2022年に放送・配信されたアニメレビュー(その3:評価1.7以下)

2022年に放送・配信されたアニメレビュー(その2:評価1.8-2.5)の続き

 

エスタブライフ グレイトエスケープ 1.7
駄目な作品の典型。説明不足且つ設定を上手く使えていない。脚本家がダメなのか、監督がダメなのか、メディアミックスを画策したからなのかは分からないが脚本が雑。説明を極力したくない、後に引っ張りたいのが見え見えで、本来ならストーリーに引き込まれる筈が行き当たりばったりのご都合主義に思えてしまう

後、百合要素が邪魔。ただでさえテンポが悪くて説明不足なのに話の腰を折る。もっとキャラや設定を掘り下げるのに時間を割くべき。そもそも何でこういうチームになったのか謎過ぎる

作画は悪くないしぶっ飛んだ逃がし方は面白いから、1話完結で逃がし屋稼業にだけ照準を合わせればこの展開でも良かったと思うが、それだとソシャゲとしてはってことなんだろうな。この後ソシャゲと映画が控えているようだが、この出来じゃ惨憺たる結果になる予感しかしない

 

・ブラック★★ロックシューター DAWN FALL 1.7
元々は1枚のキャラクターイラストらしいが、このキャラに着想を得てボカロ曲「ブラック★ロックシューター」が作られ、2012年にTVアニメ化。前作は未視聴なので分からないが、本作は一部世界観を共有するだけで全くの別物

ストーリー的にはAIvs人間と言うありきたりな話。全体的にテンポが良く、設定はそれなりに練り込まれていると思うが、説明は必要最小限って感じだし、ヘーミテオスユニットとしての悲哀を描き切れていないのでカタルシスが無い。最後もとんでもないご都合主義だし、途中も話がブツ切りで何でこうなったって感じで話に入っていけない

作画は序盤こそモーションが怪しいが、それ以降は悪くない。きちんとアクションしているが、レイトレONとOFFとで違和感を感じた。CGアニメにしてはそこまでCGっぽくないのが原因か

スマイリーが正に悪役って感じで悪趣味の極み。やられて当然ってキャラでカタルシスに欠ける本作では貴重なキャラ。ルナティックもかなりの胸糞だし、ベビーフェイスキャラに魅力がない分、ヒールキャラが目立っている

 

リコリス・リコイル 1.7
アニオリ作品。所謂、バディもの。新作アニメの制作が決定している

制作はA-1 Picturesなのでアニメのクオリティは十分。ただ、アクションシーンはそこまで多くない。本作が評価されているのはキャラの可愛らしさによるものだろうが、エロシーンを極端に回避するのは何だかなあ。パンツの柄まで考察しろってか。原作があるならともかく、アニオリなんだからエロを回避したいならこういうエピソードなんか入れなきゃいいと思うが

パンツの件はともかく、ぶっちゃけストーリーは並以下。薄っぺらいと言うか、脚本が拙いので薄っぺらく感じられると言うべきか

薄っぺらく感じる理由は大きく2つ。まず、既視感の塊であるということ。ただ、以前にも書いたように毎年夥しい数の作品が発表される中で「全く似ていない」作品を作るのは不可能だと思うので、どう個性を出していくかだと思うが

更に物語としての核がない上に、いらない要素を混ぜすぎ。特に不殺に拘るならもっと明確な理由がないと。マッチポンプにも程があるでしょ。これを先が読めないストーリーと取るか、内容が無いようと取るかは人によって分かれるだろう。今時、シリアスな作品は受けないから緩い作品にしたいってことなんだろうが

緩い日常とシビアな仕事モードの落差が売りの女子2人のバディものと言えば、最近だと阪元裕吾監督の『ベイビーわるきゅーれ』が思い出されるが、本作の主人公は千束(ちさと)とたきなで『ベイビーわるきゅーれ』のちさとと被るので(もう一人はまひろ)何らかのインスパイアがあったのかも。本作はストーリーに無駄が多いので、『ベイビーわるきゅーれ』みたいに90-120分位のアニメ映画かTVスペシャルで公開すれば粗が目立たずに楽しめる作品になったように思う

 

終末のハーレム 1.6
エロシーンの多さが話題だが、正直この作画では…。海苔連発も単なる作画崩壊でしかない。題材的にエロシーンは避けられないのだし、中途半端なことをするなら腹を括って地上波では放送しなければいいと思うのだが。これでは作品の評価が下がるだけ

ウイルスによる人口減少、男女比のバランス崩壊、子孫を残すためのメイティング義務化と言えば小松左京の『復活の日』を思い出す。ハーレム状態もずっと続けば飽きるのは当然だし、"男"になって豹変する翔太、頑なに操を守る怜人と三者三様なのは面白い

ただ、本作のメインは怜人ルートの筈で、それぞれの思惑が交錯してのストーリー展開が楽しみだが、これからと言う所で終わっている。1クールだとここまでになるのは仕方ないと思うが、地上波に拘らなければ話数縛りも無くなって第1部完結まで描けただろうから残念だ。続編が作られる可能性はまずないだろうし、あってもこの作画じゃなあ

 

カッコウの許嫁 1.6
少年マガジンで連載中のラブコメ。所謂、ハーレムラブコメだが、主人公である凪の性格や笑いのノリは女性作者らしさを感じる。ただ、あくまで男性誌向けの作品で少女漫画のようなキュンキュンした恋愛模様を描いた作品ではない

郭公は托卵することで有名、それに取り違え子と言う事で予想通りの展開。ただ、2クールかけた割には話が全く進展しない。終盤は謎の兄の話がメインになってしまっている上に、結局…

女性キャラはかわいいし、性格も個性的。コメディ要素を楽しめないことはないが、上述のように話のテンポはかなり悪い。声優は有名どころを起用しているので、ダラダラとした話が好きな声ヲタ向けの作品なんだろう

 

・ピーター・グリルと賢者の時間 Super Extra 1.6
原作は檜山大輔の漫画で2020年にアニメ化。Ver.によって”見え方”に差があるものの、異種族による子種争奪戦という内容だけにエロシーンは避けられない。まさか2期が制作されるとはね

ただ、残念ながら1期に比べると大幅に劣化している。まず作画。1期のウルフズベインは2期も担当しているが、2期からアニメーションスタジオ・セブンが加わったせいなのか明らかに質が落ちている。止め画で誤魔化すシーンも増えた。予算削減ってことなんだろうな

エロあっての作品なので作画は重要ではあるが、それ以上に劣化したのが脚本。シリーズ構成・脚本は1期と同じ人だが、何を血迷ったのか

1期に比べてストーリー性が強くなっているが、これが間違いの元。本作にシリアス展開とかちょっといい話を望む視聴者がいるとは思えないが。原作はエロ&ギャグ押しの作品だからストーリーはオマケ。超展開も笑いに繋がる要素なのに、ストーリー重視だと粗にしかならない

ワンパターンを打破したかったのだろうが、ショートアニメだしお約束を貫き通した方が良かったと思うけどね。何もかもが中途半端になってしまった感じ。それに同クールに『不徳のギルド』があるからねえ。方向性は違うが、ファンタジー世界+エロでモロ被りな上に明らかにこちらの方が見劣りする。とは言え、量産型ラブコメレベルの面白さはあると思うのでこの点数で

P.S. これだけ槍魔栗三助ならいい加減誰がが孕んでもと思うが。「地上最強の男」も受精能は低いのか

 

・錆喰いビスコ 1.5
所謂バディ物。独特の世界観だがそれを作品に活かせていない感じで、褒められるのは中盤のロードムービー的な数話のみ。まあ、作画は悪くないが

序盤は時系列シャッフルを行っているようだが、はっきり言って糞。1話と2話が遊んでしまっていて3話が1話みたいな感じ。時系列シャッフルは1話で作品の世界観を提示して2話からストーリーを始めるケースが多いが、本作は特になし。何でも主要キャラであるミロがすぐに出てこないのが気に入らないらしいのだが、主人公クラスが2話、3話で初登場は珍しくないと思うし花江に弱みでも握られているんだろうか。意味不明なシャッフルはストーリーが把握できなくて視聴者に切り捨てられるだけだと思うのだが

終盤はBL色が強くなる。本作はラノベ1巻を1クールにしているので明らかに無理があり冗長感が半端ない。しかも冗長な上に唐突。序盤に世界観を説明しておけば多少はマシだったと思うのだが

BL、花江が最初から出てくるように改変、女性ファン獲得が狙いなんだろうがこのデキではねえ。きちんと世界観を示して8-10話程度に纏めていたらだいぶ印象が変わったと思うので残念だ

 

・うちの師匠はしっぽがない 1.5
TNSK原作の漫画のアニメ化。落語を題材としたアニメ作品と言えば『昭和元禄落語心中』や『じょしらく』が思い出されるが、両者の中間的立ち位置の作品

中盤まではまめだが徐々に成長していく様を師匠である文狐が厳しいことを言いつつも優しく見守る人情噺のような展開だが、終盤はそうではなくなる。終盤に展開があるのは脚本としては悪くないが、同時に作風のブレを感じさせることに

文狐を含む四天王の過去のエピソード自体は面白いが、正直展開に無理がある。江戸にせよ上方にせよ他の一門と無関係という訳にいかないのは分かるのだが、流石にこれは「余計なお世話」でしょ。こんなんやられたら立川流みたいに組織から離脱しても不思議じゃない

また、人間が賢くなって簡単に見破られるようになり、住処がどんどん狭まっているからと言って、「今の時代に化けるのは時代遅れ」とマウントを取るのは違うだろう。令和の自粛警察かよ。時代は大正だし、しかも上方、簡単に大勢に阿るような気質ではないと思うのだが

作画は大正時代にしては明るい感じで、キャラデザも現代風。OPは文狐のイメージなのだろうが割とお洒落な感じ、EDはまめだのイメージでまっすぐに進む様子なのだろうが、ストーリーが中途半端に重たくなったりして世界観を構築できていない

Cパートの豆知識のコーナーは噺の内容だったり上方落語江戸落語の違いに触れたりと為になる。まあ、ヘビーな落語ファンには必要ないだろうが

本作はヘビーな落語ファンには物足りないだろうが、と言って上方落語江戸落語があることすら知らないレベルの人が観てもつまらないだろう。内容も中途半端だが、対象もたまに寄席に行くようなライトな落語ファン向けという何ともニッチな作品に。中途半端なのは原作由来なのか脚本のせいなのか分からないが、明らかにブラッシュアップが足りていない作品という印象

 

プラチナエンド 1.4
本作を一言で言えばDEATH NOTEのセルフ劣化コピーFAIRY TAIL→EDENS ZEROみたいなものか。DEATH NOTEが死や悪といった闇を描いたのに対し、本作は生や幸せといった光を描いているのだろう

本作はメトロポリマン編とそれ以降に分けられると思うが、所謂デスゲーム好きはメトロポリマン編、そうでない人はそれ以降の話の方に惹かれるだろうが、個人的にはどっちもどっち。本作の"ゲーム"のルールは戦略性があって面白いのでデスゲームを前面に押し出す手もあったと思うが、テーマに反すると言うことなのだろう

主人公の性格が悪い意味で日本人的で、お世辞にもテンポが良いとは言えないストーリー進行の腰を折る。優柔不断な所を含めて人間らしさを描きたいんだろうが、だったらメイティングでもしたらいいのに。両想いの子と同衾してしかも豊満なバストの持ち主、この先最悪死もあり得る訳で死ぬ前に愛を確かめ合っても不思議じゃないと思うが

因みにオチは激寒。タイトル回収にはなっているが、これまでの話は何だったって感じ。オチを含め最終盤の展開が唐突過ぎて打ち切り漫画をそのままアニメ化した印象

本作も少年漫画のお約束なのか立派なバストの持ち主が多い。豊かな乳房には少年の妄想が詰まっているんだろう

 

・可愛いだけじゃない式守さん 1.4
本作を一言で言えば量産型ラブコメって感じ。作画は悪くないので、まったりとした初々しい感じが好きな人にはいいのだろうが、そうでないと序盤で飽きるだろう

特に駄目だと思う点が2つ。まずは和泉くんの不幸体質を上手く使えていない点。不幸体質が和泉くんの性格形成に大きく関わっていることは分かるのだが、ストーリー的には無くてもいいんじゃないと思ってしまう。不幸体質を笑いに繋げる訳でもなく、と言って掘り下げる訳でもなく、ただ式守さんの漢気モードと言うか運動神経の良さが発揮されるトリガーでしかないので飽きてしまう。せめてパンチラでもあればいいが、本作にお下劣要素は皆無

次はシリーズ構成。6話位まで只管ワンパターンが続く。そこからやっと和泉くんや式守さんの過去やそれに付随して脇役達の話も絡んでくるが、そこまでに興味が失せている。1話はそのままでいいと思うが、2話以降は時系列の方が良かったと思う。元々Twitterに個人的に載せていたものを連載化したようなのでストーリーは考えていなかっただろうし

式守さんが和泉くんのことを敬語で呼ぶよそよそしさが、そのまま本作の雰囲気に繋がっている感じ。アニメ化に当たってもっと考えて欲しかった

 

・3秒後、野獣。~合コンで隅にいた彼は淫らな肉食でした 1.3
タイトルからして僧侶枠と分かる作品。タイトルは1話終了後の感想と言った感じで、2話以降の展開が気になるが…

最近の僧侶枠は凝った設定の作品が目立つが、本作は潔いほどのド直球。ただ、エロ100%って感じではなく、きちんと恋愛しているのが作品としては仇に。僧侶枠らしい展開の速さは悪くないが、何故、先輩がヒロインのことを好きなのか、他の男は眼中にないのに幼馴染は強烈に意識するのかが良く分からないのでイマイチ作品に入れない感じ

作画クオリティは低く、キャラデザも古臭い感じ。集団でのダンスは昔懐かし消費者金融のCMを思い出させる。僧侶枠らしくツッコミながら見られるのはダンスバトル位までで後半は普通の恋愛ものって感じだしなあ。正直、残念な作品

 

・じゃんたま PONG☆ 1.2
スマホでもPCでも遊べるオンライン麻雀ゲーム「雀魂」に登場する雀士キャラを使ったショートアニメ。中ビームとか緩く麻雀を打つシーンだけでなく、かなりぶっ飛んだ展開も。1話1分30秒なのでストーリー性に乏しいのは致し方ないと思うが、全然麻雀に関係ないエピソードも。麻雀ばかりだとネタがってことなんだろうが、麻雀ゲームのキャラなんだし強引にでも麻雀にこじつけて欲しかった

まあ、雀魂の販促アニメでグッズ販売や新規プレイヤー獲得目的なんだろうけど、キャラ目的で麻雀ゲームをする人ってそんなにいるとも思えないがそうでもないのかね

・あたしゃ川尻こだまだよ〜デンジャラスライフハッカーのただれた生活〜 1.2
1話2分30秒なのにOPが1分30秒で実質1分アニメ。いや、アニメと言うより電脳紙芝居か。原作は漫画エッセイらしいので原作の雰囲気を残したアニメ化と言えなくもないが、内容は一人暮らしあるあるでストーリー性皆無だしアニメ化の意義はと聞きたくなる

また、実質1分x24話も如何なものか。まあ、内容的に1週飛んでどうこうではないし、TVerで1週間無料視聴可能だが。内容的にまだ未婚率が高いTikTok世代向けと思うしYouTube等で配信限定にすればコスト削減になると思うが、TVで放送することにこそ意義があるのだろうか

OPは中毒性あり。放送時間の6割を占めている訳で、こっちが本編なのかも

 

・継母の連れ子が元カノだった 1.2
紙城境介の同名ライトノベルのアニメ化。ジャンルとしてはラブコメになるのだろうが、正直ラブコメとしては既存のラブコメの悪い所の寄せ集めって感じでかなり出来が悪い。本作は純愛ものとして観るのが正解だと思うが、それには”不純物”が多すぎるのも事実

とにかくテンポが悪い。連れ子同士が知り合いと言えば「ドメスティックな彼女」が思い出されるが、ドメカノと違うのは二人が(別れたばかりの)元カップルという点。1話からかなりギスギスした雰囲気で始まるが、早々に実はお互いに未練があるのが分かる。となると、何故別れたってことになるが、それが分かるのは何と第9話。流石に引っ張りすぎでしょ…

そこまで引っ張るなら他の要素が必要になるが、本作の脇役は曲者揃いで彼らを上手く使えばラブコメらしくなったと思うのだが。多分、原作ではもっと絡んでいるんだろうが、本作ではカット。原作未読なのではっきりとは分からないが、本作は原作第4巻までをアニメ化したと思われるので、水斗と結女以外の話は極力カットせざるを得なかったのだろう

ただ、そのせいで他のキャラが中途半端に絡むだけで展開がなく、回想がチマチマ挟まるだけの非常にテンポの悪い作品に。皮肉は頻繁に飛び交うものの、「かぐや様は告らせたい」みたいに相手に好きと言わせようとするような駆け引きも無し。そもそも、第9話を観た限りでは水斗はともかく、結女は皮肉なんて言えるキャラとはとても思えないのだが

それに第9話まで引っ張る時点で二人が復縁する方向なのが見え見えだからねえ。別に見え見えでも構わないとは思うが、ここまでに興味を失っているのにステレオタイプを見せられてもやっぱりねとしか思わん

ドメカノだったらGカップの東頭いさなとは確実に寝ているだろうし、結女との仲も一発やって復縁って感じだろう

意地でも純愛路線を貫くなら、余計な話は思い切って全てカットで全8話位に纏めたら良かっただろう。ただ、脇役だけじゃなく水斗と結女も相当癖ありだし、純愛もの向けのキャラじゃないと思うけどね

 

惑星のさみだれ 1.2
水上悟志の同名漫画作品のアニメ化。あらすじだけなら面白そうに思えるのだが、何を間違えてこうなったのか

まずは作画。相当酷いレベル。これで戦闘シーンが多いのだから目も当てられない。もし鬼滅の刃や呪術廻戦の戦闘シーンの作画がこのレベルだったらヒットどころかお寒い結果になっていただろう。ただ問題は戦闘シーン(の紙芝居)だけではなく、それ以外のシーンでもパースが狂っているなど不自然な作画が目立つ

それに加えてキャラデザが。原作は2005-2010年にかけての作品なので時代に合わせたと言えなくもないが、2000年代よりもっと古臭く感じる

では脚本は悪くないかと言われたら、脚本も稚拙だと言わざるをえない。よく「原作通りなら面白い」とヲタが曰うが、本作は「原作通りだからつまらない」作品の典型だろう。ギャグが滑りまくっているのもあるが、とにかくテンポが悪い。この作画にこのテンポの悪さでは最後まで見ずに見捨てられても文句は言えない。ぶっちゃけ序盤はあまり意味がないのだからばっさりカットして終盤足りない部分を補わないといけない筈だが、何となく終わっちゃう感じ

制作会社のNAZは過去にも「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」や「インフィニット・デンドログラム」でもやらかしていてハズレと言える制作会社だが、作品の出来が制作会社ガチャで決まるのは作者にとってはたまったもんじゃないだろう。「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」の作画が悪くなかったのはID(イド)の奇蹟としか言いようがない

 

・プリマドール 1.1
Keyによるメディアミックスプロジェクトのアニメ版で、この後ゲームも出るらしい。Keyのアニメと言えば「神様になった日」が物議を醸したが、本作も残念な出来。悪い意味でKeyクオリティを確立した作品になったかも

本作を端的に言えば、「ヴァイオレット大戦ですか?」ってところか。戦争帰りの人形(オートマタ)、和風(大正時代)な感じ、萌えなキャラが喫茶店で働く。戦場で歌を歌うのもあった気がするなあ。毎年大量のアニメ作品がリリースされるので多少似てくるのは致し方ないと思うが、これは酷い

まあ、外面はパクリでも中身にオリジナリティがあればと思うが、内容的にも中途半端。緩い萌えアニメにしたいのか、シリアスな作品にしたいのか、非常にバランスが悪い

まず、掴みが下手過ぎる。序盤にキャラ紹介回を作ってキャラの性格を理解して貰うのは悪くないが、ワンパターン。灰桜のマッチポンプを歌で解決して戦争の回顧。泣かせたくて必死な感じ。例えるなら、焼肉屋に行ってタン塩やロース、サンチュ等には目をくれず、ホルモンやカルビばっかり食べ続ける感じなので飽きてしまう

一応、後半の展開に対して多少の種明かしはあるし、前半に伏線はあるのだが、説明不足な感は否めず「は?」って感じ。「神様になった日」もそうだったが、とにかくややこしい話はカットしたいのだろう

最近はファスト映画が問題になっているが、「糸」「余命10年」みたいなダイジェストのような作品が泣ける映画としてそれなりの評価をされる時代。制作側としては、お前らの好物である萌えと泣きのシーンを凝縮してやったから堪能してくれと思っているのだろうし、これを高評価する人はいるのだろう。

ただ、泣けるシーンって感情移入できるかだと思うが、こんなダイジェストみたいな作品じゃ感情移入なんて無理な話。キャラは可愛いし作画も悪くないので、もっとストーリー重視で構成すれば本当に泣ける作品になりそうだが。それでも量産型の域を出ないとは思うが、本作に比べれば遥かにマシだったと思う。残念だ

 

後宮の烏 1.1
白川紺子の中華ファンタジー小説のアニメ化。原作は既に完結(全7巻)している。柳寿雪(烏妃)を頼ってくる依頼人の依頼を解決しつつ、寿雪と夏高峻(皇帝)の禁断の恋(?)を描く作品

本作は原作の2巻までをアニメ化したと思われる。かなりゆったりとしたペースでさぞかし濃密な話なのかと思いきや、びっくりする程内容が薄い。宮廷の人物の依頼をこなしていくうちに宮廷や烏妃に関する知見が得られるようにはなっているが、バックボーンに大きな話がある訳でもなく13話かけてプロローグが何となく終わったって感じ

それと終盤は烏妃の命が狙われる話が続くが、支離滅裂としか言いようがない。中国では”私憤”のことを”定め”と言うのかね。まあ、今の日本(と言うか世界)もそんな感じだが

作画は中国風で、回想シーンは切り絵風。今風ではないが、作品には合っていると思う。ただ、術はもっと派手でバリエーションが欲しかった。雰囲気を壊さないようにってことなんだろうが、烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)は明らかに浮いているし、全体的に作画負荷は低めだと思われるのでもう少し頑張れなかったかね。『呪術廻戦』にしろとは言わないし

あとOPとEDは作品の雰囲気に合っていて良い。女王蜂は『どろろ』のOPも担当していたと思うが、歴史物が合っているのかね

アニメに限らず『宮廷女官チャングムの誓い』とか中国や韓国の宮廷を舞台にした作品が好きな人には面白いのかも知れないが、そうではないおっさんにとっては退屈なだけの作品だった

 

・オリエント 1.0
鬼狩りの話だとどうしてもアレと比較してしまうが、正直かなり見劣りする。作画はバラツキがある感じ。この作画で戦闘シーンを描いても迫力に欠ける

世界観はハチャメチャ。オリジナル要素を否定はしないが、もう少し戦国時代っぽくできなかったものか。武士が刀持っている以外は戦国時代と思えない。その武士も女性武士が多い上に服装は忍者、バイクに動く城等、作画も戦国時代っぽさは皆無で何の為の設定なのかと思う

全体的にテンポが悪いが、特に序盤はテンポが悪い上に意味不明なので、話が進みだすまでに切ってしまう人が多かっただろう。主人公達のいた場所では鬼こそが神で武士は150年前まで日ノ本を支配していた化け物であり、鉱夫は鬼に奉納する金属を死ぬまで掘り続けるのが仕事で武蔵は鬼を退治する為に鉱夫となったらしい(原作未読)

この設定が本作を見ているだけだと分からない。序盤にチマチマと回想が入るが、主人公達が虐げられていたことは分かるがその理由は説明されない。だから鬼退治の旅に出て、外では武士が迫害もされずにいるのにかなりの違和感がある。更に回想過多はただでさえ悪いテンポをさらに悪化させるだけ

中盤以降は話も進みだして、少しずつこの世界の謎が明らかになって本題はこれからと思わせるが、このペースで進行して最後までアニメ化できるのか疑問。二期が7月から始まるらしいが、余程他に観る作品が無い限りは観ないだろう

 

・東京24区 1.0
本作を一言で言えば、アニメ制作におけるトロッコ問題解決に大失敗した作品。下倉バイオは本作がアニメ初脚本らしいが、それにしても酷い脚本。SF部分のプロットは悪くないが、それは他の作品の寄せ集めだから。ただ、世間にSF作品が溢れているので既視感があるのはしょうがない。それにどう肉付け、味付けしていくかが問われるが…

本作をどういう作品にしたいのかが伝わってこない。本格SFにしたいのか、ライト層にも観て貰う間口の広い作品にしたいのか。RGBの活躍を描く作品の筈だが、大人の魑魅魍魎が跋扈する世界を描きたいのか群像劇化してモヤっとした作品になってしまった

エピソードの取捨選択が下手で序盤からテンポが悪い。最終盤に全ての謎解きをするシナリオでないのはいいが、9話、総集編、10話と同じ様な話が続くのは下手過ぎる。まあ、総集編は事故なんだろうけど

で、終盤だが、殴り愛&大好きは失笑を通り越して嘲笑レベル。思わず飯島直子を探してしまった。ここまで散々決断を促してきたにも関わらずこれかい。まあ、今の日本は決断しないことが高支持率の秘訣な訳だが…

電話の発信主がアスミであること、RGBのみに電話がかかってくることから何らかの形でアスミの意思が関わっていることは予想できる筈で、それを軸にストーリーを進行させれば全てを他人に聞くようなことはなく自分達の力で核心に迫るようにできた筈。尤も、最後が殴り愛&大好きじゃ意味ないが

作画は序盤こそ悪くないがどんどん崩れてくる。1週飛ばし&総集編挿入はスケジュール遅れを示唆しているが、コロナ禍で致し方ない所もあるか。この脚本じゃ作画で台無しってことでもないし。それと舞台を2021年と現代に設定したのは謎。今この手のシステムはどこの国でも稼働していないでしょ。近未来(2040年以降)にしておけばストーリーにも説得力が出たと思うのだが。こういう所も詰めが甘いよなあ

 

・ハナビちゃんは遅れがち 1.0
最近擬人化作品が多いが、本作はパチスロの擬人化。スロッターならタイトルの時点でピンと来るだろうが

タイトルに反してパチスロ要素は少ない。1話実質3分は長くはないが、1分半とかの作品もあるのでもう少し内容を頑張って欲しかった。OPはかなりのバージョンが用意されているし、声優も豪華なのだが

ゆるい擬人化アニメはヲタ受けもいいし、スロッター以外にも観てもらおうとした結果なのだろう。キャラも立っているしゆるいアニメが好きな人にはいいだろうが、そうでない人にとってはとても満足のいく作品ではないだろう

 

・Extreme Hearts 1.0
本作を一言で言えば”闇鍋定食超特盛(総重量3kg)”って感じ。キャラもかなり多いし、ソシャゲ展開しているかその予定があるのかと思ったら、まさかのアニオリ。だったらもう少し内容を吟味しないと。こんなフードファイター御用達メニューじゃ、1クールでまともに消化できる訳がないのは分かっていると思うのだが…

正直、1話からツッコミ所しかないので例年ならば3話位で切っていただろう。今年は微妙な作品も一応、全部見ることにしているから見ているが、既に後悔している自分がいる

とある動画で本作に「あいみょんがスポーツで優勝してAKB48になる話」ってタイトルが付いていたが、ソロのシンガーソングライターで活動していて(グループの)アイドル活動をするのに葛藤がないと言えば嘘だろう。「アイドルがやりたくて声優になった訳じゃない」とか言っていた人もいたと思ったが

勿論、「声優になれば(キャラソン等で)歌の仕事もできる」「声優を契機に(吹き替えやナレーションを経由して)テレビの仕事や俳優業に進出したい」とか、言葉は悪いが声優を腰掛けに考えている人もいるだろうし人それぞれだと思うが、いずれにせよすんなりと割り切った人は少ないと思うし何らかの迷いはあって当然だろう

そんなこと言っても、ただでさえ詰め込み過ぎなのに尺があるのかって言われそうだが、ぶっちゃけ無駄だらけだからねえ。水着回を筆頭に雪乃や理瀬の勧誘もどこぞのアニメのコピーみたいな展開だし、1クールのアニメで他のグループとの交流や掘り下げにこんなに尺を使う必要があるのか疑問。メリハリが足りないから、詰め込み過ぎなのに終始ダラダラしている感じになる

本作のジャンルは何なのかと言われたら、少なくともスポーツアニメではない。理由は制作陣がまともにスポーツを描く気があるとは思えないから。とは言え、練習風景を含めてスポーツシーンが多いのが何ともね…

まずハイパースポーツ(大会)に関するレギュレーションの説明がお粗末。本編だけ観てると「何やそれ?」って感じなのだが、実は本編とは別にYouTubeにサイドストーリーが上がっていてそちらで説明があったりする。ただ、ルールなしのスポーツとかありえないんだし、本編できちんと説明するのが筋だろう

次にハイパースポーツの魅力が伝わらない点。エクストリームギアを用いてのハイパースポーツは(ギアを用いない)リアルスポーツではあり得ない動きができるのが売りだと思うが、最初のフットサルこそド派手な技が炸裂するがどんどん地味に。どうせなら最後までド派手で良かったと思うけど

エクストリームギアを使っただけで何でもできる訳では無いのは、選手のポテンシャルが重要ということで陽和たちのチームが(リアル)スポーツガチ勢ばかりなのは理に適っていると言えるが、その割には細すぎる。確か、身長と体重が出てきたシーンがあったと思うが、やや細めな体格では筋力が足りない。実際、箱根駅伝等でも厚底シューズで記録が大幅に伸びているが、反面、女子選手の故障も目立つように。エクストリームギアは言うなら厚底シューズの強化版みたいなものだし

極めつけはスポーツのルール無視、ハイパースポーツはあくまでエクストリームギアを使って既存の競技をするので、その競技のルールには縛られるのだが。決勝戦で態々スロー再生までしてファインプレーであるように見せているけど、あれはゴールテンディングで本来は相手のゴールが認められるからねえ。それに最終盤の時計の進み方もメチャクチャだし。まあ、プレーを省いているのかも知れないけど

制作陣はスポーツに興味なんて無いんだろうし、だからルールを勉強する気もないのだろう。だったら、エクストリームギアを使ったオリジナルスポーツにすれば良かったのに。そうすれば多少の破綻はルールだからで片付けられるし、ド派手なプレーでハイパースポーツの魅力もアピールできただろうに。様々な競技をこなす設定だと、どこかでボロが出るのは当然だろう

作画は下の上ってところか。流石に最終盤の見せ場はきちんと作画しているが、途中は作画崩壊といっていいレベル。この程度の作画でスポーツとライブてんこ盛りの作品を作ろうとするなんてとんでもない話

纏めると基本的なストーリーは王道だし、最後のライブもきちんとした作画で締めているし、スポーツに興味のないスポ根好きなら高評価もあり得るのかもね。反面、スポーツガチ勢、特にバスケットボールファンは激怒するかも。まあ、ガチスポーツ物に期待する人は3話までに離脱していると思うが

あと、本作で褒められる所は声優の演技。ちゃんと下手に歌うべき所で下手なのは素晴らしい。別作品になるが「シャインポスト」もこれ位落差をつけて欲しかったのだが。声優は台詞だけでなく歌を唄うことも珍しくないし。0点台にしたいところだが、声優の頑張りに免じて0点台は回避

 

・ラブオールプレー 0.9
原作は小瀬木麻美の小説。アニメ化と同時にコミカライズ化されたが、原作が全4巻(+番外編1巻)あって2クールアニメにも関わらず、アニメ版を元にした漫画が全3巻なのは失笑モノ。原作の全てをアニメと漫画にしたかは分からないが、原作のクオリティ?って思ってしまうのは確か

作画はぶっちゃけ底辺レベル。ただ作画崩壊とかではないので、バドミントンに興味がない人にとっては問題ないだろう

では何が問題かと言えば、バドミントンのシーンで動かない。止め画が多い上に動きを線でごまかすから紙芝居を見せられてる感じ。更に描かれるのはスマッシュと難しいレシーブシーンだけ。作中でも言っているようにバドミントンは一撃で仕留めるのは難しいので前後左右緩急で揺さぶる組み立てが重要だが、それが全く伝わらない。特に主人公の水嶋亮は(女子の)奥原希望のようなプレイヤーで、相手に攻められても粘り強く拾って相手のミスを誘ったり逆にこちらから攻めるのが持ち味なのに

全てのポイントを網羅していたらいくら時間があっても足りないのは事実なので、勝負所を選んでラリーを描いて欲しかった。これは本作だけでなく他のバドミントンアニメにも言えることではあるが、本作は特に取捨選択が出来てなくてダラダラと紙芝居が続くので目に余る

酷いのは脚本も一緒で、盛り上がりに欠けるし掘り下げが足りてない。2クールあればもっと人物を掘り下げられるし、関係を深めていく様子も描けるでしょ。それに余りに”浅い”。「ミスしなけりゃいいんだ」「相手を揺さぶればいいんだ」。その通りだけど、劣勢の中それをどうやるかが問題なんでしょ。「自分に自信が持てない」って自己肯定感が低い高校生らしい悩みではあるが、大した実績もない選手が自信を持てないのは当然でしょ

大した実績もないと言えば追っかけがいるのもなあ。1年生からエースとして活躍して既に実績があってイケメンの遊佐賢人の追っかけならまだ理解できるが。恋愛要素は否定しないし、追っかけ連中も男だけでなくバドミントンに興味を持つようにはなるのだが、ぶっちゃけいなくてもストーリーに影響ないし。追っかけなら”豚貴族”は高校生だから無理にしても、”ゼニーズ”辺りで松田くんのDTを奪う作戦会議でもしたらいいんじゃないの。DTかどうか知らんけど

OPにHey! Say! JUMPの曲が使われているように、本作は『ハイキュー!!』の二匹目のドジョウ狙いの志低い系アニメの一つだろう。だからバドミントンのルールすら説明しないし、バドミントンのシーンで魅せようとはこれっぽっちも思っていないのだろう。バドミントンを題材にしたアニメは『はねバド!』や『リーマンズクラブ』があるが決して数は多くないし、せめて野球やサッカーにしてくれというのが正直な所だ

どうでもいいことだが、那覇って実は全国の都道府県庁所在地の中で記録した最高気温が最も低いから猛暑日は稀。アニメ中で最高気温の予想が36度になっていたけど”記録更新”レベルの猛暑だわな。沖縄に限らず九州も温暖だと思っている人が多いが、宮崎や鹿児島はともかく九州北部は東京23区や横浜と大差なく、冬に降雪は珍しいことではない

P.S. 横浜湊高校=横浜高校か。能見台にあってスポーツ部が強い私立高校ならここだろう

 

・アークナイツ【黎明前奏/PRELUDE TO DAWN】 0.9
Yostarが運営する同名ゲームのアニメ化。Yostarのゲームは他にもアズールレーン等がアニメ化されているが、筆者未視聴ながら世間の評価はイマイチ。ソシャゲのアニメ化により数多くの駄作が生み出されているが、本作も例外ではなかった。ソシャゲ原作に加えて、中華アニメのダメな所を網羅したような作品。因みにゲームは未プレー

作画は普通。この作画で普通とはなんて野郎だって言われそうだが、戦闘シーン以外の作画は素晴らしいけど肝心の戦闘シーンがねえ…。迫力に欠ける。集団での戦闘なのに何故か皆棒立ち、伝説のク◯アニメ「ジビエート」じゃないんだから。それと術なのか何なのか分からないが、ショボ過ぎるだろ…

ストーリーは唐突なシーンの連続。1話から??????????って感じ。最近は面白そうなシーンを見せることで1話切りされないようにする為なのか1話は脈絡なく入る作品が多いので2話から普通に話を進めてくれれば問題はないが、他の中華アニメ同様そのまま進んでいく。特にゲーム未プレーでホームページに有るイントロダクション未読だと訳が分からないまま終わるだろうな。まあ、読んでも訳が分からないけどねw

とにかく全体的に説明不足。イントロダクションの内容は1話か2話冒頭に入れるべきだっただろう。更にこの状況に至るまでの話が皆無なのは酷い。ロドスとレユニオンの成り立ちや何故、反目しているのか位はきちんと尺を割いて説明しないとな

そんなん後でいいじゃんって言われそうだが、本作の終盤が陣営を選ぶ話なんだよなあ。例えるなら、日本のことを何も知らない外国人の前に自由民主党員と立憲民主党員が現れて、「自由民主党は役立たずです」「立憲民主党は木偶の坊です」と言われた後に「あなたはどちらを選びますか?」と言われた感じ。そんなん知らんがな…。まあ、ゲームをプレーしている人なら泣けるのかも知れないけど

数少ない説明も何気ない台詞で終わる。肝心なことは説明がないこともあって印象に残らない。ゲームでは台詞か文字で説明されているからだろうけど、アニメ化したんだからアニメらしい説明にしてくれ。結局、元がゲームだからそこまで設定を作り込んでなくて、ゲーム内でもあまり説明がないのだろうな

他には登場人物が多過ぎる。これでもかなり絞っていると思われるので、多過ぎるように感じるが正しいか。それぞれの組織は勿論のこと、ロドスとの関連性も良く分からんから、キャラ、名前、所属が一致しないんだよなあ

Yostarはアニメに関してどう考えているのかね。酷評の嵐になったが、ゲームをプレーしている人にとってはゲーム内で説明されていないことを補いつつ綺麗な画でアニメを観られるのは最高なんだろう。Yostarは儲かっているだろうからゲームプレーヤーへのご褒美でいいのかも知れないが、これだけの作画のポテンシャルがあるのなら、もう少しアニメ作品としてどう見せるのかを考えればプレーヤー以外にも響くような作品になりそうだが。正直、勿体ないと思う

 

トモダチゲーム 0.8
所謂デスゲーム系の作品。あまりこの手の作品は観ないが、割と評価が高いので見てみたら…。やっぱりなろう系と同レベルの地雷ジャンルだわ

まず、掴みが弱い。この手の作品にありがちなこのゲームに参加しなければならない理由があまりに弱い。それに加えて第1ゲームからバカ丸出し。流石に何かがおかしいって気づくでしょ。かなりの人が1話で切ったのでは

それぞれのゲーム自体は心理と論理が要求されて楽しめるが、徐々に公平性を損なうような超展開になってきて白けてくる。こいつは天才だとか言われても「は?」って感じ。色々と不自然で視聴していてゲームに入り込めない

ゲームに参加しなければいけない理由はこのゲームの真の目的とか運営の秘密に繋がる話でストーリー構成上後回しにされることが多いし、隙のない展開では話が続かない。デスゲーム系が好きな人はお約束で片づけられるのだろうが、そうでない人にとってはついていけないだろう

アニメより実写向けじゃないのと思ったら過去にドラマ&映画化されているようだ。ただ、学芸会にはうってつけの題材、演技力に問題のあるキャストの起用もあって評価はイマイチの様子。今夏にジャニタレ出演で再ドラマ化されるみたいだが、この内容じゃキャスト以前の問題だ

 

・群青のファンファーレ 0.8
絵に描いたような駄作と言うべきか。アニメ化までに紆余曲折があって大規模な改編が何度かあったのだろう。話の軸がぶれてよれているので話に引き込まれない。断片的にはいい所もあるが

キャラデザを見るに本作は女性向けを意識しているのだろう。実際の競馬学校では男性の候補生は坊主頭な筈だが、本作ではそうではない。全員坊主頭だとキャラの区別がつきにくいからなのだろうが、おかげで女性と男性の区別がつかない。女性らしくロングヘアにするなり巨乳にするなりすればいいと思うが、中の人をやや意識したのかショートで貧乳。主人公の有村優は元アイドルな割にはオーラが無い。全体的に没個性で地味、寧ろルー大柴教官とか脇役の方が脂っこい

ストーリーは大きく3つに分かれていて、1-7話は競馬学校、8-11話は厩舎実習、12-13話は学校に戻って模擬レース。全体的にお粗末だが、特に競馬学校編が酷い。1話から強引なBL展開にサラブレッドの2人乗りとか言語道断なやつまで。アニメだし多少のやんちゃはいいと思うが、2人乗りは予後不良になりかねんしな。因みに、BLは1話の次は最終話までお預けなので何でBL要素を入れたのか良く分からない。とりあえず女性ウケ狙いで入れとけな感じか

本作はJO1がOP、EDを担当しているが、本編でも声優として声を当てている。超絶棒読みを披露と言う事はないが、JO1を使う為に脚本を書き直したのだろう。おかげで元アイドル要素が膨らみ過ぎて競馬要素がおまけみたいになっている。まあ、競馬学校のカリキュラムは地味なのは確かだが、だったらさっさと厩舎実習編に行けばいいだけ

厩舎実習編だが、ここでは有村優ではなくBLの片割れ、風波駿が主人公になっている。だいぶ競馬っぽくなって競馬ガチ勢にとっては面白くなってきたと感じられる筈だが如何せん尺不足。レースシーンもカットやダイジェストばっかりだし。模擬レース編は…。やっとレースシーンが見られるって感じだが、中途半端なファンタジーはなあ…

全体的に見ると、まず騎手候補生が多すぎる。全員が騎手になる訳ではないしレースシーンを考えてだろうが、人数が足りなきゃ助っ人で他の人が乗るのが普通だし。個性に乏しい上に碌に掘り下げないのでキャラの存在感が薄い

それから肝心な所を端折り過ぎ。まず、有村優が騎手を目指した理由が弱く感じられるし、他にも理由をカット、理由を後ろの話に引っ張り過ぎとかでただでさえツッコミ所が多いシナリオの説得力を更に欠く結果に。まあ、元アイドル→騎手は元SMAPで現オートレーサーの森且行に着想を得ているのだろう

多分、本来はガチアニメにするつもりだったのだろうが、女性向きに改編、JO1フィーチャーに改編と少なくとも二度の大改編があったと思われ、それでシナリオの完成度が低いのだろう。ただ、ガチアニメとしてはツッコミ所多数だし、ガチ勢向けじゃないにせよG1のファンファーレは本物を使って欲しいし、皐月賞のレースシーンはカットとかかなり残念な点も。競馬学校の所在地は白井になっているし、まだまだ田舎な感じとかどうでもいい所はリアルなんだよなあ

 

・くノ一ツバキの胸の内 0.8
からかい上手の高木さん等で知られる山本崇一朗の原作。高木さん同様、癒し系作品ではあるが大きく見劣りする。まあ、高木さんも好みではないけど。作画はいいし、女の子達は可愛くて個性的なのだが、それを作品の面白さに繋げられていない

まずキャラが多すぎる。ツバキ達もグループ(班)を組んでいてこの班がメインなのだが、毎回他の1班がフィーチャーされてのショートストーリーが展開して、EDもその班が担当する形が続く。EDのキャストは声優がズラリって感じだが、原作未読だと1クールでキャラと名前を全て一致させるのは困難だろう

次に何を描きたいのかが不明。高木さんも本作も日常系作品ではあるが、高木さんは高木さんと西片の恋の行方と言うテーマがある。ツバキ達が属するくノ一軍団は男子禁制にも関わらずツバキを始め男子に興味津々な女子が多いが、これを上手くストーリーに繋げられていない感じ

何の盛り上がりもなくダラダラと進んで何となく終わってしまう感じでとてもお勧めできる作品ではないが、ストーリーなんてどうでもいいから、ゆるい“美少女動物園”で女の子達を愛でるのが目的ならいいのかも知れない

 

・それでも歩は寄せてくる 0.8
からかい上手の高木さん、くノ一ツバキの胸の内、そして本作と立て続けにアニメ化されている山本崇一朗原作作品。くノ一~はぶっちゃけ駄作だったが、本作は高木さんと同じラブコメなので多少は期待していたが…。まあ、高木さんも高評価ではないけど

本作を一言で言えば、劣化高木さん。うるしのキャラデザは高木さんに良く似ていることもあって、高木さんの二番煎じ感は否めない。中学生じゃなくて高校生、男女の攻守が逆なのが相違点だが、ぶっちゃけ今時の高校生が揃いも揃ってシャイなのは違和感アリアリ。特に歩は露骨に言動に出ているのに告白しないのは、マザームーンって叫んでいるのに某教会とは関係ないと言い張るレベル

本作は将棋を題材にしているので将棋アニメとしては見所があるならまだマシだが、将棋を指しているシーンは多いものの盤面は殆ど出てこない。まあ、本作はラブコメってことなんだろうな

ただ、うるしの友人のマキとか今風のJKなキャラも出てくるのでもっと引っ掻き回してくれればいいのだが、うるしを冷やかすものの基本的には見守るスタンス。宇崎ちゃんに近い感じか。脚本の問題じゃなく作者の作風なんだろうな。個人的には全く合わないことがはっきりしたので、この作者の作品は二度と観ないだろう

P.S. 違和感と言えば、〇澤さんの演じるキャラが爆乳なのは違和感しかない。魔獣王女、万歳!

 

・むさしの! 0.8
7年ほど前に放送された「浦和の調(うさぎ)ちゃん」の続編。所謂ご当地アニメだが、これを見ると八十亀ちゃんかんさつにっきが神作に思える。4期はイマイチだったけど

正直、1期よりは多少はマシといったレベル。何がしたいのか分からん。鉄道部でありながら鉄道ネタがないのを拘りにしたいみたいだが、本作から鉄道を取ったら何が残るのって思うが。今時のゆるい感じのアニメにしたいのは分かるが、ゆるキャン△だってキャンプはしているからなあ。鉄道は県内各地の紹介にはうってつけだし、もう少し県内の話題に触れるべきだと思うが

まあ、県内の話題に全く触れない訳じゃないが、埼玉県民でなくても知っていることとそんなん知りたくもないってネタと両極端な感じ。有名なネタから少し踏み込んだディープなネタに触れていくのがご当地アニメだと思うけどね

 

・ブッチギレ! 0.8
オリジナルアニメ。新選組の替え玉という発想は面白いが、ぶっちゃけそれだけの作品。タイトル通り、ブッチギリでつまらない作品なら多少は印象に残っただろうが、残念ながら(?)並の駄作ってところか

作画はそこまでではないが、武井宏之がキャラデザを務めただけあってキャラは如何にも少年漫画って感じ。今風のキャラだと歴史モノの背景に合わせた時キャラが浮いてしまいがちだが、そういったことはなく上手く溶け込んでいる

しかし、ストーリーは正直1話のAパートが最高潮。終盤もデキがいい訳ではないが、特に中盤まではかなりイライラする。近藤勇の代役である主人公の一番星は無鉄砲(というより◯カ)な上に決断力がなく、しかもバディである土方歳三の代役である朔夜と無駄に衝突してばかり。それなのに一番星をリーダーとして持ち上げるのは違和感しか無い

なぜ一番星がリーダーかと言えば、それは局長だった近藤勇の替え玉だからだろう。ただ、本作では代役を務めているにも関わらずキャラを本名で呼ぶので、一番星がリーダーの器とは思えないこともあって余計に違和感を感じさせる結果になる

とにかく全体的に中途半端。中途半端に歴史を絡めたありきたりな作品って感じで、どうせならもっとぶっ飛んだ作品にすれば良かったと思うのだが。こんなんじゃ歴史好きからは高評価は得られないだろう

 

・虫かぶり姫 0.8
原作は由唯の同名ライトノベル。2018年からコミカライズ版が連載中。虫と言っても昆虫のことではなく、所謂”本の虫”のこと。何よりも読書が好きなエリアーナとサウズリンド王国の王太子であるクリストファーの恋物語を描いた作品

本作を一言で言えば「激甘」。甘すぎる恋物語はカルピスの原液を10倍に濃縮したよう

ただ、面白いかと言われると…。あまりに展開に乏しい。イベント自体はあるのだが、そちらを記述するのではなくエリアーナの揺れる乙女心の描写がメイン

そのエリアーナがあまりに弱々しくてイライラする。芯の強さを感じさせる描写もあるにはあるが、ここまで自分に自信がないのは逆に嫌味に思える

作画はこんなもんでしょ。おっさんなので詳しくは知らんが、ザ・少女漫画って感じの作品なので少女漫画が好きな人なら楽しめるのだろうが、女性でも少年漫画が好きな人だとかなりイライラすること間違いなし。「妃の座を狙うならNTRだろ」とか考えてしまう不純な人達はお呼びでないってことだろう

 

社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。 0.7
タイトル通りの作品。幼女幽霊は確かに可愛いが、それだけ。後半に行くにつれ幼女幽霊が増えるが、とにかく可愛い一点押しなので単調。しかも、毎回違う男性声優に可愛いと言わせる始末

可愛さを活かして毒があれば良いのだが、この手の作品が好きな人はそういうのは望まないんだろう。30分枠だと明らかにダレるのでショートアニメなら少しはマシだったかも

どうでもいいことだが、(携帯の)カメラに映らないんだったらコピー機でもダメだと思う。基本的な原理は一緒だからね

 

・トライブナイン 0.7
『TRIBE NINE』はアカツキとトゥーキョーゲームスによるメディアミックス作品。アニメ版のタイトルはカタカナで『トライブナイン』

本作を端的に言えば『ヒプノシスマイク』に重度にインスパイアされた作品。『ヒプノシスマイク』はラップバトルによるディビジョン抗争を描いた作品だが、ラップバトルをXB(エクストリームベースボール)に、ディビジョンをトライブに置き換えたのが本作

本作の原案を担当した小高和剛が『ダンガンロンパ』シリーズに携わっていたからなのか、キャラデザは同シリーズっぽい感じ。ただ、作画はねえ。通常時に作画崩壊しているとかではないので折角のキャラデザがってことはないが、肝心のXBのシーンがねえ…。とにかく作画負荷を減らしたいのか止め画やエフェクトで誤魔化しすぎ

更に音量調整がおかしい。台詞に対してBGMの音量が大きすぎるので台詞が聞き取りにくい。どうせ本作は”内容は無いよう”なんだから、台詞なんて聞き取れなくても問題はないって考えているのだろう。実際、その通りだけど

結局、作品内で誰かが言っていた「ルール無用ってなると何でもありすぎて逆に楽しくないものだ」に尽きるだろう。『熱血硬派くにおくん』シリーズっぽいノリで楽しめるのは途中まで。ルール無用になって、逆に野球であることが足枷になっている。それと終盤の展開はねえ…。陳腐にも程があるというか。本作にお涙頂戴を求める人なんているとは思えないが

『東京リベンジャーズ』が流行っているし、やっぱり腐女子を釣るなら不良ものってことで作られた”志低い系”アニメの一つってことなんだろう

 

・其れ、則ちスケッチ。 0.5
ボキャブラ天国に出演していたフォークダンスDE成子坂のネタを後世に語り継ぐプロジェクトらしいが…。コント自体の面白さを証明する為に再メディア化ではなく女の子2人による新規コンテンツとしてアニメ化されたが、YouTubeの再生回数が示す通り残念な出来

キャラクターデザイン(コンセプトデザイン)は吉崎観音が担当していることもあってキャラ自体の出来は悪くないが、予算が無いのか表情に乏しい。スマホで撮影している風の縦画面だったり、実写と組み合わせてみたりしているが、アニメとしての見所はない

まあ、本作の売りは飽くまでネタであってアニメはおまけと言えなくもないが、中身もねえ。肝心のコントに入る前に、まずは設定。無人島で遭難してVlogを残すのはいいとして、何でコント動画…。無人島を探索して少しずつ事実が明らかになるが、最終話で救出されるわけでもなく何の意味があるのって感じ。島の探索中に脈絡なくコントに入る、それが12話続く

肝心のコントだが、うーん…。照れずにやっているだけマシだが所詮素人。テンポが悪いし、間の取り方が全然ダメ。それにオリジナルのネタを中途半端に改変しているから、Uber Eatsとか今時の話題が入る一方で笑っていいとも!とか持ち出すのはいつの時代なんだよって違和感がある

コントはノーカットで収録したらしいが、声優じゃなくて芸人にネタをやらせてからそれに画を被せないとコントの間や空気感は伝わらないと思う。それと前に述べたが、モーションだけはキャプチャーしているのか良く動くのだが表情がねえ。コントに表情は大切でしょ。どうせだったら、エクスアームみたいに雑なモーションキャプチャーで無表情の方がまだ笑えたかも

この出来でフォークダンスDE成子坂のファンは満足なんだろうか。納得するのは声優のファンだけだろう

P.S. テンポの悪さは1.5倍速位にするとマシになる。ただ、一本調子で上手く間が取れていないのは事実なので笑いには繋がらないかな

 

RPG不動産 0.5
所謂きらら系作品。ゆるい日常系作品と見せかけて実は…な作品と言うと、きらら系では「がっこうぐらし!」が思い当たるが比較するのもおこがましいって感じ

駄目な所を一言で言うと中途半端。伏線がない訳じゃないが、終盤の展開が取って付けたような感じ。全体的にテンポが悪く、ストーリー展開を重視するなら先の展開に関係ない客のシーンはカットして5,6話で収めるべき内容だと思うが、まだ原作ストックが少ないようでそれだと1クール持たないのだろう

明らかにアニメ化は時期尚早だと思うが、どうしてもアニメ化するなら話が展開する前の8,9話で終わりにすべきだっただろう。こういう中途半端な脚本はゆるい作品を好む人からもそうでない人からも低評価を喰らうことになるので、原作の評価も下げることになる

作画は悪くなくファンタジーっぽい感じが出ていて良いと思うが、戦闘シーンはイマイチ。いくらコロナ禍とは言え本作は作画負荷は軽いと思うし、ストーリー的にも見せ場な筈で作画を頑張って欲しかった

 

聖剣伝説 Legend of Mana -The Teardrop Crystal- 0.5
当たりと言われるクールだがハズレも多くその内の1つ。神保昌登が監督兼シリーズ構成なので自動的に戦犯ってことになるが、過去にCHAOS;CHILD白猫プロジェクトアズールレーン等ゲーム原作の作品を手掛けていることから本作を担当することになったのだろうか

原作は1999年にPS向けとして発売された『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』。2021年にマルチプラットフォームでHDリマスター版が発売されたが、アニメは2022年。何故、ゲーム発売のタイミングに合わせなかったのかね

作画は普通レベルだが、キャラデザも背景も往年のゲームっぽい雰囲気で世界観を構築できていると思う

音楽はゲームと同じく下村陽子が担当。OPは歌唱力に定評のある早見沙織RPGらしい壮大な感じの曲で歌唱力が活きていると思う。ただ、曲を聞きたきゃサントラでいい訳だが…

で問題の脚本だが、率直に言って稚拙極まりない。全てを語り尽くす気にはなれないので掻い摘んで話すと、まず登場人物が馴れ馴れしくて違和感がある。「師匠」「お兄様」「久しぶり」…皆さん、初見なんですけどw1から描くと尺が足りないのだろうし、登場人物がかなり多くて皆を掘り下げることなんてできないのは分かるけどね

それにゲーム途中からの設定であれば、もう少し強くて然るべきだと思うのだが。主人公のシャイロがクソ弱い。こんなんじゃドラキー相手に全滅するんじゃないのw。まあ、アニメ制作を担当しているグラフィニカと横浜アニメーションラボは作画に定評があるとは言い難いので、作画負荷の高い戦闘シーンでボロが出ずに済んだと言えるが

次にこれは今クールに放送されたゲーム原作アニメである『アークナイツ~』にも言えることだが、話の繋ぎが雑でぶつ切り感が強いし、全体的に説明不足。ゲームだと細かい所まで設定されていないのだろうが、アニメ化するに当たっては間を補完する必要があると思う。中盤の話も”おつかいクエスト”をそのままアニメ化したような感じ

本作最大の問題点はシャイロとセラフィナが共存していること。ゲームでは男を選べばシャイロ、女を選べばセラフィナになり、どちらを選んでもストーリーは変わらないらしいのだが、本作では別々のエピソードが用意されている

その両者のエピソードをどちらも最後まで引っ張るものだから、終盤は回想ラッシュでごちゃごちゃしまくりで訳わかめ。最後は勿論、アニオリだと思うが、こんなんで泣けるのか。ぶっちゃけセラフィナ=サイコパスとしか思えないのだが

本作における珠魅は狩りの対象にされる可哀想な種族という側面だけでなく、罪作りな存在でもある。それをシャイロとセラフィナを反対陣営につかせることで浮かび上がらせようとしたいのは分かるのだが、特にセラフィナの秘密を引っ張りすぎたせいで珠魅の罪作りなところが見えてこない。アニメに限らず、両陣営を同じように描こうとすると大体失敗するものだわな

当に”ごらんの有様だよ”って出来なのでゲーム未プレイの人は勿論、原作に思い入れのある人にとっても満足のいく作品とはいかないのではないか。タイトルからしていかにも外伝って感じで聖剣なんて出てこないし、『聖剣伝説』シリーズの宣伝が目的なら聖剣が出てくるであろうナンバリングタイトルのシナリオをアニメ化した方が良かったと思うが、何か理由があったのかね

 

・フットサルボーイズ!!!!! 0.3
ソシャゲ連携、女性向けのキャラデザ、若手男性声優多数起用と地雷臭が半端ないが、1話OP突入前に駄作と確信するレベル。一応最後まで観たけどね…

まずは声優。全員とは言わないがキャリアの浅さを隠せない人がちらほら。まあ、棒演技って程では無いし青春アニメには合っているとは思うけど

次に作画。試合中以外でも崩れかけているのに試合の作画に期待できる筈もなく、止め画、上半身アップ、エフェクト等でごまかしている。極めつけは決め技とか言う中途半端にフットサルを冒涜する技。どうせならもっとぶっ飛んだ技の方が良かった

最大の問題点は脚本。ヤンキーとのフットサル勝負に2話使うとか。今期の野球もどき作品もそうだが、不良がスポーツ勝負とか押忍!番長かよ。ヤンキーとの勝負が終わった後は割と普通の展開に思えるが内容は薄い。1クールのアニメで全ての試合を詳細に描く訳にはいかないのは理解できるが、フットサルは1チーム5人だし自チームの選手位掘り下げるべきだと思うのだが…

それができない理由は本作のメインテーマが榊君のパス問題だから。特定のチームメイトにどうしてもパスが出せないと言う話を1クール引っ張る暴挙。しかも理由は…。試合も榊君のパス問題がメインなので試合に集中できない。まあ、作画が酷いのも原因だと思うが

女子向けスポーツアニメに競技シーンやストーリーなんて関係ないってことなんだろうが何だかなあ。フットサル愛が全く感じられず、パチスロエウレカセブン以上にフットサルを冒涜していると言わざるを得ない

 

・錆色のアーマ-黎明- 0.3
漫画やアニメより舞台が先という通常のメディアミックス展開とは逆の"逆2.5次元舞台"プロジェクトらしいのだが、一言で言って"お粗末"。まるで「テルマエ・ロマエ 戦国時代編」の如く毎話のように入浴シーンがあり(但し男性)、上半身裸のシーンが多い等明らかに女性をターゲットにしているのだろうが、今女性の間でブームな某鬼狩りと比較されたら目も当てられないと思うが

全てにおいてヤバいが、まずは作画。所謂(雑な)3Dモデリングをしているエクスアーム枠。モデリングの酷さはエクスアームを上回っていると思うが、動きが少ない為に目立たない。ストーリー的に戦闘シーンが売りの筈だが露骨な手抜きが目立つ。この手のアニメにありがちな表情の乏しさは勿論だが、モデリングされていない非主要キャラは口パク一切無しの潔さだ

キャラだけでなく背景も酷い。ウン十年前の中国アニメかよって感じ。舞台が戦国時代なのでまだマシだが、スペイン(イスパニア)まで同じタッチで描かれるのでとてもヨーロッパとは思えない。古臭い背景に今風の3Dキャラと言うのが違和感アリアリで色んな意味で浮いている

声優も酷い。本作は舞台版のキャストの多くがそのまま声を担当しているが、勿論プロの声優ばかりではない。舞台ではアニメより大きな演技を要求される筈で、そのままだと寧ろ演技しすぎに思えて当然だと思うが、まさかの棒。まあ、発声や滑舌がプロっぽくないのは仕方ないにせよ棒演技は勘弁。シリアス場面での棒演技は本作は実はギャグアニメだと思うしかない

本作は今季だとオリエントと同じ仮想戦国時代。オリエントよりはイメージ破壊度は低いし、各キャラの過去が絡み合うストーリーはプロットとしては悪くない。ただ、脚本としては戴けない。回想の入れ方が下手過ぎて、ここで回想かよって所で入るし回想と現在の区別がつきにくい。SFやサスペンスじゃないんだし、こういう構成にする必要はないと思うが

それと1クールのアニメで全主要キャラの過去を同程度に掘り下げる必要があるのかって思ってしまうが、上述のように各キャラの過去が絡み合っているし、原作が舞台らしい脚本ではあるだろう

ラストは無難なハッピーエンドだが、このクオリティならジビエートみたいなぶっ飛んだエンディングの方が歴史に残ったのに。正直、〇〇学院の卒業制作の方が数段クオリティが高いだろう。この出来でメディアミックスを画策するとかアニメ界を冒涜していると言わざるを得ない

 

・忍の一時 0.3
ゴミ。脚本の稚拙さだけなら今年ワースト級、とても脚本と呼べる代物ではない。かの高橋ナツコ女史でさえ脚本にはなるからな。オリジナルアニメなのでプロットは監督、脚本に仕上げるのが脚本家だろうが、監督の渡部周は演出がメインで監督経験は過去1作のみ、脚本の高野水登はTVアニメのシリーズ構成はおろか脚本さえ初めてで、あの『映像研には手を出すな!』のドラマと実写映画に関わった人物。アニメは面白かった作品がゴミと化したのは明らかにこいつのせいだろう

本作でもその手腕は遺憾無く発揮されていて、本作を一言で言えば「闇鍋定食IQ1風味」。とにかく詰め込みすぎ。登場人物もソシャゲ原作かよと思う位多い。何を軸に描こうとしているのかが全く伝わらないし、世界観を構築できていない

”全員、忍者――敵か、味方か?裏切りのどんでん返しが待ち受ける現代忍侠アクション!”らしいのだが、目的不明、行動原理不明では裏切りかどうかも分からん。増しては◯に◯◯◯◯◯◯◯とか、それは裏切りなのか。稚拙な脚本のせいで超展開にしか思えず、”先の読めないオリジナルニンジャアクション”にはなっているが。まあ、これを忍者と呼べるのかって話だが

「どうしてだよ」「何でこんなことになんなきゃいけないんだよ」。それは視聴者の台詞だよw

無駄に作画だけはいいが、この脚本じゃ寧ろ『ジビエート』みたいに酷い作画の方がお似合い。突っ込み所しかない作品なので、ニコ生等で皆でツッコミながら見る分には良いかも知れないが、レンタルで一人で見るのは明らかに時間と金の無駄

最後に脚本や設定については他にも突っ込み所の山なのでこれ以上触れないが、固有名詞は正しく使わないとな。雑賀衆はさいがしゅうではなくてさいかしゅう、甲賀はこうがではなくてこうか。後者に関してはこうが読みが一般化しているが、偶々忍者の話が出てきたとかなら兎も角、一応(似非)忍者ものだからねえ。こういう所にもクオリティの低さが垣間見える

 

・シュート!Goal to the Future 0.2
「シュート!」は1990-2003年まで週刊少年マガジンに連載された大島司によるサッカー漫画で、1993年には「蒼き伝説 シュート!」のタイトルでアニメ化されている。本作は原作の時代からだいぶ時間が経って弱小チームと化した掛川高校サッカー部を立て直す話を描いたオリジナルアニメ作品で、神谷篤司ら原作で活躍した選手が指導者として登場する

この点数なので酷評祭りとなるが、まずは作画。作画崩壊ということはないが、キャラデザが今風ではないのを含めてパッとしない。それより問題は試合中で、背景に線を描いて動いているように見せかける演出が多すぎる。まあ、全く動いてないことはないし、もっと躍動感が感じられないサッカーアニメもあるが、折角累計5,000万部を超える”サッカー漫画の金字塔”を約30年ぶりにアニメ化するのだから、もう少し頑張って欲しかったものだが。尤もこの内容では作画が良くても世間の評価はボロッカスだろうけど

で問題のストーリーだが、プロット自体は上述通り弱小サッカー部を立て直す王道の話なので悪くないが、肝心の部員達が沸点の低いバカの集まりって感じで話の腰を折る。そのヤバさは第1話から相当なもので、因縁をつけてPK勝負というありがちな展開に持ち込むと、この俺様からゴールを奪うとはあり得ないと曰う彼のポジションはGKではない。素人キーパー相手に決めるのは普通だろ…

ただ本作で一番ヤバいのはBL要素で、全員すっぽんぽんでプールとか”彼氏”を盗られたと逆恨みして闇堕ちするメガネとか色々あるが、クライマックスは第2話。主人公の幼馴染で現在は別の高校に通う小久保公平、こいつがとにかくヤバい。異常なほどスキンシップを求める彼は敵チームにも関わらず試合中に逆走して主人公に付き纏う。この後暫く登場しないのは救いだが、終盤に再登場してとんでもないことに…。昨夜は(けつなあなで)お楽しみでしたねとしか思えないのだが

更にこれらの要素のせいで内容が薄い。サッカーは少なくとも選手が11人必要で、選手の掘り下げや試合シーンを描くことを考えればそもそも1クールでは相当厳しい。レジェンドサッカーアニメのようにシュートを打つまでに何話もかける必要はないが、大切な試合位はきっちり見せるメリハリはつけて貰いたかった

とにかく志の低さしか感じられない作品。人気スポーツ漫画にBL要素を足せば、男性からも女性からも支持されてウハウハって安直な考えだったのだろう。実際はいくらBLが好きでも、EDのくねくねダンス等狙いすぎていて態とらしいのには拒否反応を示しそうだが。勿論、BLに興味がない人は言うに及ばず

ネタアニメとして笑えるという意見もあるが、流石に同意しかねる。「ジビエート」みたいに最高の作品になる筈が歯車が狂って明後日の方向にって作品なら笑えるが、原作へのリスペクト0の安易な作品には不快感しか感じない。関係者は猛省して欲しい