2020年に映画館で視聴した映画短評(その2)

*今年観た映画なので、去年の作品も含みます。5点満点で最低点は0

 

・テルアビブ・オン・ファイア 3.5
イスラエルラヂオの時間といった感じ。オチは秀逸だが、コメディと言われると?日本人にパレスチナ情勢はピンとこないし、笑いの感性が違うのは事実だろうが、それを考慮してももっと攻めて欲しい所。制作の苦労は伝わってくるし、手堅く纏まった作品ではある

 

・ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密 3.3
オチは良くできているし雰囲気も悪くないが、それで満足したのかトリックの甘さが気になる。登場人物たちがスマホを使っていて舞台は現代なのに、昭和かよ!と思わずツッコミたくなるところが幾つか。まあ、破綻と言う程ではないが

それと登場人物が多すぎて掘り下げ不足。1,2人少なくて良かったか。面白いが、得点はこれが限度か

 

前田建設ファンタジー営業部 3.4
内容が一般人にはピンとこない所もあるのでコメディにしたのは悪くないが、全体的に演技がくどい。ビジネスなのに大学サークルのノリなのは…。おかげで上地の下手な演技が多少目立たなくなっているが

一般向けなので仕方ないが、技術的な掘り下げが不足しているのも気になる所

とは言え、なんちゃってSFが跋扈する中できちんと向き合う内容だし、エンジニア愛が伝わってくるのは好印象。悪い意味で文系目線の作品が多いからねえ…

 

・だれもが愛しいチャンピオン 4.0
いい意味で自然体の映画。無駄にお涙頂戴に走ることなく、淡々と進んでいく。寧ろ、もう少しストーリーに溜めが欲しかった。何でHCはタイムアウト取らなかったんだろう

障碍者や社会的弱者を扱う作品は配慮と言えば聞こえがいいが、実際には事勿れ主義に走って内容が掘り下げ不足になることが多い。特に邦画は。日本は建前社会だし、最近は都合のいい現実しか見ない風潮が顕著だしねえ…

 

・1917 命をかけた伝令 3.0
ワンカット風の映像がもたらす没入感は素晴らしいが、逆に言えばそれ以外に見どころのない作品。若い兵士とは言え緊張感に欠ける行動が目立ち、切迫した戦況が全く伝わってこない

全体の状況が分かる画があれば良かったが、ワンカット風に拘ったばっかりにそれもできず。策士策に溺れるといった感じ。画だけでなくストーリーにもこだわらないと。アカデミー作品賞を逃したのも納得だ