2022年に視聴した映画短評(その2)

*今年観た映画なので、去年の作品も含みます。5点満点で最低点は0

 

バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 0.5
バイオ愛によって評価が変わりそうな作品だが、当方ゲームは未プレー、ミラ・ジョヴォヴィッチ版は1は見たような気がするがよく覚えていない。有名作品でパチスロになったりしてるし多少の知識はある程度

映画の出来は率直に言ってゴミ。本作は(ゲームの)1と2を合わせたような作品らしいが、これが失敗の最大の要因だろう。登場人物がと言うより主要(と思われる)人物が多すぎて誰が主人公か分からないし人物同士の関係が分からない

バックグラウンドの掘り下げもままならずストーリーの理解ができないし没入感に欠ける。特に終盤はかなりごちゃごちゃしているにも関わらず幼少期の回想とか入れて要素の取捨選択が下手過ぎる

原作ファンでない方が楽しめると言う意見もあるが逆だと思う。ゲーム版のシナリオを知っていて補完しながらでないとまともにストーリーを追えないし、ゲームは知らないがミラ版のファンと言う人にはアクションシーンの少ない本作は不満が残るだろう

それにバイオは抜きにしてホラー作品としてもなあ。A級ホラーでないのは勿論だが、クリーチャーの出来がいいのも災いしてB級ホラーのチープさや笑える要素もないからねえ。ホラーならとりあえず見る人以外にはお勧めしかねる

本作は間違いなく原作ファン向けの作品だが、ガチ勢には不満な要素が多いようで。「かゆい うま」とか月光を弾く所とか印象に残るシーンも入っているが、これも原作通りではないのでガチ勢には不満だろう。ライトな原作ファンがゲームをプレイしていた時の思い出に浸る作品なのだと思う

 

・さがす 4.2
レビューでの評判と佐藤二朗がシリアスな役をやると言うことで観たが、佐藤二朗は悪くはないがシリアスだと輝かない感じ。娘役の伊東蒼を筆頭に清水尋也や森田望智の方が印象に残った

極力ネタバレを避けたいのでレビューが難しいが、脚本は良く練られていると思う。上手くミスリードを誘って終盤の展開に繋げている。前半と後半でがらりと変わる点、ラストシーン等韓国映画っぽいテイスト

本作も社会問題を取り上げているが、「岬の兄妹」に比べるとインパクトに欠けるのは事実。ただ、「岬の兄妹」は娯楽作品とは言い難いし、本作も(日本の)娯楽作品としては攻めた脚本だと思う

所謂モラル厨には毛嫌いされるだろうが、重苦しい話でもないし割と一般向けの作品だと思う。当方はチネチッタで視聴したが、大手シネコンでは殆ど上映されていないから映画ファン以外が見る機会は少なそうで残念

おまけ)自転車での捕物シーンは意外に迫力がある。伊東蒼は蒔田彩珠と同じ事務所なのか。蒔田彩珠と共に今後の活躍を期待したいが、蒔田彩珠は微妙な作品に出演しているようで。今月は観たい作品が多いし、この作品は見送りかな

 

・ライダーズ・オブ・ジャスティス 4.0
風が吹けば桶屋が儲かる」の北欧バージョンと言った感じか。粗暴な軍人が妻を失ったリベンジに燃えるアクション映画の筈が癖のある人達との絡みで斜め上の展開に…と言う話。アクションシーンもあるが、本作のアクションはおまけだろう

色々な要素が詰まった作品だが、とっ散らかった感じはしない。メインに据えているのはヒューマンドラマで人は人に頼って生きると言うことで哲学的な雰囲気もあるが、それと現在進行形のリベンジ劇のギャップが何とも言えない味がある

タイトルのライダーズ・オブ・ジャスティスは劇中のギャングの名称だが、(見せかけの)正義に(安易に)乗る奴らと言うのは主人公達だけでなく世間一般への皮肉にもなっている

ブラックユーモアを含む独特のノリがある作品で人を選ぶのは間違いないが、偶には一味変わった作品を楽しむのもいいだろう

しかし、マッツ・ミケルセンはアナザーラウンドの時とは別人だな。まあ、癖のある人物と言う点では共通しているが。それと冒頭のシーンはボーっとせずにしっかり見ておくべし

 

ゴーストバスターズ アフターライフ 2.9
レイ・パーカーJr.が歌っている主題歌はある程度以上の年齢層なら聞いたことがある筈。ゴーストバスターズ(1)が1984年、2が1989年、リブート版が2016年に公開されての本作(2021年公開)。まあ、当方は1しか観ていないが

感想を一言で言えば「まあまあ面白いが、これでいいの?」。流石にオマージュが過ぎると思う。有名タイトルの続編はノスタルジーを感じる世代を引き込むのが目的なのは分かるが、幅広い世代に観て貰うつもりはないのかね。これで若い世代を引き込めるとは思えないのだが

本作は子供達の冒険譚だが、グループの構成は昨今のポリコレを意識しているのに中身はオールドファッションなんだよなあ。まるで(同世代の作品である)グーニーズを観ているかのような感覚。オマージュ全否定ではないが、今時の要素と上手くミックスして欲しかった

それと序盤のテンポの悪さが気になった。これはガチヲタ勢にとっては徐々に期待感が高まる感じだと思うが、シリーズ初見勢にはどうなんだろう

オマージュの嵐はガチヲタには感動ものだろうから試写会勢の評価が高いのは納得だが、当方はゴーストバスターズに思い入れはないからなあ。初見でも楽しめるかも知れないが、今ならGYAOで無料で1が観られるので観てから本作を視聴した方がオマージュも回収できて楽しめると思う

 

・355 1.8
うーん。一言で言えば「並の駄作」。いくらおばちゃん(失礼)とは言え、素直にチャーリーズ・エンジェル(昔の方)で良かったと思うんだが。それだと今時の価値観に反するのかも知れないが、ガチのスパイアクションとしてはあまりに物足らない

ジェシカ・チャステインは今後はアクションを売りにするのかね。本気でアクションを頑張るつもりならサイズもないしもっと筋力をつけないと。アクションシーンに迫力がないのは撮影技術の問題でもあるが、還暦過ぎの馬場の試合みたいに相手がジェシカに合わせている感じ

それとやたら家族の話でお涙頂戴なのも×。スパイ物にリアリティは不要。シビアなシーンの応酬での浪花節ならいいと思うが、シビアさより甘さが目立つシナリオだしねえ。シビアな一面が見られるのが「二か月後」だが、これはいらんでしょ。素人に言われたくないだろうがセンス無いわ

スパイ物として魅せるならもっとアクションを頑張ってシナリオを練らないと。華やかさを売りにするのは拒否しているし、見所はペネロペ・クルスの変わらぬ美貌位

タイトルの355はアメリカ独立戦争当時に実在した女性スパイに因むらしいが、この映画を観るくらいなら551の豚まんを10個買った方が満足できるだろう