2021年私的アニメランキングTOP10+α(寸評付き:評価2.6以上)

 

・オッドタクシー 4.5
プロットは本当に素晴らしい。ただ、脚本になるとやや粗が目立つ。オチももう一息だし。ただ、群像劇を繋いでのストーリーは上手く組み立てられていて徐々に引き込まれていくし、キャラが動物なのも生々しさを中和しているしでアニメの脚本として良く考えられている

キャスティングはダイアンの芸人役は嵌っていたと思うが、ミキの刑事役は微妙。花江夏樹の小戸川も微妙だが。ただ、1クールのアニメにしては登場人物が多いこともあって、動物と意外なキャスティングで印象に残そうという意図はあるのかなと思う

作画もOP、EDも雰囲気があって作品の世界観を構築している。普段余りアニメを見ない層にお勧めできる作品

 

弱キャラ友崎くん 4.1
ラノベ原作で人生をゲームに擬えて攻略していく内容だが、ラノベと言うよりはビジネス書をアニメにしたような作品。ビジネス書原作といえば、もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)が思い出されるが、あの作品みたいに途中からテーマがそっちのけになることはない

純然たるラブコメではないと思うが、ヒロイン達の個性が立っているし学園ものとして面白い。リア充礼賛より寧ろ多様な価値観の大切さを説いた作品だと思うが、そう受け取れない人にはつまらない作品かも

 

・カノジョも彼女 4.0
ブコメなのだが、ラブコメ色は薄めでかなりアクの強いギャグアニメ。過激なシチュエーションの割にウブで真っ直ぐ、特に主人公は痛すぎる程だが、ちゃんとツッコミが入るのが本作の良いところ。寒いボケを放置するだけのつまらん作品も多いからねえ

ボケとツッコミの応酬は宛ら漫才の様で故に大きな演技が嵌っていると思うが、これを嫌う人も多そう。好きと嫌いで二分されるタイプの作品だと思う

難点を挙げると、作画がやや怪しい、漫画的文字演出が多すぎってところか。作画に関してはギャグアニメなので多少崩れた所でそんなに気にならない。気になるのは文字演出の方で少々手抜き感が感じられる。まあ、○○○○みたいに実写映画でやられるよりは遥かにマシだが

二股なんてフィクションでも以ての外、純然たるラブコメが好み、キャラへ感情移入できるかが評価に直結する人には向かないだろう。総じて男性向けと言える

 

・ブルーピリオド 4.0
原作読破勢の評価はそこまで高くない印象だが、正直アニメ化に向いていない作品だと思う。題材が絵画で動きに乏しい上に漫画だと白黒ページで描かれる絵画には読者それぞれの色があると思うが、流石に今時のアニメで白黒にはし辛いのでどうしても色が想像とは違うという印象を抱きがち

その上、心の機微を描く作品はアニメとしてはテンポが悪くなりがちな上、文字や台詞による説明が多くなるので感情移入しにくい。原作はもっと細かいのだろうが、適度に省きつつアニメとしてのテンポを保ったのだろう

実際、台詞による説明が多すぎると思ったが、それでも八虎の葛藤や苦悩は伝わってくるし、何より絵画の世界は良く知らない上に絵画の予備校となると正に知られざる世界で非常に興味深い。原作未読勢なのもあるが、良くこの難しい題材を上手くアニメ化したと思う

 

・かげきしょうじょ!! 3.7
明らかに宝塚音楽学校がモチーフになっている紅華歌劇音楽学校を舞台に繰り広げられる青春群像劇。現在は白泉社の少女誌「MELODY」連載だが、青年誌「ジャンプ改」で連載が始まったこともあって少年誌テイストであり、女の園らしいドロドロしたところもあるものの全体的には爽やかなスポ根アニメになっている

この作品の良い所を掻い摘んで挙げると、まずはキャラの描写。キャラが立っているのは勿論、主人公であるさらさと愛以外のキャラにも感情移入できる位バックグラウンドを掘り下げている

後はED。メロディを聞いただけで宝塚(をモチーフにした)と分かる。主人公であるさらさと愛が歌うバージョンがメインだが、他のキャラが歌う時はそのキャラに因んだ歌詞に変わることで本編の余韻が感じられる様になっている

原作未読だが、13話に収めるために脚本はかなりいじった感じがする。中盤まではややダイジェスト感が、終盤はここまでのテンポの良さを考えるとやや冗長な感がある。特に現実と回想の行ったり来たりがより冗長に思わせる要因になっていると思う。率直に言って群像劇で1クールは無理がありすぎる。2クールあれば構成もかなり変わっただろう

ただ、2期は期待薄か。ただでさえ円盤が売れない時代、見た目は完全な少女漫画でスポ根好きはこの作品がスポ根テイストとは思わないだろう。IDみたいに海外では絶大人気ならいいが、宝塚(や歌舞伎)が外国人に理解されるかどうか。最近は日本でも少なくなったが、女子校(男子校)なんて海外では皆無だしねえ

 

Dr.STONE(2期) 3.5
1クールで切りの良い所で締めるとなると仕方ないのだろうが、壮大な目標からすれば通過点に過ぎない獅子王司との戦いに尺を割き過ぎ。(1期で多かった)長い回想でテンポが悪くなることはないものの、前回の途中から話を始めることで露骨な尺稼ぎが目立つのは残念

とは言え、千空の発想力、行動力、仲間との絆で窮地を脱し、目標を達成する様は正に少年漫画の王道とも言える展開で安定の面白さ。登場人物は多いが、キャラの強弱はついていて無駄に話が広がらないのでストーリー展開に安定感がある

化学系の人間としてはもう少し発明品について詳しく触れて欲しいと思うが、猫じゃらしラーメンならともかくトリニトロトルエンの合成を真似されて大事になっては困るのも事実で致し方ないか

 

・吸血鬼すぐ死ぬ 3.5
作画の雰囲気、OP、EDはシャレオツな作品に思えるが、中身は中高生レベルの妄想と小学生レベルの下ネタで構成されている。各話のタイトルが映画のパロディになっているが、「市民野球ケーン」は吹いた。オーソン・ウェルズが生きていたら笑ってくれるかねえ

タイトル通り吸血鬼はすぐ死ぬしワンパターン感もあるのだが、妄想の塊のような吸血鬼はそれだけで笑えるし、しかも有名声優が声を当てているのは収録風景を想像するだけで笑える

大人向けには少しは毒が欲しいと思うが、絶対にしょーもない方向に進むという安心感(?)があり頭を空っぽにして楽しむ作品だろう

 

ゴジラ S.P<シンギュラポイント> 3.4
ゴジラと言えばゴジラvs人類的なバトル物を想像する人が多そうだが、本作はバトルよりはそのバックボーンに迫るSF的要素が強いので、バトル物を期待した人は肩透かしを食らうことになるだろう

肝心のSF部分だが、SF作家の円城塔の脚本だけあってSFとしての世界観を構築できているし、それを(理解しやすいよう)イメージとして捉えられるようにしているのは見事。とは言え、それでも難解ではあるし、SFや理系的素養の有無で理解度はかなり変わるだろう。100%理解できなくてもストーリーは十分把握できるが、文系人間に多い枝葉末節に拘りがちな人には全く向いていない作品だろう

ただ、この結末を導くだけにしては複雑過ぎるし、肝心の結末も最低限と言った感じで満足度は低い。1クールにしては風呂敷を広げ過ぎで、それぞれのグループの話がチャンネルをザッピングするように展開していくのは全体を理解しにくい

最近は明らかに1クールに収まらない話を無理やり1クールにしてダイジェスト版のようなペラペラな作品に仕上げたり、続編が作りにくいような中途半端なぶん投げENDで終了する作品も多いので、そういう作品に比べたら続編が期待できる形で1クールで最低限纏まっている本作は十分満足できる作品と言える

後、個人的には悪くないと思うが怪獣のデザインも好みが分かれそうで、色んな意味で人を選ぶ作品だろう

 

・Vivy -Fluorite Eyeʼs Song- 3.2
作画は素晴らしいので戦闘シーンに迫力がある。曲は悪くないが、キャラとは明らかに声が違うので感情移入はしにくい

AIと人間の共存とか、AIは感情を持つのかとかSFとしてはベタなテーマだが、テーマを元にストーリーを構築しているのは伝わってくる。長いスパンの話なので時間軸的には飛び飛びになるが、その間に境遇や性格までもが変わっているのは面白い。何より1クールできっちり纏めたのは評価できる。リゼロの人は風呂敷を広げるだけ広げて畳めない印象なので梅原氏のおかげだろう

ただ、正直言って「薄い」。Vivy目線なのは歌を聞かせたいのもあろうが、時間軸を飛び飛びにできるから(SF的)バックボーンに立ち入らずに済ませられるからだろう。普通こんな場当たり的な対応をしないでしょ。複数あるシンギュラリティ(特異点)改変よりもっと先にあるシンギュラポイントを改変した方が手間もかからないし確率も上がると思うのだが

まあ、誰でも楽しめる間口の広いSFに仕上げましたって感じだろう。SFをあまり観ない人、ライトなSFが好みの人には良い作品だと思うが、本格的SFを期待するなら止めておいた方がいいだろう

 

ましろのおと 3.1
マイナー部活モノは類似作品が多いし、和楽器を題材としたものでも「この音とまれ」がアニメ化されていて他作品とどう差別化するかだが…

本作は三味線が題材になっているが、演奏シーンには力が入っていて演奏の迫力や演者の気迫が伝わってくる。演奏は個性を強調して素人にも違いが分かるようになっているし、毎話の最後にある演奏シーンでは極力無駄な回想などを入れずに演奏を聞かせようとするのはいい。ただ、大会が始まると余計な回想なんかで演奏をぶった斬るようになるのは残念

原作8巻分を1クールのアニメにしたようで、原作未読でもかなり端折ってるのが分かる。三味線甲子園に6話使っているからなあ…。1クールのアニメだとどこかにフォーカスしないと全てが中途半端になるのは目に見えているから仕方ないか

また、1クールと言う事で人物の掘り下げは明らかに不足している。ただ、主人公については掘り下げているし、主人公の心境の変化が行動だけでなく三味線の音に表れるのを重点的に描きたいのは理解できた

作画は評価が分かれそう。通常時は手抜きと言うかギャグアニメ的なデフォルメキャラになったりするので、そういう作品ではないと言う意見もありそう。ただ、上述のように演奏シーンには力を入れているので、メリハリはついていると思う

本作は原作読破勢からはあまり評価が高くないようだが、1クールという制限の中、王道と邪道、取捨選択を上手くやってメリハリのあるストーリーに上手く纏めたと思う。でも、1.5-2クールかけてじっくり描いていれば中盤までのダイジェスト感は薄らいだだろうし、主人公の心境の変化ももっと追えただけに残念ではある

 

・怪物事変 3.0
作画はいい、ストーリーはテンポがいい、キャラはきちんと個性がある、キャラ達の関係性や心境の変化もきっちり描けているが、これという個性に欠けるのは事実で地味な作品という印象に繋がってしまっている

無骨で男っぽい夏羽が女性声優で女の子っぽい晶は男性声優であるギャップが面白い

 

・大正オトメ御伽話 3.0
のほほんとした雰囲気だが、時代の影というかシビアな側面も映し出している作品。人物(特に主人公)の心境の変化は描けているしテンポもいいのだが、もう少し緩急があった方が良かったと思う。宛ら、朝の連続テレビ小説をダイジェストで見ている感じ

雰囲気的に今年放送された「死神坊ちゃんと黒メイド」と比較されそうだが、こちらはストーリー展開が早くイチャコラシーンの比重はそこまで高くないので、ゆるい日常系な雰囲気が目当てなら「死神~」の方が良いだろう

 

・八十亀ちゃんかんさつにっき(3期) 2.9
2期は住人しか共感できないような自虐ネタが多くてパワーダウンした印象だったが、3期で復活。これ以上キャラが増えるのはどうかと思うが、名古屋以外のネタも絡めていかないといくらショートアニメでも持たないだろうし

エンドロールのクレジットは外国人スタッフについても出身地表記があるのが面白いが、北京は直轄市なのでいいとして、ジュパラ(インドネシア)は中部ジャワ州じゃないのと思うのは気のせいか。ベトナムクアンビン省(広平省)表記なのに

 

・呪術廻戦 2.9
とにかく作画の良さが光る作品。鬼滅の刃もそうだが、バトル物は特に作画の良さが作品全体の印象に直結すると思う。様々な術式を用いて戦うバトルこそが本作の最大の魅力であるが、長すぎて引っ張ってる感があるのも事実

ストーリーの構図は分かりやすいが、呪術や呪霊に関する設定や多すぎる登場人物の人間関係はかなり複雑。総集編は嫌われることも多いが、本作では交流会の前に総集編を挟んだ方が良かったかも

 

・シャドーハウス 2.8
約束のネバーランド(1期)に近しい所があるストーリーだが、あちらは1話で秘密を知ってしまうのに対して、こちらは終盤まで分からない構成。独特の雰囲気、徐々に明らかになる秘密、登場人物の能力が覚醒する所、お互いの敵愾心が徐々に薄れていく所をしっかり描けているのが本作品の良さだと思う

反面、テンポが悪くて中弛み感があるのも事実。全13話ならもう少し話を進めて欲しかったが、次の区切りの良い所までは進められないという判断か。それから絵が軽い。シャドーハウスの不気味さ、ストーリーのブラックさに噛み合っていないように思う

ストーリー的にはこれからが本番という感じで、2期に期待したい

 

・ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 2.8
「ねえよ」「気持ち悪い」等、頭ごなしの否定も目立つ本作だが、果たしてそれで良いのか。自己責任論がやたらクローズアップされて公助とは何ぞやという時代ではあるが、吉田のような人間は普通にいる訳で、寧ろ即犯罪者という論理になる方が歪んていると思う。確かにドラマだとどうかと思うが、アニメならそこまで生々しくないしアニメ化の意義がある作品だと思う

とは言え、無茶苦茶面白いかと言われると…。登場人物の感情の機微、時として天邪鬼になる恋愛感情の難しさを描きたいのは伝わってくるのだが、全体的に浅いと言うか中途半端。攻めた設定を全然活かせていない。理由は大きく2つあると思う

1つ目は主人公。吉田が主人公だと思うが、沙優を主人公にした方が良かった。沙優が「好きだと言うなら抱いて」と言っても説得力がないと言うか。沙優の過去について、特に家出して以降の話があっさり過ぎる。お嬢様設定からして多分処女の娘が必要に迫られて不本意ながら体を売っているうちに女に目覚めていく様子を描かないと、身の程知らずの小娘が自分のスタイルの良さに自惚れている感じにしか見えず話が軽く感じてしまう

2つ目はコメディ要素が皆無なこと。踏み込みが浅いのは生々しい描写を避けたいのもあるだろうが、コメディ要素がない為に話が重くなりすぎることもあるだろう。実際、終盤はかなり重々しい。手っ取り早いコメディ要素といえばラブコメだが、沙優の過去に迫らずラブコメ要素だけ足すと本当に内容の薄い話になってしまいそう

題材が題材だけにアニメ化の難易度が高いのは事実で、もっとアニメ化に当たって脚本を吟味して欲しかった

 

・イジらないで、長瀞さん 2.7
最初の方こそ長瀞さん=超危険人物の印象だが、中盤以降は影を潜める。2人の愛が深まっていく様子は良く描けているが、ギャグアニメとしてはパワー不足な感も。中盤以降は脇役の登場機会が増えて脇役がギャグ要員になっているので、一気にシリアスに寄る訳でもないが

それから、文化祭エピソードは最終話でない方が良かった。更に言えばシリアス展開は不要。上述のように恋愛に関してはマジメモードだし、全体を通してストーリー性は薄いし、やっていることは正攻法と言うよりは搦手だし。そもそも無茶苦茶面白い作品ではないと思うが、一工夫あればもう少し良くなったと思う

 

ゆるキャン△(2期) 2.6
あまり好きではないが、緩さと癖のあるノリは健在。ただ、1期に比べてキャンプ色が薄まったのはマイナス。とは言え、作画良好、風景や施設の忠実度も高いので、旅行番組を観ている気分になり、実際に行ってみたくなるのは確か

でも、アニメだったらこのタイトルとは言え、もう少しテンポの良さや毒気が欲しい。実写ドラマも放映されたが、こちらの方が好み

 

・PUI PUI モルカー 2.6
モルカーはとても可愛らしく良く出来ている。人間を少し皮肉る所や12話と1話が繋がっていたりとシナリオの工夫も評価できる。ただ、子供向け番組の作品なので致し方ないが可愛らしさを逆手に取った毒が欲しい所。次回作は見里朝希監督の過去作であるマイリトルゴートのようなダークファンタジーに期待したい

 

スーパーカブ 2.6
この作品の良さと言えば圧倒的映像美。山梨を舞台にしたアウトドア系作品と言うことでゆるキャン△(身延町スーパーカブ北杜市)と比較されるだろうが、ゆるキャン△よりリアリティのある作画になっている。無口である主人公の心情を彩度の違いで表現したり、日常通る道を季節や逆方向からの描写で変化させているのは良く工夫している。挿入されるクラシックの曲も美しい田舎の風景に良くマッチしている

ここまで絶賛しておきながら何故この評価かと言えばストーリーがヤバいから。スーパーカブに乗ることで友人関係や行動範囲が広がって人生に潤いが出るというのは悪くない。ただ、スーパーカブ依存が過ぎるのはかなり痛く映る。話のテンポは悪くはないと思うが、強引にスーパーカブに絡め過ぎな上に日常風景が多いのでかなり単調に感じる。そういう意味では最後のエピソードは2週使っても良かった

最大の問題点(?)は素っ頓狂な行動だろう。二人乗りが話題になったが、そんなのは序の口で…。アニメに目くじら立ててどうすんだという意見もあろうが、リアル&シリアス路線だからだろうかかなり違和感を感じる。この作品、作画を含めリアルな部分と余りにリアリティを欠く部分がぐちゃぐちゃでアニメ化に当たってもっとシナリオを練り込んで欲しかった

礼子は昭和気質のバイクヲタって感じでパーツにもかなり拘りを持っているので、バイクヲタにはかなり楽しめる作品だろう

 

ワンダーエッグ・プライオリティ 2.6
パッと見でも作画の良さが分かる作品。脚本はあの野島伸司。「101回目のプロポーズ」「ひとつ屋根の下」のような作品もあるが、本作は「高校教師」「家なき子」「星の金貨」路線で現代の若者を取り巻く諸問題を取り込んだシナリオになっている

冒頭に出てくるコガネムシ(カナブンがも知れないが、カナブンはコガネムシ科の昆虫)はエドガー・アラン・ポーの「黄金虫」を示唆していてこのルールでワンダーエッグの文字を読むと女の子の名前になったり、何でも説明で片付けるのではなく主人公達の行動で分からせようとする意図が感じられ、かなり練り込まれた脚本と言う印象

にも関わらずこの評価なのは2度の投げっ放しENDのせい。3ヶ月待たせてこれかい…。ただでさえ尺不足なのに総集編が2回、これをストーリーに回せなかったものか。中途半端な纏めをする位なら、予定がなくても続きをやる意志が感じられる終わり方にして欲しかった

野島伸司はアニメの脚本は初とは言えドラマの脚本では十分な実績がある訳で、流石にある程度のボリューム調整は出来る筈。1クールの割にはヒロインが多すぎることも合わせると、恐らく2クールの予定を1クールに無理やり圧縮したのだろうと推測するが…

視聴者に媚びないシナリオはいいし、2クールだったらぶん投げ感も解消できて高評価だっただろう。ただ、SF展開を上手く処理できたかは疑問。日本のSF作品って実写含めて及第点以下のゴミが多い印象。「神様になった日」も酷かったからなあ…