在のディズニーの幹部、スターは文字通りのスター。マグニフィコ王が国のためになる願い(ポリコレ)を優先することに不満を持つ輩が増えると、王は禁断の書(Woke)を開き人々を洗脳しようとし(従来の)スターを封印する。しかし、人々の声(歌声)が封印を解き、ロサス王国(ディズニー)はあるべき姿へ向かおうとする

そう考えるとCGによる手書き風の画や作品の最後に流れる往年の名曲は原点回帰ってことだろうか。昔に拘り過ぎるのも問題ではあるが、今のディズニーはメッセージ性(ポリコレ)に囚われ過ぎて肝心の作品自体の出来に関しては二の次なのが現実。メッセージなんて添え物。作品の出来が良ければ人々の心を打つ訳で、そういった点では原点回帰は必要なのかも知れない

 

・THE FIRST SLAM DUNK 2.0
そもそも期待していなかったので映画館では観なかったが、想像以上につまらなかった。おじさんなので流石にSLAM DUNKを知らないことはないが、漫画もTVアニメも見ていないし思い入れは全く無い

本作で唯一褒められるところは作画の素晴らしさ。モーションキャプチャを駆使してヌルヌル動くCG自体は珍しくないし、最近は手描きっぽいCG作品も出てきているが、両者が高い次元で融合している。漫画もTVアニメも平成初期の作品だしね。もろCGでは作品の世界観を損ねると思うので、作画にはかなり拘ったのだろう

公開直前の声優交代発表は物議を醸したが、TVアニメ版を知らないこともありあまり違和感はなかった。ただ安西先生はねえ…。某ドラマの山下真司のような”熱血漢”ではないにせよ、何年か前までは鬼コーチと恐れられた人物なんでしょ。あまりに去勢されすぎて隠居老人って感じ

あとバスケットボールのルールが今と違うので違和感があったけど、これは仕方ないかな。今のルールに合わせて改変するのは地味に大変そうだし、原作ファンが怒り出しそうだしでやる価値はないだろう

で問題の中身だが、誰に向けて作った作品なんだろうと思った。基本的にはSLAM DUNKのファン向けだろうが、SLAM DUNK知名度はかなり高く、筆者のように漫画もアニメも見ていない人、できれば若い人たちにも観て欲しいと思っていただろう

TVアニメ化されていないらしい”あの試合”を映画化したのは予想通りだが、おまけがねえ。チマチマ挟まる回想が試合の流れをぶった切る上に内容が陳腐。ぶっちゃけこいつらDQN集団じゃん。DQNの泣かせる話とか全く興味がない

それに何故宮城(リョータ)。せめて桜木(花道)じゃないの。まあ、桜木の”紙芝居”もあるけどw。ガチ勢の分析によれば宮城をフィーチャーしたのは原作での宮城の扱いが小さいからだろうとのことだが、これでガチ勢は満足なのかね。試合もエピソードもどちらも中途半端。映画の尺では全員は扱えないし試合は予定調和に決まっているから、少しでも宮城に感情移入することでファン以外の人も感動できるようにってことなのか。この程度のエピソードで感情移入できるとはとても思えないけど

誰かをフィーチャーは必要なかったと思う。ファン以外向けにメインメンバー5人の簡単なエピソード集を試合の合間に挟んで、顔と名前とキャラ(と背番号)が一致するように配慮すべきだったのでは。試合終盤の紙芝居で桜木が晴子目当てで(高校から)バスケを始めたことが示唆されているが、「桜木は初心者」っていきなり言われたって分からないでしょ

正直(映画基準で)並の作画なら1点だが、作画に免じて2点にする

2024年に視聴した映画短評(その1)

*今年観た映画なので、今年公開の作品とは限らない。5点満点で最低点は0

 

・VESPER ヴェスパー 1.0
フランス・リトアニア・ベルギー合作のSFダークファンタジーらしいが、本作にSFを期待するだけ無駄。一応それっぽい世界観だが、SF要素の掘り下げは皆無

冒頭にこの世界についての説明があるが、この程度の説明では理解できないし、意味不明な設定も。上映時間は2時間弱なので長くはないが、ダラダラした感じな上に唐突な展開が多いので作品の世界に入り込むのは難しい。ラストもは?って感じだし。終盤慌ただしいのは如何にも次回作の伏線に思えるが、本作の続編を希望する人はいるのかね

B級映画だと思うが、映像はヨーロッパ映画って雰囲気に溢れていて悪くない。望み通りの映像作りだけを考えていてシナリオはお留守だったんだろう。酷評レビューが目立つが、シナリオをもっと吟味していれば(B級映画の)SF作品としてそれなりに評価されそうなポテンシャルはありそうなので残念だ

 

・哀れなるものたち 3.8
原作は1992年に発表されたスコットランドの作家アラスター・グレイの同名小説。何故今更映画化って思ってしまうし、しかも最近何かと問題の多いディズニー映画。その上アカデミー作品賞ノミネート。去年、作品賞にノミネートされた作品は個人的には全てハズレだっただけに嫌な予感しかしないが…

粗筋は自害したもののマッドサイエンティストの気まぐれによって自らの胎児の脳を移植されて蘇生したベラ。胎児の脳だけに体は大人だが行動は幼児そのもの。ただ脳の成長と共に自我が生まれ、ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。旅の途中で色々な場所に行き人と触れ合う中で教養や立ち居振る舞いを身につけていく

とにかくディズニー映画らしからぬエログロでR18+は伊達じゃない。手術シーンはそれなりにグロいが、R18+たる要因はセックスシーンだろう。”熱烈ジャンプ”だけでなく様々な体位でやりまくりで、エマ・ストーンの日本人サイズのバストとヘアをバッチリ拝める

とは言え流石に多すぎる。セックスだけでなくオナニーシーンもあるからねえ。精神的に子供でも体が大人であれば性欲が生じるのは当然だが、相手がいなければ”熱烈ジャンプ”に興じることはできないし。最初は猿のように”熱烈ジャンプ”を欲していたベラも徐々にセックスに感情が伴うようになり、それ故にダンカンと反りが合わなくなっていく等セックスシーンの持つ意味は大きいのだけど

それと男性目線だと男性が悪者にされるのはちょっとね。まあ、全ての男性が悪く描かれている訳では無いし、立場の強い人間が立場の弱い人間を物のように所有したがるのを皮肉っているのだと思うので、原作を考えれば立場が上の人間=男性でも仕方がないのかなとも思うが

最後に上映時間が長すぎる。セックスシーンもだが旅に出るまでも長いので、この辺を切り詰めるなどして2時間以内に収めて欲しかった

お小言はこれ位にして、本作が評価される大きな要因が映像美だろう。モノクロとカラーのコントラストもさることながら、撮影方法やライティング、衣装や小道具も素晴らしくて幻想の世界にいるよう。このリアリティの無さが本作の過激さを上手く中和しているように思える

あとはエマ・ストーンの演技。幼児(というより獣か)から大人の女性までかなり振れ幅が大きい役だが見事に演じきった。納得の主演女優賞だろう。ダンカン役のマーク・ラファロも如何にもクズ男って感じで嵌っていた

ヨーロッパ映画というと難解でストーリーが良くわからないものが多い印象を持つ人が多いだろうが、本作は解釈は人次第とは言え、ストーリー自体は明快だし、オチを含めて皮肉が効いたヨーロッパ映画らしいコメディ作品だと思う。ただ、エログロ(特にエロ)が苦手な人、ベラもそこまで共感を集めるキャラではないと思うのでキャラへの好感度が作品の評価に直結する人にはオススメできない

 

犯罪都市 NO WAY OUT 3.5
マ・ドンソク演じる刑事マ・ソクトが刑事らしからぬ大暴れを見せる犯罪都市シリーズの三作目。前作から7年経ち、衿川警察の強力班からソウル広域捜査隊に異動した設定になっている

前作よりストーリーは刑事モノっぽい。青木崇高國村隼が出演していることもあり日本刀を用いたアクションもあってアクションシーンが増えている。兄貴は相変わらず強いのだが、今回は結構やられる。しかし尋常ではない回復力。ハリウッド作品にも出演しているマブリーだが、是非ジェイソン・ステイサムと対戦して欲しいものだw

反面、コメディ要素が減ってメリハリがやや足りない感じ。前作でいい味を出していた班長や情報屋の出番が少ないのは寂しい。とは言え、お約束の”真実の部屋”は本作でも健在だ

今後もシリーズは続くようなのでお約束だけではマンネリになるのは理解できるし、何だかんだで水準以上の面白さはあるので今後に期待したい

 

・ARGYLLE アーガイル 1.8
キングスマン』シリーズで知られるマシュー・ヴォーン監督作品。本作も『キングスマン』シリーズ同様スパイアクションもの

感想を一言で言うと”くどい”。演出も台詞回しもストーリーも。二転三転どころか何転しているか分からないが、頻繁に敵と味方が入れ替わるからといって面白さに繋がるものではない。取ってつけたような話になって、どうせまだまだ入れ替わるんでしょって思ってしまうので敵でも味方でもどうでもいいって思ってしまう

ではアクションシーンはと言えば正直ショボい。アクションではなく(体を張った)コントだと思うべきだろう。サモ・ハン・キンポーみたいにコメディとアクションを両立して欲しいが、それが無理ならもっとコメディに振るべきだったと思う。まあ、ドリフターズとか吉本新喜劇とか”お約束”な笑いが好きな人なら楽しめるのかも

続編が作られるようだが、正直この出来では期待薄だろう

 

オッペンハイマー 1.5
クリストファー・ノーランと言えば『メメント』『インセプション』『TENET テネット』等SF映画のイメージが強いが、『ダンケルク』等SF以外の作品も作っている。『ダンケルク』が戦争映画だっただけに本作もって思ってしまうが、”原爆の父”と呼ばれた科学者オッペンハイマーの人物像に焦点を当てた作品であって戦争映画に期待するなら見るだけ無駄だろう

極力CGは使わないノーランらしい映像作りは健在。カラーとモノクロの混在、時間軸操作もノーランらしいが、頻度が高すぎて作品に集中できない。態と話を追いにくくして内容の薄さを誤魔化しているようにしか思えない

オッペンハイマーの科学者以外の顔を知ることができるのが本作のウリだろうが、アメリカ人にとっては特別な人でも日本人にとってはそうでもないだろう。名前すら知らない人が多いのでは。それに本作を見た後のオッペンハイマーの印象は”赤い種馬”。本作がR15+なのもヤッてるシーンがあるからだろう

とにかく3時間は長すぎる。前半は本当に退屈で寝不足なら熟睡できること請け合い。後半も日本人目線からすれば原爆が投下され甚大な被害が出たことに変わりはない。まあ、アメリカ人目線からすれば「原爆投下は戦争終結に不可欠だった」という定説に疑いを持つような作品が作られること自体がセンセーショナルかも知れないが

日本での上映がかなり遅れたが、バーベンハイマー騒動に関係なくこの内容では日本人の心には響かないと思う。ノーラン信者と映画関係者は称賛するだろうけど、もう提灯記事じゃ動員は見込めないし無駄な努力は止めとけって。3時間だしTV放映は期待できないが、レンタルや配信で十分だと思う

しかし、「オッペンハイマーは原爆投下を知らなかったからそのシーンは描かなかった」は詭弁だわな。素直に「そんなシーンを描いたらアメリカのネトウヨに目の敵にされて今後ハリウッドで映画を撮ることはできなくなる」って言えばいいんじゃないの。そういう意味ではスピルバーグ監督で見たかった題材。監督引退記念作品ならネトウヨなりパヨクなりに疎まれようが関係ないしね