2020年に映画館で視聴した映画短評(その6)

*今年観た映画なので、去年の作品も含みます。5点満点で最低点は0

 

・ザ・ハント 4.3

正直B級映画感は否めないが、目まぐるしい展開、迫力あるアクション、前半から後半への繋ぎも見事でおバカ映画としてだけでなく(完成度にやや難があるが)ストーリーも十分楽しめる

富裕層=思慮なしで衝動的は現実の世界そのもので庶民向け映画として上手く皮肉っていると思う。トランプがこの映画に激怒したとかいう話だが、トランプらしき人物なんて出てこないしねえ。もし自分のことを嘲笑する映画だと思うのなら、態度を改めたらいいと思うけど

序盤のスプラッターシーンは結構エグいのでホラーが苦手な人にはきつい映画かも

 

・彼女は夢で踊る 3.2
女性の裸をインターネットで簡単に見ることができる現代。昔ならストリップ=エロだっただろうが、今は違うだろう。2人の踊り子のシェイプされつつもアスリートのようにゴツくなく柔らかなラインを描く体はエロさとは無縁の神々しささえ感じる芸術作品のようだ

序盤のモノローグラッシュは大目に見るとしても、現代と過去を頻繁に行き来する構成はいただけない。それから、RadioheadのCreepも微妙。お洒落な洋楽は昭和のイメージという点で映画に合っていると思うが、この曲の強すぎるイメージは映画の世界観からはずれている気もする

昭和に浸りながら余韻を楽しむ映画なのでオンボロ(失礼)ミニシアターがしっくりくる。昔はシネコンなんてなかったし。この作品をミニシアターで観るとより味わい深く感じる

 

・メイキング・オブ・モータウン 3.4
最近、音楽系の伝記映画が多い中、創設者であるベリー・ゴーディの経営ビジョンに沿ったドキュメンタリー形式の本作はそれらとは一線を画す。経営ビジョンと言っても難しいものではなく、当たり前のことをきちんとするといった忘れがちなことを再認識させてくれる

ただ、○○の次は△△的に細かく別れた要素の全てにインタビューが入る上に、ロスに移転するまでの僅か数年間についての話なのでくどく感じる。ビジネス映画的には「大事なことなので〜」もありだろうけど、娯楽作品としてはイマイチ。5つのモットー的なものだったら両立できたと思うので残念だ

 

ばるぼら 2.0
笑ゥせぇるすまん谷崎潤一郎風味の映像美で見せようとして失敗した作品。原作に忠実でなければいけないとは思わないが、作品の尖った部分が無くなった感じで悪い意味で今風。ただ、今風の映画にするにしても洋介がバルボラに傾倒していく様子までカットする必要があるのか疑問

映像はとても美しいのでストーリーに目を瞑れるなら良い作品。二階堂ふみの裸は堪能できるので彼女のファンにもオススメ。しかし、彼女の知名度と人気なら別に脱がなくてもいいと思うけど、女優として肝が座っていると言うか覚悟を感じる。脱ぐのもこの作品が初めてではないし

 

・脳天パラダイス 1.5
このツイートからまさかこうなるとは…は今の時代ありがちで着想はいいと思うしそこそこ笑える映画だが、全体的には中途半端。訳が分からないのはそういう映画だとしても、狂乱と言うよりは各自好き勝手にやっているだけの纏まりのない映画になってしまった印象

小川未祐のダンスはキレがあったので、来客とこの家族の浅い関係を歌と踊り入りまくりで辿るインド映画風パロディの方がよっぽど良かった。最近のインド映画は(脈絡のない)歌と踊りは少なめだけど