2021年に視聴した映画短評(その1)

*今年観た映画なので、去年の作品も含みます。5点満点で最低点は0

昨今の状況を加味して、今年から映画館の縛りは外すことにします。

 

・新感染半島 ファイナル・ステージ 3.1
ゾンビ映画だが、アクション映画と言う方が的を射ている。アクションシーンは本当に素晴らしい。ただ、ストーリーはもう一息で、中途半端にヒューマンドラマ要素を入れるよりエクストリーム・ジョブみたいにアクションを楽しめる軽めの脚本が良かった

どうしても前作と比較されるが、前作とは全くの別物なので未視聴でも話が分からないようなことはないだろう

 

・アンチ・ライフ 0.0
大根役者が壮絶な棒演技を披露するといった超絶な不快要素はないが、チープな戦闘シーン、脚本はツッコミどころだらけな上にオチも寒い等褒められるところは皆無でとにかくクオリティが低すぎる。学生の自主制作映画の方がよっぽど高レベルだろう

B級(というかZ級)映画マニア、ポイント等が余っている人、金と時間を持て余している人位にしかオススメできない。コロナ禍で制作される作品が少ないのだろうが、このレベルの映画なら○○戦記でも放映していた方がマシだろう

 

・ズーム/見えない参加者 1.0
このご時世、コロナ禍を逆手に取った映画が多いがこの作品もその一つ。Zoomを使っての交霊会だけでは全く評価できないが、Zoomの無料利用時間終了→映画終了は悪くないアイディア。ただ、それで満足したのか脚本のデキはお粗末と言わざるを得ない

この映画、正味1時間もないが、尺稼ぎなのか30分以上只グダグダしているだけで無駄に長く感じる。ホラーの恐怖って不明な恐怖ではなく、ここで来るという(ある程度)分かっている恐怖な訳で、正体不明、画面が小さくて暗いので何が起こっているか不明ではねえ…

霊の正体を特定できないまでもある程度は絞り込めるようにすべきだし、そうすれば前半に伏線を張ることができてダラダラ感も解消できたと思うが。正直、1,000円でも高すぎる作品

 

・ヤクザと家族 The Family 3.5
山本目線での時代におけるヤクザの変化、ヤクザの父親を子供目線で描いているのは、正にタイトル通りで藤井監督の伝えようとしたいことが良く分かる作風だと思う

ただ、2005年の章が長すぎることもあって、メインである筈の2019年の章が雑になっている印象。今時〜組の看板を掲げるのは建設関係だけだし、特にTwitter〜ラストに関してはかなり酷い

暴対法でヤクザを締め上げても結局ヤクザまがいの連中(半グレ)がのさばっているのはどうなんでしょう?と言うのはこの作品のメッセージであると思うが、現役ならともかく元ヤクザがヤクザの論理で動くのはテーマがぼやけてしまう。もっとシナリオをブラッシュアップして欲しかった

厳しいことも書いたが、暴対法に苦しむヤクザの姿を描くのは斬新でヤクザ映画のイメージが変わる作品だと思う。反面、ひりつくような任侠映画が好きな人、最近だと白石監督の作品などが好きな人には物足りない映画だろう

最後に、主演の綾野剛は良かったし、舘ひろしも格好良かった。ダンディ過ぎて親分に見えないという声もあるが。個人的には半グレ木村翼役の磯村勇斗が印象に残った。普段観るような作品には出ていない印象で今後見かけるか分からないが注目していきたい

 

・プラットフォーム 2.5
穴を現代社会に擬えたのは悪くない。システム的には各自が自分のものだけを取れば下の階層に行き渡るのだが、上の階層にいるものががっつくので下の階層には何も届かないというのは正に現代社会そのもので、それを風刺しているのは余程感性が鈍くない限りは分かる筈

ただ、序盤こそシステムが徐々に明らかになって面白いのだが、中盤以降は殆どが穴の中の映像で単調すぎることもあってダレてしまう。終盤はこれまでの設定無視して最後は?。もう少しシナリオを練ってほしかった